乾徳山

けんとくさん(2031m)


紅葉時期の連休は雨天続きの予報。予定していた北アルプスは中止し、
晴れた三日目に、変化に富み展望のいい乾徳山へ行くことにしました。


2010.10.11
(祝)
 乾徳山
 登山口BS
_乾徳山
登山口
_錦晶水_国師ヶ原_扇平_乾徳山_扇平_林道
横断
_道満山_徳和峠_乾徳山
登山口BS
晴れ  09:37着
 09:40発
10:0511:10
11:15
11:2211:50
12:00
12:50
13:30
14:10
14:30
14:5715:20
15:25
15:5016:05着
16:18発



今回も2006年6月の乾徳山と全く同じコースです。前回は花の季節だったので写真の時間も考え、少し早い山梨市駅からの市民バス(400円)を利用しました。しかし、今回調べると始発時刻が変更されていて、塩山駅からのバスと到着が同じだったので、塩山駅9:05発のバスで行くことにします。

乾徳山は4回目。10年くらい前の始発はもう少し早い時間だったし料金も一律100円だった記憶がありますが、今回は始発が遅くなっただけでなく料金も650円に上がっていました。バス停横の乾徳公園には立派なトイレがあります。橋を渡って左折。青い空に沿道のコスモスが可愛く揺れていました。

乾徳山登山口には大きな案内板があります。
今日は素晴らしい快晴。木陰の樹林帯とはいえ風がないので登れば暑くなってきました。

乾徳山 登山口
【乾徳山 登山口】
ミズナラ林
【ミズナラ林】

細い林道を横断してしばらくすると小さな水場の銀晶水。細い流れですが、冷たい水で美味しいです。

その先の駒止を過ぎると、露岩の多いミズナラ林の急な道になります。今はまだ緑一色。今日は小鳥も少なく、どこからか小さな鳴き声が聞こえて来るだけでした。

道が緩やかになると、やがて笹の広がる雰囲気のいいカラマツ林になります。散策気分の気持ちのいい林で、右手に沢音が聞こえてくると「錦晶水」。
ここも細いけれど、冷たくて美味しい水です。

錦晶水
【錦晶水】
国師ヶ原から見る乾徳山
【国師ヶ原から見る乾徳山】

緩やかなカラマツ林を抜けると国師ヶ原。
乾徳山が目の前です。写真では分かり難いけれど、山頂付近には赤や黄色がポツポツ見えていました。

青空が気持ちいい~
右手に扇平が見えています。


乾徳山下山道や大平方面などとの分岐を過ぎると、やがて広い草原です。紅葉した木も少し増えてきて、周りはススキがいっぱい。光り輝く穂が一面に広がっていました。

振り返れば富士山。
逆光気味ですが、すっきり見えています。

連休の雨。富士山では雪だったかなと期待しましたが雪ではなかったようで山頂は白くない。
ちょっとガッカリですが、この扇平の草原がススキというのは忘れていたので、わくわくウキウキ嬉しくなりました。


富士山
【振り返ればきれいな富士山】

月見岩の横には真っ赤に色づいたマユミの実がたわわに成っています。
この月見岩の上にあるお気に入りの大岩へ行きました。
眼下に広がるススキ草原と富士山を眺めながら休憩。

扇平のススキと富士山
【扇平のススキ】

横の乾徳山の上には青い空。
真っ赤に紅葉した木もポツポツ見られるけれど、写真ではあまりきれいに撮れてない。

もう下山してくる人がいます。マイカー登山の人たちは早朝から登れるので、くっきりきれいな展望が楽しめたことでしょうね。


ススキと乾徳山
【キラキラススキの向こうに乾徳山】
色づく樹林
【色づく樹林】

扇平を過ぎると樹林帯で、だんだん岩が多くなって来ます。ここはミツバツツジも多いので、赤や黄色に色づいて明るい林です。

岩場の上から振り返れば先ほどの扇平のススキ草原が見渡せて、楽しい眺めです。狭い隙間から梯子を下って、次へ。

見下ろす扇平
【岩場から見下ろす扇平】


始めの方の鎖場は大した長さではないので、山ガールも難なく通過。
紅葉と大岩の間をすり抜けて行きます。


最初の岩場
【最初の岩場】

紅葉
【紅葉見つつ】


落ち葉の中に鮮やかなキノコがありました。ベニテングタケでしょうか、毒キノコのようですが見た目は真っ赤でまんまる。親子のように生えていて、微笑ましくて可愛い雰囲気でした。
岩稜近くなって来ると、初めて見る黄色の花が沢山咲いていました。花の少なくなった秋の岩場に彩りを添えています。帰宅して調べると、イワインチンという岩場に咲くキク科の花でした。


