奥丸山・槍ヶ岳

おくまるやま(2439m)・やりがたけ(3180m)
平成24年10月7日~10日

槍ヶ岳千丈乗越から派生する尾根途上にある奥丸山は以前から気になっていた山で、展望や紅葉が素晴らしいそうです。
そして、いつかいつかと思っていた大キレット。今年は紅葉の当たり年らしいので涸沢の紅葉も期待して出かけることにしました。


2012.10.7-8
(日・祝)
 大正池
 上高地
===新穂高
温泉
穂高平
小屋
白出沢滝谷槍平
小屋
分岐奥丸山千丈
乗越
槍ヶ岳
山荘
槍ヶ岳
7日 曇り
8日 晴れ
 05:35着
 08:00発
09:20
09:25
10:25
10:35
11:20
11:45
13:0014:05泊
06:35発
07:40
08:00
08:15
08:50
(休2回)11:40
12:05
13:15
14:10
14:30
15:20




最近は休みが取りやすくなり、天気予報を見てから決めたので、既に新穂高温泉直行バスは満席。一度は諦めたものの、紅葉も天気も好機なのでやはり決断。さわやか信州号で4:30新島々下車。9:05まで待って、高山線バスで平湯温泉乗り継ぎ新穂高温泉へ行く予定でしたが、上高地から早い時間の平湯温泉行きのバスがあると聞いて上高地まで行く事にしました。割高になるけれど仕方ありません。


今日は槍平小屋までなので、行程は短い。上高地8:00発のバスでも充分のようです。
大正池で下車し、散策することにしました。朝靄の漂う大正池は墨絵のようで、とても幻想的。
数時間後の喧騒が信じられないような別世界です。 河童橋も霧に包まれていました。


朝靄の大正池
【朝靄の大正池】

河童橋
【上高地 河童橋】

新穂高温泉
【新穂高温泉 バスターミナル跡】

上高地8:00発~平湯温泉8:25着。
平湯温泉8:40発に乗り換え、新穂高温泉には9:15頃着きました。昨夜の稜線では雪が降ったそうで、峰々には白い筋が見えています。

ここへ来たのは2004年の笠ヶ岳以来。橋の架け替え工事で、無料温泉もバスターミナルも取り壊されていました。

ここから2時間は右俣林道歩きです。紅葉シーズンの連休なので、駐車場はどこも満車のようでした。
途中の穂高平小屋で、しばし休憩。

穂高平小屋
【穂高平小屋】

白出沢手前に奥穂高岳登山口。ここからの直登は相当キツそうで、ベテランさん向き。
すぐ先で林道が終わって白出沢出合。この先から登山道なので、ちょっと早めのお昼にします。


奥穂高岳登山口
【白出沢の手前に奥穂高岳登山口】

右俣林道終点
【右俣林道終点 白出沢出合】

この先は苔むす樹林帯の緩やかな水平道で、ブドウ谷、チビ谷の手作り標識がありました。
やがてコンクリートブロックの滝谷避難小屋。すぐ先の滝谷はガスで絶壁が見えず、残念。


右俣谷 樹林帯
【右俣谷の苔むす樹林帯】

滝谷はガス
【滝谷絶壁はガス】

藤木九三レリーフを過ぎると登りになり、やがてわずかながら紅葉も見え始めました。
木道が現れて間もなく槍平小屋に到着。今年の営業は今日までで明日が小屋閉めだそうです。
今夜の宿泊者は20人。私は4畳半の個室でしたが、和室の食堂では和気藹々と楽しく夕食。
今朝の雪は槍ヶ岳で7,8cmの積雪だったようですが、今日明日で融けるだろうとのことでした。


右俣谷 紅葉
【右俣谷 紅葉】

槍平小屋
【槍平小屋】


槍平キャンプ場
【槍平キャンプ場】

翌8日です。
朝食後まだ日陰のキャンプ場で槍ヶ岳への道を見送り、左手の尾根へ向けて登り始めます。

途中から朝日が差し込み、ダケカンバや笹、紅葉の明るい斜面を登って行きます。

中崎尾根
【中崎尾根 稜線へ】
中崎尾根
【分岐道標を振り返る】


中崎尾根に乗りました。奥丸山の山頂へ寄ろうと、ザックを置いてメガネからサングラスに替え、あれこれしていたら、道標近くに置いたはずのメガネが消えてしまいました。

笹の中や潅木の根元、草の中などあちこち必死に捜したのに見つからなくて10分以上もロス。

「大キレットへは行くな」という神の啓示?
でも時間が経つと自然に出てくることもあるし・・・(ホント。但し、家の中)

サングラスは度付きだから、まあいいか。
捜すのは諦めて、きれいな紅葉を眺めながら山頂へ向かいました。


奥丸山へ
【奥丸山へ】

15分ほど進むと奥丸山の山頂でした。今日は快晴。素晴らしい展望です。
逆光なのが残念ですが、東側には槍ヶ岳~大キレット~北穂高岳が目の前。

奥丸山山頂から
【奥丸山山頂から  槍ヶ岳~大キレット~北穂高岳】

西側は笠ヶ岳~抜戸岳~弓折岳が朝日を受けて、くっきり鮮やかに並んでいます。
右奥には双六岳や黒部五郎岳の頭も見えて、なんて素晴らしい眺めなんでしょう~!

