赤岳・横岳・硫黄岳

あかだけ(2899m)・よこだけ(2829m)・いおうだけ(2760m)


連休は天気が安定せず、あれこれ迷ってアクセスの楽な八ヶ岳へ行きました。
概ね曇りでしたが、朝だけは南アルプスや北アルプスも見えてホッとしました。


2013.7.15-16
(祝・火)
 美濃戸口美濃戸
山荘
行者
小屋
地蔵ノ頭赤岳
天望荘
赤岳赤岳
天望荘
横岳硫黄岳赤岳
鉱泉
沢遊び美濃戸口
曇り
翌朝、青空
 10:10着
 10:10発
11:00
11:10
13:25
13:40
14:45
14:50
14:55泊
04:50発
05:20
05:35
05:55
06:45
08:10
08:30
09:30
10:00
11:05
11:30
12:45
13:10
14:25着
14:45発



イブキジャコウソウ?
【イブキジャコウソウ?】

茅野駅9:35発の美濃戸行きに乗車。連休最終日なので登山者は数名だけ。終点で降り、林道を行くと薄紫の小花が数ヶ所で群生しています。

花はイブキジャコウソウに似ていますが、丈が10cm以上あります。後日調べたらタチジャコウソウという花もあるようですが、小花がブーケのようで素敵な花でした。

薄日の当たる林道には、アブでしょうか大きな羽虫が多いので、耳たぶや首筋に今日もタイガーバームを塗りました。近づいてもすぐ離れて行くように感じるし、スースー涼しく感じます。が、いずれにせよ鬱陶しい存在ですね。

美濃戸山荘に着き、しばし休憩。ここから先にアブはいませんでした。

美濃戸山荘
【美濃戸山荘】

今回も南沢へ進みましたが、今日はイマイチ調子が出ない。途中から急登になり、『南沢に、こんな急登、あったっけ?道が変わったの?』と思いましたが、変わった訳ではないようでした。相変わらず、いい加減な記憶です。途中の沢沿いで、しばし休憩。苔むすシラビソ林が、『これぞ八ヶ岳』といった雰囲気です。


南沢 急登
【南沢 急登】

シラビソ林
【シラビソ林】

行者小屋
【行者小屋】

シロバナヘビイチゴの白い小花があちこちで群生し、眺めながら進めば行者小屋に到着。ガスに隠れそうな赤岳見つつ、お昼にしました。

今回は、まだ歩いたことのない地蔵尾根を登ります。行者小屋の裏手の分岐から登ると、曲がりくねったダケカンバ。何やら芸術的で器用な形になっていて、生き物のようでした。

ダケカンバ
【曲がりくねった幹】

キバナノコマノツメや咲き残りのイワカガミなど見ながら登って行くと、やがて岩場の急登。
梯子やクサリで整備されて、振り返れば漂う雲に行者小屋と赤岳鉱泉が見え隠れしていました。


地蔵尾根
【地蔵尾根 鎖場】

行者小屋  赤岳鉱泉
【行者小屋  赤岳鉱泉】

稜線のお地蔵様は知っていましたが、途中にも祀られていました。手を合わせ、無事な通過に感謝。


地蔵尾根のお地蔵様
【地蔵尾根のお地蔵様】
地蔵の頭
【地蔵の頭】

地蔵の頭に着き、稜線に出ました。横岳も赤岳もガスの中ですが、雨にならずによかった。

地蔵の頭からは狭い岩稜。
右側がきっぱりと切れ落ちているので注意しながら通りました。

翌日の縦走時はこの左側(東側)の少し下の安全な道を歩いたようですが、この時はその道に気付きませんでした。

赤岳天望荘へ
【赤岳はガスの中】

今夜の宿は赤岳天望荘。小屋下は花畑になっていましたが、ウルップソウはほぼ終わり。食堂の窓の下の斜面にはコマクサが遠くまで群生していましたが、窓からはよく見えずに残念でした。


赤岳天望荘
【赤岳天望荘】

ウルップソウ
【小屋前の花畑】

寂しい花畑
【ちょっと寂しい花畑】


宿泊手続きをして一休み後、夕食まで時間があるので周辺を散策。県界尾根トラバース道にはコマクサが僅かに咲いていました。

赤岳への稜線では、花畑からかなり離れてロープが張られてしまい、花が見えにくくなっていました。2006年7月の時と全く同じ日程ですが、花畑はちょっと寂しい色彩。天望荘の話しでは今年は花が早かったそうで、梅雨明けも早かったですものね。

そして『ツクモグサが穂になってる~!』
と思った花。でもよく見れば葉が違います。

チョウノスケソウの葉に似ているけれど、周辺の終わったばかりのチョウノスケソウの枯れ花とは違っています。これは何でしょう・・・?

