御前山

ごぜんやま(1405m)


カタクリで賑わったであろう御前山へ、栃寄沢から花を探索しながら歩いて来ました。
体験の森では今年初のシロヤシオに、鋸尾根では愛らしいチチブドウダンに会えました。


2011.5.21
(土)
 栃寄沢入口体験の森
休憩所
惣岳山御前山大ダワ鋸尾根岩場の
露頭
愛宕山奥多摩駅
晴れ  08:4509:45
09:55
11:40
12:15
12:3513:55
14:05
15:20
15:40
16:2016:45着
16:52発



今回は思いがけない風が吹いて、なんと、奥多摩の主Hgさんの御前山に付いて行くという、光栄というか無謀というか図々しいというか、「棚からぼた餅」のような嬉しいお話が舞い込み、palletさんはなねこさん・私の3人で、急遽「奥多摩おしかけ隊」を結成しました。

予定では5月1日でしたが、雨天で延期。季節がずれて見れる花は変化していますが、ツツジ類にはちょうどいい頃のようです。奥多摩駅前で待っていて下さるHgさんと、初めましてのご挨拶。車に同乗させていただき、栃寄沢入口からスタートしました。


栃寄沢入口
【栃寄沢入口】

歩きながらも目で鳥や蝶を追うHgさんについて、林道を僅かに進むと左側に登山口がありました。

あたりはすっかり若葉の季節。
涼やかな沢音を聞きながら、しっとり緑の沢沿い道を進んで行くと桂の大木が現われました。
早速撮影タイムです。

カツラ大木
【カツラ大木】
栃寄沢コース 桟橋
【栃寄沢コース 桟橋】

フタバアオイやクワガタソウなど、私達も花一つ一つを撮りながらなので、とてもゆっくり。
Hgさん「こりゃ~大分時間がかかるな~」と呆れつつニッコリ、覚悟をお決め下さいました。
ほんと!すみません。

桟橋を何度も渡りながら進みます。苔むす岩にはイワタバコの葉がいっぱい出ていました。


沢沿いには大木が多く、独特な雰囲気を醸し出しています。
森の守り神のような姿の木もあって、霧が立ち込めれば幽玄な雰囲気になりそう。
葉はトチノキ。トチノキは真っ直ぐな幹なので不思議に思い見上げても、上もトチノキの葉。


老いた大木からヒコバエが伸びたのか、別の古木に着床したのか、何ともいえない風格のある木です。

風格のある大木
【森の守り神】

トチノキ
【トチノキ】

武甲山の帰りに爽やかな匂いがしていたコクサギ。「まだ花が咲いているかも知れませんね。」と教えて頂いた通り、上の方では緑色の花を見ることができました。
また野鳥の鳴き声で標高1000mを越えたかどうか分かるとのこと。鳥の鳴き声で現在地の標高が分かるなんて素晴らしい。(しかし何の鳥の鳴き声だったっけ。ヤマガラ?シジュウカラ?)


体験の森 休憩所
【体験の森 休憩所】

車道に出て、東屋で休憩。
今日は気温も高く風もないので暑い!

私は団扇を取り出してパタパタ。色気なし。
Hgさん「仲間と思われないよう離れて歩きましょう」にpalletさんもはなねこさんも大笑い。

Hgさんは、このスローペースでは汗の掻きようもないと言った涼しげな風情でしたが、私達は衣服調整して再スタートです。


右の体験の森コースへ進みました。
足元には大小2枚ずつの葉。Hgさんの説明でヨゴレネコノメの葉と知りましたが、花の終わった後の葉はびっくりするほど様変わりするんですね~

ニリンソウも多く、いっぱいの花の中から、うっすら緑に染まった一輪の花をHgさんが見つけて下さって、我ら3人は大喜び。

ホンノリミドリニリンソウhgさんの命名です。

ニリンソウ
【ニリンソウ】


コクサギの花

ヨゴレネコノメソウ・葉

ホンノリミドリニリンソウ

ルイヨウボタン

カツラの道
【カツラの道】

カツラの大木もあちこちあって、
体験の森は色々なコースがあるようです。
いずれ時間が出来たら右往左往、
全部歩いてみたい。

こちらもカツラの巨木。
見上げれば、丸い青葉が水玉模様のよう。
たくさんの枝を空いっぱいに広げていました。

空いっぱいのカツラ
【空いっぱいのカツラ】
シロヤシオ
【シロヤシオ】

やがてシロヤシオの道へ。

登って行くと、いました!いました!
上に白い花をいっぱいつけた木が見えます。

本数は少ないけれど、
この辺りは今が見頃でとってもきれい。
今年初のシロヤシオです。

爽やかな黄緑色の葉と白い花、
ほんとうに清楚で美しい。
しばし撮影タイムとなりました。

シロヤシオ
【シロヤシオ】

やがて見覚えのある登山道に出ました。
見上げれば空が明るくなって、新緑が高くきれい。
輝く緑の中を惣岳山へ向けて進みます。


惣岳山へ
【惣岳山へ】

緑がきれい
【緑がきれい】

惣岳山に到着。
カタクリの季節は大賑わいのこの山も今日は静か。ここでランチタイムになりました。

のんびりお昼の私達とは違って普段は僅かな行動食のみとおっしゃるHgさん。ソーヤの丸デッコがお気に入りですが、今日は春霞で富士山も見えそうにないので、蝶の探索にちょっとだけお出かけでした。


