聖岳

ひじりだけ(3013m)
平成22年8月3日〜7日    (初日の千枚岳

今日は最後の聖岳です。山頂から、今回歩いた荒川三山・赤石岳を見るのが楽しみでしたが・・・
でも聖平小屋ではとても嬉しいサプライズが待っていて、楽しい最後の夜を過ごすことが出来ました。


2010.8.6
(金)
 百間洞
 山の家
百間洞
下降点
中盛丸山小兎岳兎岳聖兎コル聖岳奥聖岳小聖岳薊畑聖平小屋
晴れ  05:10発06:05
06:10
06:30
06:40
07:22
07:32
08:17
08:42
09:15
09:25
11:10
11:45
12:05
12:10
13:10
13:15
13:50
14:05
14:22着



朝になりました。4:30からの朝食を済ませ出発準備。当初は大沢岳経由で行こうと思っていましたが、1時間の遅れで聖岳に雲がかかって後悔するかも知れない。地図を見れば隣の中盛丸山と標高が変わらないし、位置も近いので展望は同じようなものだろうなどと思い、結局大沢岳はパス。百間洞下降点へ直接向かうことにしました。


富士山
【富士山見えて来た】

小屋前を横切り、マルバダケブキなど見ながらダケカンバ樹林帯を斜めに登って行くと、太陽と富士山が見えて来ました。今日も朝は快晴です。


見晴峠かなと思われる所から、聖岳と中盛丸山が見えて来ました。
中盛丸山というのは、またずいぶんと形の整った緑の山です。

聖岳と中盛丸山
【聖岳と中盛丸山】

百間洞下降点に出ました。
振り返れば、昨日登った赤石岳と荒川三山が逆光の中に大きい。

中盛丸山は緑の山に見えましたが、登山道側はガレ斜面の急坂です。


荒川三山と赤石岳
【荒川三山と赤石岳】
中盛丸山
【中盛丸山から大沢岳方面】

短いながらも急登。景色を振り返りつつジグザグに登って、中盛丸山に着きました。昔の標柱でしょうか、残骸のような柱が一本立っているだけですが、これはこれでちょっと風情があります。

中央アルプスがよく見えていますが、その右に小さく見えているのは北アルプスの穂高・槍のようです。


中盛丸山からは、聖岳の全体の姿がよく見えます。
大きな根張りで、どっしりと貫禄ある山容です。
富士山もきれいで、手前の山は笊ヶ岳でしょうか。
右手に見える兎岳も、なかなか味わいのある姿をしています。

聖岳〜兎岳
【富士山・笊ヶ岳     東尾根・奥聖岳・聖岳    兎岳】

小兎岳は近いかと思いましたが、これが思いのほか下ります。ガレガレ急下りで樹林帯に下り、また登り返し。見上げれば、この山も急登です。

ハイマツの露岩帯急坂を登って小兎岳に到着。
中盛丸山で見た印象より、けっこうアップダウンのある稜線でした。


小兎岳
【小兎岳】

振り返れば、今下りてきた中盛丸山がきれいな三角形をしています。こうして見ても急峻。
太陽が高くなり、逆光だった赤石岳と百間平がよく見えるようになりました。
荒川岳・塩見岳、ずっと奥に仙丈ケ岳と甲斐駒の頭がチラッと見えています。

中盛丸山〜赤石岳
【小兎岳から振り返り見る 中盛丸山〜赤石岳】

兎岳へ
【兎岳へ緩やかな上下】

小兎岳からしばらくは緩やかな上下でしたが、直前の小ピークからまた下りました。

見上げれば、ずーっと上にある兎岳山頂の標柱が白く光っています。ガレガレの急坂を、休み休み登って行きました。

兎岳の山頂に到着。素晴らしい360度の展望です。今歩いて来た小兎岳の緩やかな稜線を見下ろしてみるのも、いい気持ち。
立派な三角峰の中盛丸山。
奥の大沢岳もなかなか素敵な姿です。

大沢岳〜兎岳の山々。荒川三山・赤石岳・聖岳の3000m峰の中にあって、ちょっと控えめな存在ですが、一つ一つがなかなか個性的。小粒でもピリリと辛い魅力のある2800m峰でした。

