小太郎山・北岳

こたろうやま(2725m)・きただけ(3192m)
平成25年8月13日~17日

時間切れで引き返した小太郎山、ガスで視界ゼロの間ノ岳、台風で断念した仙塩尾根のリベンジで歩いてきました。
小太郎尾根や仙塩尾根は静かで眺望も良く、北岳トラバースや仙丈ヶ岳手前カールは花いっぱいできれいでした。


2013.8.13-14
(火-水)
 広河原二俣
分岐
白根御池
小屋
小太郎山
分岐
小太郎山小太郎山
分岐
肩ノ小屋北岳トラバース
分岐
北岳
山荘
晴れのち曇り  11:00着
 11:30発
11:5513:55泊
05:50発
08:00
08:15
09:30
09:55
11:15
11:25
12:00
12:10
12:55
13:10
13:4014:40着





夏の北アルプスは予定より短くなってしまったので、なんとなく不完全燃焼。7月に「南アルプスを応援しよう」ということで仙丈ヶ岳へ行きましたが、南アルプスには他にも幾つか泊まってみたかった山小屋があるので、リベンジ山行を思いつきました。今週は天気も良さそうなので張り切って出発。


お盆平日はムーンライト信州の運行がないので、今回は朝発で、以前から泊まってみたかった白根御池小屋泊まりからスタートする事にしました。甲府駅9:00発のバスは2台で、終点・広河原(2000円)で下車。アルペンプラザでゆっくりとお昼を済ませ、登山届けを提出して出発です。


広河原の吊り橋
【吊り橋】

広河原の吊り橋では次々と下山者にすれ違います。向こうに見える北岳は既に雲の中ですが、明日は晴れ予報なので気分は上々。


二俣コース分岐から右へ進むと、すぐ先にレンゲショウマが咲いていました。
今シーズン初めての思いがけない可憐な姿に、すっかり嬉しくなりました。


二俣分岐
【二俣⇔白根御池 分岐】

レンゲショウマ
【レンゲショウマ】

第一ベンチ、第二ベンチで適当に休みながら、梯子なども多い急登続きの樹林帯を登って行きます。


ベンチ中間点
【ベンチ中間点】

急登が終わり、ここからは楽しい水平道。 苔むすシラビソ林はいい匂いです。
水場のある沢沿いの桟道にはシモツケソウ、ソバナ、トリカブトなどが沢山咲いていました。


水平道
【水平道】

沢沿いの花々
【桟道の花々】

白根御池小屋
【白根御池小屋】

間もなく小屋が見えて来ました。白根御池小屋は’99年の雪崩で倒壊し、しばらくプレハブ小屋でしたが、2006年に建て替えられた新しい山小屋です。

大きな小屋で、談話室・食堂・洗面所なども広く、乾燥室にも一時火が入って助かりました。

小屋の横は沢水も引かれているので水も豊富。すぐ隣の白根御池テント場も快適そうです。

白根御池テント場
【白根御池テント場】
防鹿柵
【調査用の防鹿柵】

夕食まで時間があるので、二俣まで散策。

センジュガンピやマルバダケブキも咲いていましたが、ハクサンフウロやタカネグンナイフウロなどもわずかに咲いていました。

途中に調査用の防鹿柵がありましたが、ここでは柵の外でもけっこう花が咲いていました。標高が高く奥まっている北岳周辺は、比較的鹿の被害が少ないのでしょうか。

二俣に着きました。3時半を過ぎた頃なので、登山者は少なく散策の人が数人。
周辺はクガイソウ、イブキトラノオ、ミソガワソウなど多くの花が咲いていました。

誰もいなくなったので、私も小屋へ戻ります。今夜は宿泊客40人くらいでしょうか、6畳に5人でゆったり。寝具も新しいので快適な山小屋でした。


二俣
【二俣周辺は花多い】


センジュガンピ

タカネグンナイフウロ

クガイソウ

タカネナデシコ



・・・・・・・・・ 14日 ・・・・・・・・・


白根御池
【白根御池 出発】

快晴の朝を迎えました。
今回は草すべりルートを登ることにします。

10数年前は夜行だったので、ここは時間的に太陽ギラギラでしたが、今回は早朝なので焼かれるほどの日差しではなく助かります。

草すべりの花畑の様子が心配でしたが、以前ほど多くはないものの、ヤナギランも咲いていたのでほっとしました。

草すべりの花畑
【草すべりの花畑 (拡大)】


ミヤマハナシノブ

ヤナギラン

オヤマリンドウ

ウサギギク

北岳見つつ
【北岳見つつ】

草すべりのザラザラ・ジグザグ急登が終わると、少し歩きやすくなります。

マルバダケブキが咲くダケカンバ帯から、北岳見つつ登って行きました。


二俣コース分岐に着きました。昨年7月にはシナノキンバイが一面に咲いて見事でしたが、
今はバイケイソウなどちょっと地味な花がいっぱい。防鹿柵の中も同じような花です。


