大石山・同角ノ頭・檜洞丸

おおいしやま(1219m)・どうかくのあたま(1491m)・ひのきぼらまる(1601m)
平成24年5月12日(土)~13日(日)


工事中だった玄倉林道が通行可能になったので、同角山稜から檜洞丸へ行くことにしました。
真っ暗な青崩隧道が一番のネックですが、無事に通り抜けられるでしょうか・・・


2012.5.12
(土)
 玄倉ゲート青崩隧道ユーシンロッジ大石山同角ノ頭石棚山稜
ベンチ
檜洞丸青ヶ岳山荘
晴れ
のち曇り
 08:08着
 08:15発
08:5009:3010:40
11:10
12:25
12:45
14:15
14:25
15:20
15:30
16:05
16:10
16:10



谷峨駅7:46発の西丹沢行きに乗って、玄倉で下車。車窓からは富士山もチラッと見えています。バス停には公衆トイレがあり身支度して出発。あの真っ暗な青崩隧道は一人で歩きたくないので、数人が降りた時はホッとしましたが、山神峠や県民の森方面へ向かったのか、気付いた時には誰もいなくなっていました。


ゲート
【新緑の玄倉林道】

ゲートには10台ほどが駐車しています。
ということは、今朝あの青崩隧道を歩いた人がいるわけで、ちょっと安心。ゲートを過ぎれば未舗装の緑いっぱいの道になりました。

最初の境隧道はとりあえず通過。誰か来ないかな~と振り返っても、誰も来る気配はなく、しかも朝は晴れていたのに曇ってきました。なんだか、不安・・・


次が青崩隧道!私にとって今回ルートの最大難所で、長いだけでなく途中でカーブしているので真っ暗なトンネルです。

首から下げたヘッデンで足元照らし、
手に持ったヘッデンで2m先を照らし、
予備の懐中電灯も腰に下げて重装備。
厳戒態勢で臨みました。

気付け薬チョコも口に放り込んで、いざ出陣。
余計な姿を見ないように足元だけ見て進み、
余計な声も聞かないように、明るくハミングしながら進みました。


青崩隧道道
【真っ暗な!青崩隧道】

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


出た出た、やっと出れた。ほっと一息。長さは327mだそうですが、かなり長く感じます。でもこれが長く感じるようでは、あの1.3kmの釜トンネルは絶対無理。雪景色の上高地は、やはり一人では難しい。


ヒメウツギ
【上まで続く ヒメウツギ】

青崩隧道が過ぎれば、あとは短いトンネルばかり。気も楽になって楽しい緑の林道歩きです。

ヒメウツギがいっぱい咲いていました。


小さな玄倉ダムはとても美しい色で、エメラルドグリーンより青いユーシンブルー。
水の色は花崗岩の影響でしょう、緑の木々に透けて見える白い石や発電所も素敵に見えました。


ユーシンブルー
【美しい色 ユーシンブルー】

発電所
【玄倉ダム 発電所】

一部素掘りだったり、全部素掘りだったりのトンネルもあります。
最後の第八隧道は中央部分が素掘りで、ちょっと不思議な体験が・・・
トンネルを全部抜けて、やれやれ安心。水溜りに映る木々の緑もきれいです。


素掘りの隧道
【素掘りの隧道】

玄倉林道
【岩壁にはイワタバコの葉】

雨山峠入口を過ぎ、熊木沢出合への道を見送って左折。橋を渡ってユーシンロッジに到着。

誰もいないと思ったら、若い二人連れがいてくれて、よかった~! 近くに自転車が2台。

空が少し暗くなってきたし、誰もいないシーンとした建物はちょっと怖そうなので、嬉しくて安心。人のいるうちに早めのお昼にしましょ。


ユーシンロッジ
【ユーシンロッジ】

園内にはトイレもあって、ここもあの人たちのいるうちに利用。そろそろ出発しようかなという頃、ロッジの横から声がして男性二人が下りて来ました。たぶん臼ヶ岳南尾根を下ってきた人達なのでしょう。誰もいない山の中は全然怖くないけれど、誰もいない建物近くは怖いので、少し賑やかになったのは嬉しい。


同角山稜へ
【同角山稜へ】

さて出発。ロッジ左のユーシン橋を渡ったら、いよいよ念願の同角山稜です。

短い植林で東屋に上がると、その先から緑いっぱいのブナ林になりました。

タチツボスミレやマルバスミレなど見かけながらブナ林を登って行くと大きな岩の下に出ました。これが大石山の大石でしょうか、大ガエルのような岩です。


大石山へ
【大石山へ】
同角山稜
【梯子・クサリのブナ林】

ちょっとザレっぽい所などもあり、古いけどしっかりしたクサリ・梯子で整備されています。シロヤシオを探しつつ登りましたが、白い花はどこにも見えません。


大石山の山頂に着きました。誰もいないと思っていたら、先客さんがいてびっくり。
お父さんと男の子二人で、中学2年生と小学校5年生だそうです。
驚いたのは3人とも白い地下足袋!お父さんはきっとベテランさんなんでしょうね。
男の子が「青ヶ岳山荘に泊まって明日は蛭ヶ岳へ行くんです」と嬉しそうに話してくれました。
雲が多く陰っていたのが残念ですが、岩の上からは蛭ヶ岳~塔ノ岳方面が見えていました。


