月山

がっさん(1979m)
平成29年8月3日~5日

3日目の今日は月山。花も眺めも良さそうな山ですが、天気がちょっと心配です。
帰りは予定を変更し、湯殿山神社にお参りして、酒田市の花火大会へ向かいました。


2017.8.5
(土)
 月山
 八合目
仏生池
小屋
月山牛首金姥清身川装束場湯殿山
神社
===湯殿山
駐車場
晴れたり
曇ったり
 08:00着
 08:15発
09:45
10:05
11:15
12:15
12:5013:10
13:20
13:45
13:55
14:1014:55
15:20
15:35着
16:15発



鶴岡駅前から出る、6:02発の月山シャトルバスに乗車。隣は若い単独女性で、昨日は鳥海山で今日は月山とのこと。私はゆっくり花を見つつなので、帰りはバス便の多い姥沢か志津で温泉に入り、山形か仙台から帰ろうと思っていましたが、女性は「湯殿山」に下山して、酒田市の花火大会を見て夜行バスで帰るとのこと。

『えっ!花火大会?それは素敵、絶対見たい!』 「湯殿山」からは、16:15のバスがあるとのこと。それなら私でも間に合いそうなので、急遽変更。帰りの夜行バスも予約しなくてはと女性に助けてもらいながら、ガラケーから切り替えたばかりのスマホと格闘しましたが、毎回エラーばかり。後で何とかしよう。


広い駐車場のある月山八合目に到着。バスで寝ようと思っていたかも知れないのに、とても親切に教えて下さった女性に感謝してお別れし、私も身支度しました。月山八合目から庄内平野を一望してスタート。


月山八合目
【月山八合目】


【庄内平野一望】

月山登山口
【月山登山口】

月山登山口から弥陀ヶ原を抜けるには幾つかルートがあるようですが、反時計周りで進んでみます。


朝は晴れていましたが何となく曇ってきて、花はニッコウキスゲやタチギボウシなど。
曇り空の池塘は寂しい風情で、振り返れば昨日の鳥海山がうっすらと見えていました。


弥陀ヶ原と鳥海山
【弥陀ヶ原と鳥海山】


【弥陀ヶ原の木道】

30分ほどすると、すっかりガスに包まれてしまいました。一ノ岳あたりの大岩でしばし休憩。



【一ノ岳あたり?】


【その先の小さな残雪】

後方には鳥海山
【後方には鳥海山 (拡大)】

一ノ岳を過ぎるとガスも流れて、良かった良かった。

登山口からずっと緩やかな登りが続き、だんだん花が多くなってきました。後方の鳥海山を振り返りつつ登って行きます。


月山九合目にある仏生池小屋に着きました。周辺は花も沢山咲いています。
トウゲブキ、ハクサンシャジン、ハクサンフウロ、ハクサンイチゲなどなど。


仏生池小屋
【仏生池小屋  背後はオモワシ山】


【仏生池】


【オモワシ山】

穏やかな山腹の途中に「オモワシ山」の道標がポツンと立っていました。

後日調べると、仏生池小屋から見る月山の山頂を隠し、自らを山頂と思わしめる事に由来するそうで、今で言う「ニセピーク」でしょうか。上の写真を見ると、なるほど昔の人はあれが山頂かと勘違いしたかも知れませんね。

その先から大岩ゴロゴロの急登になり、「行者返し」道標の上には「来名戸神社」が祀られていました。

行者返し
【行者返し】

明るく開けた稜線になり、この辺りがもっくら坂でしょうか。立派なケルンが立っています。
花も多くシラネニンジン、ヨツバシオガマ、ハクサンフウロ、ウサギギクなど咲いています。


