餓鬼岳・燕岳

がきだけ(2647m) ・ つばくろだけ(2762m)
平成27年8月3日~7日

今日は、早朝の餓鬼岳の山頂から裏銀座や立山の素晴らしい山々を眺めてから岩稜帯へ進みます。
東沢岳からは約250m下って、次に約400m登り返して燕岳へ向かうという、大きなアップダウン。大丈夫かな~


2015.8.4
(火)
 餓鬼岳餓鬼岳
小屋
剣ズリ2508m?東沢岳東沢
乗越
ガレ場燕岳
稜線
北燕岳燕岳燕山荘
晴れ
のちガス
 05:40着
 05:50発
05:55
06:00
07:00
07:05
08:05
08:10
09:05
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09:50
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11:20
12:10
12:25
13:2013:40
13:45
14:10着



日の出
【04:58 日の出 (拡大)】

4時過ぎに起きて、日の出を待ちます。

安曇野に広がる朝靄の水平線から、
まあるいお日さまが昇ってきました。

振り返れば、今日歩く剣ズリへの岩稜帯が朝焼けしていて嬉しい。燕岳や遠くの槍ヶ岳もすっきり見えて、今日の晴天に感謝です。

5時からの朝食をいただいて、すぐ上の山頂へ。

剣ズリの朝焼け
【剣ズリの朝焼け (拡大)】

餓鬼岳の山頂からは、素晴らしい眺望が広がっていました。
鷲羽岳・水晶岳から右へ、野口五郎岳・烏帽子岳などの裏銀座縦走コースの山々。
奥には薬師岳から右へ立山・剱岳が見え、重なるように針ノ木岳・蓮華岳が連なっています。

剣ズリの朝焼け
【餓鬼岳山頂と唐沢岳   奥に広がる裏銀座コースと立山・剱岳 (拡大)】

そして今日歩く丸山新道の岩稜帯と燕岳。左へ大天井岳から常念岳。
奥には穂高岳~南岳・槍ヶ岳と遠く右に笠ヶ岳も見えていて素晴らしい眺望に本当に感謝です。

餓鬼岳山頂から燕岳と槍ヶ岳
【餓鬼岳山頂から燕岳と槍ヶ岳】

餓鬼岳
【振り返る餓鬼岳 (拡大)】

小屋に戻り、ザックを回収してスタート。

キャンプ指定地を過ぎて振り返れば、餓鬼岳の山頂に人影。小屋の赤い屋根と見晴し岩場にもお別れして、先へ進みました。

まずは剣ズリまでの岩稜帯。
周辺の景色を楽しみながら進みます。

剣ズリへ
【剣ズリへ (拡大)】

梯子で下ったり、岩稜帯に上がったり。天気がいいので、細かな上下の繰り返しも楽しいです。


丸山新道の岩稜帯
【梯子】

丸山新道の岩稜帯
【丸山新道の岩稜帯へ】

剣ズリのトンガリ岩は、板のトラバース。
野口五郎岳~三ツ岳の下には、朝日がまだ差し込まない高瀬ダムが見えていました。


剣ズリ
【剣ズリはトラバース】
剣ズリ
【剣ズリの先を回り込む】

剣ズリの先で岩場を回り込む辺りは、景色を眺めるにもいい安定した岩場なので、しばし休憩です。


「1人ずつ」と書かれた垂直の梯子で下ったあとはオオシラビソ林の上下やザレ場のトラバース。


梯子
【梯子】

ザレ場トラバース
【ザレ場トラバース】

2508m岩場を過ぎると、東沢岳へハイマツ帯。


東沢岳へ
【東沢岳へ】

短いながらも岩場の急登もある楽しい稜線歩きで、岩の上に出ると青い高瀬ダムが見えました。


岩場を急登
【岩場を急登】

高瀬ダム
【振り返れば高瀬ダム (拡大)】

東沢岳直下
【東沢岳 山頂直下】

東沢岳は山頂直下に道標がありました。
山頂分岐に気付かず来てしまい、すぐ上が山頂のようですが、この後に大きなアップダウンが待っているので、まあいいことにしましょう。

向かいの裏銀座の山々を眺めながら、休憩。

東沢岳からは、250m下ります。
もったいないけど、仕方ないですね。

東沢乗越への下り
【東沢乗越へ下って、あの山へ】

【ニッコウキスゲ】

途中にはニッコウキスゲなど咲いていて、この樹林帯の下りは、さほど難しい所もありませんでした。


東沢乗越には今朝3時に大天井岳を出発してきたという年配男性がいて、私もここで簡単お昼。
男性は餓鬼岳へ向かい下山するとのこと、ここで出会う年配男性は皆さん健脚でビックリです。
そばの幹には、古い標識。文字の並びに年代を感じさせ、とても味わいのある道標でした。


