仙丈ヶ岳・馬ノ背

せんじょうがたけ(3032m)・うまのせ(2736m)
平成25年8月13日~17日

朝の仙丈ヶ岳で景色を楽しんでから、今日は藪沢新道を下ります。
途中、馬ノ背に寄って遠くの山々や秋の空をゆったり眺めました。


2013.8.17
(土)
 仙丈小屋仙丈ヶ岳仙丈小屋馬ノ背
分岐
馬ノ背藪沢水場丸太橋大平山荘北沢峠
晴れ  05:50発06:15
07:00
07:15
07:30
07:5508:10
09:20
09:40
09:50
10:25
10:30
11:25
11:30
11:50着
13:10発



小屋から日の出は見れないので、5時からの朝食を頂いて出発。ザックは小屋の外に置いて、仙丈ヶ岳の山頂へ向かいました。


着いた山頂には、まだ誰もいません。雲海の向こうに中央アルプスや、遠く北アルプスが見えています。

仙丈ヶ岳 山頂
【仙丈ヶ岳 山頂】

そして北岳の横には富士山もうっすら見えていて、素晴らしい朝です。
今回歩いた小太郎山から北岳、間ノ岳。そして塩見岳に重なるように赤石岳も見えていました。

北岳~間ノ岳~仙塩尾根
【北岳~間ノ岳~仙塩尾根】

間ノ岳~仙塩尾根
【間ノ岳~仙塩尾根 (拡大)】

昨日の花畑まで下りてみました。昨日はガスっていた大仙丈ヶ岳も今日はすっきり。塩見岳から続く仙塩尾根も左右に振れながら見えて楽しい眺めです。

のんびり眺めて、仙丈小屋に戻って来ました。
こんな早い時間に下山なんて、ちょっともったいない気分だけれど、あの馬ノ背でゆっくりしましょう。

甲斐駒ヶ岳・八ヶ岳方面
【甲斐駒ヶ岳・八ヶ岳方面 (拡大)】
馬ノ背へ
【馬ノ背へ (拡大)】

ナナカマドの灌木帯から馬ノ背の砂礫地が幾つか見えていて、ギザギザの鋸岳など見つつ下って行きました。

ときどき振り返り見る仙丈ヶ岳。
たおやかな曲線を描くカールが南アルプスの女王と言われる所以でしょうか。

仙丈ヶ岳
【振り返り見る仙丈ヶ岳 (拡大)】

馬ノ背・藪沢の分岐に来ました。 左の道へ入ると間もなく防鹿柵が現れました。
今はウサギギク、ヨツバシオガマ、ハクサンフウロなどが少しずつ咲いています。
まだマルバダケブキの侵入が少しなので、この花たちがどんどん増えてくれるといいですね~


馬ノ背分岐
【馬ノ背 ⇔ 藪沢】

防鹿柵
【防鹿柵】

馬ノ背へ
【馬ノ背へ (拡大)】

馬ノ背は名前通りなだらかな広い尾根。
所々、ザレ石広場になっています。

今日の空は、素晴らしい秋色。
爽やかな雲を見上げながら、もう少し行ってみます。

樹林帯はダケカンバが多く、どれも見事にクネクネ。ここの主のようなダケカンバもいます。

ダケカンバ
【ダケカンバ】

次の砂礫地は左側が大きく崩壊していて、要注意。
ピンクのタカネビランジが咲いていて、嬉しくなりました。


タカネビランジ
【タカネビランジ】

ザレ崩壊地
【ザレ崩壊地】

目の前には中央アルプスが広がり、遠くの北アルプスも今日は槍・穂高がはっきり見えます。

中央アルプス
【中央アルプス              北アルプス】

北アルプス
【北アルプス  ズーム】

次の砂礫地のハイマツ帯上部が馬ノ背の最高点のようです。
鋸岳から甲斐駒ヶ岳が近く感じられ、奥の八ヶ岳もシルエットがきれいでした。

鋸岳~甲斐駒ヶ岳  奥に八ヶ岳
【鋸岳~甲斐駒ヶ岳  奥に八ヶ岳】


そして今日は見上げる空が素晴らしい! 秋のように澄んで爽やかな青空です。
寝ころんで空を眺めていると、うす絹のような雲が絶えず変化し、なんてきれいなんでしょう~

飛行機雲がぐんぐん伸び、少しずつ風に流され、ゆっくりほどけていくさまを、じーっと眺める。
山の上で無心になれる、こんな贅沢な時間を過ごせることに、ほんとうに感謝です。






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仙丈ヶ岳
【馬ノ背から見る仙丈ヶ岳 (拡大)】

馬ノ背から下る丹渓新道も歩いてみたいけど、戸台口経由はかなりの遠回りになるので引き返します。

誰も通らない静かな馬ノ背。
広くて、空が大きくて、とても気持ちのいい所でした。

分岐に戻り、藪沢へ。
ダケカンバの先に甲斐駒ヶ岳が見えています。

ダケカンバ
【ダケカンバ】

馬ノ背ヒュッテ手前の防鹿柵。この時期はマルバダケブキが群生していました。
これだけ増えてしまうと、元の多種多様な花畑に戻るのはかなり難しいでしょうね・・・
馬ノ背ヒュッテで7月とは別の色のバンダナを購入し、水場の水もペットボトルに入れました。


防鹿柵
【防鹿柵】

馬ノ背ヒュッテ
【馬ノ背ヒュッテ】

藪沢新道分岐の水場
【藪沢新道分岐の水場】

が、すぐ下の大滝ノ頭・藪沢新道の分岐は雪融けが進み、美味しい水場になっていました。ここで冷たい水をテルモスに入れて、お土産にします。

分岐から、今日は藪沢沿いの新道を下ります。途中までは常に甲斐駒ヶ岳を見ながらの下りでした。

ミヤマキンポウゲ、タカネグンナイフウロ、クガイソウなどが咲いています。

甲斐駒ヶ岳見つつ
【甲斐駒ヶ岳見つつ (拡大)】

今年は雪融けが遅かったので、下の方でもまだあちこちに雪渓が残っています。
7月下旬にはまだ架けられてなかったという丸太橋を渡って、対岸に移りました。


藪沢新道 雪渓
【雪渓のかけら】

藪沢新道 丸太橋
【藪沢新道 丸太橋】

鋸岳
【鋸岳】

沢から離れ、山腹道になりました。
向かいには、ギザギザ鋸岳と夏の雲。


木陰の山腹道は急下りから苔むす岩の緩やかな道になりました。
足元にはコイチヨウランがぽつぽつと咲いています。


藪沢新道
【藪沢新道】

コイチヨウラン
【コイチヨウラン】

やがて大平山荘に着きました。
戸台口方面へのバス停がありますが、北沢峠へは山荘の先から樹林帯の近道を登り返します。


大平山荘
【大平山荘】
北沢峠
【北沢峠】

そして着いた北沢峠の長衛荘。
当然ながら楽しみにしていた”よもぎもちパフェ”をまた頂いてバスを待ちました。

戸台口へのバス停はすぐ登山者が増えるので、次々臨時便が出て行きます。広河原行きも増えれば臨時が出るとのことでしたが、結局1時間以上待ち、広河原では定刻の甲府行きに乗換えました。



思い切って出かけ、ずっと気になっていた小太郎山や仙塩尾根を歩くことが出来てよかったです。お盆の時期でしたが北岳も仙丈ヶ岳もさほど混んでなくて、途中の尾根は静かな雰囲気。天気にも概ね恵まれ、ゆったりした時間を過ごせた夏の南アルプスでした。




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