もっくら坂
【もっくら坂  ケルン】


【伸びやかな草原の石畳】

月山へ
【月山へ (拡大)】

青空が広がってきて、気持ちのいい木道になりました。このまま晴れてくれるといいなあ。



ミヤマコウゾリナ

シロバナトウウチソウ

タテヤマウツボグサ

ミヤマウスユキソウ


残雪横を進み、更に急登すると三角点がありました。またガスってきたので何も見えず残念。



【残雪横を上がる】

月山 三角点
【月山 三角点】

月山神社
【月山神社】

山頂の月山神社に到着しました。
本宮内は神聖な場所なので、撮影禁止。
無事な登頂に感謝して、早速お参りしました。


すっかり曇ってしまった山頂からは何も見えませんが、電波状態はいいのでおにぎり片手に夜行バス手配に悪戦苦闘。でもエラーばかり。

娘にも帰路ルート変更のメールを出したりして、出羽三山の神聖な山なのに、俗世界のことにうつつを抜かしていました。

学校登山や団体さんも続々登頂して来て、大賑わいになった山頂を後にして下山開始します。

月山 山頂
【月山 山頂】


ショウジョウバカマ

トウヤクリンドウ

キバナノコマノツメ

ハクサンチドリ


【山頂へ向かう白衣の参詣者たち】

石コロコロの広い道は、参道なのでしょうね。きちんと白衣を来て神社へ向かう参詣者たちに何度もすれ違いました。


牛首への下りは石ゴロゴロの急坂。次々人が登って来ます。
こちらは月山リフトがあるので、一番人気のルートのようでした。



【石ゴロゴロの急坂】


【けっこう長い石の急坂】


【牛首へ 】

急下りが落ち着き、姥沢方面のリフト駅や牛首手前の休憩地が見えてきました。


姥沢方面の残雪で、夏スキーをしている人たちの姿も見えています。
リフト駅分岐の牛首では直進。ここを過ぎると人も少なくなってきました。


夏スキー
【雪渓では夏スキー (拡大)】

牛首
【牛首では直進】

西へ向かうほど空が明るくなってきて、柴灯森あたりで小さな雪渓を渡ります。

青空になり、ウサギギクやハクサンチドリなど咲く石畳の気持ちのいい道を進みました。



【西へ進むと青空】


【姥ヶ岳への道と、湯殿山神社への道 】

やがて正面の山肌に姥ヶ岳への直登道と、湯殿山神社へのトラバース道が見えてきました。


分岐のある金姥。当初は姥ヶ岳へ登り、姥沢まで下る予定でしたが、酒田の花火大会は魅力的。
右の湯殿山神社方面へ向かうと、すぐ先は花いっぱいで、混みあうほどに咲いています。


姥ヶ岳分岐
【姥ヶ岳分岐の金姥から右へ】


【ここだけ花いっぱい (拡大)】

しかし右側の笹薮の下は崖。トラバースは道幅が狭いので、注意しつつ歩きました。



【右側は要注意】

【湯殿山見つつ】

正面に湯殿山が見えてきました。湯殿山山頂は月山を眺めるのにも良さそうですが、山全体が御神体とのことで入山は出来ないようです。

下って行くと沢に出ました。
清身川でしょうか。

上を見れば雪渓のようなので、大丈夫かなと飲んでみると、当然ながら冷たくて美味しい。
空ペットボトルにも入れて、お土産にしました。


【清身川? 雪渓からの沢】

ほぼ平坦な道になってきました。ふと見ると白い花・・・ なんと、ミズバショウです♪
ここでミズバショウに会えるなんて思っていなかったので、とっても嬉しくなりました。



【小さな湿地】

ミズバショウ
【 ミズバショウ(拡大)】

その先が装束場で、施薬避難小屋があります。

装束場とは、湯殿山(真言宗)と月山(天台宗)で宗派が違うので、ここで衣装を改めたとのこと。施薬小屋もあり、昔の人には三山参拝基地のような所だったのでしょうね。


装束場
【装束場】

装束場で右へ進むと急下りになり、ハシゴが次々現れました。最後の方はロープです。


月光坂
【月光坂 ハシゴ五本】


【ロープ場】

急降下が落ち着くと、沢を渡って谷沿いの山腹道。右は崖なので、ここも要注意です。



【右は崖】


オオバミゾホオズキ

ウラジロヨウラク

エゾアジサイ

カラフトダイコンソウ


【振り返る芭蕉の句碑   奥が月山登山口】

目の前に句碑が現れ湯殿山神社に着きました。
無事な山行に感謝し、参拝することにします。

湯殿山神社は、「語るなかれ 聞くなかれ」と戒められた清浄神秘の世界とのことで、撮影は当然ながら禁止。芭蕉も「語られぬ 湯殿にぬらす 袂かな」と詠むにとどめた修験道の霊地でした。

神社の上の広場から、バス停のある「湯殿山」までシャトルバスが出ていたので最後の車道歩き30分は省略でき、5分で大きな鳥居や参籠所のある湯殿山駐車場に到着しました。

土日祝のみ運行の湯殿山シャトルバスで鶴岡駅へ向かいます。

「湯殿山」駐車場
【「湯殿山」駐車場】

鶴岡駅ホームで、花火やバス情報をくれた女性(Sさん)と再会。1便早いバスで戻ってきたらしい。すっかり花火見物の装いで足元も軽やか。酒田花火会場までご一緒しました。

酒田駅からは花火会場まで、シャトルバス(500円)が出ています。爽やかな風が抜ける最上川の川岸で見る花火はオープニングから素晴らしく、二人で「すご~い! きれ~い!」を連発しながら楽しみました。Sさんに、本当に感謝感謝です。

当日では最終夜行バスを取れるはずもなく、私はSさんにお別れして先に酒田駅に戻りましたが、駅前からちょうどフィナーレを見ることができました。写真よりずっときれいでしたが、やはり会場で見たかった。


酒田花火ショー
【酒田花火ショー(拡大)】

酒田花火ショー
【酒田駅前から (拡大)】

月山は、緩やかな登りが続き、花も多かったけれど、雲が多く山頂では眺望ゼロだったのが残念でした。予期せず、湯殿山神社にお参りできたことや、最上川に打ち上がる華麗な花火を楽しめたことは嬉しく、月山はSさんへの感謝とともに、心に残る山旅となりました。


 月山の花々

★登山とは関係ありませんが、参考までにバス予約で何度もエラーばかり出た理由★
3列は全く空席なしなので、やむなく4列を申し込もうとしましたが、「残数1席」で隣が異性の場合は予約するとエラーが出るそうです。会員登録、申し込み要件、支払いクレジット番号、全て入力し、最後の最後でエラーが出るので、何が間違っていたのか分からず、何度も挑戦してしまいました。結局、下山後に電話して理由が分かり、別の便を予約しました。
慣れないスマホは操作途中で「日本語」から「English」になったりしてビックリ。いつの間にかセキュリティーロックも設定していたようで、やり直しの度に長いパスワード入力から始めなければならず大格闘。忘れられない思い出になりました。




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