戦場ヶ原・小田代ヶ原




戦場ヶ原や小田代ヶ原は花も多く、今はアヤメやショウブが咲いているようです。
天気予報次第で翌日に日光白根山へも登れるといいなと思い、出かけてきました。


2011.7.9
(土)
 湯元湯滝泉門池小田代ヶ原展望台戦場ヶ原入口赤沼===湯元
晴れ
のち曇り
 10:10着
 10:20発
11:05
11:10
11:55
12:20
13:15
13:25
14:1014:55
15:10発
(バス)15:30着



今週末は暑くなるとの予報。涼しくて、花があって、雨が降っても大丈夫で、日帰り出来る所はどこかな?と考え、戦場ヶ原へ行ってみることにしました。戦場ヶ原は大昔、独身の頃に行ったきり。調べると、なんと「まるごと日光フリーパス」というおトク切符がある。これなら御坂の山へ行くのと費用的には変わらない。時間はかかるけど涼しい電車で音楽聴いていればいいので、4時起きで始発電車に乗りました。

日光駅8:37発のバスで、終点湯元で下車。何と言っても40年ぶりの奥日光。先ずはビジターセンターで情報収集。戦場ヶ原のアヤメは終わりだけれど、小田代ヶ原はまだ咲いていて、西側の道は花を近くで見ることができ、東側の道は遠くから青い群生地が見れるとのこと。ついでに「白根山のシラネアオイは鹿に食べられてなくなったと聞きましたが、どうなんでしょう。」と伺うと、「先週、咲き具合を見に行った職員の話では、五色沼北側が三分咲きと言っていたので今週はいいかも知れません。今年は遅れています。」とのこと。なんてラッキーなんでしょう。白根山で自然なシラネアオイが見れたら嬉しい。

近くの旅館案内所で今日の予約状況を聞けば、まだ梅雨明けではないのでさほど混んでいないとのこと。念のため安そうな所を調べてきたので、夕方の天気予報次第で湯元に泊まれば白根山へも行けると嬉しくなりました。まずは今日の花散策、小田代ヶ原へスタートです。


湯ノ湖の湖畔を西へ進むと休暇村宿舎の裏に遊歩道入口がありました。雲が多いものの青空で、気温は22度。日光の予報気温よりずっと涼しい。考えれてみればイロハ坂で上がるので標高は高く、改めて地図を見れば、1500mくらいはあるらしい。湯ノ湖を渡ってくる風は心地よく、木陰の涼しい散歩道です。


湯ノ湖
【湯ノ湖】

湯ノ湖湖畔
【湖畔を行く】

温泉ヶ岳方面
【温泉ヶ岳方面】

湯ノ湖の南岸から振り返ると、向こうに五色山も見えるようですが、今日は雲の中です。

流れに沿って更に進むと、豪快な滝音がして湯滝の上に来ました。

段々道を下りて行くと、湯滝正面にテラスがあるようです。観光客のソフトクリームも魅力的。私もブルーベリーヨーグルトを購入し、滝見台へ。

幅いっぱいに轟く水しぶきは見ているだけで涼しく、今日はソフトを食べながら一日滝を眺めているのもいいなあなどと思ってしまいます。

湯滝
【湯滝】


滝の下の流れにはノリウツギに似た花が咲いていましたが、花びら(装飾花)が一枚でちょっと違う。検索すると、「イワガラミ」というらしい。他にズミともミヤマザクラとも違うけど、真っ白なきれいな花も咲いていました。これも後日調べると、「バイカウツギ」というらしい。清楚な純白の花で、とても素敵な花でした。初めて見る花は名前調べに時間がかかりますが、分かるととても嬉しい。中心にふんわり毛のある白い小花もありましたが、これは名前が分かりませんでした。


小滝周遊歩道
【小滝周遊歩道】

この先は木道で、歩いている人も少なく静かな小滝周遊歩道。

ミズナラの老木や、サワギク、ショウキラン見つつ進めば名前通りの小さな小滝に出ました。

緩やかな流れのすぐ横を、小鳥の囀りなど聞きながら木道を歩いて行きました。

流れに沿って
【流れに沿って】
泉門池
【泉門池】

小さな小田代橋を渡ると一気に人が増えて間もなく泉門池(いずみやどいけ)に出ました。木陰のベンチ村みたいにベンチがたくさん。

藻で明るい緑色になった池の西端には美味しい湧き水があって、ちょうどお昼なので私もベンチでおにぎりタイムにしました。



イワガラミ

バイカウツギ

ショウキラン

???

