爺ヶ岳〜鹿島槍ヶ岳〜針ノ木岳〜蓮華岳

じいがたけ(2669m) かしまやりがたけ(2889m) はりのきだけ(2820m) れんげだけ(2798m)
2005年8月3日(水)〜6日(土)   初日の爺ヶ岳


2005.8.6(土) 針ノ木小屋_蓮華岳_針ノ木小屋_雪渓下_大沢小屋_扇沢
ガス
のち晴れ
 06:10発07:10
08:15
08:50
09:10
10:30
10:50
11:2012:10着
12:25発



朝、目が覚めると何やらザワザワ。時計を見ると3:40 まだ眠っている隣の人の、向こうの男女4人グループが支度を始めたようでした。早朝の場合、普通は部屋の外で支度するものですが、布団の上で始めました。一枚に二人の今日は、皆、ザックは階下の通路に置いていましたが、この人達は枕元に置いていました。

山の朝は早いとはいえ、この時間はまだ眠っている人が殆ど。そのうちザックを持って出るかなあと、布団の中でボーッとしていましたが、そんな気配はなくビニール袋などガサガサ、バリバリ。小声で話ながら作業をしています。きっとそのうち出るんだろうと、私はじっと我慢していました。4時過ぎると周りで起き出す人もいますが、しばらくすれば部屋から出て行きます。でもこの人達はまだ終わりそうにありません。

相変わらず荷物を広げてガサガサおしゃべりしながらやっているので、思い余って小声で注意しました。すると「あっ! はい」と返事はしたのですが、そのまま続けています。結局出て行ったのは4:20 なんと40分間も皆の枕元でザワザワ、バリバリやっていたのです。なんて非常識なんでしょう。私はしばらく憮然としていました。若い男性なら、ここで「テメーら、二度と山小屋に来るな!」と、書くところかも知れませんが、さすがに私は書けません・・・
もっとも、若い人なら多少の騒音は関係なく眠っていられるのでしょうけれど。

さて、4:30  この時間になると殆どの人は起き出します。両側の二人はまだ布団の中なので、私はそっと抜け出しました。朝食は5時から並んだ順ですが、今日は蓮華岳だけなので、あとで食事しようと小屋の外に出ました。上空は雲ひとつなく、今日も朝は快晴のようです。この時は、蓮華岳の山頂では今回歩いた鹿島槍ヶ岳から針ノ木岳の稜線をゆっくり眺めようと思っていました。


蓮華岳の日の出
【蓮華岳の横からの日の出】

日の出は蓮華岳の向こうからなので、針ノ木岳の方へ少し登ってそこから見ようと、何度も振り返りつつ登って行きました。そのうち針ノ木岳も明るくなって、蓮華岳の山陰から朝日が差し込みました。今日もすっきりとした日の出です。

南を見れば、遠くに槍の穂先が見え右には薬師岳のゆったりとした姿も見えます。朝はやっぱり気持ちいい。

この時は ”今日も8時頃までは、くっきりきれいだろうな。雲が広がるのは昨日と同じ頃かなあ” と、思っていました。この時なぜ鹿島槍ヶ岳の写真を撮らなかったのか、やや逆光気味だったのか分かりませんが、あとですごく後悔する事になります。

槍ヶ岳方面
【槍ヶ岳も薬師岳もほんのり赤い】

清々しい日の出と景色に、爽やかな気分で小屋に戻りました。5時からの食事の人が終わり、空いたテーブルに着いて朝食を頂きます。

食後、ナップザックに必要な物を入れて、ザックは指定された物置に置こうと外に出ました。が・・・
ガーン!!   なんと!ガスいっぱい! 「はぁ〜〜?!」と、しばらくは狐につままれたようでした。ついさっきまであんなに晴れていたのに、わずか30分程の間に急変。 ”どうしてこんな事になっちゃったの・・・” と、しばらく、茫然。がっくりしながらも ”こうなったら、あとは蓮華岳の白いコマクサを見つけるだけ”と、仕方なくトボトボ登り始めました。


ガス
【ガス・・・・・】

ハイマツ帯の急坂を過ぎれば、あとはなだらかな散歩道のはずです。一昨年はなかったけど、今日はコマクサを守る為に小石で仕切られた道が出来ていました。


早くも下りて来た人達の中には昨日前後した人もいて、山頂では素晴らしい日の出と360度の展望を楽しんで来たとの事。「よかったですね〜!  私はがっかり・・・」と言葉を交わして進みました。別の人からは、白いコマクサは蓮華の大下りを20分程下りた所にあると情報をいただき、「えっー! 20分も」と思いましたが、”こうなったら20分でも30分でも行こうじゃないの” と思い、お礼を言ってまた進みました。

そのうちガスも少しづつ晴れて、コマクサの斜面が見えて来ました。一昨年よりずっと沢山咲いていて、ピンクの花束が点在しているようです。


コマクサ
【群生するコマクサ】
コマクサ
【コマクサ】
今が丁度見頃のようで、どの花もとてもきれいでした。


更に進むと、前回とは違った種類の花が広がっていました。ガスで霞んでいますが、チシマギキョウの青、タカネシオガマのピンク、オンタデやタカネツメクサの白、ミヤマダイコンソウの黄色、それにイワベンケイがそれぞれ点在して、とてもきれいです。

