荒川三山(悪沢岳)・赤石岳

わるさわだけ(3141m)・あかいしだけ(3120m)
平成22年8月3日〜7日    (初日は千枚岳

今日はちょっと長い行程で、荒川三山から百間洞山の家まで下ります。
朝の悪沢岳は素晴らしい展望でしたが、赤石岳は雲の中でした。


2010.8.5
(木)
 千枚
 小屋
千枚岳丸山悪沢岳中岳前岳荒川
小屋
大聖寺平小赤石岳赤石岳百間平百間洞
山の家
晴れ
のち曇り
 04:40発05:30
05:45
06:30
06:40
07:10
07:35
08:40
08:55
09:05
09:10
10:10
10:40
11:10
11:15
12:30
12:40
13:10
13:30
14:45
14:55
15:35着



日の出前の富士山
【千枚小屋から日の出前の富士山】

4:00からの朝食を済ませ、出発準備をして小屋前広場に出ました。
目の前には雲海が広がり、オレンジ色に輝く空に富士山のシルエットが美しい。
そろそろ日の出ですが、もう出発します。


昨日歩いたダケカンバの散歩道。ここでご来光を迎えました。雲海の上に輝く一点。今日は素晴らしい晴天で、感謝です。

昨日見た花を確認しながら進み、千枚岳に到着。

大きく広がる雲海を、朝の光が陰影をつけて照らしています。遠く左手には奥秩父の山並みが浮かんでいました。

千枚岳
【千枚岳 山頂】

昨日はガスで何も見えなかった千枚岳も今日は素晴らしい展望で、更に左手すぐには去年登った塩見岳が近い。端正な姿の奥に、仙丈ケ岳や甲斐駒、北岳辺りが見えています。中央アルプスや、遠くには北アルプスも横一列。富士山の右の方は笊ヶ岳方面のちょっと低い山並み。そして午後に向かう赤石岳。その後ろに重なるように、明日の聖岳も見えています。素晴らしい展望に、なかなか出発できません。


荒川三山と丸山
【千枚岳から見る荒川三山と丸山】

後ろが、これから向かう丸山と荒川三山。
そろそろ、出発。

千枚岳の先は岩場のヤセ尾根や急坂下りで、タカネビランジやタカネマツムシソウ、チシマギキョウなど花も多い。写真を撮りつつ、慎重に下って行きました。

千枚岳の岩場
【振り返る千枚岳の岩場】
赤石岳を見つつ
【赤石岳を見つつ花の道を行く】

丸山への登りに転じて、ここも花いっぱいの露岩の急坂。赤石岳が目の前にすっきり見えています。

半分過ぎると露岩急坂も終り、ハイマツ地帯の緩やかな登りになりました。


丸山に到着。小広場のような山頂は展望も良くて、千枚岳と同じような眺めです。
椹島方面には雲が浮かび、笊ヶ岳の山並みと赤石岳の山並みが対峙しています。

笊ヶ岳方面と赤石岳方面
【丸山から  笊ヶ岳方面と赤石岳方面】

荒川岳の東岳へ
【荒川岳の東岳へ】

次の荒川岳の東岳へは岩ゴツゴツの道です。手前のピークを越えると、中央奥に山頂が見えて来ました。足元には、シコタンソウなど咲いています。

荒川岳の東岳に着きました。
ここは悪沢岳と呼ばれるようで、西の中岳と前岳を合わせて荒川三山と呼ぶようです。今回ルートの最高峰で、眺めも一段と素晴らしい。

悪沢岳山頂から
【悪沢岳山頂から】

太陽が高くなって、去年登った塩見岳が更にくっきり見えてきました。左に伸びる稜線も気持ち良さそう。
北アルプスもずっと奥まで見え、穂高・槍から白馬鑓のトンガリまで遠いながらもよく見えています。
中央アルプスの奥に御嶽山、更にその奥に白山も、うーっすらと見えていました。右には乗鞍岳。
素晴らしい景色に去り難く、ここでもしばらく眺望タイムです。

悪沢岳からの展望
【中央アルプス 御嶽山 北アルプス       塩見岳 甲斐駒ケ岳 間ノ岳】


反対側は午後に向かう赤石岳。重なるように、奥に聖岳が見えています。
この時は赤石岳右下のポコポコ小山が何か分かりませんでしたが、
帰宅して写真で確認。百間平・大沢岳・中盛丸山・兎岳と分かりました。
すぐ右下の大きな山は、これから向かう中岳・前岳です。

