黒部五郎岳・北ノ俣岳

くろべごろうだけ(2839m)・きたのまただけ(2661m)
平成28年8月5日~8日

今日は黒部五郎岳の眺望リベンジです。念願叶って、午前中は素晴らしい晴天に恵まれました。
緩やかなアップダウンで着いた太郎平では、期せずしてTJARトップ望月将悟選手を見送ることが出来ました。


2016.8.7
(日)
 黒部五郎
小舎
小舎マデ
二時間
山頂
分岐
黒部五郎岳2578m中俣
乗越
赤木岳北ノ俣岳太郎山太郎平
小屋
晴れ  05:10発06:45
06:55
07:30
07:35
07:45
08:15
09:25
09:40
10:0010:45
10:55
11:45
12:20
13:4013:55着



快晴の朝を迎えました。感謝。

朝食後、朝日に輝く黒部五郎岳のカールを目指してスタートです。

黒部五郎岳
【朝日の当たる黒部五郎岳へ】
ダケカンバ樹林帯
【ダケカンバ樹林帯】

草原をしばらく進むと樹林帯に入ります。
昨日、同室の方たちが二回も頭をぶつけたと話していたダケカンバ。雪の重みで大きく撓んだ幹に気をつけながら進んで行きました。

前回ビックリした二度のダケカンバ帯を過ぎると、カールがよく見えてきました。

カールからの清流沿いのこの道も花は殆ど終わり、チングルマは穂になっていて、イワイチョウやコバイケイソウは早くも黄葉が始まっています。

カールへ
【カールへ】

朝日に照らされた巨大カール。緑の中に羊群岩と呼ばれる白い岩が点在し、これぞ黒部五郎岳。
奥まで進むといかにも圏谷といった風情で、そそり立つ岩が迫り、まさに大伽藍。凄いな~


黒部五郎岳 カールへ
【黒部五郎岳のカールへ (拡大)】

黒部五郎岳圏谷
【迫る圏谷 大伽藍(拡大)】

四角岩に「小舎マデ二時間」のペンキ文字。
懐かしいなあ~と、休憩しながら見入っていました。

2006年に下りで見た時、『二時間?まさか』とナメていましたが、実際小舎まで予想以上に長くて、ホトホト参りました。


「小舎マデ 二時間」
【「小舎マデ 二時間」】

【斜上して稜線へ】

最後はカールの突き当り草地を斜上して行きます。ここにはコバイケイソウの葉が群生していた記憶ですが、今日は花もあまり見ません。


稜線に上がり、山頂直下の分岐へ。右手にはこれから歩く北ノ俣岳への緩やかな緑の起伏。


山頂分岐
【山頂分岐】

北ノ俣岳方面
【北ノ俣岳方面】

黒部五郎岳山頂の石祠。岩ゴロゴロに同化したように安置されているので、ちょっと気づき難いです。


黒部五郎岳 祠
【黒部五郎岳 祠】

黒部五郎岳山頂に到着しました。 今日の素晴らしい晴天に、本当に感謝です。
目の前に三俣蓮華岳~双六岳と抜戸岳~笠ヶ岳。遠くに槍・穂高、乗鞍岳や御嶽山もすっきり。

黒部五郎岳からの眺望
【三俣蓮華岳~双六岳     抜戸岳~笠ヶ岳 (拡大)】

前回はガスでよく見えなかったカールの底。

今日は黒部五郎小舎もよく見えて、あのダケカンバ樹林帯やら小石コロコロ草原帯やら、くねくねルートが見えるようで、時間がかかるのも納得です。


カールの右奥に黒部五郎小舎
【カールの右奥に黒部五郎小舎 (ズーム)】

そして、これから歩く太郎平への稜線や、ど~んと大きな薬師岳。
遠くに立山や針ノ木岳方面もよく見えて、ほんとうになんて素晴らしい眺めなんでしょう~!

