笹尾根

ささおね


昨日は小雨が降って、山はまた白くなったようです。
湿度が高く気温がかなり低い予報なので、霧氷がきれいそう。
雪の笹尾根も素敵だろうなあと思い、出かけて来ました。


2010.2.14
(日)
 郷原三頭山・西原峠
分岐
槇寄山数馬峠丸山土俵岳日原峠浅間峠上川乗
晴れ
のち曇り
 09:18発10:4010:50
11:30
12:1213:00
13:10
13:5514:10
14:15
15:00
15:05
15:40着
15:59発



中央線の車窓から見える山々はどれも真っ白。雪と霧氷に飾られて、素晴らしくきれいです。ワクワクしながら上野原駅で下車しました。7:28発の飯尾行きバスは、ほぼ満員です。

進むにつれ奥に見えてきた稜線も一段と白く輝いて、車内からも歓声が上がりました。

ほんとにきれい! あれはひょっとして笹尾根?


笹尾根
【バス車窓から見る白い笹尾根】

ウキウキしながら白い郷原で下車。笹尾根は何度か歩いていますが、五日市側からと東の生藤山からで、上野原駅からバスで入る鶴川側からは初めてです。道標に従って山側への坂道へ入りました。


振り返れば郷原の山里は一面真っ白で、素晴らしくきれい。
まるで雪国のように、朝日にきらきら輝いています。
右奥の奈良倉山方面も、すぐ隣の尾根も真っ白です。

郷原の雪景色
【郷原の雪景色】

積雪は5cmくらいでしょうか。昨日の降雪のあとのトレースは一人分で下山してきた人の足跡のようです。登りならアイゼンは着けなくても大丈夫そう。始めは植林のジグザグ急登で、風もないので暑くなりTシャツ2枚で充分です。


落葉樹林
【白い落葉樹林】

30分ほどすると落葉樹林になり、霧氷で明るく気持ちのいい林になりました。

サクサク進んで行くと大きな案内板があり「つね泣き峠」の説明が記されていました。三頭山の北に「おつねの泣き坂」という急斜面がありますが、奥多摩湖の北側にある川野から険しい三頭山を越えて、こちらの西原に通った若い女性の恋物語でした。

登りが続きますが白い雪道は気持ちよく、見上げれば末端まで化粧した梢が白く輝いて、青い空に映えていました。なんてきれいなんでしょう。

輝く霧氷
【輝く霧氷】
雪道
【雪道】

雪の下は落ち葉がいっぱいのようで、ふかふかサクサク。やがて木々の白さが一段と際立って、向こうに権現山方面が見えてきました。


素晴らしい霧氷
【素晴らしい霧氷から望む権現山方面 】

朝日に輝く白い木々。
なんてきれいなんでしょう。
気温が低く光も柔らかいので落ちてくる気配がなく、とても静か。

素晴らしくきれいで、本当に感動!
しばし見入ってしまいました。


輝く霧氷
【輝く霧氷】
三頭山・西原峠 分岐
【三頭山・西原峠 分岐】

気持ちのいい白い林を進んで行くと、やがて北向きに変わり、槇寄山の下の三頭山・西原峠分岐になりました。

今日は槇寄山へ寄ってみて、青空が続きそうなら三頭山へ行くのもいいかなと思っていたので、どちらから槇寄山へ行ってもいいけれど、左は植林で暗そう。右の明るい雑木林へ進みました。

雪をいっぱい着けた木々は、重さに耐え切れず枝垂れかかって、所々通せんぼをしています。

雪が降りかからないよう、そっと下を通り抜ければ、氷の枝のようにバリバリ。全く落ちる気配なく、しっかり枝に凍り付いています。

樹氷をくぐる
【樹氷をくぐる】
西原峠
【西原峠】

明るい雪道を回り込んで、西原峠に着きました。
ここからは踏み跡いっぱい。
左へ少し登れば槇寄山もすぐです。

槇寄山の山頂に到着。
団体さんが記念写真を撮ってすぐに出発して行ったので、山頂には誰もいなくなりました。

が、だんだんガスが上がってきて残念。見えるはずの富士山は勿論、三頭山方面も見えなくなりました。今ならまだ日差しがあるので、ちょっと早いけど昼食タイムにしました。今日は晴れの予報でしたが、一人二人が来るくらいで静かです。

どんどん曇って寒くなり、すっかりガスに包まれてしまいました。あれこれ着て私も出発です。

槇寄山
【槇寄山】

さっきの西原峠へ戻って、笹尾根へ進みます。曇って気温も低いままなので、樹氷も融けずにしっかり木々についたまま。重そうに枝垂れかかってくる枝々には雪も氷もいっぱい。そっと通り抜ける時に体が触れても落ちて来ず、氷細工の玉すだれのよう。まさに自然が作る繊細な芸術作品。カラカラと音がして、下を通る度に楽しい。


樹氷すだれ
【樹氷すだれ】

樹氷トンネル
【樹氷トンネル】

勾配のない尾根道で、雑木林や片側植林の道が続きます。槇寄山以外では、ほとんど人に会いません。風もなく、小鳥も鳴かないのでシーンと静かです。樹氷を見つつ、去年1月の生藤山で調べた霧氷の分類「樹氷・粗氷・樹霜」の違いが分かって、理科の勉強もした気分になりました。


粗氷?
【粗氷?】

着雪・粗氷・樹霜
【着雪・粗氷・樹霜】



参考:「奥多摩の山と自然」のHgさんの写真は、粗氷・樹霜が素晴らしく鮮明です。
    他にも芸術的な写真がいっぱいですが、霧氷の分類の参考になるものを2枚お借りしてきました。


