白根三山  間ノ岳・農鳥岳

あいのだけ(3189m)・のうとりだけ(3025m)
平成24年7月15日~17日

今日は初めての間ノ岳・農鳥岳へ向かいますが、朝は相変わらずのガスです。
いずれ晴れることを期待して出発。今日は大門沢小屋までで、明日は奈良田温泉へ下ります。


2012.7.16-17
(祝・火)
 北岳
 山荘
中白根間ノ岳農鳥
小屋
西農鳥岳農鳥岳下降点河原大門沢
小屋
休憩
小屋
奈良田
ガスのち晴れ   05:00発05:4006:45
07:10
08:05
09:00
10:00
10:15
10:55
11:40
12:1513:50
14:00
14:45泊
05:05発
07:20
07:35
08:45湯
09:55発



日の出
【日の出】

朝食は第2陣とのことなので今回は朝食は頼まず、簡単なパンで済ませて出発しました。

外に出ると相変わらずのガスと風ですが、ほんの一瞬だけ東側が見えて、雲海と朝日が見えました。このままガスが流れてくれると嬉しいのだけれど・・・


真っ白で何も見えないのでハクサンイチゲやオヤマノエンドウなど足元の花だけ見て歩きます。
トボトボ歩いて、やがて人のいるピークが見えて来ました。あそこが中白根山のようです。


中白根山?
【ガス・・・】

間ノ岳
【中白根?】

白ぼんやり景色と花の写真だけ撮りつつ、ひたすら歩いて気付くと間ノ岳に到着でした。
寒さは感じなかったので山シャツだけで来てしまい、すっかり湿ってしまったので、
面倒だけどレインウエアー着用。エネルギーも補給。この先にはまだ雪が残っていました。


中白根?
【ガスの中、間ノ岳へ】

間ノ岳
【間ノ岳 山頂】

ツガザクラや蕾のコケモモなど見ながら下り、三国平分岐を過ぎると間もなく農鳥小屋が見えて来ました。少し明るくなって来たような気がします。


農鳥小屋
【ガスの中の農鳥小屋】
富士山!?
【富士山!?】

5分ほどすると更にガスが薄れて、
なんと!向こうに富士山らしい姿!
嬉しい~♪ 

皆さん共々大喜びです。


そうなるともうガスの中を登る気がなくなり、見え隠れする富士山をずっと眺めてしまいます。
雲海の上を漂う雲は次々姿を変えるので楽しく、青空も嬉しく、すっかり時を忘れていました。

富士山
【雲間に見える富士山】


農鳥小屋の親父さんも青空に誘われて、小屋から出てきました。とかくの評判のある方ですが、昔の山男らしい雰囲気の、気さくで親しみやすい方でした。

今日は朝食なしで来たのでここでお昼にしようと、更に腰を据えて眺望タイム。今日は大門沢小屋までなので、時間はたっぷりあります。

気付くと1時間も経っていました。すっかり青空になってきたので、ルンルンで農鳥岳へ向かいます。


農鳥岳~西農鳥岳
【青空になった農鳥岳~西農鳥岳】

間ノ岳と農鳥小屋
【振り返り見る 間ノ岳と農鳥小屋】

振り返れば、大きな山容の間ノ岳がどーんと大きく見えていました。

あの山頂からは何も見えなかったので登ってないのと同じ。間ノ岳はまたいつか行かねば!


農鳥岳への道は、『夏山はこうでなきゃ!』というような青空と、岩の稜線と、花の道。
遠くの山や谷、群れ咲く高山植物を眺めつつ、すっかり元気になって進んで行きました。


夏山
【青空見つつ~♪】

花畑
【花畑と遠くの山々】

西農鳥岳から見る農鳥岳
【西農鳥岳から見る農鳥岳】

西農鳥岳(山頂は巻く)に着きました。
左に農鳥岳山頂と富士山が見えています。


数年前に登った塩見岳や荒川岳方面もすっきりきれいに見えて、ほんとに嬉しい~
塩見岳からは仙塩尾根を北上したけど、三峰岳ではガスだったので、この眺めは感激です。

笊ヶ岳?~荒川三山~遠見岳
【笊ヶ岳?~荒川三山~塩見岳】

白根三山最後の農鳥岳に向かい、緩やかなアップダウンで山頂に到着しました。

雲海、富士山、青空。素晴らしい眺めです。


農鳥岳 山頂
【農鳥岳 山頂】
富士山
【富士山へ感謝】

ここで、ようやくアナタの出番。
オールフリーを開けると、湧き上がる雲のようにシュワシュワっと冷たい泡が出て、まずは富士山へ感謝の乾杯。


間ノ岳~北岳~鳳凰三山
【重厚な間ノ岳  急峻な北岳  伸びやかな鳳凰三山】

昨日は気温も低かったし、オールフリーは凍らせたスポーツゼリー飲料と共に断熱シート(使用後は嵩張らばないので便利)にしっかりくるくる包んできたので、まだまだ冷たくてとても美味しいです。