泉門池から少し進むと戦場ヶ原と小田代ヶ原の分岐。先に小田代ヶ原を一周したいので真っ直ぐ進んで行きました。

回転式鹿防止扉を通って、更に真っ直ぐ。木道脇にはヤマオダマキやイブキトラノオが点々と咲き、整然としたカラマツ林も通ります。

小田代ヶ原の分岐
【小田代ヶ原の分岐】
ノハナショウブ
【小田代ヶ原 ノハナショウブ】

やがて草原に出ました。遠くにもポツポツと見えている紫色の花はノハナショウブで、いっぱい群生している訳ではないけれど近くで見れるのが嬉しい。


奥には黄色の群生地があり、ニッコウキスゲと思われますが柵の中で立入禁止。
遠くから眺めるだけですが、シラカバ林もあって気持ちのいい道を進んで行きます。


ニッコウキスゲ
【ニッコウキスゲ】

シラカバ林
【シラカバ林】

青味がかったアヤメと、赤紫っぽいノハナショウブ。近くで両方見ると、その違いがはっきり分かります。花の時期はアヤメの方が早いようですが、今はちょうど両方咲いていました。


アヤメ
【アヤメ】

緑の草原の奥には女峰山~男体山と思われる山が見えています。
この辺りはホザキシモツケが群生していますが、今はまだ殆どが蕾。
花の咲く頃には、一面ピンク色に染まるのでしょうね。

小田代ヶ原
【小田代ヶ原】

ベンチで休んでいる人達が見えてきて、小田代ヶ原展望台に着きました。

すぐ横には林道が通っていて、バス停の東屋やトイレがありました。


小田代ヶ原 展望ベンチ
【小田代ヶ原 展望ベンチ】
入口
【小田代ヶ原 入口】

林道にはヤマオダマキやカラマツソウが雑草のように咲き、カラマツソウもよく見ると白い繊細な花びらが花火のようで素敵な花です。

少し進んだ先に回転式鹿防止扉のある小田代歩道入口があり、奥の分岐で左の小田代ヶ原の東側の歩道へ進みました。


ニッコウアザミ多くなり、少し咲き始めていました。
奥へ進んで行くと、遠くが青色に染まっています。
アヤメがいっぱい群生しているのですが、遠いのが残念。
でも緑と青紫の色彩に、シラカバの白い幹が映えて、とてもきれいです。

