三国山・大洞山・立山

みくにやま(1326m)・おおほらやま(1383m)・たちやま(1340m)


不老山のサンショウバラはそろそろ終わりのようなので、周辺に咲く山はないかなと検索したら、
三国山稜の西端、立山にも咲くとのことなので、どんな様子か行ってみることにしました。


2011.6.26
(日)
 明神峠車道
横断
三国山大洞山アザミ平畑尾山立山立山
展望台
車道紅富台
BS
霧・曇り
のち晴れ
 09:25着
 09:30発
09:5510:30
10:40
11:30
11:35
12:1012:2012:3012:35
13:10
14:1514:20着
14:40発



4月下旬~11月下旬の土日祝は駿河小山駅9:00発の明神峠行きのバスが出ています。三国山稜の立山は、小山町観光協会が最近「富士箱根トレイル」として整備したようで、今日はこのコースのツアーが予定されていたそうですが、雨天予報のため中止になったとのこと。駅前のバス停には、あの三国山稜の名物道標を制作された岩田さんがいらして、立山のサンショウバラについて説明されていました。ご高齢で小柄ですが矍鑠とした方で、ご自身もこれから立山へ行かれるそうで、連れの方の車で出発されました。


明神峠
【明神峠】

明神峠で下車。「富士箱根トレイル」の大きな案内板があります。

乗客は私を含め6人で、1人は不老山のようでしたが、あとの5人は全員が三国山方向に歩き始め、この方たちとは帰りのバスでも一緒になりました。

周辺はガスで真っ白。雨は降ってないものの、風があるので木々から雫が落ちてきます。ザックカバーとスパッツを着けて出発。

樹林帯の中の緩やかな尾根は火山砂礫のスコリアなので泥濘はなく、歩きやすい道です。

霧の道
【霧の道】
左へ横断
【そろそろ左へ横断】

すぐ横の車道もガスの中です。
横断地点は、そろそろかな。

横断地点には道標が立ち並び、すぐ向かいに登山道とベンチがありました。

「富士箱根トレイル」の道標には「三国山東登山口」と記されています。しばし急登。

三国山東登山口
【三国山東登山口】
三国山へ
【大木見上げつつ】

大木も多く、木々を見上げながら進みます。

ちょっと開けて送電鉄塔の立つ草原を通りますが、振り返っても真っ白で何も見えません。

苔むした倒木から数本の幹が伸び、それぞれ一人前の樹木のように立派に育っていて、ヒコバエ兄弟のようでした。

苔むした倒木
【苔むした倒木から育つ数本の幹】
立ち枯れ老木
【面白い樹】

大木も多く、緩やかな登りが続きます。面白い形の樹、バイケイソウの葉、群生しているテンニンソウの葉など見つつ登って行きます。

所々、すっかり色褪せたサラサドウダンがいっぱい落ちていたりしました。

霧に包まれ、ボーッと霞んだ中にベンチや道標が見えて、三国山の山頂に到着しました。いつもと逆の方向から来たので、一瞬初めての山のように錯覚してしまいました。

小雨なのか、木々の雫が落ちてくるのか、上からパラパラ落ちて来るので、先週の下半身ずぶ濡れを思い出し、念のために雨具の下だけ着けて傘も差して進んで行きました。

三国山 山頂
【三国山 山頂】
づな峠
【づな峠 道標3本】

づな峠には、岩田さんの道標と「富士箱根トレイル」の新しい道標と山中湖観光協会の道標が並んでいて、それぞれ特徴があって面白い。

三国山稜名物の岩田さんの道標。不老山の道標は一時撤去されていましたが、現在は小川町からも公認されて復活したとのこと良かったですね。昔は花も多かった様子が描かれています。


白い花
【三国山稜】

水滴小宇宙
【岩田さん道標】

気付くと大洞山の山頂でした。
ずっと霧にけむる道が続きます。


大洞山
【大洞山】
倒木カエデ
【倒木カエデ】

大木見上げつつ進んで行くと、アザミ平への曲がり角。ここにあったカエデ倒木は根元の土が少しずつ削り落ち、6年前と比べてずいぶん痩せていました。

衝立のようだった根元は透かし彫りみたいに透けてしまい、根元付近のヒコバエは枯れていました。先の方の枝は若葉が出ていたので安心ですが、これからもこのまま元気で育ってくれますように・・・

この先にあるブナは幹を大きく伸ばした大木。
冬枯れの頃は一段と存在感があり、三国山稜の主のような大木です。

大木
【ブナ大木】

やがて大きく開けたアザミ平の草地に出ました。しかしガスで真っ白、何も見えません。
傍らに、水滴をつけたガラス細工のような白い花が垂れ下がるように咲いています。
この白い小花の見つめる先は・・・ Hgさん発見の「水滴の小宇宙」と同じ世界。
普通なら何気なしに見て、素通りしてしまうような被写体だと思いますが、
芸術的感性のある方というのは閃きも素晴らしいと、私も真似して撮りました。


