丹沢三峰山

たんざわみつみねさん(1567m~1344m)


今年もまたシロヤシオの季節になりました。今回は以前から歩きたいと思っていた
素晴らしいブナ林の天王寺尾根から丹沢三峰山へと歩く機会が与えられました。


2010.5.22
(土)
 塩水橋本谷橋天王寺峠堂平分岐丹沢山円山木ノ頭本間ノ頭高畑山
分岐
青宇治橋
晴れ  07:25着
 07:40発
08:1008:30
08:40
10:55
11:00
11:55
13:10
14:20
14:25
14:55
15:05
16:5517:50着



「気楽に山歩き」のakiさんから、今度の土曜日は塩水橋から丹沢三峰山へ行くとのメールを頂きました。私は塩水橋と聞いて嬉しくなり、図々しくも座席に余裕があるかと伺えば、一人分空けてあるとの優しいお返事。akiさんは、10年以上前に高川山でご一緒し、その後石丸峠でバッタリ再会したメル友さんで、私がHPを作るきっかけを与えて下さった方です。久し振りにお会いできるのを楽しみに家を出ました。

八王子駅に迎えに来て下さったakiさんと8年ぶりの再会。お友達のTさん・Oさんも合流して、akiさんの車で塩水橋へ。途中の沿道にはきれいな並木道が多く、やがて中津川沿いの新緑いっぱいの道を進んで塩水橋に着きました。この季節の東丹沢はヒルが心配。以前、タイガーバームがヒル避けに効くというのを聞いていたので、今日はタイガーバームを持って来ました。実際に効果があるかどうかは分かりませんが、一応皆さんにも足首などに塗って頂きました。


藤の花を見ながら
【藤の花を見ながら林道歩き】

塩水橋はマイカー登山の方には人気のようで、手前も奥もいっぱい車が停まっていました。

少し先で折り返すようにしてゲートを抜け、しばらく川沿いに歩いて行きます。あちこちに藤の花がいっぱい咲いていました。

瀬戸橋がかかる塩水林道を分けて、緑いっぱいのなか沢音を聞きながら進み、大きくカーブして本谷橋の手前に来ました。ここが丹沢三峰山の登山口です。

丹沢山登山口
【本谷橋手前が丹沢山登山口】

最初は植林の急登で、やがて尾根に上がりました。風が吹き抜け涼しいので、しばし休憩。この先からはずっと尾根歩きで、気持のいい道が続きます。壊れた鹿柵を抜け、珍しく日向に咲く真っ白なギンリョウソウを撮ったりしながら進んで行きました。


野鳥を聴きながら
【野鳥を聴きながら】

akiさんは野鳥にとても詳しい方で、学校など出向いて講師などもしていらっしゃいます。

「今のは○○だ。あっ、これは○○。」とか
「これはジュイチという鳥で、ジューイチ・ジューイチと鳴くんです。」とか
「あっ、あそこにオオルリ。」と鳥の鳴き声だけで次々名前を教えて下さいます。ツツドリの鳴き真似はとてもお上手でした。


後日頂いたメールで、この日鳴き声を聞いた鳥は、ヒガラ、ヤマガラ、シジュウカラ、アカゲラ、アオゲラ、ホトトギス、ジュイチ、ツツドリ、ミソサザイ、オオルリ、コルリ、キビタキ、ガビチョウ、ウグイス、コゲラとのこと。私が聞いて分るのはウグイスとミソサザイ、ホトトギスくらい。丁寧に教えていただきましたが、あとで一人で聞いても絶対分からない・・・  

天王寺尾根はミズナラ林やブナ林が美しいと聞いていましたが、ほんとに新緑がきれいです。


明るい新緑のブナ、ミズナラ林
【ブナ、ミズナラ】
シロヤシオ
【最初のシロヤシオ】

そろそろシロヤシオが見られるあたりかなと思っていると、いました、いました。きれいに咲いています。
今年初めてのシロヤシオなので、感激。
早速、撮影会になりました。


この先も明るい新緑が続き、ブナの大木やシロヤシオなど見上げながら登って行きました。
右手には午後に向かう丹沢三峰山のデコボコした山が見えています。


ブナ
【大木と新緑のブナ林】

シロヤシオ
【シロヤシオ】

堂平分岐に出ました。こちらから登って来る人たちも多いようで、若いグループが休んでいました。


堂平分岐
【堂平分岐】

緑いっぱいの森の中、ミツバツツジも所々で咲いています。蕾の木も多いので天王寺尾根はまだこれからも楽しめそうです。近くの立ち枯れ大木には、キノコが生えていました。時々見かけるキノコで、『これって、もしかして』と思っていましたが、やはりブナシメジとのこと。これも大事に撮影会。