真っ白で何も見えずに歩いて来た稜線を振り返りつつ、残り半分のランチタイムにしました。


北岳と乾杯
【オールフリーで 北岳とも乾杯!】

さて、そろそろ下山。笊ヶ岳方面見つつ、下に見える大門沢下降点へ向かいました。
下って行くと東海製紙の標柱があり、ここから稜線を外れて中腹を巻いて行くようです。


下降点へ
【下降点方面見つつ】

下降点へは左へ
【下降点へは左へ下り、巻いて行く】

大門沢下降点
【大門沢下降点】

下降点には黄色の小さな塔が立ち、鐘が下がっています。ここで遭難した青年のご両親が、供養と安全祈願を願って設置されたようで、黙祷後下山。

ナナカマドやハイマツのガレ下りが終わると、撓んだダケカンバ帯になりました。

ダケカンバ帯
【ダケカンバ帯】

途中には雪田もあって、やがて岩混じりの針葉樹林帯になりました。
急下りが続き、所々に標高が記された標識が掲げられています。
歩き難いけれどシラビソのいい匂いがして、時々立ち止まり、深呼吸。


雪田
【雪田】

シラビソ帯
【シラビソ帯の急下り】

広い河原
【広い河原】

ずっと急下りが続きましたが、ようやく潅木帯の広い河原に出ました。下の小沢で休憩。

そのまま右岸を下って小さな沢を幾つか渡ります。壊れかかった梯子橋ですが、ロープもあるので岩伝いに渡れば大丈夫です。



ミネザクラ

ゴゼンタチバナ

ツマトリソウ

ホソバノキソチドリ?

やがてモミやらシラビソやらの針葉樹林になって、大門沢小屋に着きました。
今日の泊りは私が最初のようです。『え~私一人のままだったらイヤだな・・・』と思いつつ、
受付を済ませ部屋で一休み。下のちょっと狭いテント場には幾つかテントが張ってありました。


大門沢小屋
【大門沢小屋】

大門沢小屋
【誰もいない・・・】

夕食まで時間があるので、
下のヨモギ沢に下りてみました。

ザーザーと、途切れることなく流れる沢の音、
どこからか聞こえてくる鳥の声、
傾いてきた夕暮れ間近の柔らかな光。

ひんやり涼やかな森の気に浸って、
心が無になる至福のひととき。


ヨモギ沢の流れ
【ヨモギ沢の流れ】

その後到着したのはテント泊の人ばかりだったので夕食は私一人でした。何だか寂しいなあ。
それでも小屋番さんが「山と渓谷社 空撮登山ガイド・白峰三山」のビデオを流してくれたので、テレビに向かって相槌打ったり話しかけたりしながら食事しました。


夕食後しばし部屋で過ごし、そろそろ夕暮れかなという頃テント場へ富士山を見に行きました。
すると白い渦巻き雲が幾つも浮かんでいて、大きなUFOがたくさん並んでいるみたいです。
雲は徐々に赤く染まり、やがて一つが大きな吊るし雲になりました。なんて素敵なんでしょう~


富士山
【渦巻き雲はやがて】

夕焼けの吊るし雲
【夕焼けの吊るし雲に】

30分も眺めていましたが、そろそろ寝る仕度もしなきゃ。宿泊棟はスタッフ棟とは別なので、本当に一人。怖がりの私には肝試しみたいです。でも、あまり怖ろしい”気”は感じられなかったので、この小屋は多分大丈夫! 山好きだけどあまり行けなかった父の写真を枕元に並べて、お守り&魔除けになってもらい、ウォークマンを聴きながら、睡眠導入剤も早めに飲んで、消灯前に眠ってしまう作戦にしました。
やれやれ、私にはやっぱり、一人になるかも知れない避難小屋泊りは無理だろうなあ~



・・・・・・・・・・・・・・・・・17日・・・・・・・・・・・・・・・・・


日の出前
【日の出前の富士山】

夜中に一度も目覚めず、しっかり平安に眠って、朝が来ました。早速富士山を見に行くと、テントの人も何やら準備中。

日の出は見れませんが、浮かんだ雲がオレンジ色に輝いたので、出発準備。下山後の温泉でゆっくりしたいので、朝食は頼まず簡単なパンで早めに下山開始しました。


この先も樹林帯の長い下りが続きます。沢は何度も渡り返します。
捩じれたり丸太だったりの、不安定だけど風流な橋が幾つもありました。


奈良田へ
【傾いた橋】

奈良田へ
【丸太橋】

沢沿いの道でしたが途中から小尾根を越えて、しばらくは緑いっぱいの山腹の道。


ダケカンバ帯
【小尾根を越える】

デコボコの風流な橋もありました。ロープがあるので心強いです。
やがて立派な吊り橋になり、発電所を過ぎれば登山道も終わり。


吊り橋
【デコボコ橋】

農鳥岳登山口
【奈良田へ立派な吊り橋】

休憩小屋のある農鳥岳登山口に下り立ちました。小屋でしばし休憩。
あとは林道を歩いて広河内橋を渡り、奈良田温泉へ向かうだけです。


広河原橋
【休憩小屋のある農鳥岳登山口】

奈良田の里温泉
【広河内橋】

駐車場はけっこう満杯で数人が広河原へのバスを待っています。白根三山縦走の人でしょうか。
バス停の上にある「奈良田の里温泉」(500円)は9時からですが、早めに入れてくれました。
ゆっくり温泉に浸かり、見下ろす景色もいいベンチで涼んで、奈良田バス停へ向かいました。


吊り橋
【市営 「奈良田の里温泉」 】

農鳥岳登山口
【下に奈良田バス停】


長年の念願だった白根三山へ、ようやく行くことが出来ました。北岳・間ノ岳の天気がイマイチでしたが、この二山だけなら比較的行きやすいので、また行こうと思います。今回はキタダケソウにも会えたし、以前歩いた南アルプス南部の山々も望めたので、とても嬉しかったです。

 白根三山の花々




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