大石山 山頂
【大石山 山頂】

蛭ヶ岳方面
【蛭ヶ岳方面】

山頂横にはシロヤシオの木がありましたが、
なんと、一本の木に白花は三つだけ。
咲いているのは、まさに一輪。

蕨山のアカヤシオ一輪は叶わなかったけど、
シロヤシオ一輪が叶った。
喜ぶべきか、悲しむべきか・・・


シロヤシオ
【シロヤシオ】
大石山のザレ下り
【大石山のザレ下り】

シロヤシオも今年は寂しそうだな~と、悲しくなりつつ下り始めるとザレのクサリ場になり、足元ばかり気にして下ってしまいましたが、あとでちょっと残念なことが・・・


ザレ下りが終わると、またブナの静かな尾根道です。
黄色の小花のツルキンバイが沿道を飾っていました。


同角山稜
【同角山稜 ブナ道】

ツルキンバイ稜
【沿道を飾るツルキンバイ】

空が少し明るくなって、また青空も見えてきました。同角山稜を歩く人は少ないようですが、途中にはベンチなども整備されていて、静かなブナの気持ちのいい道が続きました。


大石山のザレ
【続くブナ道】
同角山稜
【キレット 桟橋】

ここがサンザ洞キレットでしょうか、桟橋がかかっています。ここからは同角ノ頭への登りになりました。

少し行くと、あの父子組が写真を撮っていました。ここにはイワカガミの葉しかないけれど、さっきの大石山のザレ場では花が咲いていたそうです。

イワカガミの花のことは頭にあったのに、すっかり失念していました。何だか情けない・・・

キレット 桟橋
【ヤセ岩尾根】
同角ノ頭へ
【同角ノ頭へ】

梯子やら段々道で上へ行くと、足元にはコミヤマカタバミがいっぱい。でも日差しがないので、残念ながら花は閉じています。

同角ノ頭の山頂に着きました。
ベンチがあり森の中の雰囲気のいい山頂です。
この時は『あとは石棚山稜に合流すればいいだけ』と、のんびり考えていました。

同角ノ頭
【同角ノ頭 山頂】
マメザクラ咲く木道
【マメザクラ咲く木道】

山頂から先はマメザクラの咲く木道が現れ、向こうの檜洞丸見つつ進んで行くと・・・


木製階段が始まりました。7,8年前頃から多くなったような気がする”いかにも丹沢”といった風情の木製階段ですが、これでもかというほど続くのです。

『せっかく登って来たのにどれだけ下るの?』と改めて地図を見れば、なるほど標高差180m近く下るみたいで、下山ならこの階段は登ることになるみたい・・・

同角ノ頭からの下り
【同角ノ頭から 階段 階段 階段・・・】
石棚山稜へ
【ようやく登り~♪】

ようやく登りに転じて、ほっと安心。次の小ピークを越えれば石棚の稜線が目の前です。

あのバイケイソウの葉がいっぱい茂る石棚山稜のベンチに着きました。やれやれ、同角ノ頭は素敵な山だったけど、気合を入れないとあの北側の階段はただごとではない。

ここからは歩き慣れたルートなので、
ほっと寛ぎのひととき。

石棚山稜
【石棚山稜 合流ベンチ】
同角ノ頭
【振り返る同角ノ頭】

ツツジ新道と合流すると右手に同角ノ頭が見えていました。こうして見ればあの下りが納得。

この辺はシロヤシオやトウゴクミツバツツジが多い所。今年は紅白競演が見れるでしょうか。

バイケイソウが茂る木道入口付近のシロヤシオは、今はまだ葉か花か分からない蕾。でもマメザクラがきれいに咲いて迎えてくれました。

檜洞丸 木道
【マメザクラの先の木道へ】
檜洞丸
【檜洞丸 山頂】


誰もいない檜洞丸の山頂に到着。
祠に挨拶していると、トレランではなさそうな登山姿の中高年男女3人が蛭ヶ岳方面から到着。

昨夜はどこ泊りかと伺えば、なんと!今朝7時過ぎに大倉を出発したとのこと。びっくり~!!

西丹沢最終バスは18:58なので余裕でしょう。エールを送って、私は今夜の宿へ向かいました。始発と最終とはいえ、とんでもない中高年健脚さんがいたものです。

青ヶ岳山荘に着き、去年のお正月にお世話になった管理人さんにご挨拶。今夜の宿泊者は8人グループとさっきの父子3人と私のようです。

寒気が降りてきているとの予報どおり山頂は肌寒く炬燵が入っていました。炬燵でグループの皆さんの話に入れていただいて、4時40分頃からの早目の夕食を頂いてのんびりしていました。


青ヶ岳山荘
【青ヶ岳山荘】
富士山
【富士山と 沸き立つ雲海】


が、気付いたら6時半!
今頃の日没って何時だっけ?

急いで檜洞丸山頂の北側へ行ってみると、ちょうど沈んだ後でした。雲がなければ間に合ったかも知れないけど、どうしていつも同じ失敗をするんでしょう、まったく情けない。

でも雲に浮かぶ富士山と、
暮れなずむ山の景色はなんとも言えず美しい。
明日のお天気は良さそうで、感謝。



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