斜里岳

しゃりだけ(1547m)
平成27年7月7日~9日

今日は知床半島の付け根にある斜里岳へ、新道コースピストンで登ってきました。
昨日とは打って変わって素晴らしい快晴に恵まれ、360度の大パノラマを楽しむことができました。


2015.7.9
(木)
 清岳荘下二股熊見峠上二股馬ノ背
稜線
斜里岳上二股熊見峠下二股清岳荘
快晴  08:40着
 08:50発
09:50
10:00
11:15
11:25
12:0512:4513:10
13:40
14:1014:50
15:00
15:4516:50着
17:00発



今日は朝からすっきり青空。朝食は7:15からなので、運転大好きなAさんの提案で、朝食前に、昨日は雲に隠れて全く見えなかった羅臼岳を見に、もう一度知床峠へ行くことになりました。車は便利ですね~

知床横断道路をぐんぐん上がり、早朝の知床峠に到着しました。今日は羅臼岳が目の前に見えて感動。

あの反対側を登って、山頂に立ったのですね~


知床峠から見る羅臼岳
【知床峠から見る羅臼岳 (拡大)】
斜里岳
【斜里岳 (拡大)】

ホテルに戻って、朝食後スタート。途中のコンビニで昼食を調達し、清里町へ向かいます。

殆ど信号のない北海道の道路。穏やかなAさんは、ハンドルを握ると人格が変貌。スピード狂になって、気持ち良さそうに運転しています。

私はひろ~い景色にくぎ付けで、何枚もシャッターを押してしまいました。


大きな駐車場のある清岳荘に到着。トイレ(100円)・スパッツなど身支度し登山届を出して出発。
往きは旧道を登る予定でしたが、雪渓崩落の危険があるとのことで通行禁止になっていました。


清岳荘 斜里岳登山口
【清岳荘 斜里岳登山口】

旧道コースは通行禁止
【旧道コースは通行禁止】

樹林帯を少し進むと林道になり10分ほどで斜里岳登山口に着きました。ここから登山道です。


斜里岳登山口
【林道終点 斜里岳登山口】
徒渉
【何度も徒渉】

始めは沢沿いの道で、少し先からは何度も沢を渡り返しました。

残雪と徒渉が繰り返し現れます。
雪渓は雪解けがかなり進んでいるので、注意しながら歩いて行きました。

残雪
【スノーブリッジ】

下二股に着くと、旧道への道には通せんぼの枝が置かれています。
この先から急登になるので、木陰でしばし休憩になりました。


下二股へ
【下二股へ】

下二股
【下二股】

ズルズル泥濘急登
【ズルズル泥濘急登】

下二股からはズルズルの泥濘急登が続きます。

大きく傾いたダケカンバも多く、前から「あたま~!」の伝令。「は~い」と言いつつも、頭ゴツン!痛っ!