粗氷・樹霜
【粗氷・樹霜】    Photo:Hgさん

着雪・樹霜
【着雪・樹霜】    Photo:Hgさん



田和峠はやや小広く、田和への道にはトレースはついていませんでしたが、こちらも気持ち良さそうな道でした。いつか歩きたい。

田和峠
【田和峠】
笹ヶタワ峰付近
【笹ヶタワ峰付近】

笹ヶタワ峰付近も気持ちのいい道が続きます。どこかで雪の重さに耐えかね枝が折れたのか、バキーッ ドドドドーッ! と雪の落ちる音が響いていました。

次の数馬峠・上平峠はベンチなども設置されて明るくなっていて、槇寄山にいた団体さんが出発準備中でした。

以前より開けてすっかり雰囲気が変わった峠ですが、一昨年も今日も何も見えませんでした。

数馬上平峠
【数馬上平峠】
笛吹峠
【笛吹峠】

大羽根山分岐の新しい道標を見て、小さな広場を通り過ぎると笛吹峠。大日と記された石碑があって、いにしえの峠らしい雰囲気です。

やがて笛吹分岐の小さな十字路。

右へ少し上がれば丸山の山頂ですが、ここも樹林に囲まれて展望はありません。

丸山
【丸山】
雪の笹尾根
【雪の笹尾根】

笹尾根らしい雰囲気の、植林と雑木林の境道が続きます。暗いイメージの植林も今日は雪の装いで明るい感じです。

防火用水のドラム缶が見えてきて、土俵岳に着きました。南側が植林なので、ここも暗い山頂ですが、今日は少しいい感じ。

土俵岳
【土俵岳】
日原峠
【日原峠】

トレイルランの人が一人通っただけ。誰にも会わず、静かな白い道が続きました。

石仏が見守る日原峠に来ると、少し日差しがありました。ここも峠らしい雰囲気で、日原への道も気になりつつまだ歩いたことがありません。

あとは浅間峠へ下りるだけ。
と思うけど、意外とこの先アップダウンがあって、前回同様『あれっ・・・こんな登り、あったっけ』と思いながら、登って行きました。
どこもかしこも白くて、本当にきれい。

浅間峠へ
【浅間峠へ】
浅間峠
【浅間峠】

下に立派な東屋が見えてきて浅間峠に着きました。東屋にあった温度計は0度。この冬は寒さが続くようなので、樹氷もしばらくは見られそうです。



あとは上川乗バス停まで下るだけ。トヤド浅間分岐を過ぎればずっと植林の中。ひたすら下り、麓近くの小さな社で手を合わせて、バス停へ向かいました。



朝の郷原は本当に素晴らしくて感激してしまいました。青空の下、静かな里も取り巻く山々も一面白く輝いて、とても素敵な雪国の風情でした。槇寄山は曇ってしまい残念でしたが、笹尾根では樹氷の続く静かな白い道を味わうことが出来てとても楽しい一日でした。




追 記


雨氷
【雨氷】

細い枝に透明な氷がついているので、当初はこれが粗氷なのかなと思っていました。しかし、かなりの氷がまんべんなく付いているので、雨が凍ってまとわり付いたような印象。霧というには水分が多いなあという疑問は残っていました。

後日、木の葉さんのレポを拝見して、「雨氷」という現象があることを知り、調べてみると、こんな記事を見つけました。



「山梨県内ニュース」 雨氷、電車止める 架線に付着、凍結 中央線、富士急行線 ダイヤ乱れる
「雨氷というのはかなり珍しい現象で、甲府地方気象台によると、雨氷は上空が暖かく、地表が急激に冷え込む特殊な気象条件の下、雨が瞬間的に凍結する現象。数年に一度の割合で局地的に発生、普通の着氷霜に比べて氷の付着力が強いため、電気が流れにくい。」

確かにあの日に見た樹氷はまさに氷に包まれた木で、霧から出来る「粗氷」というにはかなり多量の水分でした。付着力も強く、しっかり枝に凍り付いて簡単には落ちない様子で、『こんな細い枝の一本一本に、これほど沢山の氷が取り付いては、木々もさぞ重たかろう。』と思ったものです。あれは粗氷というより、まさに雨氷だったように思います。雨のあと地表だけでなく上空の気温も下がり雪になって、更に翌朝晴れて冷え込んだので霧氷(樹霜)が出来たというのが正しいような気がしてきました。局地的に発生する雨氷が、長野・山梨・東京西部と、これほど広範囲で見られたのもかなり珍しいことだそうです。
なにはともあれ、美しくも不思議いっぱいの自然現象。興味深い樹氷の数々でした。



「ウィキペディア:雨氷」 山地での被害
「雪が樹木の上部や外部にのみ付着するのに対し、雨氷は樹木の枝葉1つ1つに氷がついて重くなるため、雪の半分程度の降水量で折れ曲がったり倒壊してしまう。ある調査では、樹木に付着する雨氷の重さは、平均で木の総重量の5〜16倍に達していたといい、15mの木に総重量4.5トンの雨氷が付着した例もある。木の重さの雨氷により樹木が倒壊すると、土壌がむき出しとなり土砂災害を起こしやすくなるため、二次災害を誘発する。」

この記載通り、翌月の高尾では多くの枝折れや倒木を見ました。雪解けが進めばかなり広範囲での被害が表面化するのではと心配。美しい雨氷でしたが、こうなると山林には困った現象です。



前回の大菩薩峠    HOME    山域別    次回の高尾梅郷・景信山