宝剣岳

ほうけんだけ(2931m)
平成24年8月26日~28日

今日はいよいよ宝剣岳を越えて、中央アルプスの代表的な縦走コースを歩きます。
まずは昨日見れなかった千畳敷カール全景を伊那前岳で眺めてからスタートしようと思います。


2012.8.27
(月)
 宝剣
 山荘
伊那前岳宝剣
山荘
宝剣岳極楽平濁沢大峰檜尾岳熊沢岳東川岳木曽殿
山荘
晴れ
のち曇り
 06:00発06:20
06:40
07:05
07:15
07:30
07:50
08:25
08:30
09:45
10:00
11:10
11:40
13:15
13:35
14:55
15:10
15:30着




夜明け前。まだ深い藍色の空には星が幾つも瞬いていました。
宝剣岳で御来光を迎えようという人達のヘッデンの列が見えています。
私は緩やかに登れる中岳へ向かい、あの岩場の上で迎える事にしました。

夜明け前
【厳かな光芒】

宝剣岳
【朝焼けに浮かぶ宝剣岳】

うっすら染まった朝焼け。静かに佇む宝剣岳。
高い峰々の周辺は全て雲海に埋め尽くされ、御嶽山や北アルプスもきれいなシルエットを見せています。


やがて、八ヶ岳と奥秩父・南アルプスの間から朝日が昇ってきました。
すっきりと澄み渡った空に感謝。素晴らしい日の出に心から手を合わせました。

御来光
【御来光】

小屋に戻り、5:30からの朝食を頂いて出発。
ベンチにザックを置いて、まずは伊那前岳へ行ってみます。昨日はガスに隠れていた千畳敷カールも、朝日が当たってきっと素晴らしいことでしょう。

伊那前岳へ向かう人は誰もいない。
手前に見えた小ピークは巻き道になっていて、雲海を見つつなだらかな道を進みました。


伊那前岳へ
【伊那前岳へ】

勒銘石を過ぎて、やがて白く輝く雲海の向こうに、南アルプスが大きく見えて来ました。
甲斐駒・仙丈・北岳・間ノ岳・農鳥岳 そして富士山!  塩見岳・荒川三山・赤石岳・聖岳!
どの山にもそれぞれ思い出があり、こうして一望出来るなんて、なんて幸せなんでしょう~♪

中央写真
【伊那前岳から  南アルプス】

そして千畳敷カールと宝剣岳。  今日歩く稜線が眺められるって、本当に嬉しい~!
明日はあの一番左奥の空木岳の山頂にいるはず。今日のこの青空に本当に感謝です。
大きく広がる素晴らしい稜線を何度も何度も目に焼き付けて、宝剣山荘へ戻りました。

中央写真
【空木岳~宝剣岳】

宝剣山荘には、私のザックがベンチにポツンと残っているだけで、もう誰もいません。
お掃除をしている小屋のスタッフにお礼を言ってトイレを拝借。身支度して出発しました。