アヤメ群生
【小田代ヶ原のアヤメ群生地をズーム】

殆ど人の通らない静かな道で、
散策にはシラカバ林がぴったり。

遠くでカッコウが鳴いています。


シラカバ林
【シラカバ林】
コブのある木
【コブのある木】

往きに見たコブのある木を、帰りもまた見つつ分岐に戻り、次の戦場ヶ原自然研究路へ進みました。

こちらはアヤメはもう終わっていますが、ノハナショウブが咲いています。

戦場ヶ原
【戦場ヶ原の自然研究路】

イブキトラノオも群生していて、緑の濃淡に白と紫が点々。
東山魁夷の日本画のような風情で、とても素敵な場所でした。

戦場ヶ原
【イブキトラノオとノハナショウブ】

青木橋
【青木橋を振り返る】

湯川の流れを渡る青木橋。透き通った流れの底には深緑色の藻がたくさん生えていました。

青木橋の先は大きく開け、戦場ヶ原の中心地に来ました。周辺には、これも素敵な白い花。ヤブデマリやムシカリに似ていますが、花びらが5枚、葉が3裂でおしゃれ。

後日カンボクと分かりましたが、日光には初めて見る白花が多く、どれもとっても素敵な花でした。

戦場ヶ原自然研究路
【戦場ヶ原自然研究路】
倒木
【倒木の すべすべ根】

歩道脇には倒木の根。相当以前に倒れた木なのでしょう。根は磨かれたようにすべすべになっていて、素晴らしい民芸品のように鎮座していました。

戦場ヶ原のワタスゲはもう終わりで、遠くにちらほら見えるだけです。

ワタスゲ
【ワタスゲ】

ホザキシモツケはピンクの花が咲き始めていました。
広い群生地はいずれピンク一色に染まりそうです。

ホザキシモツケ
【ホザキシモツケ】

赤沼へ
【左の赤沼へ】

林道に出て、左へ行けば赤沼バス停です。
湯元温泉行きのバスに乗って戻り、明日、白根山へ登れそうなら湯元の宿に泊まろうと思いました。



ノハナショウブ

カラマツソウ

ホザキシモツケ

カンボク

湯元の旅館案内所へ行って、天気予報を聞けば明日は晴れのち雨らしい。『午前中晴れなら白根山も行こうかな。午後の雨は今の時期仕方ないし、何といっても日光は遠いから。』と思って手頃な宿を聞けば、なんと旅館はほぼ満員になってしまったとのこと。今朝は余裕があったはずなのに、どうやら今日、関東にも梅雨明け宣言が出たらしい。

参ったな~ しかも湯元は一人客は敬遠され、割高らしい。「相部屋でもいいのですが・・・」と言ったら、「そんなものはここにはありません。」と言われてしまった。考えればここは観光地だった。いつも山小屋ばかり泊まっているので、ちょっと浦島太郎になっていたみたい。一人なら安い所でも週末は二食付きで14,000円~18,000円とのこと。うーん、予算オーバー。「朝は4時過ぎに出発するので、朝食はいらないのですが・・・」と言えば、更にヘンな顔をされてしまった。

仕方ない諦めよう。「では、また出直して来ますね。お世話様でした。」と言って、日光駅行きのバス停へ向かいました。『そうか~・・・ 梅雨明け宣言が出ると、観光客が避暑に来るんだ。』と納得。すっかり諦めてバスを待っていたら、旅館案内所で見かけた若い男性が「ちょっと心当たりがあって、聞いてみたら大丈夫そうですよ。素泊まり7000円だそうですが、良ければ替わりましょうか?」と携帯を渡してくれました。通話先は「湯の家」。

交渉の末、二食10,000円(朝食はおにぎり)で泊まれることになりました。北アルプスの山小屋も9,000円なので、ほぼ予算内。伺えば、その男性は○○ホテルの方だそうですが、自分も登山が好きなので、案内所での私のやり取りを気にかけてくれたらしい。色々話しながら湯の家まで案内してくれました。「お礼にいつか○○ホテルにも泊まらないといけないですね。」と言ったら「高いですよ~それにシングルはないから割高だし・・・」と本当に親切な人でした。感謝。

部屋に案内されて一服し、温泉街の奥にある湯元源泉へ行ってみました。

旅館ごとの源泉を持っているようで、湯気の出ている屋根がいっぱい並んでいます。あちこちの地面からプクプクお湯が湧き出ていて、周辺は硫黄の匂いが漂っていました。


源泉
【源泉】
湯の家
【湯の家】

「湯の家」は湯ノ湖の前に建っている旅館で、建物は古いけど控えめな女将さんはとても親切。10畳ほどの和室は正面に湯ノ湖が一望できます。

敷地内に2本の源泉を持っているので、100%源泉掛け流しです。浴槽からお湯がザーザーと景気良く溢れていて、清潔な感じだったのでゆったり浸かることができました。乳白色でスベスベとてもいい温泉で、夕食も美味しかったです。朝食がおにぎりとはいえ、宿泊料金はオマケしてくれたみたいで感謝でした。



 戦場ヶ原の花々



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