北岳

きただけ(3192m)
2006年10月8日(日)〜9日(祝)


2006.10.9(祝) 北岳山荘北岳肩ノ小屋小太郎
分岐
2646地点
手前ピーク
小太郎
分岐
白根御池ベンチ
休憩
広河原
快晴 06:55発08:15
08:50
09:20
09:30
09:50
09:55
10:30
10:40
11:20
12:00
13:00
13:30
14:25
14:35
15:20着
16:00発



窓の外、遠くの地平線が深いワインレッドに輝きだしました。しばらく待って、そろそろ日の出という頃、恐る恐る外に出てみると、意外に暖かい。強風は収まり、今日は打って変わって穏やかな朝を迎えました。


日の出
【日の出】

雲ひとつない空に富士山のシルエット。地平線をオレンジ色に染めながら朝日が昇ってきます。

地上のスモッグがすっかり吹き払われた快晴。心が透き通るような素晴らしい朝です。


第二陣の朝食は6:15から。富士山の見える食堂で美味しく頂き、出発準備。北岳山荘のすぐ前の稜線に上がると目の前には仙丈ヶ岳が朝日を受けすっきり。その後ろに見える北アルプスは、真っ白に輝いています。朝の爽やかな空気をいっぱい吸って、いざ出発。

岩ゴツゴツの稜線を登り途中で振り返ると、間ノ岳から農鳥岳の稜線がすっきり。北岳山荘も、もうずいぶん小さくなっていました。


北岳山荘と間ノ岳
【振り返り見る北岳山荘と間ノ岳】
霧氷
【八本歯ノコル分岐の標柱に霧氷】

八本歯ノコルへ道が分かれる分岐には、標柱にびっしりと霧氷がついたままでした。この先の岩にも所々霧氷で白くなっている所がありました。やはり昨日、一昨日は相当気温が低かったようです。


出発した時間がやや遅かったので、遥か前方に人がたくさん見えますが、私の周りはポツポツ状態。思いのほか静かな朝の登りです。時々呼吸を整えながら、ひたすら岩を登って行きます。

北岳山頂に着きました。
360度、素晴らしい展望です。雲ひとつない快晴の空の下、青い山並みの向こうに富士山が広い裾野を広げています。


北岳
【北岳 山頂】

目の前には、南アルプスの女王と呼ばれる仙丈ヶ岳が
朝日を受けながら、たおやかな姿で横たわっています。
その隣には白い花崗岩の甲斐駒ヶ岳の凛々しい姿。
うしろの八ヶ岳も今日は雲なく、すっきりきれい。

仙丈ヶ岳〜甲斐駒ヶ岳
【仙丈ヶ岳〜甲斐駒ヶ岳  右に八ヶ岳】

北アルプスでは、昨日一昨日の雨は雪だったようで、乗鞍岳も焼岳も白く笠ヶ岳も全身真っ白。
遠く白馬岳まで、ずーっと白い峰々がくっきりきれいに並んで、なんて素晴らしいんでしょう!

北アルプス
【笠ヶ岳から白馬まで北アルプスもくっきり】

そして東には昨日歩いたボ−コン沢ノ頭への緩やかな稜線と鳳凰三山。
強風のため、あの広い山頂でのんびり展望を楽しめなかったのがちょっと心残り。

鳳凰三山とボーコン沢ノ頭
【鳳凰三山とボーコン沢ノ頭】

肩ノ小屋
【肩ノ小屋と小太郎尾根】

朝日の中ゆっくり景色を楽しんでから山頂を出発しました。下って行くと肩ノ小屋が見えてきて、その向こうに今日の第2目的の小太郎尾根が伸びています。

小太郎山は北岳から甲斐駒ヶ岳へ向けて派生する尾根の末端ピークで、あの山頂から見る北岳はまたちょっと違った姿だと思い、楽しみにしていました。


肩ノ小屋に到着。この時間はもう小屋の前も静かです。ここからは歩き易くなった尾根道を下り、小太郎山分岐に出ました。ハイマツの陰にザックを置き、ナップザックに小物だけ入れて、さて出発。

小太郎尾根を下り始めて、改めて見ると何やらギザギザ。ハイマツの中の単調な下りかと思っていたけど、目の前に伸びる尾根は予想していた道とはちょっと違いけっこう下る。

下りきった先は樹林帯で、登り返す先は偽ピーク。その奥に見えるのが小太郎山? けっこうあるなー
エアリア地図では片道1時間と記されているけど、ほんとかな〜
ともかく行ってみよう。


小太郎尾根
【小太郎尾根】

一つ目の急下りの所まで来ると下から5、6人のグループが登って来ました。やはり小太郎山をピストンして来たそうで、「どのくらい、かかりましたか?」と聞けば「片道1時間半、往復3時間かかります。」とのこと。「えーっ!1時間半!」 参ったなー  お礼を言って別れたものの、急に気力半減。帰りのバスに間に合うだろうか・・・


