膝の故障で今年は遅れて夏休みを取りました。3泊4日の予定でしたが、土日は雨だったので一泊で行ける那須岳へ行くことにします。紅葉は連休が見頃だったようなのでもう遅いかも知れないけれど、週末は混むらしいので平日行けるのはチャンスです。
デカザックが背負えない軟弱者の私は食事の出る山小屋がある山域しか行けないので、東北方面の地図はない。初めて那須岳の地図を買いましたが、やはり山小屋はなく避難小屋かホテルマークだけ。しかし三斗小屋温泉の宿は車道沿いではなく山の中にあるみたい。調べてみれば相部屋はないものの料金も雰囲気も山小屋ふうなので、露天風呂があるという「煙草屋」へ予約を入れました。
ザック姿で新幹線に乗るのも谷川岳・白馬蓮華温泉と3度目。「山は鈍行とバスで行くもの」という固定観念がだいぶ薄れたとはいえ、やはりヘン。平日なので周囲はビジネスマンばかりだから余計肩身が狭く、もともと小さいのに更に小さくなって乗車。
那須塩原駅で乗り換え、黒磯駅から8:15発のロープウエイ山麓駅行きのバスに乗車しました。(片道1300円ですが、駅案内所なら2日間フリーパス2500円があるらしい)平日ですが、さすが紅葉時期なので満席。連休は渋滞で山麓駅まで辿り着けず諦めて引き返したマイカーもあったと運転手さんが話していました。
那須高原を過ぎたあたりから山肌の紅葉もきれいに見えてきて、なるほど東北は紅葉が素晴らしいなあ~と感激。(栃木県は関東ですが、私の中では埼玉県より北は馴染みがなく東北と同じ) 終点近くなるとダケカンバが多くなり、紅葉に映える白い幹や枝がなんとも美しい。 |
【茶臼岳 山頂・牛ヶ首分岐へ】 |
ロープウエイ(往復1100円・片道650円)から見下ろす斜面も赤や黄で埋め尽くされ、とてもきれいです。
茶臼岳というのは岩ゴロゴロの山でした。 山頂駅から少し進めば牛ヶ首と山頂の分岐ですが、今日は雲が多く展望も期待できません。明日の晴予報を信じて茶臼岳はパス、牛ヶ首へ向かいました。 |
わずかに残った紅葉の中を進んで行きます。 下にも広がる赤い水玉模様。 先週はどんなにきれいだったことでしょう。 |
【牛ヶ首へ】 |
【南月山への稜線と噴煙】 |
牛ヶ首の近くでは左に噴煙が見えてきました。
南月山への稜線が伸び、その山肌には葉を落としたダケカンバの白い幹が連続模様のように広がっていて、とっても素敵。ここは見頃の時期に是非また来たいと思いました。 |
牛ヶ首に着きました。 ベンチがあって、人もいっぱい。 茶臼岳西側には大きな噴煙が上がっています。 |
【牛ヶ首】 |
反対側を見下ろすと小さな広場が見えています。 あれが紅葉で有名な姥ヶ平でしょう。 今はすっかり葉がなくなり残念ですが、先週は一帯が鮮やかな色で飾られていたのでしょうね。 牛ヶ首から南月山への緩やかな稜線も、晴れていれば眺めも素晴らしそうです。 |
【南月山へ】 |
【下に姥ヶ平とひょうたん池】 |
【振り返る日の出平】 |
咲き残りのマツムシソウに慰められながら進み、日の出平に出ました。沼原への道が分岐しています。 |
山肌に残る紅葉やダケカンバを見つつ、気持ちのいい緩やかな道を進んで南月山に着きました。 小広い山頂にはお地蔵様が安置され、ベンチもあって、茶臼岳の全体や朝日岳が見えます。 神社が祀られているのでご挨拶。手作り山名札3つが一本の柱に仲良く括り付けられていました。 |
【南月山 山頂から望む茶臼岳】 |
【南月山神社】 |
白笹山もちょっと気になるけど、ガスも流れているようなので引き返すことにしました。
西風が強くなってきたので、茶臼岳の噴煙も山肌を這って流れていきます。 |
【茶臼岳見つつ引き返す】 |
【牛ヶ首から姥ヶ平へ】 |
