赤岳・横岳・硫黄岳

あかだけ(2899m)・よこだけ(2829m)・いおうだけ(2760m)
2006年7月15日(土)~16日(日)


7月、梅雨空の八ヶ岳は高山植物が咲き競い、一番華やかな季節だそうです。
山渓週報の「まさにお花畑状態」の言葉に誘われ、空模様を気にしつつも行って来ました。


2006.7.15(土) 美濃戸口_やまのこ村_南沢
休憩
_行者小屋_阿弥陀岳
分岐(稜線)
_赤岳_地蔵仏_横岳_硫黄岳
山荘
うす晴れ
のちガス
 05:20着
 05:40発
06:40
06:50
08:05
08:15
09:20
09:30
10:50
10:55
11:35
12:20
13:0014:35
14:55
15:25着



八ヶ岳行きの夜行バスがあるという情報をゴン太さんの山とバスで得て、早速申し込みました。毎日アルペン号は、毎日新聞社22:30発→新宿安田生命ビル23:00発の予定でしたが、渋滞で新宿には20分ほど遅れて来ました。中型バスなのでトランクルームが小さく、新宿から乗り込んだ10名のうちザックを預けられたのは2,3名だけでした。私のザックは小さいので、足元に置いてもさほど狭さは感じませんでしたが、大きいザックの人はちょっと大変だったかも知れません。

途中、芦安と観音平で何人か降り、5:20美濃戸口に到着。ここで降りたのは20人もいないくらいだったと思います。八ヶ岳山荘のベンチで温かいミルクティーをゆっくり飲んでから出発。すぐ先で左の林道へ入り、カラマツ林を進みます。この時間はまだ通る車も少なく静かな林道です。


所々にシモツケやヤマオダマキを見ながら行くと、遠くに萩の花のようなピンクの点々。今どきオカシイと思いながら近づくと、なんとシモツケでした。

シモツケは草花かと思っていましたが、後で調べたら「低木で主幹はなく、高さも1mくらいなので草に間違われやすい。」と記されていました。この木を見れば、なるほど納得です。


シモツケ
【低木 シモツケ】
やまのこ村
【美濃戸  やまのこ村】

シラカバやアカマツ混じりの林道を進んで美濃戸に到着、やまのこ村が見えて来ました。

この頃はまだ薄日も差して青空も見え、気分はルンルン。向こうに見えるのは阿弥陀岳でしょうか。白樺の下のベンチで、改めて朝食。


この少し先に赤岳山荘と美濃戸山荘があり、北沢、南沢の分岐になります。北沢の道は更に1時間くらい林道歩きがあったと思いますが、今日行く南沢の道はすぐに登山道になり、シダや苔むす樹林で雰囲気のいい道のようです。

すぐ横の沢は、さらさらと水音も心地よく、小鳥もよく鳴いています。

朝の清々しさを満喫しながら、一歩一歩。
ひんやり、しっとり、いい気持ち。

南沢
【南沢】
南沢
【南沢】

やがて沢から離れ、樹林帯の登りになりました。途中の涸れ沢で一時休憩。


更にシラビソやシラカバ林を行くと、白い小花を下げたかわいいオサバグサやゴゼンタチバナなどを見かけるようになりました。何度か沢を渡り、白河原と呼ばれる広い涸沢に出ると前方が開けてきました。稜線にはガスがかかっていますが、所々途切れ、ギザギザの横岳が見え隠れしています。

やがて行者小屋に到着。上はもうすっかり隠れてしまいました。ガッカリ・・・

でも今回の目的は花なので、せめて雨だけは降らないで欲しいと祈りつつ、小屋前のベンチで休憩。

行者小屋
【行者小屋のベンチから】

行者小屋から道標に従い右の道へ入り、キバナノコマノツメやコイワカガミなど見ながら進んで行きます。すぐに中岳道の分岐で、右に見送るとまもなく鉄製網目の階段が始まりました。これが長い・・・


急な階段
【急な階段が続く】

今までずっと緩やかだったけど、ここに来て一気に高度を稼ぐようになりました。時々立ち止まり、振り返ると行者小屋がだんだん小さくなっていくのが見えて嬉しい。

足元にはハクサンイチゲやミヤマシオガマ、ミヤマダイコンソウなどが目立って来ました。コケモモなどの小さな花も多く、写真を撮りつつ、一歩一歩。
それでも・・・階段は・・・しんどい・・・