葉はチョウノスケソウ?
【葉はチョウノスケソウ・・・?】


シロバナヘビイチゴ

コマクサ

タカネツメクサ

ヤツガタケキスミレ

赤岳天望荘は朝夕食ともバイキング。山小屋なので品数は限られていますが、コーヒー・お茶も自由なので嬉しいでした。連休二日は食事も6回でかなり混雑したようですが、最終日の今日は20数名でゆったり寛げました。出勤日が減って、静かな小屋利用が出来るのは嬉しいです。



・・・・・・・・・  16日  ・・・・・・・・・

朝になりました。が、やはりガスです。
展望は期待できそうもありませんが、ちょっとだけ期待して、朝食前に赤岳へ向かいました。

着いた山頂はまだガスの中。時々薄れるのでしばらく待ちましたが、やはり無理そう。


赤岳 山頂
【赤岳 山頂】
地蔵ノ頭
【地蔵ノ頭】

小屋に戻り、朝食を頂いてから出発。
地蔵の頭に着く頃にはガスはすっかり流れ、青空が広がっていました。

雲海の上には富士山もうっすら見えています。


奥の院まで横岳の岩稜帯で、二十三夜峰・日ノ岳・鉾岳などハシゴやクサリ場が続きます。
岩陰にはミヤマシオガマ、ミヤマオダマキ、イワオウギなど咲き、チシマギキョウはまだ蕾。


二十三夜峰
【二十三夜峰】

鎖場
【鎖場】

振り返る赤岳~阿弥陀岳が素晴らしく、甲斐駒も見えて来て何度も振り返ってしまいます。


赤岳~阿弥陀岳
【赤岳~阿弥陀岳 (拡大)】
富士山と赤岳
【富士山と赤岳 (拡大)】

雲海の先にうっすら浮かんでいた富士山も、シルエットがはっきりしてきました。

更に左には、トンガリのある金峰山など奥秩父方面の山々が雲海に浮かんでいます。


そして雲は多いものの遠望は利いて、北アルプスも稜線がきれいに見えていました。
まだ残雪も多そうで、素晴らしい峰々。  向こうへ飛んで行きたい気分です。

北アルプス方面
【北アルプス方面】

岩稜帯には所々小さな花畑もあり、ミヤマシオガマのピンク、オヤマノエンドウの紫、チョウノスケソウの白など小花が散らばっていますが、全体的にやはり少なめな印象でした。


花畑
【花畑】


ミヤマシオガマ

イワオウギ

イブキジャコウソウ

ミヤマオダマキ


海ノ口方面への杣添尾根が分岐する三叉峰のルートは山頂のすぐ下を巻くようについています。
山頂へ上がるとトンガリケルンがあり富士山・ケルン・赤岳の鋭峰が並んで面白い眺めでした。


三叉峰
【三叉峰で見る三峰 (拡大)】

杣添尾根分岐
【杣添尾根分岐】

横岳 山頂
【横岳 山頂】

10分ほどで横岳です。
モクモクの雲海と、爽やかな高い雲。
気持ち良さそうに眺める人。


横岳の山頂から振り返れば、遠くに富士山。そして目の前の赤岳が一段と鋭い姿。
双児峰のような権現岳とギボシの奥には北岳・甲斐駒・仙丈が並んで、素晴らしい眺めです。

赤岳~阿弥陀岳
【横岳から眺める赤岳~阿弥陀岳】

そして、向こうに見える硫黄岳の山頂広場。
今まであの山頂から横岳~赤岳~阿弥陀岳を見たことがないので、このままの天気が続くことを願うばかりです。

それでも今の展望に感謝し、オールフリーを飲みながらゆっくり360度の眺望を楽しみました。


硫黄岳方面
【硫黄岳方面】
台座の頭への鎖場
【台座の頭への鎖場】

次の台座の頭へ向かう途中は、左側に注意。
短いトラバース鎖場を過ぎれば、横岳の危険地帯は終わりです。


台座の頭からザレザレ下りの両側はコマクサの群生地。ネット等でしっかり保護されています。
どの株も花は見頃ですが、蕾も多いのでまだまだ楽しめそう。紅白のコマクサもいました。


台座の頭からの下り
【台座の頭からの下り】

コマクサ群生地
【コマクサ群生地】


チシマギキョウ

ハクサンイチゲ

オヤマノエンドウ

コマクサ

硫黄岳山荘まで緩やかに下ったあとは、登り返しですが、何やらガスが・・・

硫黄岳へ
【硫黄岳へ】
硫黄岳
【硫黄岳】

そして着いた硫黄岳の山頂。
今回もまた、ガスに包まれてしまいました。
時々薄れるので期待してしまい、30分も待ちましたが、やはり無理そう。

同じような天気の日に来るので、仕方ないですね。 またいつか来れば、いずれ見れることでしょう。


赤岩の頭まで下りれば、あとは樹林帯を下るだけ。  赤岳鉱泉で昼食。
帰路は北沢ルートですが、こちらは広葉樹も多いので花もいろいろ咲いていました。


赤岳鉱泉
【赤岳鉱泉】

北沢
【北沢】


バイケイソウ

タカネグンナイフウロ

テガタチドリ

キバナノヤマオダマキ

堰堤を過ぎ、林道に出るとまたアブの襲来で、少し進むと左手の川原に人がいます。

『あそこで休んで、アブ、来ないの?』と思い、行ってみれば意外にアブが少ない。アブは乾燥した場所がお好みのようです。

そして、気持ち良さそうな沢の流れ。
時間もたっぷりあるので裸足になり水の中へ。けっこう冷たいので出たり入ったり。木陰でフルーツタイムにしたりの楽しいひと時でした。

川遊び
【沢遊び】


美濃戸口に近づくと薄日も差してきて、暑い。ソフトクリームを買ってバスを待ちました。天気と地図とアクセス調べと、行き先にさんざん迷って疲れ果て、ともかく出かけた今回の八ヶ岳でしたが、やはり山はいいなあと思いました。下界は青空でしたが意外と爽やか。降りた八王子駅も涼やかで、先週の猛暑がウソのようでした。

 赤岳・横岳・硫黄岳の花々




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