兎岳から見る中盛丸山
【兎岳から見る中盛丸山】
兎岳から見る聖岳
【タカネビランジ咲く兎岳から見る聖岳】

兎岳のやや狭い山頂にはタカネビランジがいくつか咲いていて、きれいでした。

いよいよ今回最後の聖岳が目の前に大きい。
素晴らしい展望にちょっと長居をしてしまいましたが、まずは急下りからです。


下りつつ聖岳の右手を見れば、デコボコの山並みが続いていて、あちらが茶臼岳・光岳方面とのこと。 光岳?思ったより小さい山だなあと思い、地図を見れば標高は2591m。地図に記された山名は聖岳と同じ大きさだったので、標高も同じくらいと勘違いしていました。光岳というのは更にアクセスが大変そうです。

河内岳?〜光岳
【上河内岳?〜光岳】

途中に兎岳避難小屋が隠れるように建っていました。廃屋と書かれている通り、遠目には使われてないような風情ですが、雨風は避けられるのでしょう。

南側は聖岳大崩壊地のガレ縁。急下りの多い要注意の場所ですが、岩肌には高山植物も沢山咲いていました。


聖岳大崩壊地
【右側は聖岳大崩壊地】
赤石岳
【左に赤石岳】

下り切ったかなと思ってもまだ先に小さな高みがあります。途中から左側のトラバース道になり、赤石岳を見ながらトリカブトなど咲く道を進んで行きます。

ニセピークならぬニセコルが何度か現われ、細かく上下しながら進んで行きました。

200m下って聖兎のコルまで来ましたが、ここはまた羽虫がいっぱい。谷間から風に乗って上がって来たのでしょうか、すごい数ですがあまり人間には関心なさそうで、上のほうで群がっています。

ここから、今回ルートの最後の登り。岩稜帯の急登ですが、岩肌には花も多く、タカネビランジ、シコタンハコベ、イブキジャコウソウなど色々咲いていて、ミヤマオダマキもここに来て初めて見ました。

聖兎コル
【聖兎コルには羽虫いっぱい】
聖岳へ
【聖岳へ】

途中からはウサギギクやミヤマホツツジなど見ながらのトラバースになり、やがてガスの中にようやく聖岳の山頂が見えて来ました。


ガラガラ岩稜帯の途中で、雲に隠れた赤石岳方面を見ながら休憩。
私は右端の雲の中にチラッと見えた赤石小屋を千枚小屋と間違ってしまい、
『雲に隠れているのが荒川岳? 中央左が赤石岳で左の平坦は百間平?』と思ってしまいました。
南アルプスの山は森林限界が高く、どれも同じような顔に見えてしまい、ちょっと分かり難いでした。

兎岳〜大沢岳〜赤石岳
【兎岳  2796m峰  小兎岳のなだらか稜線   大沢岳     百間平    雲の中に赤石岳】

今回最後の聖岳の山頂に着きました。が、すっかりガスって、展望はありません。

周りの人たちとおしゃべりしながらお昼を済ませ、空身で奥聖岳へ行ってみました。


聖岳
【聖岳】
奥聖岳へ
【奥聖岳へ】

ほぼ平坦な散歩道でチングルマが多く、花は咲いているものや既に穂になったものなどいろいろ。
赤石岳より聖岳の方が、赤い岩が多いようでした。

末端には、冬季ルートから登って来たという年配男性がいました。聖岳は3度目なので今回はこのルートで来たが、登り一辺倒で大変だったとのこと。

私も三角点まで行ってその先を覗き込むと、突然切れ落ちて冬季ルートの東尾根が見えました。急勾配の尾根上に道が見えています。

ほぼ垂直に切れ落ちているのでどこに道があるんだろうと探すと、右手に下り口があり、わりとはっきりした道がついていました。

聖岳東尾根
【冬季ルートの聖岳東尾根】
聖岳の砂礫大斜面
【聖岳の砂礫大斜面】

聖岳まで戻って、あとは聖平小屋へ向かうだけ。
南面はガレガレ大斜面。チシマギキョウやシコタンハコベなど咲いていました。

ジグザグに下って行くと、雲の切れ間から奥に草原が見えました。写真上部の白い三角が方向指示盤のある分岐点で、その下に小屋の赤い屋根が小さく見えています。

下って行くとすれ違う人が多くなり、中には空身の人もけっこういます。聖岳ピストンのようですが、どこからピストンなのか、ちょっとびっくりしました。

砂礫の急下りが終わり、花の多いガレ縁の下には細い水場があるようでしたが、そこまで下りるのはちょっと難しそうです。

小さな滝音も聞こえていて、見れば奥の方に細く小さな滝(?)が流れ落ちていました。

更に進んで、小聖岳ピーク。
振り返り見る聖岳の山頂はガスの中でした。

小聖岳
【小聖岳から振り返り見る聖岳】
マルバダケブキの花畑
【薊畑周辺はマルバダケブキの花畑】

小聖岳からもしばらくは急下りでしたが、やがてダケカンバなどの樹林帯になりました。

マルバダケブキが多くなり、ずっと下まで続いています。トリカブトもまだ咲き始めですがけっこうあるので、もう少しすればこの付近は黄色と紫色がいっぱいになりそうです。

鹿が食べない毒草花畑・・・

ベンチが見えてきて、易老渡分岐のある薊畑に着きました。ここにザックがたくさんデポしてありました。聖岳ピストングループのザックのようですが、空身でピストンするには、ちょっと遠過ぎに思います。