ようやく稜線に上がりました。この周辺にもハクサンシャクナゲやコイワカガミ、チョウノスケソウなど咲いていて、ほっと一息。

この先のキレット分岐を過ぎると、急登が始まりますが、階段よりはマシ。赤岳直下の鎖場や急な岩場をよじ登り・・・

赤岳直下
【キレット分岐  赤岳直下の岩場】
赤岳
【赤岳】

ようやく赤岳 山頂に到着しました。
今日は天気がイマイチなので、連休のわりにそれほど人は多くないようです。

雲に覆われ展望はありませんが麓は明るく西側の行者小屋、赤岳鉱泉や東側の清里高原や県界尾根、真教寺尾根などはすっきり見渡せます。
岩に腰掛け、昼食タイム。

午後になるとすっかりガスっぽくなってしまいました。赤岳からの急斜面を下りると、西側にはきれいなお花畑。道が付いていますが、ロープで中に入れないのが残念。

八ヶ岳の花畑
【ロープの奥の花畑】
八ヶ岳の花畑
【花畑】

でも足元にも花は広がっています。

特にオヤマノエンドウは宝石のような深い紫色を湛えていて、素晴らしくきれい。

赤岳天望荘を過ぎると、鞍部にはお地蔵様。
雲の下から覗く東側の景色は明るく、右手遠くの大菩薩や奥秩父方面は、なにやらすっきり晴れている様子。ひょっとして、雲は八ヶ岳の上だけ?

でも、まあ、花はきれいなのでともかく感謝、これからの無事も願って手を合わせお参り。

お地蔵さま
【お地蔵さま】
ヤツガタケキスミレ
【ヤツガタケキスミレの群生】

すぐ西側に黄色の点々が広がってきました。
キバナノコマノツメかと思っていましたが、帰って調べたら八ヶ岳固有種のヤツガタケキスミレという花でした。よく似ています。

二十三夜峰への登りから岩場になりますが、鎖やハシゴなどよく整備されているので、三点支持を守れば特に危険な所はありません。

日ノ岳のスラブ岩を過ぎて振り返ると、赤岳の上半分は雲に隠れていました。

赤岳
【赤岳】
ウルップソウ
【ウルップソウ】

この先も花が多く、岩陰にミヤマオダマキやイワオウギ、そして西の斜面にウルップソウが見えてきました。

今回の目的のひとつが、初めて見るウルップソウだったので感激。時期的にはちょっと遅いようで、殆どの花は下部が咲き終わり上部に移っていましたが、まだきれいな花もあちこちに咲いていました。

ロープの向こうは青、白、ピンク、黄色と色とりどり。展望はないけれど、このきれいな花畑を見ることが出来たので十分満足、感謝です。

ウルップソウの花畑
【ウルップソウの花畑】


ヤツガタケキスミレ

ミヤマシオガマ

チョウノスケソウ

オヤマノエンドウ


横岳真
【横岳】

杣添尾根の分岐を過ぎるとまもなく横岳です。
ツクモグサの咲く頃は、団体さんも来てかなり人気の横岳のようですが、今日は閑散。

しばらくして4,5人が到着、少しだけ賑やかになりました。あとは硫黄岳山荘までなので、ゆっくりコーヒータイム。

カニの横ばいと言われる短い鎖場の先で、西側から東側へ移れば横岳の岩場は終了。

西側から東側へ
【西側から東側へ最後の鎖場】
コマクサ群生
【コマクサ群生】

あとは台座ノ頭からコマクサの斜面の横を下るだけです。

この頃になって、どこからかゴロゴロと鳴り出しました。まだ遠くですが、霧雨も降って来たので、そろそろピッチを上げないと・・・

コマクサは下に行くほど見頃になり、きれいな花が多くなってきました。

コマクサ
【コマクサ】
硫黄岳山荘
【硫黄岳山荘】

下りきった所で、すっかりガスに包まれた硫黄岳山荘に到着。
この後、1時間くらいすると本格的に降り出し、夜中は暴風雨状態。でもこの小屋は東側の窪みに建ち、強風は屋根の上を吹き抜けるようで外の音のわりに建物は静かでした。


小屋は見た目より中が広く、どの部屋もストーブが焚かれていました。定員は250名だそうですが今日の宿泊者は6,70人くらいでしょうか、天気がよくないので連休のわりに少なく布団も余裕でした。トイレ部分の建物は比較的新しく、なんとウォシュレット付きの水洗トイレです。山小屋でそこまでのサービスを皆が望むだろうかと、快適ながらもちょっと複雑。

この雨風、明日も続くのかなあ・・・



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