檜洞丸

ひのきぼらまる(1601m)


今年もシロヤシオの季節が巡ってきました。檜洞丸も花付きが良さそうなので楽しみです。
人気のツツジ新道は混雑することが多いので、また石棚山稜と犬越路ルートで歩きました。


2011.6.4
(土)
 西丹沢用木沢
出合
犬越路神ノ川
分岐
檜洞丸テシロノ頭石棚山
玄倉分岐
板小屋
沢ノ頭
箒沢公園橋
晴れ
のち曇り
 08:05着
 08:10発
08:3509:50
10:00
11:50
12:00
12:55
13:50
14:4515:1515:5016:25
16:35
17:00着
17:05発



シロヤシオ見頃の5月最終週末は西丹沢の山開きとも重なって、檜洞丸は大変な人出になります。先週は雨だったため今日は相当な人出が予想されるので、早めに家を出て新松田駅には6:50に着きました。既に臨時バスが待機していて7時前に出発し、後ろにも増発が来ていました。

今回も3年前の檜洞丸と同じルート。石棚山稜の雰囲気は西から東へ向かう方が好きなので今朝もそのつもりでしたが、バス車窓から富士山が見えたので嬉しくなり、今日は展望のいい犬越路から登ることにしました。終点の西丹沢が近づくと、片側にはずっと駐車の列。車派の方達は混雑を避けて早くから登っているのでしょう。登山届けを出して、出発。ツツジ新道入口を通過して、用木沢出合から入りました。


沢を渡る
【沢を渡る】

水色の鉄橋を渡り、沢沿いを進んで行きます。桟橋が流されていた所には間に合わせのように古い桟橋が掛けられていました。

河原に出て、その先の短い植林から急登です。

すっかり緑に埋め尽くされた涸れ沢に沿って登って行きます。しばらくは急登。時々空を見上げ、休みつつ登って行きました。

スズタケが現われると犬越路も近い。

新緑の急登
【新緑の急登】
犬越路
【犬越路  檜洞丸にはガス】

四辻になっている犬越路に出ると、一気に空が明るくなります。今日は青空ですが大笄には雲がかかり、檜洞丸の山頂はもう雲に隠れていました。檜洞丸は元々ガスのかかり易い山とはいえ、ちょっと残念。

犬越路からは富士山が山の陰になるので見えませんが、こんなに雲が湧き上がってきたのでは、今日はもう見えないかも・・・

スズタケの茂る尾根を進んで行くと、トウゴクミツバツツジが現われ始めました。この辺りのシロヤシオは既に散っています。

やがて小笄への登りになり、ふと見れば、なんと雲の上に富士山の頭が見えていました!
諦めていたので、嬉しい~ 

久し振りの富士山。今年は残雪が多いのでしょうか、山頂が真っ白に輝いています。

富士山とトウゴクミツバツツジ
【富士山とトウゴクミツバツツジ】
小笄へのクサリ場
【小笄へのクサリ場】

小笄への岩ゴツゴツ登りで、最初のクサリ場です。下山の時はこの上のクサリ場と共に渋滞になる所ですが、朝はまだ静かです。


小笄を過ぎる辺りからはシロヤシオもきれいに咲いていて嬉しくなりました。
青空に、富士山の白い頂きやシロヤシオの白花が映えて、とてもきれい。
霧にけぶるシロヤシオも風情がありますが、純白に輝くシロヤシオも素晴らしい!


富士山とシロヤシオ
【富士山とシロヤシオ】

シロヤシオ
【青空に映えるシロヤシオ】

大笄までは所々露岩混じりの急登ですが、緩んだ稜線にあるこのシロヤシオは盆栽のような枝ぶりで風情があります。来るたび気になるシロヤシオですが、今年は沢山の花を咲かせていました。


大笄のシロヤシオ
【大笄のシロヤシオ】
神ノ川分岐
【神ノ川分岐】

大笄を越えて神ノ川ヒュッテ分岐に来ました。
富士山見つつベンチで休憩。
隣でお昼だった方からパインドロップを頂きました。甘酸っぱい味が懐かしいですね~

熊笹ノ峰へ差しかかると立ち枯れブナが多くなりますが、どっしりとした根張りの堂々の大木もあちこちに点在しています。いかにも西丹沢らしい雰囲気です。

熊笹ノ峰の大木
【熊笹ノ峰の大木】
新緑と紅白
【新緑と紅白】

やがて道は緩やかになり、若葉のなかシロヤシオとトウゴクミツバツツジの紅白競演が多くなりました。明るい日差しをいっぱい浴びて、黄緑もピンクも白も光り輝いています。


稜線にはシロヤシオの木が次々現われ、赤い縁取りのおしゃれな葉も青空の下で伸びやか。


檜洞丸へ
【檜洞丸へ】

シロヤシオ
【シロヤシオ】

檜洞丸の山頂に近づいてくると階段が現われ、バイケイソウの青々した若葉がいっぱい広がってきました。緑の中にシロヤシオの白花が浮き立つよう。


バイケイソウの階段
【バイケイソウの階段から振り返る】

山頂直下はザレ崩落斜面で、道は一部細くなっています。
山肌にはシロヤシオとトウゴクミツバツツジが張り付くように咲いていて、花いっぱい。


トウゴクミツバツツジとシロヤシオ
【崩落斜面のトウゴクミツバツツジとシロヤシオ】

シロヤシオ
【シロヤシオ】

色の濃いトウゴクミツバツツジ
【色の濃いトウゴクミツバツツジ】

檜洞丸山頂北側のここのトウゴクミツバは、いつも濃いピンク色で際立っています。樹木の種類が違うのでしょうか、バイケイソウの緑が一層鮮やかさを引き立てているようでした。