この先もマルバダケブキが咲いていましたが、一部ネットで保護された区域があり、中にはイブキトラノオがいっぱい咲いていました。その近くには咲き終わりのニョホウチドリがいましたが、鹿害がない頃は地図の記載通り花畑が広がっていたのでしょう。

薊畑
【薊畑】
聖平小屋へ
【方向指示盤のある分岐から聖平小屋へ】

緩やかに下って行くと、広い草地の鞍部に出ました。方向指示盤のある分岐で、真っ直ぐは上河内岳や光岳への道です。立ち枯れが多いのは何か訳があるのでしょうか。

左の木道へ進んで聖平小屋へ向かいましたが、ここは気持ちのいい場所だったので、夕方はまたここへ来て、誰もいない草原の中でゆったりとした時間を過ごしました。



ミヤマオダマキ

ニョホウチドリ

オヤマリンドウ

タカネナデシコ


樹林帯に入るとすぐに聖平小屋がありました。今回最後の小屋です。受付へ入ろうとすると、奥のベンチから突然「sanpoさ〜ん」の声。驚いて、見れば、なんと!palletさんとゆきさんでした。びっくり〜〜〜♪
palletさんへ、「6日は聖平小屋の予定です。」とメールはしていましたが、お二人の夏山はまだ決まってなかったようなので、本当にびっくりしました。

嬉しくて、受付を済ませてからゆっくりお話しようと入口へ向かうと、「ちょっと待って、ちょっと待って。」と、ゆきさん。何事かと思っていると、入口前でお二人がアーチを作って下さいました。
今まで生きてきて、こんな歓迎を受けたことがないので私はびっくり仰天。感激してしまいました。
palletさん、ゆきさん、本当にありがとうございました。 手を合わせ、有難く通らせていただいて、受付へ。

聖平小屋に入ると、スタッフが手作りクッキーと美味しい川根茶で迎えてくれます。部屋は中央に通路がある大広間タイプ。金曜日の今日は賑やかで一人半畳幅の寝袋スペースで、男女の別なく順番に詰めていきます。私の両側はずっと男性ばかりだったので、こういう時の寝袋は助かります。

二階の布団部屋兼更衣室で着替えて、外へ。
palletさんたちとおしゃべりしながら楽しいひと時を過ごしました。

お二人は昨日から入山。明日は聖岳で、翌日赤石岳へ向かうそうです。聖岳の展望も、明日なら素晴らしいことでしょう。楽しんで来てくださいね〜♪


聖平小屋
【聖平小屋】

夕食が終わり、部屋の自分スペースへ戻ると、数人先から素晴らしい大イビキ。まだ6時半にもなっていないのに、今から大音響の往復。両隣の男性のみならず私の反対側の男性も困り果てています。困った顔して呆然と見ている人や、起き上がって溜息ついている人。イビキ主にとって、そ〜んなことは夢の外。 大音響は止まりそうもない。困ったことなのに、何だか可笑しい。

笑いながら一旦外に出ました。すると外にも避難民がいて、しかも通路の反対側の人。お互い「参りましたネ〜」の親近感。スタッフに「イビキが大き過ぎて眠れない。」と苦情を言っている人もいましたが、小屋側の返事は「山小屋にイビキは付き物です。」の一言。 まあ・・・確かに。

しかし、トイレ(離れていて100mくらい奥の林の中)から戻って部屋へ入ると、なんと、シーンとしています。あの大音響が消えていました。どうしたのかとびっくりしていると、当人から数人離れた位置の男性が注意してくれたとのこと。その後は朝まで、ずーっと静かでした。注意した男性いわく、「イビキは、注意してあげれば止まるんですよ。」と、おっとりと優しい笑顔。今夜の小屋の救世主のように思えました。感謝。



 聖岳の花々



前日の荒川三山・赤石岳    HOME    山域別    翌日の椹島下山