東沢乗越
【東沢乗越】

東沢乗越
【味わいのある道標】

東沢乗越から、いよいよ約400mの登り返し。 気合を入れて、スタートです。
昨日ほどには辛く感じないけれど、やっぱりペースはイマイチなので、途中で休憩。


オオシラビソ
【オオシラビソ】

ダケカンバ
【ダケカンバ】

その後の崩壊ガレ場を過ぎたら、花が多くなってきて、歩みが止りました。
今年のハクサンイチゲは早かったのでしょうか、肝心な白山でも見かけませんでしたが、
地図に「遅くまで残雪」と記されたザレ斜面にはいっぱい咲いていて嬉しくなりました。
この後も花が多く、キンポウゲやチングルマ、コマクサが現れて、嬉しいペースダウンです。

ハクサンイチゲ
【ザレ大斜面に咲くハクサンイチゲ】


キバナノコマノツメ

ハクサンフウロ

ウサギギク

ヨツバシオガマ

燕岳の稜線
【燕岳稜線 (拡大)】

燕岳の稜線に出ました。雲が多いながらも、目の前には槍ヶ岳~西鎌尾根の山々。

あとは燕岳への稜線漫歩だけ。日差しも遮られ、涼しいので眺望タイムにしました。

ここからはコマクサなど見ながらの散歩道。
花は見頃を過ぎていますが、まだまだきれいな株もあります。群生地に入らないよう、小石でルートが作られていました。

北燕岳へ
【北燕岳へ】


コマクサ

タカネツメクサ

チシマギキョウ

トウヤクリンドウ

北燕岳の東側を巻くようになると、一帯は花畑になりました。トリカブト、ハクサンフウロ、
イビキトラノオ、クルマユリなどの高山植物が咲き、今回の夏山縦走中で一番の花畑です。
曇ってきたのでライチョウもお散歩。私と目が合っても知らん顔で動き回っていました。


北燕岳の花畑
【北燕岳の東側巻き道は花畑】

ライチョウ
【ライチョウくんも お散歩】


イソガワソウ

タカネグンナイフウロ

タカネナデシコ

ミヤマクワガタソウ

北燕岳 山頂
【北燕岳 山頂】

巻き道の先で稜線に出ました。すぐ上が北燕岳の山頂ですが、もうガスで展望はなし。


初めて燕岳へ来たのは15年くらい前でしょうか、その時も北燕岳まで足を延ばすと、
このコマクサ群生地は花盛りでした。栽培試験場とのことで、花が多くて壮観です。


コマクサ栽培試験場
【コマクサ栽培試験場 (拡大)】

コマクサ栽培試験場
【コマクサ群生(拡大)】

緩やかな上下で燕岳山頂です。
人気の山なので人も多くなりました。山頂の硬貨。これはお賽銭?再訪祈願のおまじないかな。


燕岳 山頂
【燕岳山頂 なぜか硬貨】
燕山荘へ
【燕山荘へ】

すっかりガスってしまった稜線ですが、燕山荘が見えてきました。

燕岳の名物、メガネ岩。
メガネを通して燕山荘が見える所はあるかな~と移動したら、ありました。楽しいですね。

メガネ岩
【メガネ岩から見る燕山荘 (拡大)】
イルカ岩
【イルカ岩】


イルカ岩を見上げて進み、今日の宿、燕山荘に到着しました。いつも賑わう人気の山荘で、平日の今日も3畳ブースに4名です。

この小屋は来るたび豪華になる気がして、山小屋というより山ホテル。トイレも洗面所も水が豊富で快適です。

昨日の、昔ながらの山小屋とのギャップが大きいけれど、どちらもそれぞれ良し悪しは言えず、テント装備を持てない者には、どちらも存在してくれるだけで有難い山小屋です。

夕食の後は、夕日が楽しみですが、今日は西に大きな雲が立ち上がり、ちょっと残念。


夕暮れの燕岳
【夕暮れの燕岳】

でも、日没後はその雲もオレンジ色に染まって、きれいな夕焼けになりました。
山荘下のコマクサを愛でながら、明日のルートを眺めに、ちょっとお散歩。
槍ヶ岳がきれいに見えていますが、明日もどうぞいいお天気になってくれますように!!



【明日のルート】


【夕やけ】




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