檜洞丸の山頂に着きました。
今日はほんとに素晴らしい人・人・人です。
いつもの富士山寄りのベンチがちょうど空いたので、さっそくお昼。皆さんはそろそろ下山の時間帯でしょうか、今来た犬越路方面へ次々と下って行きました。

午前中の犬越路ルートはまだ静かですが、帰りはこちらのルートへ下る人もけっこう多くなります。

檜洞丸
【檜洞丸 山頂】

お正月にお世話になった青ヶ岳山荘へ寄ってトイレ拝借(50円・使用済みペーパーは必ず持ち帰り)。先週の雨でキャンセルが多かったのは残念だけど、今年は花がきれいなので嬉しいと話されていました。


シロヤシオ
【シロヤシオ】

山頂に戻ると人も大分少なくなっていました。
さて、下山。

少し下った所に咲くこのシロヤシオ。
初めて檜洞丸に来た年には、葉も枝も見えないほど真っ白に花を咲かせていました。勝手に「真っ白シロちゃん」と呼んで、来るたび写真に撮っています。あの日の花付きには及びませんが、今年もいっぱい花を咲かせて元気な姿で見送ってくれました。

バイケイソウの青葉に埋もれた木道を進むと、向こうのトウゴクミツバツツジは枝ぶりも良く素敵な姿。
花いっぱい咲かせて、とても艶やかでした。

木道の紅白ツツジ
【立ち姿の美しいトウゴクミツバツツジ】
紅白競演
【紅白競演】

木道先にはシロヤシオとトウゴクミツバツツジがたくさん。トウゴクミツバは蕾も多いので、満開になれば紅白競演の素晴らしい斜面です。

石棚山稜・ツツジ新道の分岐に来ました。
檜洞丸への最短コースでもあるツツジ新道。
今年はきっとシロヤシオのトンネルになっていることでしょう。

朝は渋滞したであろうツツジ新道も午後は空いていると思われますが、やっぱり好きな石棚山稜を下ることにします。

石棚山稜・ツツジ新道 分岐
【石棚山稜・ツツジ新道 分岐】

シロヤシオ
【シロヤシオ】

トウゴクミツバツツジ
【トウゴクミツバツツジ】

同角ノ頭 分岐
【同角ノ頭 分岐】

こちらも続く紅白を見ながらブナ林を進んで行くと同角山稜の分岐で、ベンチの周りにはマルバダケブキがいっぱいです。(現在、玄倉林道は通行止め)


しっとりブナ林のなか、柵で保護された遊歩道のような道が続いています。
露岩混じりのテシロノ頭には、シロヤシオやトウゴクミツバがいっぱい。


石棚山稜
【石棚山稜のブナ林】

テシロノ頭 紅白
【テシロノ頭 紅白】

静かな西丹沢の山の散歩道。ここは何度も往復したいような気持ちのいいブナ林です。

向こうにベンチが見えてきました。
木々を見上げ、しばし休憩。


ブナ林ベンチ
【ブナ林の中のベンチへ】
ブナ美林へ
【ブナ美林へ】

ベンチの先からは緩やかな下りになって、鞍部一帯にはブナ美林が広がっています。ここも深い森で、心安らぐ道です。


山頂の喧騒がウソのような静かな石棚山稜。
しっとり風情がよく似合う、ブナの道が続きます。
後ろから来た若者グループが通り過ぎて行きました。


石棚山稜
【石棚山稜のブナ林】

石棚山の大木
【石棚山の大木】

ブナの森の緩やかな散歩道もここまでで、玄倉分岐の先からは急下り。


玄倉分岐
【玄倉分岐】
急下り
【急下りを振り返る】

ヤブ沢ノ頭を過ぎると、露岩混じりのアップダウンが多くなってきます。この辺りのシロヤシオはもう散っていました。

板小屋沢ノ頭の道標には男性グループが休んでいたので挨拶して通過。その先は狭くザレっぽい急坂が続き、登りの時は一番辛い場所です。

沢沿いに下り立てば、その後はほぼ水平道。沢石に腰掛けて、バス時間調整のティータイムにしました。

板小屋沢
【板小屋沢に下り立つ】

バス停までは沢音を聞きながらの緩やかな下り。斜めハシゴ、堰堤の連続4個ハシゴ、沢渡渉、短い植林、キャンプ場を過ぎれば、箒沢公園橋の先にバス停が見えてきます。今日は増発も多いので座席も余裕で、後ろにも更に2台来ていたようです。



シロヤシオの季節になると気になる檜洞丸。最近は奥多摩にも心動かされ迷いますが、やはり檜洞丸は丹沢で一番好きな山。この時期は大変な混雑ですが、ルートを変えれば静かな山を味わえます。今年はシロヤシオも花いっぱいで、青空に映える白く輝く富士山と清楚な白花に会えてとても嬉しい一日でした。



前回の御前山    HOME    山域別    次回の鶏冠山・三窪高原