早池峰山

はやちねさん(1917m)


長い間、日本のエーデルワイス「ハヤチネウスユキソウ」を見に、早池峰山へ行きたいと思っていました。
同じく固有種のヒメコザクラにも会いたいとの欲張り山行で、念願の花たちに会うことができました。


2016.6.19
(日)
 盛岡駅==小田越ルート
登山口
五合目剣ヶ峰
分岐
早池峰山剣ヶ峰
分岐
五合目小田越ルート
登山口
==盛岡駅
晴れ
時々曇り
 06:00着
 07:10発
09:00
09:10
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15:12
16:55着
17:07発



遠い岩手の山。日帰りでは勿体ないけれど、天気が一日しかもたないようなので欲張らず、花の時期に合わせて早池峰山一途にすることにしました。

ハヤチネウスユキソウとヒメコザクラ。二つの花の時期・天気・夜行バス空席・直行バス運行日を合わせるのは至難の技。この週末、東北は土曜日より日曜日の方が良さそうだし、夜行バスも金曜日はどこも満席ですが、土曜日なら購入できました。バスタ新宿は案の定、女子トイレは長い行列なので余裕をもって行くか、事前に済ませることをお勧めします。



6時頃、盛岡駅の西口ターミナルに到着しましたが、早池峰山直行バスがどこから出るのか分からない。

駅員さんに聞いても直行バスの存在すら分からない様子で、仕方ないのでバス会社に電話すると、東口8番付近から出るとのこと。行ってみると、立て看板がありました。

駐車場からのシャトルバスは30分毎に出ていますが、盛岡駅からの直行バスは「期間限定・土日祝・一日一便」なので、車移動が普通の地元の方はご存知ないのかも知れませんね。



直行バス
【早池峰山直行バス 東口8番付近】

花巻市HPの記載通り、河原の坊コースは崩落のため通行止めなので、小田越ルートをピストンします。地図だけ見ていた頃は、岳への稜線歩きもしたいと思いましたが、一日一便のバスなので、到底無理。「二つの花に会いたい」というだけでも欲張りなので、稜線歩きは我慢します。


早池峰山 小田越ルート登山口
【早池峰山 小田越ルート登山口】

駅からのバス利用者は5,6人でしたが、各駐車場から次々乗り込み、小田越に着くと大勢の登山者で賑わいました。

登山届を提出。登山口には簡易トイレがありますが、山中にはないので植物保護のため携帯トイレ(400円)を購入。短い行程なので使わない可能性もありますが、災害時にも役立ちます。


最初は苔むすしっとり樹林帯で、シラビソのいい匂いがする木道を進みます。
終盤オサバグサやマイヅルソウなど見ながら進むと、やがて岩ゴロゴロ道になりました。


小田越ルート
【木道】

小田越ルート
【岩ゴロゴロ】

樹林帯を抜けると一気に開け、見上げれば大小の蛇紋岩が積み重なったような山肌。立派な「一合目」の鉄製道標があります。


早池峰山一合目
【一合目】
蛇紋岩と花
【蛇紋岩と花(拡大)】

ゴツゴツ大きな岩の隙間にはミヤマオダマキやミヤマキンバイなどが点々と咲いています。



オサバグサ

ミヤマオダマキ

キバナノコマノツメ

ミヤマシオガマ

一面花畑になるのは、もう少し先だと思いますが、色とりどりの花が咲いていて、嬉しい。



【花いろいろ】


【色いろいろ】

昨日はガス強風だったそうですが今日は青空。しかし西を見ても東を見ても知ってる山はない。



【西の山々】


【東の山々】

そして念願のハヤチネウスユキソウ。
ポツポツ見かけるのは殆どが蕾だけれど、
空を見上げる幼い姿も愛らしい。


ハヤチネウスユキソウ
【ハヤチネウスユキソウ 蕾たち】
ハヤチネウスユキソウ
【ハヤチネウスユキソウ (拡大)】

それでも、右に左に一つ一つ見ながら登って行くと、咲き始めているハヤチネウスユキソウがいました。


ほわほわの毛に包まれて、
初々しいハヤチネウスユキソウ。
なんて可愛いのでしょう~♪


・・・・・ 咲き始めたばかりの初々しいハヤチネウスユキソウたち ・・・・・

日本のエーデルワイス

ほわほわ開花前

お星さま

二段重ね?