ミツバツツジ
【まだ蕾のミツバツツジ】

ブナシメジ
【ブナシメジ】

丹沢山近くになると一箇所ガレ場があり、振り返れば霞みながらも大山三峰山や丹沢三峰山がよく見渡せていました。


丹沢三峰山
【丹沢三峰山】

ガレ場
【ガレ場】

ブナ大木
【ブナ大木】

丹沢山への最後の登りになると周辺のブナは苔むした大木が多くなり、丹沢独特の雰囲気に包まれてきます。

青々としたマルバダケブキやバイケイソウが多くなり、天王寺尾根の最後は木段を上がって、丹沢山~三峰山の稜線に合流しました。

左へ進めば丹沢山の山頂です。広い山頂ですが、今日は晴天。沢山の人が寛いでいました。

少しだけ蛭ヶ岳方面へ進むと展望のいい笹地があるので、こちらでお昼にしました。
目の前に見えるのは不動ノ峰、その右奥が蛭ヶ岳で小屋が見えます。左には、うーっすらと富士山も見えていました。

蛭ヶ岳方面
【蛭ヶ岳方面】
丹沢山
【丹沢山】

Oさんのザックからは美味しい物が次々出てきて、食後はコーヒーまで頂いて、そろそろ三峰山へ向かいます。

丹沢山の山名板がある山頂へ戻り、記念写真を撮って出発しました。

山頂直下の青々としたバイケイソウを見ながら下り、緩やかなブナ林を下ると瀬戸沢ノ頭。
シロヤシオは少しだけ花を付けていました。

瀬戸沢ノ頭
【瀬戸沢ノ頭】
太礼ノ頭の下り
【太礼ノ頭の下り】

所々に咲くミツバツツジを見ながら次の太礼ノ頭を通過。丹沢三峰山はこの時期人気なので、宮ヶ瀬方面へ下る人もけっこう多くなります。

こんもりとした円山木ノ頭が見えて来ました。手前のミツバツツジが満開で、とてもきれい。

ミツバツツジが満開
【次の円山木ノ頭】

今年のシロヤシオ。全体に花付きは少なめですが、瑞々しい黄緑色の葉と白い花はほんとうに清らかで、やはり何度見ても素晴らしい花です。シロヤシオを見上げながら進み、次の円山木ノ頭への登りは短いながらも段々の急登です。


シロヤシオ
【シロヤシオ】

円山木ノ頭へ
【円山木ノ頭へ】

円山木ノ頭
【円山木ノ頭】

丹沢三峰山の山頂はどれも樹林の中で展望はありませんが、円山木ノ頭の山頂は狭いながらもやや明るく大きな倒木があるのでしばし休憩。

名前は三峰山ですが同じような標高のピークが五つ並んでいるのでアップダウンが続きます。気持ちのいい新緑いっぱいのブナ林を進んで行きました。

無名ノ頭は、道標があるだけの小さなピーク。

無名ノ頭へ
【次は無名ノ頭へ】
本間ノ頭
【本間ノ頭】

最後の急登で本間ノ頭に着きました。ここにはベンチがあるので休憩。団体さんも上がってきて、賑やかになりました。

本間ノ頭からは長い下りが続きます。急坂が何ヶ所かあり、この辺りまで下りて来ると、シロヤシオも花をいっぱいつけていました。

シロヤシオ
【シロヤシオ】
金冷シへ
【金冷シへ】

緩急交互の長い下りが続き、途中で休憩。
南側や北側をトラバースしながら下って行くので松小屋ノ頭は気づかず通り過ぎますが、その先の金冷シには道標があります。

所々ザレて滑りやすい所や痩せた所、階段や桟橋のところもあり、注意しつつ下りました。

植林になり、高畑山手前の分岐に来ました。
高畑山は目の前ですが、ちょっと遅い時間なので寄らずに青宇治橋へ下ることになりました。高畑山は南側が植林で、北側に小さな展望台があります。

高畑山分岐
【高畑山分岐から青宇治橋】
落ち葉斜面
【落ち葉斜面】

植林の山腹から落ち葉いっぱいのトラバースになり、その先からはジグザグの急坂になりました。けっこう気の抜けない下りが続き、転がり落ちないように注意しながら下りました。

沢音が聞こえてくると、林道も近い。


ようやく青宇治橋に下り立ちました。心配したヒルは全く見なかったので、この時ヒルのことはすっかり忘れていましたが・・・

先行したakiさんが塩水橋に停めた車を取りに行っている間、Tさんが道端に腰掛けていましたが、突然「いた!いた!」と大声。一瞬何のことか分りませんでしたが、「靴に付いてた!」で、びっくり! 一匹ですが、私は初めて見たので仰天。慌てて自分の靴や足首を見ましたが、何もなくてホッとしました。

Tさんも靴の中には入って来なかったのでよかった、よかった。間もなく戻って来たakiさんの車で、帰路につきました。


青宇治橋
【青宇治橋】


丹沢山の天王寺尾根はブナ林が美しいと聞いていましたが、バス派にとっては行き難い尾根でした。塩水橋から丹沢三峰山へというメールを頂き、私も飛び入りで参加させていただきましたが、おかげさまで素晴らしい天王寺尾根のブナ林を堪能でき、とても感謝でした。
皆さん健脚さん揃いで私など置いていかれそうでしたが、苔むしたブナの大木、身も染まりそうな瑞々しい新緑、清らかなシロヤシオ。丹沢らしい素晴らしい森の中で、野鳥のことなども教えていただいて、とても楽しい一日でした。akiさん、Oさん、Tさん、ご一緒させて頂き、ほんとうにありがとうございました。



 丹沢三峰山の花々



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