硫黄岳

いおうだけ(2742m)


硫黄岳には5回行っているようでしたが、まだ一度も山頂からの眺望に恵まれたことがありません。
今回は通りすがりで行くのではなく、硫黄岳だけに狙いを定めて、初ピッケルでのリベンジに挑戦しました。


2014.3.22-23
(土日)
 学林美濃戸
山荘
行者
小屋
中山
展望台
赤岳
鉱泉(泊)
赤岩ノ頭硫黄岳森林
限界
赤岳
鉱泉
美濃戸
山荘
美濃戸口
快晴  10:10着
 10:10発
11:35
11:50
14:05
14:30
14:45
15:15
15:35着
07:00発
08:50
09:00
09:30
10:05
10:35
11:00
11:40
12:00
13:15
13:30
14:15着
14:45発



今回も直前まで行き先を迷っていましたが、天気図を見て決心。『今度こそ硫黄岳からの眺望!』
あずさ1号は速すぎて勝沼ぶどう郷からの南アルプスは見るだけに終わり、韮崎を過ぎてからソワソワ。
車窓から、くっきり鮮やかな甲斐駒ヶ岳や八ヶ岳が見えて、ワクワク・ウキウキ・ドキドキです。


甲斐駒ヶ岳
【左に甲斐駒ヶ岳】

八ヶ岳
【右に八ヶ岳】

学林から林道歩き
【学林から林道歩き】

茅野駅で下車。美濃戸口の往復乗車券を購入するも、「路駐が多すぎてバスが入れず、学林までの運行の場合あり」とのこと。

かくして「学林」で降ろされ、運賃変わらず・・・
路駐の迷惑車は罰則もなく無料? 
バス会社も損失なし?
バス乗客だけが通常運賃払って歩かされるのって、オカシクナイ?

でも、歩き出せば、『青空に免じて許そう・・・』と寛大な心になって、美濃戸口到着。


美濃戸口からは雪道。一部凍結もあるので、途中で4本の軽アイゼン装着。
日差しが強いのでとても暑く、美濃戸山荘で衣服調整して、南沢登山道へ。
この先から下山者と行き交うようになりました。初日はたくさんの入山者があったようです。


美濃戸山荘
【美濃戸山荘から南沢へ】

南沢登山道
【南沢登山道】

雪いっぱいの針葉樹林帯を進み、急登が終わるとあたり一帯は霧氷で真っ白になりました。

日差しは強くても気温が低く、風もないので霧氷は散らずにいてくれたのでしょう、嬉しい〜!


霧氷〜!
【霧氷〜! (拡大)】

進むにつれ、白い大同心・小同心が見えてきました。 そして真っ白に輝く赤岳!


白い横岳
【白い横岳が見えてきた (拡大)】

白い赤岳
【白い赤岳が見えてきた (拡大)】


繊細な霧氷の木々 白い峰々 あまりの美しさに立ちすくんでしまって進めません。


霧氷の八ヶ岳
【霧氷の八ヶ岳】

カメラマンさんも三脚立てて本格撮影。 ほんとに、なんて素晴らしいんでしょう〜!!


八ヶ岳主峰
【素晴らしい八ヶ岳主峰】

あまりの素晴らしさに、いつものおやつタイムも忘れ、そういえばお昼もまだだった。
ちょっとシャリバテ気味になって、ようやく行者小屋に着きました。ここでお昼。
ここまでは4本歯で大丈夫でしたが、周りは皆さん10〜12本。私も8本歯に変えました。


行者小屋
【行者小屋 (拡大)】

行者小屋テント場
【テント場 (拡大)】

雪に埋もれてツララの下がった行者小屋や阿弥陀岳など振り返りつつ、赤岳鉱泉へ向かいます。


行者小屋
【雪に埋もれた行者小屋 (拡大)】

10分ほど先の分岐から左へ上がると中山展望台はすぐで、ここは外せません。
この展望台からは八ヶ岳主峰が目の前。 迫力ある真っ白な赤岳の姿に大感動です。


中山展望台
【中山展望台】

つららの下がったオオシラビソと、目の前に大きく広がる横岳〜三叉峰。
双眼鏡で見てみれば、小同心をクライミングしている人たちが少しずつ移動する姿が見えて楽しい。


大同心・小同心  横岳  三叉峰
【大同心・小同心  横岳  三叉峰 (拡大)】

そして地蔵尾根と文三郎尾根を歩く人たちを眺めるのも楽しいです。
急峻でヤセた地蔵尾根も怖そうだけれど、文三郎尾根も上部のトラバースは雪崩の危険もありそう。
無風、晴天、ほど良い寒気の日なら、雪の地蔵尾根は魅力的。  アブナイ、アブナイ・・・