黒部五郎岳からの眺望
【太郎平~薬師岳~赤牛岳~水晶岳 (拡大)】

が、ここでアクシデント!!  嬉しくて岩の上をウキウキ飛び歩いていたら、転んでカメラを岩にぶつけてしまいました。パノラマ撮影が出来るカメラだったので、ショック。この後は予備のカメラで我慢します。



黒部五郎岳急下り
【ゴロゴロ急下り】

眺望リベンジに感謝し分岐に戻ってきました。
膝小僧に絆創膏貼って、反省反省。



黒部五郎岳の五郎は、岩が「ゴーロゴロ」。
その名の通り、岩ゴロゴロの急下りなので、
転がらないよう、転がらないよう。

少ないながらもウサギギクやヨツバシオガマなど見ながら下って行くと、トウヤクリンドウも咲いていました。この先も緩やかなアップダウンが待っています。


【緩やかなアップダウン】

次の2578m点へ。雲ノ平がよく見え、赤牛岳や遠くの後立山方面もすっきり見えて素晴らしい。


2578m
【2578m】

雲ノ平と水晶岳
【雲ノ平と水晶岳 (拡大)】

2578mから見る北ノ俣岳方面
【2578mから見る北ノ俣岳方面】

2578mから見ると北ノ俣岳方面はさほど起伏がないように見えるけれど、この後はまた下り。


この頃から飛騨側に雲が迫ってきました。  中俣乗越あたりには池塘が点在しています。



【池塘あり】

中俣乗越あたり
【薬師岳~赤牛・水晶岳】

赤木岳
【赤木岳】

ハイマツの緩やかな登りが続き、赤木岳は山頂直下に「赤木岳」の道標があります。

振り返れば、飛騨側から迫る雲を、信州側の風が押し返しているのがよく分かります。この状態はずっと続いていました。


【飛騨側から雲迫る】

北ノ俣岳の山頂に着きました。ここはケルンもあって、山頂らしい雰囲気です。
稜線上が雲の境になっているので、飛騨側は真っ白、信州側はすっきり青空です。


北ノ俣岳
【北ノ俣岳 山頂】

信州側
【信州側は素晴らしい眺め (拡大)】


【太郎山への稜線】

神岡新道分岐を過ぎ、その後も気持ちのいい稜線を緩やかに下って行きます。

地図にはハクサンイチゲ群落と書かれていますが、今はなくチングルマも穂になっていましたが、ミヤマリンドウやウサギギク、ミヤマアキノキリンソウなどが咲いていました。

下って行くと、先行者が立ち止まっています。
見れば雷鳥親子が一生懸命砂浴びをしていました。砂というより小石なので、ちょっと痛そう・・・

雷鳥 砂浴び
【雷鳥 砂浴び (ズーム)】

太郎平へ向けて下って行くと、下はガスも濃くなってきました。
途中には池塘もあり、イワショウブなど湿原っぽい花も増えてきます。



【木道】


【太郎山への登り返し】


イワショウブ

キンコウカ

シロバナタテヤマリンドウ

オヤマリンドウ

太郎平小屋へ
【太郎平小屋へ】

太郎平小屋が見えてきました。
ガスが、行ったり来たり。

太郎平小屋に着きました。
前の広場も今は薄雲に覆われ、見晴しなし。
宿泊手続きをし、部屋でしばし休憩。



夕方になり、雲が切れたので太郎平の木道を散策し、戻ってきたら皆さんカメラを構えて並んでいます。何事かと思えば・・・

太郎平
【太郎平】

【TJAR トップ望月将悟選手 (ズーム)】

トランスジャパンアルプスレース(TJAR)の望月将悟選手が薬師岳を下り始めたとのことで皆さん待機。私も列に並んで、待つこと40分。


笑顔で通り過ぎて行かれましたが、今日の午前0時に富山をスタートし、早月尾根・剱岳を越えて、このまま黒部五郎岳を越えて行くらしい。


以前、NHKで放映されたレースを見ましたが、日本海から太平洋への徒歩によるアルプス縦断で、期限は8日間。宿泊はすべて露営という、非常に過酷なレースです。素晴らしいやら、頑張って下さいやら、無事なゴールを!の気持ちやらで、呆然と見送りました。結果は山の日の深夜にゴールして、4連覇とのこと。おめでとうございます! おつかれさま! ほかの28名の方達も、本当にお疲れさま&素晴らしいです。

今夜は4枚に6人。全て単独女性で、いろいろな情報交換が出来て楽しいひとときでした。


太郎平小屋 夕食
【太郎平小屋 夕食】

今日は稜線上の小屋なので、初めて夕日が見れました。
東の空もほんのり赤く染まり美しく、今日の青空と素晴らしい眺望に感謝でした。


日没
【日没】

夕焼け
【東の空の夕焼け】




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