赤石岳と中岳・前岳方面
【赤石岳と中岳・前岳方面】

中岳へ
【中岳へ】

次の中岳へ、ここも露岩とザレの急下りです。足元に注意しながら下って行きました。

コルに下り立ち、登り返し。
こうして見ると、悪沢岳より登り甲斐がありそう。
シコタンハコベやクルマユリ、タカネナデシコなどが、ちょっと離れた場所に咲いていました。

登りきった所に中岳避難小屋があり、ベンチなどあって休憩には良さそうでしたが、奥に山頂が見えていたので、もうひと頑張り。

周辺には、チングルマ、コイワカガミ、ヨツバシオガマなどが咲いていました。

中岳山頂へ
【中岳避難小屋の奥に中岳山頂】
中岳から
【塩見岳の左に仙丈ケ岳、右に甲斐駒】

中岳の山頂です。
ここも悪沢岳と同じく360度の展望ですが、ちょっと角度が変わったので、悪沢岳では重なって見えていた仙丈ケ岳も全体が見えました。

少し下ると前岳分岐です。ザックを置いてちょっと寄ってみます。

前岳はこちらから見ると穏やかな山容でしたが・・・

前岳へ
【前岳へ】
前岳の大崩壊地
【前岳の大崩壊地】

前岳の山頂に立つと、西側は大崩壊の斜面です。
すぐ上を、自衛隊のナントカ機が爆音を轟かせて、すっ飛んで行きました。今日は何かあるの?

分岐に戻り、荒川小屋へ向かいます。
赤石岳に迫る雲を気にしつつも前岳から下って行くと、足元の花が多くなってきました。

花畑へ
【赤石岳見つつ花畑へ】
前岳の花畑
【花畑の道】

やがて急斜面になり、道の両側には花がいっぱい。

シナノキンバイやハクサンイチゲが多く、黄色と白が一面に広がっています。ハクサンチドリやミヤマキンポウゲ、コイワカガミ、キバナノコマノツメなどなど、山肌全体が大きな花畑です。

クロユリを見つけて感激していましたが、その先にもあちこちに咲いていました。ガクが密着している日本原産のミヤマタンポポも沢山います。色々な花が混じり合って、この前岳の花畑は南アルプス随一だそうです。

振り返れば、青い空。
広い山肌一面に花が咲き競う素晴らしい花畑に圧倒され、感動のひとときでした。

前岳の花畑
【仰ぎ見る花畑の大斜面】


ミヤマタンポポ

クロユリ

ハクサンチドリ

ハクサンイチゲ

荒川小屋へ
【荒川小屋へ】

花畑が終わり、急な斜面をなおも下って行くと、下に荒川小屋の赤い屋根が見えて来ました。

隣の赤石岳は片側がもう雲に隠れてしまいました。今日はあの赤石岳へも行くのだけれど、展望が・・・

細い沢の水場やダケカンバなどの樹林帯を抜け、荒川小屋に着きました。小屋の前を通ってベンチへ行こうとすると、貼り紙が・・・

おぉ〜 素晴らしい!!
「スイカ あります 300円」

『買ったら、写真に撮ろう!』と思っていたのに、お金を払ってスイカを手にした瞬間、コロッ!と忘れ、もうかぶりついていました。小さな一切れですが、山で食べるスイカは、ほんと! 美味しいです。

スイカ あります 300円
【スイカ! 300円】
荒川小屋から
【荒川小屋から見る富士山】

小屋のベンチで、昼食タイム。最近、縦走時の昼食は山小屋のお弁当ではなく、レーズンスティックパン・ミニソーセージ・青みかん・スープ。節約志向の簡素な食事なので、時間もかからない。

少し先にトイレがあり、その横に赤石岳への登山口がありました。振り返れば、富士山にも雲が迫ってきています。

ハクサンフウロやウサギギクなど咲く広葉樹林帯の登りを過ぎると、石ザレのようなトラバース道になりました。タカネマツムシソウがあちこちに咲いています。稜線近くに上がった辺りが大聖寺平でしょうか、ちょっと賽の河原のような風情の場所です。

更に登って行くと、ようやく稜線に上がりました。西側の展望が良さそうなところでしたが雲が多い。振り返れば稜線の下の方に平坦な広場があります。ここが地図に記されている「ダマシ平」でしょうか、なるほどガスが出れば大聖寺平と勘違いしそうな台地で、奥に遭難碑が建っているようでした。