ベニテングタケ
【ベニテングタケ ファミリー】

イワインチン
【イワインチン】

山頂が見える見晴らしのいい岩の上まで来ました。真っ赤に染まった木の奥に、乾徳山の山頂直下の鎖場が見えています。山頂に立っている人の頭が見えているのですが・・・


乾徳山山頂近く
【乾徳山山頂近くの紅葉】
迂回路あり
【迂回路あり】

直下の岩場は、乾徳山のシンボル的岩壁。
ほぼ垂直に近いので迂回路もあります。


下半分は足場が乏しく垂直なので鎖が必要ですが、上半分は足場も多く登りやすいです。


クサリ場 下部
【直下のクサリ場 下部】

クサリ場 上部
【直下のクサリ場 上部】

乾徳山の山頂は岩ゴツゴツで、やや狭い。
始発バスでも山頂到着が1時近くになってしまうので、南アルプスにはもう雲がかかっていました。バスがもう1時間早いといいのですが・・・

山頂の小さな祠に手を合わせて、昼食。


乾徳山山頂
【乾徳山山頂】
黒金山方面
【黒金山方面】

雲が多くなってきましたが奥秩父方面はよく見渡せていて、金峰山のトンガリ五丈岩も見えます。周辺の山肌は、緑の中にポツポツと赤い木々が点在してきれいでした。

帰路は山頂から岩稜伝いに黒金山方面へ下るのが一般的ですが、私は扇平が好きなので来た道を引き返します。

鎖場を登って来る人を覗いてから迂回路を下り見晴しのいい岩の上で山頂を振り返ると、登っている人たちの楽しそうな姿が見えました。

乾徳山の岩場
【乾徳山山頂の鎖場を振り返る】
乾徳山の山肌
【紅葉の山肌を見下ろす】

下の山肌を見下ろせば、赤や黄色に紅葉していてきれいでした。


扇平の月見岩へ戻って来ました。また上のお気に入り岩でティータイム。
午後は光が斜めに差し込んで、ススキも一層光り輝いています。
満月の夜、ススキが一面に広がるここでお月見をしたら素敵でしょうね~


月見岩
【月見岩】

富士山
【まだきれいな富士山】

月見岩から大平方面の道へ進みます。
風にそよぐススキの穂と乾徳山を、
何度も振り返りつつ・・・


扇平と乾徳山
【振り返り見る扇平と乾徳山】
うっすら紅葉
【うっすら紅葉】

樹林帯に入ると、淡い色づき。
今はまだポツポツ程度ですが、ここもいずれ彩り豊かな道になりそうです。


何度か細い林道を横切って下って行きます。
ここまで下るともう緑一色。明るいミズナラ林を下って行きます。


林道横断
【林道横断】

緑の道
【まだ緑一色の道】

ひたすら下って車道のカーブ点を掠めるように進むと、道は緩やかなアカマツ林になります。


アカマツ林
【アカマツ林】
道満山
【道満山】

僅かに登り返せば道満山。
ホオノキの大きな葉はまだ緑一色。樹林の中の地味な山頂で一休み。あとは最後の下りです。

道満山の下りは溝状の滑りやすい赤土の急下り。ぬかるんでいる時は神経を使う下りです。

やがて集落への分岐に来ました。以前は右折して下りましたが、ふと見れば前方に小さな手作りの道標があります。真っ直ぐ進んでみると、こちらに近道が出来ているようでした。4年前の道だとバス停まで20分以上かかりましたが、新しい道は10分と書かれているので、今日はこちらへ進んでみます。

徳和峠
【徳和峠の新しいルート】


車道に下り立ち、折り返すと防鹿扉があるので開閉。あとは手作り道標に従って下って行くとバス停に着きました。15分弱でしたが、確かに以前の道より近道だし分かり易い気がします。

バス停には10人ほど並んでいました。西沢渓谷から来たバスは既に沢山乗せていたので、詰め合わせて満員で発車しました。このバスはスイカ・パスモが使えないので現金払い。乗客が多いので降りるまでに時間がかかりましたが、塩山駅17:05発のホリデー快速には間に合いました。バス料金650円は、予め用意しておいたほうが便利です。


紅葉は扇平から上の乾徳山でしたが、青空の下、すっきり浮かぶ富士山も見ることが出来ました。扇平のススキ草原は伸びやかで、風にそよぐ穂が秋の光に輝いてとてもきれいでした。 変化に富んだ乾徳山。またいつか、今度は白い富士山と白い南アルプスを見てみたいと思います。



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