岩ギザギザ
【小太郎尾根は岩ギザギザ】

ギザギザ岩は途中で下にトラバース。この下りがザレ石で急。けっこう歩きにくい道です。甲斐駒ヶ岳がだんだん見えなくなるのが淋しい。


2646地点手前あたりまで下って来ました。でもまだ少し下らないといけないし、その先は樹林帯、偽ピーク、その先の小太郎山はここからは見えない。
と、その時、私の中でささやく声が・・・

「まだ、けっこうあるねー」 「んー」
「あと30分はかかりそう」 「んー」
「やっぱり1時間じゃ無理かも」 「んー」
「着いてもすぐ引き返さないと」 「んー」
「遅くなるとバス座れないかも」「えっ!それは困る」
「また今度、肩ノ小屋に泊る時、ゆっくり来れば?」
「そうだ、そうだ、それがいい」と、ここでストップ。
周り の景色を眺めて引き返すことにしました。

2646地点手前
【あれは偽ピーク・・・・・・】

北岳方面
【北岳を見ながら登り返す】

が、戻り始めて10分くらい経った頃、
また別の私が・・・

「せっかくの快晴なのに、勿体な〜い」と未練がましくイヤらしい。 更に「最終バス、5時がある」

「んー、でも明日は会社がある!」
今更せわしないのはいやなので、無視!
あとで思えば、これは天の声だったかも。

この道は横にずっと仙丈ヶ岳が見えています。
左が大仙丈沢カール、右が小仙丈沢カール。

仙丈ヶ岳
【仙丈ヶ岳】

小太郎山分岐に戻って昼食。青い空の下、ジタバタせずにここでゆっくり展望を楽しむ事にしました。
小太郎山と甲斐駒ヶ岳の間にアサヨ峰が見え、右へ早川尾根から鳳凰三山への稜線が続いています。

早川尾根〜鳳凰三山
【甲斐駒ヶ岳とアサヨ峰〜早川尾根〜鳳凰三山】

さて下山。右のダケカンバ林をジグザグに下って行くと、間もなく右俣コースとの分岐に出るので左の草すべり方面へ。この時間はもう下る人も少なく静かで、寄り道している間に皆さん下ってしまったようです。


ダケカンバ
【ダケカンバの下り】

所々ナナカマドも点在するダケカンバの中を下って行きます。

やがて草すべりの上部に出ました。ここからは急下り。正面は高嶺や観音岳、下には白根御池が見えて眺めはいいけど、ともかく急斜面。小さなジグザグを繰り返しながら下って行きます。

初めて夏にここを登った時は、様々な種類の花が雑草のように入り乱れて咲いていました。背中から照りつける太陽に死にそうでしたが、花に慰められてフラフラと何とか登った記憶があります。

草すべり
【草すべり 下に白根御池】
白根御池小屋
【今年6月オープンの白根御池小屋】

下りはやっぱり早く、白根御池には1時間で着いてしまったので時間調整。池の周りの紅葉や景色を眺めながら、ゆっくりコーヒータイムにしました。

白根御池小屋は1991年に改築されたものの、雪崩で崩壊。しばらくプレハブ小屋でしたが、今年6月に再度新築され、とても立派な山荘が出来ていました。

ここからは平坦な樹林帯。コメツガなどの針葉樹の山腹を進み、苔むす小沢を渡って更にまっすぐ進んで行きます。

以前、夏に来たとき、苔むす山肌から清水が流れ、すっごく美味しかったので今回も楽しみに探しながら歩いたけれど見つかりませんでした。

南アルプスの天然水は、本当に冷たくて甘くて美味しいです。

シラビソ樹林
【シラビソ樹林帯】
梯子
【梯子もある急下り】

20分程すると山腹道は終わり。ここからは急降下の道が始まり、所々梯子のかかる道をひたすら下って行きます。

中間あたりにベンチがあるので、しばし休憩。

更に下って行くと、昨日歩いた大樺沢の道との合流地点。あとは広河原のバス停までわずかです。

大樺沢と白根御池の分岐
【大樺沢と御池の分岐を振り返る】

バス停は行列でしたが、甲府駅行きは全員座れるように配車されていました。バスの車掌さん(女性)の話では、昼の便は大変な混雑で、12:00のバスは9台、13:25のバスは11台だったそうです。(座席数25くらいの小型バス) ちなみに16:00のバスは5台。広河原は北沢峠から村営バスで下りてくる人も多く、芦安駐車場へ行く人も多い。誰かが、たくさんのバスをどう手配するのかと聞いたら、平日の通勤通学バスを掻き集めるとのこと。紅葉の連休は、バス会社も気合いが入っています。



今回の北岳で、人がいっぱいと思ったのは8日の大樺沢だけで、あとは時間がズレていたせいか連休のわりに静かに感じました。一昨年の夏の連休で、既に立っている人もいる満員のバスに、夜叉神峠から乗って甲府駅まで立ち通しだった事があるので心配でした。座れる事が分かっていたらせっかくの快晴、やっぱり小太郎山へ行けばよかったかなと後悔。でも、またいつか行く事にします。青空と紅葉と思いがけない霧氷を見る事が出来たので、充分楽しい秋の山旅でした。



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