牛ヶ首から峰の茶屋跡へのトラバース道を見送って、左の姥ヶ平へ下ります。 |
シャクナゲやドウダンツツジの岩っぽい低木帯を下るとダケカンバが林立しています。
先週なら鮮やかな黄葉が青空に輝いていたんだろうな~と想像しながら歩いて行きました。 |
【わずかに残るダケカンバの黄葉】 |
【姥ヶ平】 |
ベンチが見えてきて姥ヶ平に出ました。 なるほどここが人気の撮影ポイントのようで、紅葉の盛りなら素晴らしいであろう茶臼岳が一望です。
それでもベンチで食事をしている間に青空が少し見えてきて、朝より明るい雰囲気になってきました。よかった、よかった。 |
姥ヶ平のすぐ先にひょうたん池分岐があり、池への道が右へ伸びています。
ここには木道があったのでしょうか、付替予定のような資材が要所要所に積まれたままになって、ちょっと古びた雰囲気になっていました。震災の影響で設置が遅れているのでしょうか。 |
【ひょうたん池分岐】 |
分岐から4,5分で、小さなひょうたん池に来ました。ダケカンバやドウダンツツジの紅葉がきれい だったようですが、地面や池には落ち葉がいっぱいで、水面には逆さ茶臼岳が映っていました。 |
【ひょうたん池から見る茶臼岳】 |
【ひょうたん池】 |
【沼原分岐】 |
ひょうたん池までは人もけっこういましたが、その先から静かで一人二人に会っただけ。
沼原分岐には大きな道標が立っています。 |
三斗小屋温泉への山腹道へ入ると、紅葉や落ち葉がいっぱいのとても素敵な道になりました。黄色や紅色に彩られた道は歩くだけでほんわか幸せ。とても静かな道で曇っていても心うきうき。 |
【黄色の道】 |
【紅色の道】 |
森全体が暖かな色に染まって、 上を見ても、下を見ても、嬉しい。 |
【暖かな色の森】 |
真っ赤な鮮やか紅葉はきれいで華やかですが私は柔らかなグラデーションのある色合いが好き。 この淡いグリーンは何の葉なのでしょう。落ち葉もグリーン色のままで、紅葉を引き立てるアクセサリーのようです。 |
【森のアクセサリー 淡いグリーン】 |
【木橋が見えて来た】 |
【峰の茶屋跡 分岐】 |
しっとりしみじみ紅葉を愛でつつ橋を渡り、しばらくすると峰の茶屋分岐に出ました。
すぐ先に延命水があるので、ちょっと寄ってみようと歩き出すと、向こうから人がけっこう歩いて来ました。三斗小屋温泉への道はこちらが一般的のようです。 |
7,8分歩くと「延命水」。 おいしい湧き水が流れていました。
分岐へ引き返し、三斗小屋温泉へ向かいます。 この先も緩やかな山腹道で、素晴らしい紅葉が続きました。 |
【延命水】 |
【 紅色 朱 橙 】 |
【 山吹 黄 淡黄】 |
【グラデーション紅葉】 |
姥ヶ平など標高の高い吹きさらしの場所は、土日の風雨ですっかり散ってしまったようですが、山腹は風も弱かったのでしょう、色とりどりに染まった森はずっと続いて、本当にきれいでした。 |
やがて向こうに小屋が見えてきて、三斗小屋温泉に着きました。趣のある古い宿が2軒あるだけの静かな温泉場です。
隣の大黒屋旅館は重厚な佇まいの造りでしたが、今回は露天風呂があるという煙草屋旅館に予約していました。 |
【三斗小屋温泉】 |
露天風呂は混浴ですが、15:00~16:30は女性専用タイムだそうです。 西の大倉山方面の見晴らしがよく、周囲の山々にも紅葉が残りきれいでした。 お湯は、パイプから熱い温泉が流れ込む熱めの湯とぬるめの湯とに区切られています。 |
【大倉山の山並み見つつ】 |
【露天風呂】 |
夕食は16:30からで、太鼓を鳴らして合図してくれます。食事内容は普通の山小屋ふう。トイレは水洗、部屋は四畳半の個室でした。明日は稜線歩きなので、どうか晴れてくれますように! |