大聖寺平
【大聖寺平】
大聖寺平
【大聖寺平振り返る】

ここからは岩ガレ斜面のジグザグ急登。上は小赤石岳のはずですが、もうすっかり雲に隠れて山頂は見えません。一歩一歩登って行きました。

花も咲いているけど苦しい登りです。急登が終わり、振り返ればけっこうな急斜面。下の方から団体さんが上がって来るのが見えました。

小赤石岳に到着。
ガスの奥に赤石岳が見えています。

周辺に咲くチシマギキョウはどれも鮮やか。北アルプスのチシマギキョウは藤色っぽく毛も多いけれど、南アルプスのチシマギキョウは濃い紫色で、遠目にはイワギキョウかと思うくらい。よーく見ないと分からないくらい、毛も短い。

赤石小屋の分岐に着くと、ここにザックを置いて赤石岳へピストンする人が多いようで、この先は空身の人が多くなりました。

小赤石岳から見る赤石岳
【小赤石岳から見る赤石岳】
赤石岳 山頂
【ガスの赤石岳 山頂】

今回の第二峰、赤石岳に着きました。
すっかりガスって何も見えません。今日登った荒川三山が見えないのは、とても残念。

展望が得られないのでは登ったことにならない気がするけど、ここでゆっくりティータイムにしました。


10分ほどすると団体さんが空身で来て、写真撮りに賑やかだったけど、3,4分ほどで潮が引くように赤石小屋分岐へ戻って行きました。シーンとした時間が戻ってきて、ホッと安心。とりあえず山頂ゲットすればいいという雰囲気で、何やら忙しそうな団体さんでした。

向こうに避難小屋の紅白幟が見えています。富士山も見えるはずですが、今は何も見えません・・・
静かな赤石岳を辞して、あとは下りだけです。すぐ先に赤石避難小屋がありました。ここの避難小屋は奥多摩や丹沢の避難小屋と違って小屋番さんがいるそうです。予約が必要で突然行くと叱られるそうですが、とりあえずは泊めてくれるらしい(避難小屋だもの・・・)。 但し、寝具・食料・水などは必携です。

避難小屋の先には小さな残雪があり、やがてガラガラ岩石地帯の急下りになりました。ジグザグの急坂が終わった狭い平坦地に標柱があります。

その先は大斜面下コルまで、岩ゴロゴロのトラバース。ガスで展望もないので、ただひたすら通り過ぎるだけです。


ガラガラ地帯
【急坂下の標柱はガスの中】
馬ノ背
【馬ノ背を行く】

緩やかになりました。
ここが馬の背あたりでしょうか。
展望の良さそうな平坦な稜線道です。

やがてウサギギクやヨツバシオガマなど花がちらほら見られるようになって、前方に広い草地が見えてきました。百間平でしょうか、気持ちのいい台地が広がっています。ハイマツが低く茂っていて、植物保護ロープが張られています。

晴れていれば、地図に記載されているように眺めの良さそうな雲上庭園でしたが今日は残念。馬の背からこの百間平だけは、また再訪したい気分でした。

百間平
【百間平】
百間平の肩から
【百間平の肩からの急斜面】

平坦な百間平の次は、また急斜面。
ガレガレのジグザグで、けっこう長い下りでした。

下の方に樹林帯が見えているので、あそこまで下れば小屋もすぐでしょう。

森林限界を過ぎるとダケカンバの樹林帯になり、大沢岳との鞍部から左の沢沿いへ下りました。

気持ちのいい沢音を聞きながら下って行くと、小さく段々状に整地されたテント場があり、その先に百間洞山の家がありました。

すぐ横をサラサラと沢が流れ、山間の静かな小屋といった、落ち着いた風情の山小屋です。

百間洞山の家
【百間洞山の家】

受付時、先着3人組の後ろで待っていると、「昨日は・・・千枚小屋ですか。じゃあ、明日は聖平小屋で、その翌日は椹島に下山ですね。」と言う受付のお兄さんの声が聞こえて来ました。山深い南アルプスは、誰もが殆ど同じルートなのでしょう、すっかり慣れた対応でした。

百間洞山の家は、3畳+板の間の区分が上下二段になっていて、一区分に4人でした。ここも寝袋ですが、毛布もあります。夕食は揚げたてのトンカツで、この食事だけを頼むテント泊の人もいました。トイレはここも水洗で、南アルプスは沢水が豊富なせいか、水洗トイレの小屋が多いようです。

4時頃に少しだけ雨がぱらつきましたが、間もなくやんだようです。 明日もお天気は良さそうですが、また10時頃には雲が出てくるのでしょう。聖岳の展望は大丈夫かな〜・・・



 荒川三山・赤石岳の花々



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