惣岳山 山頂
【惣岳山 山頂】
御前山へ
【御前山へ】

そろそろ出発。
明るい緑の光の中、御前山へ向かいます。

短いながら急登で、途中の見晴らしベンチからの石尾根も同じく霞んでいました。

御前山山頂に到着しました。
若いグループが賑やかで楽しそう。

Hgさんが熊棚を見上げ、熊が運び上げた木々は冬になっても葉が落ちないので、遠目にもよく分かると説明して下さいました。熊は重そうなのに、よく枝が折れないものだなあと感心してしまいます。

御前山 山頂
【御前山 山頂】


その後、イタヤカエデの赤い花の撮影。私は高い所に咲く小さい花はよく見えず、緑の葉に赤い点々が見えるだけ。後日みなさんの写真を拝見すれば、小さくてもちゃんと花の形をした可愛い赤花だったのですね。


クロノ尾山へ
【クロノ尾山へ】

クロノ尾山へは一旦下り、
新緑の緩やかな道を進んで行きます。

所々、アセビのトンネル。

ミツバツツジもちらほら咲き残っていてくれました。ピンクの花に、水色のモデルさん。

ミツバツツジ
【ミツバツツジ】
清々しい青緑のカラマツ林
【清々しい青緑のカラマツ林】

カラマツ林も新緑真っ盛り。
すっきり並んだ清々しい青緑が気持ちいい。

お日様キラキラ、明るい新緑の道が続きます。
緑の木々には赤色のモデルさん。

少し先で大ダワに下り立ち、休憩。
林道が通っていてトイレはありますが、現在の状態は使用不可です。

新緑を行く
【新緑を行く】
しばし急登
【しばし急登】

大ダワの先はまた短い急登が待っていました。
途中の大岳山分岐からは、左の鋸尾根へ。

鋸尾根は所々露岩があり、少し先ではアブラツツジが咲いていました。スズラン形の白い小花が数個ずつ垂れ下がって、涼しげな花です。葉や枝ぶりも素敵で、生け花にしたいような樹木でした。

露岩下りあり
【露岩下り】
岩場の露頭
【岩場の露頭】

鎖場コースと梯子コースの分岐に来ました。
ここは正面にハンノキ尾根が見えて、ちょっとお気に入りの場所です。しばし休憩。

この先はけっこう岩ゴツゴツで、イワカガミが僅かながら咲き残っていてくれました。



アブラツツジ

イワカガミ

オトコヨウゾメ

ヤマツツジ

そして緑の中に赤い点々。チチブドウダンツツジが現われました。palletさんは「春のクリスマスカラー」と素敵なネーミング。

よく見ればあっちもこっちもいっぱい。
『遠目には小さな・・・に見える』と、チラッと洩らしたのを誰かに聞かれたみたい。

チチブドウダンもスズラン形の小花で、愛らしい赤。Hgさんは、小さく可憐なこの花がお好きだそうです。さっきの一言、Hgさんに聞かれなくてよかった。

チチブドウダンツツジ
【チチブドウダンツツジ】

天狗岩
【大天狗・小天狗】

この先は天狗2体が祀ってある展望岩。
あちらの御前山を見つめて立っている。

はなねこさんのレポには素晴らしいネーミングで、ぴったりの写真があります。

登計峠に下り立ちました。
ここから愛宕神社への登り返しがけっこうキツイ。階段を休み休み登って行きました。

登計峠
【登計峠】
愛宕神社の急階段
【愛宕神社の急階段】

そして最後は例の急階段です。
転げ落ちないよう慎重に下ろうと思っていたら、Hgさん、サラサラサラ~ッと、一気下り。
余裕で振り返って、カメラマンです。
我らはひたすらそろそろと下りて行きました。

奥多摩駅に着き、私達はタイミングよく来たホリデー快速に乗れましたが、Hgさんは登山口まで車の回収に戻らなくてはならず、最後まで本当にお世話になりっぱなしでした。


今回の御前山は、しっとり緑の沢道、深い森、可憐な花たち、そして輝く新緑と青い空。 花博士お二人と素敵な詩人との山行で、お陰さまでとても楽しい一日でした。みなさん、ありがとうございました。


 御前山の花々


------皆さんの御前山レポはこちら------

● Hgさん   :「奥多摩の山と自然」
● palletさん  :「そらいろのパレット」
● はなねこさん :「はなねこ山」



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