地蔵尾根
【地蔵尾根を歩く人 (拡大)】

文三郎尾根
【文三郎尾根を歩く人 (拡大)】

今日は風もなく、午後の3時過ぎても真っ青な快晴。
30分も楽しんでいましたが、山小屋到着があまり遅くなってはいけません。
素晴らしい赤岳に感謝して、明日の青空もお願いして、そろそろ赤岳鉱泉へ向かいます。


赤岳
【白く輝く赤岳】

樹林帯の雪の下りは無雪期よりラクで、思いのほか早く赤岳鉱泉が見えてきました。奥に見えているのが、この小屋名物のアイスキャンディーでしょうか。


赤岳鉱泉へ
【赤岳鉱泉へ】

赤岳鉱泉に着きました。宿泊手続きをして、周辺散策。
アイスキャンディーと呼ばれる人工氷壁を登攀する人たちを眺めるのも楽しいひと時でした。


赤岳鉱泉テント場
【赤岳鉱泉テント場】

アイスキャンディー
【アイスキャンディー (拡大)】

連休初日はかなり混んだようで、食事も3回とか4回。今日はゆったりで、布団14枚の部屋に5人でした。この時期、この小屋に泊まる人たちは皆さん本格的な冬山登山者。私のような硫黄岳だけなんて初心者はいないようでした。夜、外に出てみると星がきれいで嬉しく、感謝しつつ就寝。



☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆   3月23日   ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆



快晴の朝を迎えました。今日はピッケルデビューです。とりあえず出発から持ちましたが、やっぱり邪魔。手に何か持つのは好きじゃないので、首の後ろとザックの間に尖がった先を差し込んでみたら、けっこう安定するのです。手が空くので、なんて便利なんでしょう!すっかり気に入ってしまいました。樹林帯の急登を過ぎると、木々の間から朝日に輝く阿弥陀岳が見えてきました。


樹林帯の急登
【樹林帯の急登】

赤岳
【樹間から見る赤岳〜阿弥陀岳】

そしてダケカンバ帯になると、霧氷が現れました!
気温は−10度くらいでしょうか、風がないのでまだ残っていてくれたようで嬉しくなりました。


ダケカンバ林 霧氷
【ダケカンバ林 霧氷〜! (拡大)】

森林限界を過ぎると、エビのしっぽも付着した樹氷の世界。
トラバースの先にも白い霧氷ダケカンバ林があって、素晴らしいです。
さすがにここではピッケルも手に持って、注意しつつトラバースしました。


樹氷の雪山
【樹氷の雪山 (拡大)】

トラバース
【トラバース (拡大)】

そして紺碧の空に白く輝く繊細な霧氷の木々!
あまりの素晴らしさに言葉もありません!
ほんとに、なんて、美しいんでしょう〜!!


ダケカンバ林 霧氷
【紺碧の空   白い霧氷】

赤岩の頭 直下の急登
【赤岩の頭 直下の急登 (拡大)】

自然界の青と白は大好きなので、この霧氷が見れただけで今日はもう十分な気分ですが、”硫黄岳一途”のはずだったので更に進みます。

赤岩の頭の直下は直登になりましたが、ほどよい雪質なので歩きやすいです。


振り返れば、これまた素晴らしい青と白の世界。
赤岳と朝日に輝く阿弥陀岳。 後ろには南アルプスも見えています。


赤岳〜阿弥陀岳
【赤岳〜阿弥陀岳】

赤岩の頭に着くと強風になりましたが、素晴らしい光景に出会えました。
クラストした雪面に出来ているので、雪の風紋というよりまさにシュカブラ。
こんな美しい雪の芸術に出会えるのも冬(春?)の高山ならでは。感謝感激でヤミツキになりそう〜!