ハヤチネウスユキソウ
【ハヤチネウスユキソウ 開花直前(拡大)】

ほとんどは開花前なので、あと1,2週間もすれば花盛りになることでしょうね。

柔らかな緑色に、埋もれるように咲く色とりどりの花たちを見ながら、蛇紋岩の岩道を登って行きます。

岩稜帯の花畑
【岩稜帯の花畑 (拡大)】
早池峰山三合目
【三合目】

早池峰山固有種のナンブトラノオやナンブイヌナズナなども見ながら進めば「三合目」。

ナンブトラノオは少ないけれど、ナンブイヌナズナはミヤマキンバイ同様あちこちで群生し、
チシマアマナも上に行くほど数が増えてきました。



ナンブトラノオ

ナンブイヌナズナ

チシマアマナ

ホソバイワベンケイ

形の面白い巨岩も多く、これは振り返ると亀のように見えました。勝手に命名「大亀岩」

大岩
【亀のような大岩】
早池峰山五合目
【五合目から望む登山道 (拡大)】

大亀岩の少し先に「五合目」がありました。
山頂までのジグザグ登山道を歩く人たちがよく見えて、ちょっと楽しい。

広ーい空。 広ーい山肌。

早池峰山の横長な山容を実感しながら、大きな青空の下、花を愛でながら緩やかに登って行きます。

早池峰山へ
【早池峰山 山頂へ】
ガレ場
【ガレ場の急坂】

やがて岩ゴロゴロのガレ急坂になりました。
岩の隙間の花を見つつ登って行きます。


小田越ルートの名物ハシゴ。上の段では二列になっているので、上り下り専用でしょうか。
ハシゴが終わると岩の急登ですが、写真より緩やかで足場も多いです。


ハシゴ
【ハシゴ 上段では二列】

大岩
【大岩の急登】

剣ヶ峰分岐
【剣ヶ峰 分岐】

岩稜帯を抜けて、稜線の「剣ヶ峰分岐」に出ました。剣ヶ峰方面も気になりますが、まずは早池峰山の山頂へ向かいます。

湿地帯の木道沿いには、コイワカガミやミツバオウレンなどが咲いていました。


【木道】

ヒメコザクラ
【ヒメコザクラ】


足元の岩陰。
ほんの小さな隙間に、いました!いました!
これがヒメコザクラでしょうか。

去年、八甲田山で見たヒナザクラの3分の1くらいで全体でも3㎝くらいでしょうか、白い花がはっきりしていて本当に愛らしいコザクラです。

一週間前だとハヤチネウスユキソウには早過ぎで、一週間後ではヒメコザクラには遅過ぎ。
花たちだけに合わせて来て、ギリギリのタイミングで両方の花に出会えて本当に感謝です。

山頂の避難小屋が見えてきて、直下にはわずかに雪が残っていました。

エンレイソウの大きな3枚葉があります。普通に見るエンレイソウは白花・緑色・紫褐色ですが、こちらは赤花エンレイソウです。


山頂直下
【山頂直下 わずかな残雪】


ハクサンチドリ

イワウメ

エンレイソウ

チングルマ


早池峰山山頂に到着。岩の広場といった雰囲気の広い山頂で、とても賑わっています。
まずは今日の青空と花たちに感謝して、早池峰神社へお参りしましょう。


早池峰山 山頂
【早池峰山 山頂】

早池峰神社
【早池峰神社】

河原の坊ルート 「通行禁止」
【河原の坊ルート 「通行禁止」】

河原の坊ルートは、どんな感じかなと分岐に来てみました。岩ゴツゴツの急坂のような感じで、今歩いて来た小田越ルートの尾根が見えています。奥に見える薬師岳など見つつお昼にしました。

鶏頭山ルート方面。雲が湧いてきましたが、遠くまで尾根が伸びている感じで、足元にはミヤマキンバイ、イワウメ、チシマアマナなどが花盛りでした。

鶏頭山方面
【鶏頭山方面】
剣ヶ峰方面
【遠くに剣ヶ峰見つつ (拡大)】

山頂を一回りして、そろそろ戻ります。
剣ヶ峰はあの奥の三角ピークでしょうか、途中まで様子を見に行ってみようかな。

剣ヶ峰分岐にザックを置いて、剣ヶ峰方面へ少し行ってみました。

剣ヶ峰方面
【あの岩陰まで行ってみよう】

【早池峰山山頂を振り返り、分岐へ戻る】

剣ヶ峰をピストンする人もけっこういて、花の様子を聞いてみましたが、チングルマやイワウメなど、こちらと変わらないとのことなので、戻ることにしました。


剣ヶ峰分岐に戻り、あとは朝と同じ道を下ります。  見落とした花はないかな~



【花見ながら】


【岩尾根を下る】


【ハシゴ 二列】

上段のハシゴは二列になっています。花の全盛期には、きっと大賑わいになるのでしょうね。


五合目から見下ろすと、本当に亀に見える”大亀岩”


五合目へ
【五合目へ】

大亀岩
【勝手に命名「大亀岩」】

早池峰山には固有種が多いので、監視パトロールの方も多く、途中で出会った女性隊員の方から色々教えていただきながら下りました。ちょっと地味なショウマ系の花も「ミヤマヤマブキショウマ」といって早池峰山の固有種とのこと。トラノオ系に見えた花は「チシマゼキショウ」だそうで、どこかで見たような・・・



チシマゼキショウ

ミヤマヤマブキショウマ

ミヤマハンショウヅル

ヒメシャクナゲ

蛇紋岩の岩々が終わり、ハイマツやナナカマドなどの低木帯を過ぎて、シラビソなどの樹林帯に戻って来ました。


【樹林帯】

【登山口】


登山口はバス待ちの人でいっぱいでした。
時間があるので車道沿いを散策してみると、小田越小屋の先にハクサンチドリが群生。

植栽かと思うほどの団体さんで、近くにノビネチドリのグループさんもいました。日陰側にはオオバタケシマラン、日なた側にはオオヤマフスマの可愛い白花もいて、嬉しくなります。

ほとんどの人は30分毎に出る駐車場行きに乗るので、盛岡駅までの直行便は空いていました。



ハクサンチドリ

ノビネチドリ

オオバタケシマラン

オオヤマフスマ


早池峰山固有種のハヤチネウスユキソウとヒメコザクラ。青空の下、念願の花たちに出会えて、嬉しい一日となりました。遠い岩手の山へ行くなら、泊りがけで周辺の山も歩きたいと思っていましたが、明日から雨続き。二つの花の時期・天気・夜行バス・直行バスなど合わせると、今回は早池峰山しか行けませんでしたが、一度盛岡駅へ行けば様子が分かるので、次回は周辺の山もいろいろ行きたいと思います。



 早池峰山の花々




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