ようやく急登が終わり、稜線直下の木陰で水分補給タイム。
向かい側の右奥が斜里岳でしょうか、近いような遠いような・・・


斜里岳?
【右が斜里岳かな?】

急登終わり
【急登終わり~】

信州では2500m辺りで森林限界のハイマツ帯になるけれど、この辺では1100mでハイマツ帯。

ここからは眺望も良くなって、振り返ればオホーツク海が大きく広がっています。


新道ルート
【新道ルートから望むオホーツク海】
熊見峠
【熊見峠】

熊見峠は小さな平坦地。先客さんがいたので少し先で斜里岳を眺めながら休憩になりました。


熊見峠からは緑の絨毯に伸びるトレイルを歩きます。 なんて気持ちいいんでしょう~♪

斜里岳へ
【左の斜里岳へ】

ダケカンバ帯
【ダケカンバ帯】

小ピークの1250m点を過ぎると下りになります。また「あたま~」の伝令が再開。

ハクサンチドリやレイジンソウ、チシマノキンバイソウなどが咲いていました。

緩やかな雪渓のトラバースもあります。
「かき氷が食べたいね~」と話しながら通過。

雪渓トラバース
【雪渓トラバース】
上二股  スノーブリッジ
【上二股  スノーブリッジ】

上二股で通行止めの旧道と合流。
しばし沢沿いで、スノーブリッジの空洞を覗き込んで、そっと通過。



チシマヒョウタンボク

エゾイチゲ

チシマノキンバイソウ

サンカヨウ

やがて石ゴロゴロのガレ急登になりました。
「胸突八丁」の札が下がっています。

胸突八丁
【胸突八丁】

ザレ急登になり、残雪も出て来て、馬ノ背の稜線に上がりました。
向こうに知床半島が見えてきて、山頂からの展望が楽しみ~♪


馬ノ背稜線
【馬ノ背稜線  奥が斜里岳山頂】

知床半島
【知床半島】

チングルマやエゾノツガザクラなど咲いていて、真っ白なエゾノハクサンイチゲもきれい。

国後島の奥にきれいな高い山も見えています。
択捉島の山でしょうか。


知床方面と国後島
【知床方面と国後島 (拡大)】

山頂直下には神社が祀られていました。今日の晴天に心から感謝。
近くにはハクサンチドリが紅白で咲いていました。

斜里岳 神社
【斜里岳 神社】


エゾノハクサンイチゲ

ハクサンチドリ・紅白

ミヤマアズマギク

エゾオグルマ


斜里岳 山頂
【斜里岳 山頂】

斜里岳の山頂に到着しました。
360度の素晴らしい展望です♪

私のパノラマカメラは電池切れで、Aさんに撮っていただきました。


まずは昨日雲がかかっていた知床連山方面。今日の羅臼岳は素晴らしい展望でしょうね~
右奥には千島列島も良く見えています。あのトンガリ高い山はどこでしょう。 後日調べて、
国後島には爺爺岳(1772m)、択捉島には西単冠山(1629m)と散布山(1582m)があるらしい。

知床連山と羅臼岳
【知床連山と羅臼岳 遠音別岳と海別岳 奥に国後島と択捉島? (拡大)】 Photo:Aさん

南西方面には湖が二つ。左の湖には小島があるので摩周湖でしょうね。
右は大きな屈斜路湖。山歩きが出来なくなったら、観光で両方行きたいな~

摩周湖 屈斜路湖
【摩周湖 屈斜路湖 (拡大)】 Photo:Aさん

北にはオホーツク海の網走湾。流氷はこの湾にも流れて来るのでしょうね、見てみたいなあ
ひろ~い畑と防風林。左端には濤沸湖。ということは小清水原生花園はあの辺だったのですね。

オホーツク海・網走湾
【オホーツク海 網走湾(拡大)】 Photo:Aさん

おにぎり片手に、ゆっくり眺望を楽しんで、そろそろ下山。
馬ノ背稜線から右へ、しばらくはガレザレ残雪の急下りです。


馬ノ背稜線
【馬ノ背稜線から右下へ】

ザレと残雪の急下り
【ザレと残雪の急下り】

スノーブリッジ一部崩壊
【午後には崩壊】

上二股のスノーブリッジ、午後には一部崩壊。

登り返し、1250mからハイマツ帯を熊見峠へ。
左に摩周湖、右に網走湾を見ながらの、午後は暑いトレイルです。

1250m点から熊見峠へ
【1250m点から熊見峠へ】
ダケカンバ帯
【ダケカンバ帯】

熊見峠で休憩して、ここからはひたすら下山。
ダケカンバ帯のクネクネは、雪の重み?

ズルズル急下りは朝より少し乾いていました。
それでもヌルヌル、要注意。

ヌルヌル急下り
【ヌルヌル急下り】
下二股
【下二股】

ようやく下二股に到着すると、清岳荘の管理人さんが待機していました。そして「雪渓が危険になったので、迂回コースを案内します。」とのこと。ありがたく先導していただきました。

長靴の女性管理人さんの後に続きます。
雪渓から一旦降りて、沢沿いを進み、また雪渓に上がりました。


後方に次の下山者が来ると、管理人さんは「ここで待っていて下さい。この先も危険なので。」と言い残し、引き返して次のグループを誘導します。

清岳荘管理人さん先導
【清岳荘管理人さん先導】

そして次は、『えっ、ここを降りるの?』というような所から沢に下り立ち、岩をへつりながら進みます。左に見える朝の雪渓ルートは崩落していました。愛するこの山で怪我人が出ないようにとの強い使命感・想いの管理人さんに、心から感謝です。本当にありがとうございました。


雪渓ルートは崩落
【左が朝のルート】

清岳荘管理人さん誘導
【清岳荘管理人さん誘導】

徒渉
【何度も徒渉】

あとは朝と同じ沢を何度も渡り返して、林道に到着。

短い樹林帯を過ぎ無事登山口に到着しました。
皆さん、ありがとう~&お疲れさま~

斜里岳登山口
【無事下山 お疲れさま~】

今日は終日素晴らしい快晴。斜里岳も、朝と同じ美しい姿で見送ってくれました。
近くの道の駅温泉パパスランドさっつるで汗を流して(390円)、女満別空港へ向かいます。

麦畑と斜里岳
【ありがとう~♪ 斜里岳 (拡大)】


女満別空港20:25発~羽田空港22:15着だったので、山梨・群馬組の帰宅は深夜1時過ぎ。唯一の東京組の私も午前様の強行軍で、今回の北海道はちょっと忙しい日程でした。でも、見どころいっぱいの知床観光、非常に印象深い雨氷の羅臼岳(メンバーの皆さんは雨氷の希少価値に気づいていないので、私だけ大興奮でした・笑)、素晴らしい眺望の斜里岳と、とても充実していました。

Aさんは既に百名山は終わっているので、百名山目標の他のメンバー(私はオマケ)の希望に沿って山行を計画。車・宿・航空券などすべて手配して下さったAさんに心から感謝し、すっかり気心の知れた楽しい仲間にも感謝して、今年の北海道の山旅は終わりました。



 斜里岳の花々




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