やがて、雲は多いものの時々うす日も差す蓮華岳山頂に着きました。ガスは薄れましたが、周りを見渡しても殆ど展望はないのでそのまま大下りを下りてみます。

下の方にポツポツと人が立っています。あの辺にシロバナコマクサがあるようです。


蓮華岳
蓮華岳
花々
【オンタデとタカネシオガマの花々】

ジグザグの斜面を下りましたが、ここも両側に花々が点在していてきれいでした。

5分ほど下ると、小さな白いコマクサが咲いていました。更に下ると、道のすぐ脇に蕾もある大きな株の白コマクサがありました。やっと会えて嬉しくて、右や左から写真を撮りました。

曇りでも、私のカメラでは白がきれいに撮れませんが、日が当たっていたら白が飛んで霞んでいたでしょう。露出調整できる難しそうなカメラは私の手に負えないので、”今日は曇りでよかった〜”などと朝とは違い、勝手な事を言ってしばらくながめていました。

ピンクは華やか、白は気品がありとてもきれいです。

シロバナコマクサ
【シロバナコマクサ】

この下には誰もいないけど、「蓮華の大下り」なるものがどんな所なのかちょっと覗いてみようと更に下りてみました。突端に行っても霞んだ中、更にその先があり、次の突端に行ってもまた先に突端が見えています。改めて地図を見れば、急坂はかなり下の方なので諦めて引き返す事にしました。

ふと足元を見ると、今回初めての花。でもどこかで見たようなルリソウの高山型のような花が一株だけ咲いています。淡いブルーがとてもきれい。後日調べたら、この花は笠ヶ岳で覚えたはずの ミヤマムラサキでした。

写真を撮っていると、上から次々人が下りて来ました。七倉岳へ向かう人達のようで、数人のグループがなぜか次々並んで下りて来ます。テレビで小屋が紹介されて、このルートも歩く人が多くなったようです。「おはようございます」と何度も挨拶しながら登り返して、蓮華岳山頂に戻りました。この時間はもう人も少なく、静かな山頂です。相変わらず鹿島槍ヶ岳も針ノ木岳も雲でおおわれ、今回歩いた稜線をゆっくり眺めるなんて事は出来ませんでした。白いコマクサを見れただけでも良しとしましょう。

西の若一王子の奥社が祭られている所で、雷鳥の親子が朝の散歩をしていました。今回は3日続けて出会う事が出来ました。この山域は本当に多いようです。帰りは明るくなったコマクサの花を眺めつつ下り、針ノ木小屋でひと休み。ザックを回収して下山です。


針ノ木雪渓へ
【針ノ木雪渓へのザレの下り】

針ノ木峠からの下りは、最初がかなりの急坂で、ザレた斜面をジグザグに下ります。ガスった下から、若い単独女性が登って来ました。聞けば5時に扇沢を出発したとの事。まだ9時すぎ、なんて早いんでしょう。前回、私はこの最後の急坂では、バテバテでした。ここはもう登りたくないなあと思ったものです。


ザレの斜面から右岸の草付に移り、ミヤマキンポウゲやミヤマシシウド、オオレイジンソウなどを見ながら「最後の水場」の札のある所に出ました。ここは休憩にいい所なので、多くの人が休んでいます。ここからまた岩ゴロゴロの道を下りて、雪渓上部に着きました。今回はしっかりトレースが付きステップもフラットなので、軽アイゼンは持って来ましたが面倒なので着けずに下りました。今年の雪渓は随分黒い感じです。

狭く急なノドと呼ばれる辺りを過ぎると、ガスも薄くなり前方に末端が見えて来ました。


針ノ木雪渓
【針ノ木雪渓の下部が見える】

今日は土曜日。これから雪渓を登る人もいて、雪渓下部の草地には大勢の人が準備したり、休憩したりしています。ここで私も休憩。あとは樹林帯の緩やかな下りだけです。


色とりどり
【色とりどりの花】

すぐ下の露岩の周辺も夏草が多く、ニッコウキスゲの黄色、シモツケソウのピンク、トリアシショウマの白、オオバギボウシの薄紫と、色とりどりに咲いていて、とてもきれいでした。

所々のダケカンバを見ながら下り、大沢小屋に着きましたが、この時間はひっそりして人の気配は感じられませんでした。

涸れた赤沢や鳴沢を渡ると小さなブナ林があります。

ブナ林
【ブナ林】

ソバナやタマガワホトトギスなど見かけながら下りると、針ノ木岳登山道の大きな看板のある登山口に出ました。ここからは4、5回車道を横切りながら進めば扇沢バスターミナルです。12:25発の信濃大町行きのバスで、大町温泉郷で下車。登山者も利用しやすい「薬師ノ湯」(600円)で汗を流して帰りました。

4日間とも午後は雲が多かったものの雨に降られず、立山・剱岳の素晴らしい展望を楽しむ事が出来ました。最後に蓮華岳から鹿島槍ヶ岳を見る事が出来なかったのは残念でしたが(前回も見れなかったので)、きれいな花々や白いコマクサも見ることが出来、無事に歩けて感謝の夏休みでした。



  鹿島槍ヶ岳〜爺ヶ岳〜針ノ木岳〜蓮華岳の花々



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