大キレット・北穂高岳

きたほだかだけ(1000m)
平成24年10月7日~10日

今日はいよいよ大キレットです。お天気も良さそうだし時間もたっぷりあります。
急がず慌てず、一つ一つゆっくりこなして行こうと思います。


2012.10.9
(火)
 槍ヶ岳
 山荘
大喰岳中岳天狗原
分岐
南岳小ピーク大キレット
最低コル
長谷川
ピーク
飛騨泣き北穂高小屋
(北穂高岳)
晴れ  06:25発06:50
06:55
07:35
07:45
08:30
08:35
08:50
09:15
10:50
11:00
11:0511:2012:2513:25着



槍ヶ岳山荘
【槍ヶ岳山荘】

東の空は雲が多く、日の出は雲の上からでした。
でも今日は晴天予報なので、予定通り大キレットを目指します。

連休翌日なので、小屋前は静か。南岳方面へ行く人も予想以上に少なくて、はるか前方に一人見えるだけです。心細いけど、まあ行ってみましょう。

幾つかあるテント場を抜けて、ひと登りすると大喰岳です。振り返れば槍ヶ岳と山荘が見えていました。

大喰岳
【大喰岳】

下って登り返し、梯子の先の中岳山頂に着きました。笠ヶ岳方面も明るく見えています。
日も高くなって、下の槍沢のギザギザ下りやきれいな紅葉がよく見えていました。


中岳
【中岳】

槍沢の紅葉
【槍沢の紅葉】

中岳を振り返る
【中岳を振り返る】

中岳から下って振り返ると、人が来ました。
あの人は大キレット越えかな~・・・

この辺りは北アルプスっぽくなくて、ちょっとガレガレ砂漠みたいでした。


天狗原分岐へ上がってみます。この下が天狗原でしょうか、
天狗池はもっと下のようで、ここからは見えませんでした。


天狗原分岐
【天狗原分岐】

常念岳と天狗原方面
【常念岳と天狗原方面】

更に進んで南岳に到着。この先からは厳しいコースになるので、展望を楽しめる場所はないと思う。
ここは素晴らしい眺めなので、昨日の奥丸山を見つつゆっくりティータイムにしました。
そうそう、お昼を食べる場所もないかも知れないので、腹ごしらえもしっかりせねば!

南岳から見る笠ヶ岳~槍ヶ岳
【南岳から見る笠ヶ岳~槍ヶ岳   手前に奥丸山のある中崎尾根】


南岳からは、穂高の峰々がすぐ近くにまとまって見えていますが、あの手前に大キレットがあるのです。

下に見える南岳小屋も泊まってみたい山小屋の一つでしたが、今回は中途半端でした。


南岳から見る穂高
【南岳から見る穂高の峰々】
大キレット 展望
【大キレット 展望】

この先は一本道なので地図もウエストポーチもザックにしまって、カメラはポッケに入れて、いざ出陣。


まずは獅子鼻へ。
全貌を眺めて、さて出発。
と、下を見て絶句。

『さすが、大キレット。最初から激下りだ~・・・』と思いましたが、どこから下ってよいものやら。
引き返したら道があってホッとしました。


獅子鼻はルートではなく、離れた所の足元にちょっとヘンな道標がありました。
最初はガレガレの急下りなので落石に注意。次はクサリ場ですが、足場はしっかりあります。


大キレットへ
【いざ、大キレットへ】

南岳クサリ場
【ガラガラ下りの次の南岳クサリ場】

南岳
【南岳 右半分を下って来た?】

梯子2ヵ所を過ぎると急勾配は一旦落ち着きます。振り返れば、『えーっ!ここの、どこを下りて来たんだろう?』という雰囲気。梯子が見えるので右半分を下りて来たようです。

この先は急勾配はないものの、気の抜けない道が続きました。長谷川ピーク手前の小ピークで休憩。

長谷川ピークの手前
【長谷川ピークの手前】
大キレット 最低コル
【大キレット 最低コル】

小ピークから下ったら「北ホ⇔ヤリ」のペンキ表示があり、そのすぐ下が最低コルのようです。

ヒマラヤの写真でよく見るカラフルな5色の旗が飾られていて、向こうに常念岳が見えていました。

次の長谷川ピーク。一ヶ所、足が届かず膝を使って登りきりました。が、問題は下り。右側に足場があるように見えるけど切れ落ちているし、あの足場からでは上のクサリに手が届かない。

左側も足場がよく見えない。あそこは平均台のように両手広げてバランス取って歩くの?

