槍ヶ岳・双六岳・笠ヶ岳


2004年7月31日(土)~8月3日(火)


2004.8.1(日) 殺生ヒュッテ_槍ヶ岳_槍ヶ岳山荘_左俣岳_樅沢岳_双六小屋_双六岳_双六小屋
晴れ 05:10食
 06:15発
07:15
07:50
08:10
08:35
11:15
11:45
13:10
13:50
14:20
14:50
15:50
16:10
16:55着
17:00食



槍ヶ岳
【赤く染まった槍ヶ岳】

朝、起きると東の空がオレンジ色。
カメラとヤッケを持って、小屋の裏からすぐ上の東鎌尾根へ向かいます。頭は寝ぼけていても、足はなんとか歩いてくれて10分ほどで稜線に出ました。

槍の穂先が徐々に赤く染まり明るくなってきました。

うす雲がたなびく中、太陽が昇って来ました。

誰も無言で、じっと見つめます。

日の出
【御来光  右は常念岳】

朝食後、小屋の方に丁寧に見送られ張り切って出発します。岩ゴロゴロの急斜面をジグザグに登って行くと、上から次々と下山してくる人達と行き交います。槍ノ肩に着いた頃には穂先に取り付いている人は疎らでした。少し休んで、ナップザックに防寒着と水を入れ山頂を目指します。


槍の穂先への登り
【槍の穂先への登り】

急峻な岩場ですが、鎖、はしご、鉄杭などで整備され足場もしっかり確保出来るので、こういう岩場はわりと好きです。でも何と言っても急勾配!”慌てず急ぐな、急ぐな”と唱えながら登りました。

早朝など混雑するときは渋滞するようですが、今はガラガラ。登り、下りのルートが分けられているので、すれ違いもスムーズに進みます。

最後は垂直のはしごを登り切って・・・


槍ヶ岳山頂に着きました! 素晴らしい眺めです。
大喰岳、中岳の向こうに穂高の峰々が見えます。
前穂から延びるギザギザの北尾根が印象的。
その手前の、あの辺りが氷河公園でしょうか。
左の東鎌尾根の上には、大槍ヒュッテの赤い屋根。
その向こう、逆光の中に常念岳、蝶ヶ岳のシルエット。

天狗原と穂高岳
【天狗原と穂高岳】

下には赤い槍ヶ岳山荘、右へ今日歩く予定の西鎌尾根と双六岳。
そして明日歩く、笠ヶ岳までの峰々が朝日を受けてすっきり広がっています。
なんてのびやかな稜線なんでしょう!  気持ち良さそう・・・!

笠ヶ岳と西鎌尾根
【笠ヶ岳と西鎌尾根】

祠の向こうには黒部五郎岳、薬師岳、水晶岳、そして裏銀座の峰々が見えます。
雲海の右の方は立山、剣岳、鹿島槍方面ですが、今はちょっとぼんやり。

槍ヶ岳 山頂
槍ヶ岳山頂・裏銀座方面】

着いた時にいた6人グループが下りてしまうと、誰もいなくなりました。
槍の穂先には祠と私だけ・・・静かな時間が流れます。
今日のこの素晴らしい眺めと、青い空と、このひとときに感謝です。

しばらくすると20人程の団体さんが到着しました。遠く九州から来られたそうです。晴れて本当によかったですね。狭い山頂に30分以上もいられたことに感謝して下りることにしました。
ずーっと下を見ると、やはりここは高くて下りはちょっと怖い。すぐ下の足元だけを見て、”怖れずゆっくり、ゆっくり”と唱えながら、ゆっくり下りました。

槍ヶ岳山荘のテラスで、穂高方面を眺めながらゆっくりティータイム。 そろそろ今日のメインの西鎌尾根へ向かいましょう。山荘の裏から急なガレ場を、浮石に注意しながらジグザグに下りていきます。まだ朝日の当たらない肌寒い道は単調で意外と長い。

時々立ち止まり、ずっと下に続く隣の飛騨乗越からの道を見下ろしながら進み、ようやく千丈沢乗越に着きました。左へ落ち込むように槍平方面への道がついています。

ここからは、前方に広がる笠ヶ岳の稜線や裏銀座の山々を眺めながら西鎌尾根を歩きます。


千丈沢乗越
【千丈沢乗越】
鏡平山荘
【鏡平山荘と遠くに笠ヶ岳の頭】

左俣岳までは所々ヤセ尾根で鎖場も1,2ヶ所ありました。左俣岳は山頂がハイマツに覆われて、すぐ脇に道がついています。この辺りからは鏡平の小屋が正面下によく見え、上の大ノマ岳、抜戸岳の向こうには、笠ヶ岳の頭だけがちょこっと見えています。
ここで早めの昼食。朝は逆光だった槍ヶ岳も、今はすっかり日が当たり堂々とした姿です。

やがて右に見えて来た赤岳は、名前道り赤茶けた岩肌の山塊でけっこう迫力があります。

赤岳
【赤岳:奥は燕岳と大天井岳】
硫黄乗越付近
【硫黄乗越付近のコバイケイソウ】

その先の硫黄乗越周辺はお花畑ですが、チングルマはもう綿毛になっていました。でもコバイケイソウはとてもきれいなオフホワイトで丁度見ごろのようです。

この後、樅沢岳までは登りが続きます。


樅沢岳中腹から振り返ると、今朝から歩いてきた道がすっきりと見えます。
左端の山腹を登山者が二人歩いているのが見えるでしょうか。
北鎌尾根から槍ヶ岳、穂高の峰々のすばらしいパノラマです。
双六小屋に下りるともう見えなくなるので、ゆっくり眺めてから下りることにしました。

西鎌尾根と槍ヶ岳
【樅沢岳から振り返る西鎌尾根と槍ヶ岳】

この後は急なガレのジグザグ下りで、今日の宿、双六小屋に着きました。
手続きを済ませ、休憩後双六岳へ向かいます。


双六小屋
【双六小屋】
双六岳から見る槍ヶ岳
【双六岳から見る槍ヶ岳】

ハイマツの中、途中で三俣蓮華岳への分岐を過ぎ、岩ごろごろの急斜面を登ると広い台地に出ます。

双六岳の山。山頂手前は広い台地になっていて、草がまだら模様に生えています。

真ん中に一本道。
この道が真っ直ぐ槍まで延び、そのまま雲に乗って大空まで行けそうな気がして、この眺めがとっても素敵でした。


以前双六岳からこの景色を見て、いつか槍ヶ岳と笠ヶ岳に
延びるこの両方の稜線を歩きたいなあと思っていました。

槍ヶ岳と笠ヶ岳
【双六岳から見る槍ヶ岳と笠ヶ岳】

反対側は黒部五郎岳から三俣蓮華岳、鷲羽岳などの黒部源流の山々が見え、
その奥には薬師岳、水晶岳、野口五郎岳などが見えています。

三俣蓮華岳方面
【黒部五郎~薬師岳~三俣蓮華岳~水晶岳~鷲羽岳】

夕焼けまでいたいけれど、夕食の時間があるので山荘に戻ります。双六山荘は水場がすぐ横にあり、食事もおいしいので人気の小屋です。けっこう混んでいますが、それでも一人一枚なので余裕です。トイレが水洗になっていたのにはびっくり。どうやって処理しているのでしょう。



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