シュカブラ
【美しいシュカブラ】

「赤岩の頭山頂」に寄ってから、美しいシュカブラ越しの峰々を見ながら硫黄岳へ進みましたが、
強風に指先が冷たくなり、手袋2枚にしたり、毛糸帽子・ネックウオーマー着けたりと忙しい。
赤岩の頭から先は、雪面も硬い所があるのでピッケルも効果的。やはりあれば安心でした。


赤岩の頭から硫黄岳へ
【赤岩の頭から硫黄岳へ (拡大)】

台座の頭〜横岳
【台座の頭〜横岳 (拡大)】

手袋を外すのももどかしいので写真もあまり撮らず、硫黄岳の山頂に着いてしまいました。

広い山頂には先客さんが2人いるだけ。
寒いけど静かな山頂です。


硫黄岳山頂
【硫黄岳山頂 (拡大)】

そして念願の硫黄岳から見る八ヶ岳主峰の峰々!
2003年から2,3年おきに来た硫黄岳。6回目でようやく素晴らしい眺望に出会え、感動のひとときです。
強風と寒さに皆さん到着すると間もなく下山されて行きますが、私は嬉しくて30分以上も眺めていました。


硫黄岳から見る八ヶ岳の主峰
【硫黄岳から見る八ヶ岳の主峰 (拡大)】

爆裂火口
【爆裂火口 (拡大)】

爆裂火口は白黒の縞模様。風がなければ台座の頭まで行きたかったけど、今日はやめておきましょう。

立派なエビのシッポに覆われたケルン。
その先に広がる北八ツも蓼科山もすっきりきれい。
東西天狗岳の吊り尾根も真っ白です。

天狗岳と蓼科山
【天狗岳と蓼科山 (拡大)】
赤岩の頭へ
【赤岩の頭へ (拡大)】

さて下山。
そういえば硫黄岳山頂手前に、ちょっと狭い岩稜帯がありました。強風の時は要注意です。下に見える真っ白な赤岩の頭へ向かって、慎重に下りました。


シュカブラと赤岳〜阿弥陀岳の景色を眺めながら戻ってきました。
素晴らしい!としか言葉が出てこないけど、ほんとに素晴らしいです。


シュカブラと赤岳
【シュカブラと赤岳見つつ・・・】

振り返り見る硫黄岳と白い山肌。
名残惜しくて何度も立ち止まり、なかなかここから下りれませんでした。


硫黄岳振り返りつつ
【硫黄岳振り返りつつ・・・】

雪の急斜面を下ってダケカンバ帯までくると風も当たらず、心地よい日差し。
トレース横の雪に座って、霧氷と赤岳を眺めながら、ゆっくり眺望の甘酒タイムにしました。


霧氷の赤岳〜阿弥陀岳
【霧氷の赤岳〜阿弥陀岳】

あとは帰るだけ。樹林帯の下りは早く、赤岳鉱泉に戻ってきました。ベンチで簡単お昼。


赤岳鉱泉
【赤岳鉱泉】
北沢登山道
【北沢登山道に熊?】

帰りは北沢沿いで、こちらも雪いっぱい。
サラサラ下って行くと、橋の向こうに黒い動物!
ドキッ! もしかして熊?

もうちょっと近くで写真を撮ってから熊鈴を鳴らそうかなと思ったら、後ろから人が来ました。

「熊がいるみたいです!」と言ったら、「あれはカモシカですよ。」と笑われてしまいました。残念〜(笑)

対岸なのでズーム。 ほんとだ、熊じゃない。
丹沢でよく見るのはシカ科のシカ。こちらのカモシカはウシ科らしいので、ちょっとずんぐりです。

カモシカ
【カモシカ】

雪道を緩やかに下り、橋を渡れば林道ですが、この先も雪いっぱいなので林道歩きも楽しいでした。


林道終点
【林道終点】

雪いっぱいの北沢林道
【雪いっぱいの北沢林道】

北沢登山道
【美濃戸山荘】

美濃戸山荘に戻って来ました。ここで8本歯から4本歯に変えましたが、昨日の朝と違って雪解けが進み凍結も少なく、4本歯も必要ないみたいでした。


そして美濃戸口バス停に着きました。
今日は路駐も減って、バスはここまで来るとのこと。
よかった、よかった。ブルーベリーソフトを食べながらバス出発を待ちました。



念願だった硫黄岳からの今回の展望は、過去5回分を一気にプレゼントされたような素晴らしい眺望でした。霧氷と紺碧の空と美しいシュカブラ。雪の高山の素晴らしさに触れ、また来たいと思ってしまいましたが、こんな天気は滅多にないのでしょうね。本当に恵まれた感謝と感動の二日間でした。




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