温かな朝食を頂いて、出発。 沢沿いに進むと間もなく青岩鍾乳洞の分岐ですが、現在は通行止めになっています。 |
【青岩鍾乳洞へは通行止め】 |
この辺りの紅葉はこれからといった雰囲気ですが、きれいな所もありました。 ちょっと開けた場所で眺めたり、小さな枝尾根を何度か越えたりして進んで行きます。 |
【ちらほら紅葉】 |
【三条ダルミへ】 |
カラマツ黄葉が見えてきて三条ダルミに到着。 ここは開けて眺めもいいはずですが、今日は予報より雲が多くどんより。
すぐ先にある雲取山の山頂西側の巻き道は、入口に通行禁止のロープが張ってありました。 |
【三条ダルミ】 |
【振り返れば飛竜山】 |
笹の茂る直登で、振り返ればダケカンバの先に飛竜山が見えています。 |
雲取山の山頂に着きました。 雲が多いので富士山は見えません。 石尾根のカラマツも黄葉見頃のはずですが、ちょっと冴えない色合いです。 |
【石尾根】 |
【雲取山 山頂】 |
すぐ先の、雲取山山頂標識がある東京都最高地点に来ました。朝より少し青空が増えてきたでしょうか。
ここは狭いので写真だけ撮って、さっきの避難小屋の上の岩場に戻りティータイム。 |
日差しが出てきたのでカラマツ黄葉がきれい。マルバダケブキの可愛い綿毛も並んでいます。 奥に見えている長い尾根が、昨日歩いた天平尾根です。こうして見てもなだらかですね。 |
【石尾根 奥は天平尾根】 |
【カラマツ林 奥は飛竜山 】 |
【奥多摩小屋から奥後山へ】 |
小雲取山を過ぎ、奥多摩小屋に着きました。 ここがヨモギ尾根の入口で、新しく道標があります。
でも空を見上げ、ため息。
今日の青空紅葉は期待できそうもない・・・ |
下って行くと、間もなく細い流れの水場があり、更に少し下ると分岐がありました。
『あっちは三条ダルミ。通れないはずなのに、今は通れるの?写真だけ撮っておこう』とシャッターを押し、道標の写真も撮りました。 (この時、道標はしっかり見たのに、ヨモギノ頭の下の分岐と思い込んでいる・・・) |
【あっちは・・・】 |
【左へ進むと・・・】 |
水場下の分岐から左へ進むと、道ははっきり。 『ヨモギ尾根ずいぶん歩かれているみたい』 |
と、今度は幹にピンクテープ。 左は通行止で、右は奥甚助尾根ですって。
『奥甚助尾根? ヨモギ尾根って、正式には奥甚助尾根って言うのか~ 名前似てるもんね』と思って、何の疑問も持たず右へ進みました。
(なぜ地図で確認しないのでしょう! オメデタイにもほどがある! 似てるのは「奥」だけでしょ!) |
【奥甚助尾根?】 |
(ヨモギ尾根と思っているので)なるほどヨモギ尾根って、紅葉きれ~い でも日差しがあればもっときれいなはずなのに、はぁ~・・・残念。 |
【日差しがあればなあ~・・・】 |
【スズタケの中の道】 |
【少し明るくなった紅葉】 |
『道もはっきりしているので、そろそろ破線ルートから昇格するかも知れないな~』などと思いつつ、下って行きました。
今年の赤は本当に鮮やか過ぎて、写真ではウソのような色合いです。 |
やがて落ち葉がいっぱいになり、アセビも多く緑が増えて来ました。
『大分標高下げたから、紅葉もそろそろ終わりかな』(ヨモギ尾根は緩やかなので、そんなに急に下がるはずはないのに、まだ気付かず) |
【落ち葉とアセビの道】 |
【ビックリ仰天!!!】 |
更に下ると、若い男女ペアが休んでいました。私が下りてきたことに、ちょっとビックリしている様子。
『やっぱりヨモギ尾根は歩く人が少ないのかな?』と思いつつ、「こんにちは~」と挨拶すると、先方もニッコリ笑って「こんにちは~ 道はこっちで、少し先で沢に出ます。」と右下を指して言うのです。
『沢?何のこと?』と思い、「じゃあ、その先が奥後山なんですか?」と言うと、なんと!「えっ?!奥後山は隣のあの尾根ですよ。ここは奥甚助尾根でマイナールートです。」ですって!