二俣コース分岐
【二俣コース分岐】

防鹿柵
【防鹿柵】


今回の第一リベンジ、小太郎山分岐に到着。
小太郎尾根の先に、甲斐駒ヶ岳や早川尾根がきれいに見えていて、良かった~

2006年10月は、古い地図のコースタイム往復2時間を信じて時間切れになりましたが、最近の地図は往復2:50になっています。

今回もまた素晴らしい青空で感謝。ザックはデポしてナップザックでスタート。


小太郎山 分岐
【小太郎山 分岐 (拡大)】

地図では緩やかな下りと、わずかな登りのようですが、どうしてどうして。
けっこうな岩尾根で、ガラガラ岩ピークを巻いたりして進みます。
でも眺めは最高。正面の仙丈ヶ岳と甲斐駒ヶ岳を眺めながら進んで行きました。

小太郎山へ
【仙丈ヶ岳  甲斐駒ヶ岳見つつ】

小太郎尾根
【小太郎尾根 (拡大)】

岩っぽい稜線を大分下って来ました。
見えているのはニセピークで、更に下の樹林帯まで下らなくてはいけません。

前回はこの辺まで来てバスの時間を考え、さんざん悩んで断念しましたが、今日は快調。


やがて左に仙塩尾根(仙丈ヶ岳~塩見岳)の仙丈ヶ岳側の尾根全体が見えてきました。
明後日はあの尾根を歩く予定です。お天気が、どうかこのままでいてくれますように・・・

仙塩尾根
【仙塩尾根     仙丈ヶ岳   小太郎山手前のニセピーク】

下りた鞍部はダケカンバやシラビソなどの樹林帯で、ここから登り返しです。
この先はハイマツ帯になり、上には山頂をピストンして来たらしい人が見えていました。


樹林帯の鞍部
【樹林帯の鞍部】

ニセピークへ
【ニセピークへ】

登り返し、ニセピークから振り返り見る北岳。
反対側に、大きなバットレスがあるようには見えない姿の北岳です。


北岳
【ニセピークから望む北岳】
小太郎山へ
【次の小ピークを越えれば、小太郎山!】

そして小太郎山の山頂は・・・もう少し先。

下って上がって、ようやく小太郎山に到着。
あれから7年も経ったんですね・・・

誰もいない山頂で、端正な姿の北岳と
静かな小太郎山にオールフリーでかんぱ~い!
何はともあれ、お天気が良くて、嬉しい~!
感謝です。

小太郎山 山頂
【小太郎山 山頂 (拡大)】

小太郎山の北側には、仙丈ヶ岳と北沢峠と南アルプス林道。そして、甲斐駒ケ岳は・・・?
もう、雲に隠れてしまったみたい。 でもアサヨ峰と早川尾根も、すっきりきれいですね~

仙丈ヶ岳~アサヨ峰
【仙丈ヶ岳~アサヨ峰】

分岐へ
【分岐へ引き返す】

静かな小太郎山の山頂でゆっくり眺望を楽しんだので、そろそろ戻ることにします。

ほとんどは稜線上がルートですが、ゴツゴツ岩の巻き道もあります。


左手には鳳凰三山がよく見えて、オベリスクのある地蔵岳と観音岳がよく分かります。
早川尾根の高嶺って、こうしてみると本当に”高嶺”   急登ですね~・・・

鳳凰三山
【鳳凰三山】

小太郎分岐に戻って来ました。次は北岳へ向かいますが、なにやら雲が・・・


北岳へ
【分岐から】

肩ノ小屋
【肩ノ小屋の前を通って、北岳へ】

着いた北岳山頂は既にガスに包まれています。
展望はないけれど登頂4度目。以前に素晴らしい眺望を楽しんでいるので今日は簡単お昼だけ。


タカネビランジ
【北岳 山頂】
北岳 山頂
【タカネビランジ】

が、ふと見ると、足元の岩陰に
なんと! タカネビランジが咲いています!
びっくりやら、うれしいやらで、感激でした。

今夜宿泊の北岳山荘へは直進ですが、北岳のトラバースルートが好きなので、次の八本歯ノコル分岐から左へ進むと、周辺は花が多くなりました。

タカネナデシコ、キタダケトリカブト、キンロバイなど多く、咲き終わりのタカネマンテマも見つけて、嬉しくなりました。縞々のユニークな花で、一度見てみたいと思っていた花です。

花畑
【花畑 (拡大)】

次の分岐で、右のトラバースルートへ進みます。
急峻な岩壁には桟道が設置され、両側は花いっぱいで安心しました。
ここの花畑が芽吹く頃、麓はもう新緑なので鹿も来ないのかも知れませんね。
でも花の種類は、10数年前のお盆に来たときより少なくなったような気がします。


北岳トラバース
【北岳トラバースルート】

花畑
【花畑 (拡大)】


キタダケトリカブト

タカネマンテマ・終

ミヤマクワガタ

テガタチドリ

北岳山荘
【北岳山荘】

山頂からの稜線と平行して下って行くと、今夜の宿、北岳山荘です。この後、テントも増えて賑やかになりました。

北岳山荘も今日は比較的空いていて、2階の10畳に7人でした。
明日の間ノ岳、どうか晴れてくれますように!

 北岳の花々




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