奥丸山山頂から
【笠ヶ岳~抜戸岳~弓折岳】

同宿だった方達と眺望を喜び合い、いつまでも去り難い。30分以上あちこち眺めていましたが、
そろそろ出発。小池新道へ下山されるグループを見送って、私は槍ヶ岳へ向かいました。


小池新道へ
【中崎尾根  小池新道へ】

槍ヶ岳へ
【中崎尾根  槍ヶ岳へ】

さっきの分岐に戻って、ザックを回収。念の為もう一度メガネを捜そうかなと思ったら、草の中に光る物! ありました~!びっくりやら、嬉しいやら、ほっとするやら。でも、さっきはあれほど一生懸命に捜したのに、何故見つからなかったのでしょう。なんだかとっても不思議。でも見つかったのだから、まあいいか!!  良かった良かったと、ルンルンでスタートしました。


千丈乗越へ
【千丈乗越へ】

地図は破線ですが、道ははっきりしています。
歩く人も殆どいなくて、とっても静か。
槍の穂先を見つめつつ、緩やかな尾根道を進んで行きました。

見上げれば、鮮やかな紅葉やグラデーションに染まっていく葉など、青空に映えてとてもきれいです。


紅葉
【紅葉】

紅葉
【いろいろ】

小さな湿原もあり、夏なら花も多そうです。
静か過ぎて、横になりたいくらいでした。


小さな湿原
【小さな湿原】

太陽もだんだん高くなって、大キレットも少しだけ凹凸が見えて来ました。
明日はあそこを歩きます! メガネも見つかったし、多分大丈夫ということだと思う。

大キレット
【明日は、あの大キレットへ・・・】

槍ヶ岳見つつ
【槍ヶ岳見つつ】

槍ヶ岳から下りて来る人、数人にすれ違いました。
展望も紅葉もきれいなので、皆さんニコニコ。
今日の青空のように、いい笑顔です。

山肌の紅葉が明るく輝いて、本当にきれい。
行きつ戻りつ振り返りつつ、何枚も写真を撮りながらのゆっくりペースだけれど、ここは急いで歩いたらもったいないです。


適当な場所で休憩。鏡平方面も紅葉が美しく、山荘の長い屋根が赤・黄・緑に埋もれていました。

中崎尾根
【振り返りつつ】

笠ヶ岳方面
【笠ヶ岳方面】

鏡平山荘ズーム
【鏡平山荘ズーム】

笹とダケカンバと紅葉の道は続き、右下の飛騨沢コースを歩く人たちの声も聞こえています。
写真では分かり難いけれど、下のコースも赤や黄が点在して、きれいそうです。


笹と紅葉の道
【笹と紅葉の道】

飛騨沢
【飛騨沢】

振り返り見る中崎尾根と笠ヶ岳。泊まりたい山小屋や大キレットの方向や帰路アクセスなど考えて、今回は登りに利用したけれど、ここは下り利用が普通。次回はいつ来ようかなと考えつつ休憩しました。


飛騨沢と中崎尾根と笠ヶ岳
【飛騨沢と奥丸山と笠ヶ岳】

千丈乗越
【千丈乗越】

最後はガレっぽい急登で千丈乗越に上がりました。槍の穂先がすぐ上に見えていますが、まだまだあります。早いけど、ここでお昼にしました。

千丈乗越から先は紅葉もないガレガレの登り。
ただ歩くだけです。

途中からジグザグ急登なので、休み休み登って行きました。稜線近くには所々に昨日の雪が残っていましたが、歩くには問題ありません。

槍ヶ岳山荘へ
【槍ヶ岳山荘へ】
槍ヶ岳山荘
【槍ヶ岳山荘】

槍ヶ岳山荘に着きました。今日は連休最終日なので、空いています。受付を済ませ、一休み。

雲が流れるのを待っていましたが無理そうなので、とりあえず山頂へ向かいました。

前回よりペンキマークも多くなり、三点支持を守ればさほど難しいコースではありません。

夕食時に隣に座った男の子は、お父さんと登頂したと嬉しそうに話してくれました。凄いですね~ 小学生かと思ったら保育園とのこと。よく整備されているとはいえ、かなりの急勾配。将来が楽しみです。

槍ヶ岳山頂へ
【山頂へ】
槍ヶ岳 山頂
【槍ヶ岳 山頂】

垂直なハシゴを登れば、槍ヶ岳の山頂です。
4,5人が写真を撮り合っていました。

飛騨側からガスが上がってきて、穂高岳方面や中崎尾根は見えませんでしたが、常念岳方面はよく見えています。


燕岳から大天井岳、すっきり端正な三角形の常念岳の稜線は明るく見えています。
大天井岳から伸びる表銀座・東鎌尾根も、いつかいつかと延び延びになっている部分です。

燕岳~大天井岳~常念岳
【燕岳~大天井岳~常念岳   手前は東鎌尾根】

山頂は空いているので皆さんと眺望を楽しんでいると、北鎌尾根の方から掛け声が聞こえてきました。

待っていると、上がって来ました~!
3人パーティー。 女性も一人います!

ザイルやカラビナをいっぱいぶら下げて山頂に立たれた時は、私たち見物組も思わず拍手で健闘を称えました。素晴らしいですね~!!


北鎌尾根の登山者
【北鎌尾根を登って来たパーティー!】
下山
【槍ヶ岳 下山】

ずいぶん長居をしてしまったけれど、そろそろ下山。穂高岳方面はガスに隠れているけど、明日は晴れて下さいね~!



談話室のテレビでは「今年は一段と鮮やか 北ア涸沢カールの紅葉」と題して、涸沢紅葉のニュースが流れていました。ヒュッテの3連休の宿泊客は1150人とのこと。明後日の涸沢が楽しみです。今夜の宿泊者は50~60人なので、広い食堂は半分も埋まっていません。夜は晴れてきて、星空がとてもきれいでした。
明日はいよいよ大キレット。どんなコースでしょう、わくわくドキドキ。




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