宝剣岳  クサリ場
【宝剣岳  クサリ場】

「滑落事故多発」の看板を過ぎ、見上げる宝剣岳のクサリ場。誰もいないのでジャングルジム独占みたい。わくわく・ルンルン、慎重に登って行きました。

宝剣岳山頂は、狭い岩ピークでした。
御嶽山や乗鞍岳が見えています。木曽駒ヶ岳はすぐそこに見えていますが、あの山頂にも周辺にも全く人影がない。

昨日は宝剣山荘だけでも80人くらい居たし、あちらの小屋にも登山者は居たはず。遅い時間になったので、ピストンの人でさえ、もうどこかへ行ってしまったのでしょうか。

宝剣岳  山頂
【宝剣岳  山頂】

これから向かう空木岳への伸びやかな稜線も、三ノ沢岳への稜線も、気持ち良さそう~!
中央アルプスの人気コースのはずなのに、こちらも人影がなく本当に静かです。

空木岳への稜線
【素晴らしい空木岳への稜線    右は三ノ沢岳】

千畳敷カール
【千畳敷カール】

まだ8時前。ロープウエイも月曜日の今日は定時運行のようで、千畳敷カールも静かです。

まだ眺めていたいけどそろそろ行きましょう。
下る側の方が傾斜が強いようですが、クサリなどで整備されているので問題ありません。

宝剣岳 クサリ場
【宝剣岳 クサリ場】
振り返り見る宝剣岳
【振り返り見る宝剣岳】


岩稜地帯を過ぎて、振り返り見る宝剣岳。
岩ゴツゴツピークには、やっぱり青空が似合いますね。

三ノ沢岳分岐を過ぎ平坦な極楽平に来ました。
ロープウエイ駅からの道が上がってきていますが、今はまだ人の気配なし。

極楽平
【極楽平】

ひろーい山 ひろーい空。 前後左右を見渡しても、だ~れもいない
山の精と二人きり♪ 中央アルプスって、なんて静かなんでしょう~


宝剣岳方面
【振り向いても 誰もいない】

空木岳方面
【前にいるのも、山だけ~♪】

足元にはコマウスユキソウも咲いています。蕊はもうおばさんだけれど、キラキラ輝いていました。


コマウスユキソウ
【コマウスユキソウ】
濁沢大峰へ
【濁沢大峰へ】

気持ちのいい稜線を進んで、次はあの濁沢大峰へ向かいます。

岩ゴツゴツピークの濁沢大峰に着きました。
振り返ると誰もいなかった道に単独男性の姿。

岩に腰掛け休んでいたら、間もなくその男性が上がってきました。私より年配の方(多分)ですが、とても軽快な歩き。駒峰ヒュッテの管理をされる方だそうで、交替で通っていらっしゃるとのこと。1,2分話しただけで、休まず通り過ぎて行かれました。

濁沢大峰
【濁沢大峰】
岩稜帯
【岩稜帯もスイスイ】

私もそろそろ行こうと歩き始めたら、ヤセた岩稜帯をさっきの管理人の方が歩いています。

岩場ではストックが邪魔だと思うけれど、素晴らしく慣れた様子でスイスイ行ってしまわれ、『凄いな~!』思わず見とれてしまいました。


その先は下りで、鞍部はダケカンバやナナカマドなどの潅木帯。
紅葉の頃はきれいでしょうね。ここには花も少し咲いていました。


檜尾岳へ
【大きく下れば】

ダケカンバ・ナナカマド
【ダケカンバ・ナナカマド】


ハクサンフウロ

ハナニガナ

タカネナデシコ

ダイモンジソウ

登り返して、檜尾岳へ向かいます。ほんのわずかですが、絡みついたハイマツの根を潜り抜けて行くところもありました。

檜尾岳へ
【檜尾岳へ】
檜尾岳 山頂
【檜尾岳 山頂】

檜尾岳山頂に到着。この頃にはもうすっかりガスが上がって、展望はなくなりました。

この辺りから人も見かけるようになりました。ちょっと早いけど、お昼半分にします。

檜尾岳から先も似たような岩とハイマツの道です。ガスで展望はなくなったけれど、ちょっとでも標高が下がると花が咲いているので楽しい道です。

大滝山へ
【大滝山へ】
熊沢岳へ
【熊沢岳へ】

熊沢岳が近くなると、岩ゴツゴツの急登になってきました。足場が高くて、ちょっと苦労する所もあります。


上がりきったピークには道標が立っていましたが、「熊沢岳」の文字は消えかかっています。
この先にも道標が立ち、広いこちらが山頂ということでしょうか。残り半分のお昼にします。


熊沢岳
【熊沢岳  旧山頂?】

熊沢岳山頂
【熊沢岳  山頂】

ガスで見え隠れする空木岳を見つつ、今日最後のピーク東川岳へ向かいます。


東川岳へ
【空木岳見つつ東川岳へ】
東川岳
【東川岳  山頂】

緩やかなハイマツの道を進んで、東川岳の山頂に到着。目の前に空木岳が見えていますが、ガスに隠れて残念です。

あとは今日の宿、木曽殿山荘へ向かうだけですが、ザレザレの急下りで、左側は切れ落ちているので注意しながら下りて行きました。

ザレ急下り
【ザレ急下り】

受付を済ませ、水平道8分という水場「義仲の力水」へ行ってみます。
途中は花が多く、楽しい道ですが、水は細くて順番待ちが出来るときもありました。


水場へ
【水場への花畑】

「義仲の力水」
【水場「義仲の力水」】

木曽殿山荘
【木曽殿山荘】

地図にわざわざ「予約がないと泊まれない」と赤記されている木曽殿山荘はウッディな内装の小屋でした。今夜の宿泊者は25名くらい。平日なのでもっと少ないかと思っていましたが、やはり人気のコース。9名のツアー団体さんもいたけれど、最盛期なら相当混むのでしょうね。

山間の小屋なので夕日は見れませんでしたが、
明日もどうか晴れてくれますように!!

 宝剣岳の花々




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