大洞山・三国山・鉄砲木ノ頭



三国山稜は、丹沢山塊の西にあり神奈川、山梨、静岡の県境の山稜です。
ブナやカエデの新緑が、トンネルのように続く緩やかな道を歩いて来ました。


2005.5.21(土) 籠坂峠_アザミ平_大洞山_三国山_鉄砲木ノ頭_パノラマ台_東電寮入口_旭日丘
晴れ08:35着
08:35発
09:30
09:35
10:10
10:25
11:25
12:00
12:35
13:00
13:15
13:40
14:0014:45着
14:50発



三国山稜は初めてですが高低差の少ない緩やかな自然林のようなので行ってみる事にしました。
御殿場駅から8:00発河口湖行きのバスで35分、籠坂峠で下車します。折り返すように上の舗装道を少し進めば山中湖村公園墓地があり、家族連れが一組お参りに来ていました。小さな墓地ですが振り返ると富士山の上半分が大きく見えていました。


新緑
【新緑のトンネル】

道標に従って左へ行くと登山口で、広葉樹林の中のやや広めの登山道は明るく、ただいま新緑の真っ盛り。

様々な広葉樹が混じって、見上げるといろいろな形の葉の濃淡がトンネルのように続いていて、木漏れ日も気持ちいい。

木漏れ日
【瑞々しい木漏れ日】
立山分岐
【立山分岐】

まもなくアザミ平と立山の分岐になりました。立山も気になりますが今回はそのまま左へ。

若葉の下をゆっくり歩くこと一時間弱。緑のトンネルを抜けて明るいアザミ平に出ました。

あざみ平
【手作りの道標】
畑尾山
【振り返り見る畑尾山】

「アザミ平」にはフジアザミが多いらしいのですが、見渡してもそれらしい葉がありません。花はまだでも、葉くらいはあるはずなのにと思いながら歩きました。

開放感のある草地の向こうには山中湖がチラッと見え、振り返れば畑尾山のうしろに富士山の頭が見えていました。

大洞山の登りになるとまた樹林の中ですが、ちょっと雰囲気が変わってきました。ブナが多くなり、あちこちミツバツツジの鮮やかなピンクが映えています。

”なんだか西丹沢に似ているな~” と思ったけど、確かにここは丹沢と地続き(尾根続き?)でした。

ブナ大木
【ブナ大木とミツバツツジ】

ミツバツツジはあちこちに咲いていて、花も多い。とたんに檜洞丸が頭に浮かびました。’01年の檜洞丸はどこもかしこもピンクと白がいっぱい。「どうしちゃったの。何があったの」と思ったあの光景が忘れられず、毎年今の時期になると気になる檜洞丸。今年は行けるかな~と、浮気しながら歩いていました。


尾根の上に出ると大きなカエデの倒木。倒れてもう何年も経っているようで、根元が平らな衝立のようになってしまっています。ほんの僅かな根だけが地中へ残っているようで、苔むした幹から出ている枝には青々とした若葉がいっぱい。山ではよく見かける光景ですが、木は与えられた環境を甘受するしかないんだなーと改めて感動してしまいました。


倒木
【衝立のような倒木根】

若葉
【若葉がいっぱい】

大洞山
【大洞山】

ここからは緩やかなブナの散策道。新緑とツツジを見ながら進み大洞山へ着きました。
樹林の中で展望はありませんが小鳥がよく鳴いています。しかし何やら車の音がうるさく自衛隊のドーンという音も聞こえ下界が近い感じ。

三角点の上にコッヘルが忘れられていました。ここには交番も駅員さんもいないので、そのままにしておくより仕方ありません。

大洞山の北側に下るとミツバツツジは少なくなりました。ブナの木はより大きくなり全体にしっとりした感じになりましたが、日が差すと明るい。

ブナの散歩道
【ブナの散歩道】
コバイケイソウ
【瑞々しいコバイケイソウ】

少し雰囲気が変わってきて、林床にはコバイケイソウが広がってきました。
青味がかった緑が瑞々しい。

起伏のない緩やかな道を進んで行くと、「ゴングベンチ」と名づけられたベンチがありました。手作り道標には、花いっぱいだった一昔前のこの山の「極楽」を欣求して名づけられたそうです。
このあたりが楢木山でしょうか。

ごんぐベンチ
【ごんぐベンチ】
ズナ坂峠
【ズナ坂峠】

更に進んで、ズナ坂峠。左右に峠道が延びてるようですが、ちょっとはっきりしませんでした。ここにも手作り道標があり、この山稜への思い入れが感じられます。

三国山へ着きました。
ここにはベンチも幾つかあり、数人が昼食中。
木々に囲まれていますが、木が高いので割と明るく落ち着いた雰囲気です。

荷物を軽くしているので簡単な昼食はすぐ終わってしまい、一休みして出発します。

三国山
【三国山】
シロガネソウ
【シロガネソウ】

北へ向きを変えて急坂を下りると、ここにはニリンソウのような花が咲いていました。が、花は一輪です。これがイチリンソウかと思いましたが、後日この花はシロガネソウという名前らしいと分かりました。

車道に下り立った所が三国峠。向かいの登山道に入ると、ここからは明るい草地の斜面です。左には富士山が見え、振り返ると今下りてきた三国山稜のなだらかな稜線が見えます。山全体が黄緑色に萌えていました。

カヤトの道
【カヤトの道】

鉄砲木ノ頭に着きました。地面がむき出しで、山中諏訪神社の奥宮が祭られています。
正面の富士山には雲がかかり霞んでいますが、眺めは素晴らしく開放感のある山頂です。
日当たりは最高で周囲は草地なのに、てっぺんには草のひとかけらもありませんでした。

鉄砲木ノ頭
【鉄砲木ノ頭からの展望】

山中湖へ
【山中湖へカヤトの原を下る】

帰りはパノラマ台へ向けて草原の中を下ります。滑りやすい急斜面なので注意しながら下りました。

着いたパノラマ台には駐車場とトイレ、ベンチがあり、ゆっくり休憩して出発しました。

車道をカーブして少し下り、左の登山道に入るとやがてバス通りに出ます。ここからバスに乗っても旭日丘では乗り換えがあり、バスの待ち時間を考えると面倒なので歩く事にします。

車はそれ程多くはなく、湖岸が近づくとズミの木があちこちに見えてきました。蕾はほんのりピンク色で、青い空に白い花がとてもよく映えています。

白いズミ
【青い空に白いズミの花】
山中湖
【山中湖 湖畔】

半分ほど歩いたあたりから山中湖側に遊歩道が見えてきて、案内図を見れば旭日丘まで続いています。造園された道でも所々にズミの木が自生して、楽しく歩いてバス停へ行けました。


バス時刻は4月に随分変わったようで、私のメモして来た時刻表は全く役立たず。すぐ来ると思ったバスが20分待ちになり、ぼんやりしていたらいきなり後ろにバスが来ました。14:33発の「急行・三島駅行き」とやらが遅れて来たようです。「急行」なんていうのがあるとは知りませんでした。ラッキーで感謝。


三国山稜は、ブナなどの広葉樹林に覆われのんびり散策するにはぴったりの山で、新緑がとてもきれいでした。バスなどやや不便ですが、カエデも多かったので紅葉の頃もきっと素晴らしいだろうなと思いました。



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