そんなの無理。このクサリ、女性の手では掴めないほど太すぎて重い。よく見れば、左側に細い足場があったのでクサリに手をかけながら渡り抜けました。

長谷川ピーク 下り
【長谷川ピーク 下り】
長谷川ピーク
【長谷川ピークの途中から振り返る】

長谷川ピークの下り途中で振り返ると、ペンキマークがよく見えました。このルート、下っている時はマークが見え難いけど、振り返って仰ぎ見ると、判で押したようなきれいな丸印が見えます。

絶壁のような急下りはまだ続き、この長谷川ピークの下りが一番神経を使いました。

長谷川ピークの下り
【まだ続く下り】
A沢のコル
【A沢のコルから振り返る】

下りきった所に「A沢のコル」の表示。
次が飛騨泣きのようで、岩ガレガレの登りが待っています。

急登でも、登りの方が手がかり足がかりが見えやすいので気分的には楽です。でも、落石には注意。

時々単独男性と行き交うだけ。人の姿が殆どないので心細かったけど、落石地帯は誰もいない方が安心です。自分が落石に遭うのも恐いけど、人に怪我させてしまうのは何倍も恐い。

振り返り見る長谷川ピーク、やっぱり凄い・・・

長谷川ピーク
【飛騨泣きから長谷川ピークを振り返る】
飛騨泣き?
【この辺りが飛騨泣き?】

北穂高小屋の屋根が見えてきましたが、まだアップダウンは続きます。次のクサリ場にはステップも設置されていて、ここは安心でした。

登りルートになったので、ペンキマークもよく見えています。勾配は緩んだけれど、ここも落石地帯のようなので要注意。

落石地帯
【勾配は緩んだけど落石地帯】

展望台
【 「展望台」 】

ようやく北穂高小屋が近づいて来ました。
「展望台」と書かれた岩の横に立つと、正面の岩壁の溝を登っている人がいます。

単独男性が両手両足を突っ張って絶壁を登ろうとして、3,4歩上がってはズリ下りて、見上げています。『えーっ! 次はあそこを登るの!?』 
先行者かと勘違いして、ビックリ~!

『あんな絶壁、私には絶対無理!』
でも今更引き返せない、行けるところまで行ってみようと、ペンキマークに従って進んで行くと、ぐるっと回り込むようになりました。


あの岩壁の人とは違うルートがあるようで、ほっとしました。こちらは格段にマシな登り。
上の方に小屋も見えているので、ますます安心。下に見えているのは屏風の頭?横尾谷?
横尾谷の紅葉はまだ緑が多いな~と思いながら、一歩一歩休みつつ登って行きました。


北穂高小屋 直下
【北穂高小屋 直下】

横尾谷と屏風の頭
【横尾谷と屏風の頭】

そして、ようやく北穂高小屋に着きました。
無事に着いて良かった~ 感謝です!

振り返り見る大キレットにはもうガスがかかり、半分は見えなくなっていたので、早速宿泊手続き。この北穂高小屋も以前から泊まってみたい山小屋でした。

今夜は2畳ブースに二人。昨日の涸沢ニュースを見て、急遽来たという若い山ガールでした。一気に北穂高岳まで上がれてしまうなんて、素晴らしいですね。急に休みが取れるというのも羨ましい。


北穂高小屋
【北穂高小屋】

北穂高岳 山頂
【北穂高岳 山頂】

ひとやすみして、すぐ上の山頂へ行ってみました。
今は雲いっぱいで展望はないけれど、夕方には雲も流れそうです。

小屋前ベンチに戻って寛いでいると、腰にカラビナをいっぱいぶら下げた人が到着しました。さっき展望台から見えたのはこのクライマーさんだったようで、先行者かと勘違いし焦った自分が恥ずかしいやら可笑しいやら。いかにもシロウト・・・

クライミングの「滝谷」というのは涸沢岳の岩壁のことだと思っていましたが、この北穂高岳の西側も確かに滝谷に面していました。


夕食前、また山頂へ上がってみると、前穂高岳~奥穂高岳~涸沢岳方面が見えてきました。
4年前に歩いた北穂~涸沢岳も、絶壁トラバースやクサリ場などアップダウンの続く道でした。
特に涸沢岳は崩れやすいガラガラ岩なので、落石要注意地帯です。

前穂高岳~奥穂高岳~涸沢岳
【前穂高岳~奥穂高岳~涸沢岳】

北穂高小屋の食堂は狭いけど、静かにクラシックが流れ、おしゃべりも楽しい夕食でした。

夕食後、また山頂へ行ってみると、大キレットも見え始めました。一面に広がる雲海や、見え隠れしている槍の穂先が素晴らしいです。


槍ヶ岳
【雲海に浮かぶ槍ヶ岳と北穂高小屋】
日没
【日没】

やがて日没時間。赤く焼けることもなく、白山の横に静かに沈んで行きました。


殆ど登山者のいなかった大キレット。
曇っていたら、心配で歩かなかったかも知れません。
今日は本当にお日様が有り難かったです。感謝。

更に雲が流れ、大キレットはちょっとした滝雲ふう。自分があそこを越えてきたなんて信じられない。

気が張っていたので、歩いている時は恐いのか恐くないのかすら分からなかったけど、後日思い出すと一ヶ所『???』の部分があり、恐くなってきます。

大キレット
【大キレット】


大キレットは、気持ちとしては槍ヶ岳を見ながら北上し、奥丸山の尾根を下りに利用したかったのですが、北上する方が難易度が高そうなので南下することにしました。一大決心して行った剱岳は整備され過ぎ人も多過ぎで、またいつか静かな時期に行きたいと思いますが大キレットは一度でいいと思いました。一部コースを外れたのではと思われる部分があり、確認したい思いもありますが、まあいいことにします。
ともかく無事に通過出来て、本当に感謝でした。明日は10年に一度の紅葉という涸沢。楽しみです。




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