白い花
【ガラス細工のような白花】

水滴小宇宙
【Hgさん発見:水滴の小宇宙】

アザミ平
【アザミ平】

すぐ先にアザミ平の道標が立ち、畑尾山・立山や篭坂峠への分岐になっています。

先行していた方たちはここでお昼のようです。雫が落ちて来ない雰囲気なので、昼食にはいい場所のようですが、私は広い立山展望台でお昼にしたいので、挨拶しつつ先へ進みました。

分岐からちょっと登った所が畑尾山の山頂。
広い樹林の中のピークです。

緩やかに下った所にも篭坂峠分岐があります。

畑尾山
【畑尾山】
立山 山頂
【立山 山頂】

わずかな登りで立山の山頂です。
広い樹林帯なので山頂という雰囲気はなく、ただの通過点。以前は何もなかった山頂ですが、今は富士箱根トレイルの新しい道標が立っていました。

展望地へは左へ進みます。

このあたりから日差しが出てきて、真っ白だった10分前から一気に明るい雰囲気に変わってきました。

緑の光の下を進んで行き、ふと見れば奥の潅木に混じってサンショウバラの木があります。しかし花数は少なく、しかも見えづらい場所で咲いていました。

立山展望台へ
【立山展望台へ】
青空と白い雲
【青い空  白い雲】

更に進んで立山展望台に着きました。
空が開け、山で久し振りに見る青空と白雲。

そして、なんと! 富士山が見えています!

今日の展望は諦めていて、雫が落ちてこない草地でお昼にしようと思っていただけなので凄く嬉しい~!

バスの時間まで余裕なので大きな富士山と青い空と白い雲を見つつゆったりお昼にしました。

須走へ
【立山展望台の富士山】

この先は地図になく、新しく整備された「富士箱根トレイル」。立山山頂へ戻らなくても、須走方面への道標があるのでそちらへ進みます。少し先で、立山山頂から真っ直ぐ来る道と合流しました。

この辺もサラサドウダンツツジが多かったようで、まだ色もきれいな花粒がいっぱい落ちていました。ボロボロ降るように落ちてきたのでしょうね。サンショウバラは紅富台へ向かう途中らしいのですが、10分ほど下っても現われません。そんなに高度を下げては見頃は終わっているはず。もっと上だったのを見過ごしたのかと、目を凝らして探しつつ、また立山山頂に戻りました。しかし、花はない。おかしいなぁ~ 
仕方なく、また引き返して下ることにしました。ヤマボウシも多いです。



シロガネソウ

???

ヤマボウシ

サラサドウダンツツジ落花


サンショウバラの花びら
【サンショウバラの花びらが散っている】

かなり下った中腹あたり、下に花びらがいっぱい散っているので、見上げるとサンショウバラの木がありました。でも花は少ししか残っていません。残念。

僅かに残る花を撮り、下るとまた地面に花びら。見上げれば木があるといった雰囲気。

不老山近くのサンショウバラは低い木や植栽された木が多いのか花を近くで見れますが、ここのは自生なのでしょう、樹が高く他の木々に混じっているので見るのがちょっと大変でした。


サンショウバラ

サンショウバラ

それでもけっこうサンショウバラの樹はあって、蕾もありました。しかし下草も茂っているので、近づくのもちょっと大変です。


サンショウバラ
【サンショウバラ】
休憩所からの富士山
【休憩所からの富士山】

サンショウバラ地帯が終わり、やがて休憩所の道標。ルートは左へ下るようですが、右下の草地休憩所に下りると、ここからも富士山が見えました。

休憩所からは急下り。素晴らしくきれいに枝打ちされ、整然とした植林を下って行きます。

下り立った場所に「立山登山道入口」の道標がありました。

立山登山道入口
【立山登山道入口から振り返る】
車道
【車道に出る】

あとは林道を僅かに進めば車道が見え、入口には「富士箱根トレイル」の案内板が立っていました。

道標に従って、富士山見つつ真っ直ぐ下れば町内巡回バスの「紅富台」バス停で、健康福祉会館(ゆったり湯は3月末で終了)まで無料です。
(14:40発・16:17発の2便)

小さなバスですが、地元利用者が少ない日なら登山者も利用できるようで、時間があるからと駿河小山駅まで乗せて下さって申し訳ないくらいでした。

バス停留所 紅富台
【巡回バス停留所 紅富台】


三国山稜・立山のサンショウバラは雑木林の中で自生している木がほとんどのようで、木が高くてちょっと見づらい位置にあり、花びらが散っているので見上げると少し咲き残っているといった感じでした。本数はさほど多くないのですが、自然な雰囲気で咲いています。案内HPを再度見ると、立山中腹の見頃は24日頃とのことでしたが、26日は殆どが落花していました。雨風のせいか、あっという間に散ってしまったようで、サンショウバラの花の命は短いのかなと思いました。 山頂付近にも木があったそうですが、まだ花が咲いてなかったせいか気付きませんでした。緑いっぱいのコースなので秋にも歩きたいと思います。


 三国山稜の花々



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