私はビックリ仰天!!! 「はあ~?!」
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地図を見て呆然としている私に、相手の方も呆れ果て、笑いながらもあれこれ説明してくれました。私は「せっかくヨモギ尾根の紅葉を見るつもりで泊まりで来たんです。やっぱり引き返そうかな~」と言ったら、「いや~ 奥甚助尾根はなかなか来れないルートだから、ここは歩いた方がいいですよ。」ですって。確かにこれだけ下ってしまっては引き返すのも大変そうです。その先のルートを丁寧に教えて下さったので、私はそのまま下ることにしました。 |
ビックリ、ガックリ、ボーゼン。 ほんとに、なんということでしょう。
時々立ち止まり、何度地図を見ても、確かにここは奥甚助尾根らしい・・・ |
【奥甚助尾根というらしい・・・】 |
【奥甚助クボらしい】 |
トボトボ歩いていたら、7,8分で沢に出ました。 ここが奥甚助クボらしい。
いくら嘆いても仕方ないので、ここでお昼にすることにしました。ボソボソ食べて、出発。 |
奥甚助クボを渡りヨモギ尾根の山腹に移ると少し登り返しがあります。あとはずっと水平道。 ちょっと分かり難い所もありますが、ほぼはっきりした道を山肌に沿って進んで行きました。 |
【落ち葉の山腹道】 |
【水平道】 |
30分かからず、ピンクテープのある地点に来ました。地図上の黒破線折り返し地点で、マイナー三叉路。
右上は遠回りで奥後山へ行くルートなので、左下の塩沢橋方面へ進みました。 |
【黒破線ルート合流】 |
【巡視路】 |
こちらの巡視路も所々落ち葉に埋もれていますが、迷うこともなさそうな山腹道です。 |
短い植林や小岩ガラガラ斜面などもある山肌に沿って進み、やがて一般ルートに合流しました。 新旧の道標があり、すぐ下で塩沢橋からの広い道に下り立つと登山口道標もありました。 |
【一般ルート合流】 |
【奥後山 登山口】 |
お祭のバスは16:43。時間がたっぷりあるので塩沢に下りたち、時間調整タイムにしました。 |
【塩沢】 |
その後7,8分で塩沢橋に出て、あとは長い林道歩きです。 コースタイム1:20の道を、2:20かけて歩くというのも、けっこう大変なものです。 |
【長い後山林道】 |
【後山林道 入口】 |
しかし、かなりゆっくり歩いても1:20でバス通りに出てしまいました。「お祭」で1時間も待つのはイヤなのでバス通りを歩きだすと間もなく後ろから来た車が停まってくれて、なんと青梅駅まで乗せて下さったのです。丹波山村で育ったという方で、バスの本数が少ないのを知っているので歩いている人を見ると気の毒でいつも乗せているとのこと。奥多摩には優しい方が多いのですね。青梅駅ではホリデー快速に乗れて思いがけず早い帰宅。本当に有り難く、感謝でした。 |
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【水場下の分岐 道標には・・・】 |
帰宅後、PCで写真を確認。あの水場下分岐の道標には、こんな大きな文字で「←奥後山」と書かれていたんですね。これを見たはずなのに、「→」へ行ってしまうなんて・・・
その後の「奥甚助尾根?」でも、ヘンと思えば地図を見たはずなのに、全く疑問すら思い浮かばなかったのです。まさしく、思い込み道迷い未遂事件でした。
あのお二人に出会わなければそのまま真っ直ぐ尾根を下ってしまい、道を失って初めて間違いに気付いたことと思います。そこでようやく地図を開き、奥甚助尾根の文字に大慌て。多分引き返し、帰りは相当遅くなったと思います。改めて、あのお二人に感謝でした。
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今年は紅葉がきれいなので、楽しみにしていたヨモギ尾根。こんな大きなはっきりした文字が、頭をスルーしてしまうなんて認知症の初期かと思うと、情けないやら、恥ずかしいやら、みっともないやらで、ショックのあまり、しばらく落ち込んでいました。レポには「最初から奥甚助尾根助が目的でした。」と書こうかとも思いました。
実は前日の三条の湯の書籍コーナーで、山渓9月号の中高年遭難の記事を読んでいたのです。「一番多いのは、思い込みによる道迷い」というものでした。『ちゃんと地図で確認しなきゃダメよね。私も気をつけなきゃ・・・』と半分他人事のように思ったばかりだったので、余計落ち込んでしまいました。
元々、私は道標を見ても、『多分、こっち』と思いながら、サラッと見てしまう傾向にありました。これからはしっかり頭に入れながら歩くようにしたいと思います。(出来るかな~・・・) 私のような軽率な方は少ないと思いますが、皆さんもどうぞ思い込みにはお気をつけ下さい。 |