塔ノ岳・鍋割山

とうのだけ(1491m)・なべわりやま(1272m)
平成21年12月31日~22年1月1日

今年もとうとう大晦日。今回は初めて山小屋で新年を迎えることにしました。
近いけれど以前から泊まってみたかった鍋割山荘で大晦日を過ごすことにします。
厳しい寒さとの予報ですが、山で初日の出を迎えるのは初めてなので、とても楽しみです。


2009.12.31
(大晦日)
 ヤビツ峠表尾根入口二ノ塔三ノ塔烏尾山行者岳新大日塔ノ岳鍋割山荘
晴れ
雲多し
 09:00着
 09:00発
09:2510:28
10:35
10:50
11:00
11:2511:4512:3013:15
13:45
14:40着



強い冬型の気圧配置になるとの予報に、防寒対策をしっかりして家を出ました。秦野駅8:18発のヤビツ峠行きバスは、ほぼ満員。大晦日に山へ行くのは初めてでしたが、意外と多いんだなあと、ちょっとびっくり。さすがに多人数の団体さんはなく、殆どが単独か二人連れです。ヤビツ峠から車道を歩いて富士見山荘に到着。ヤビツ峠のトイレは使用禁止になっていましたが、左側には新しい公衆トイレが出来ていました。


大山
【振り返り見る大山】

すぐ先に塔ノ岳・表尾根コースの登山口があります。二ノ塔へは途中から見晴らしのいい岩混じりの斜面になり、振り返れば大山~岳ノ台が目の前。明日の大山は初詣で賑やかなことでしょう。

田圃のように泥濘になりやすい二ノ塔ですが、晴天続きで気温もマイナスだったので日当たりのいい箇所が多少ぬかるんでいる程度でした。

大きな雲が多いので富士山は麓が僅かに見えるだけですが明日はきれいな姿を見せてほしい。

二ノ塔
【二ノ塔】

下って登り返し、三ノ塔に着きました。いつも賑わう山頂も今日は静かで誰もいません。ここからは富士山と塔ノ岳へ伸びる表尾根が一望できて楽しい眺めですが、今日は上に厚い雲が広がって、どんより暗い。赤いマフラーと帽子のお地蔵様に手を合わせ、急な段々を下りて烏尾山へ向かいます。


三ノ塔
【三ノ塔   休憩舎】

表尾根
【三ノ塔から見る富士山と表尾根】

烏尾山
【烏尾山】

登り返して、烏尾山の山頂ベンチ。
曇って日差しはないけれど、風は南風なので特別寒いという感じはありません。しかし、表尾根を覆っている雲はちょっとアヤしげ。

エアリア地図に記載の行者ヶ岳はもう少し先ですが、次のピークに行者ヶ岳の山頂標柱が立っています。この先にクサリ場が2ヶ所あり、今日は渋滞なし。

行者ヶ岳
【行者ヶ岳】

行者ヶ岳のクサリ場を過ぎ、崩壊地に来ました。ここは来る度に整備が進み、今回はパイプ手摺が設置されていました。この頃から白いものがチラホラ。うっすらでも積もるか、霧氷でも出来てくれるといいのですが、大きな雲は真上だけなので、あまり期待できそうもありません。
書策小屋はもう無人小屋になって、荒れて侘しい姿のまま残されていました。


崩壊地
【崩壊地】

新大日方面
【書策小屋 新大日方面】

塔ノ岳へ
【塔ノ岳へ】

新大日の先からは平坦な道になります。
晴れていれば正面の塔ノ岳・尊仏山荘を目指しながら、左手の富士山を眺めつつ歩く楽しい道です。

小雪は止んで、今度は日差しがチラホラ。

塔ノ岳の山頂に着きました。
いつも人がいっぱいの山頂も、今日は疎ら。
大きな厚い雲は北へ移動し、日差しが出て来たので、ここでお昼にしました。

到着した人の中には塔ノ岳山頂で新年を迎える人も多いようで、尊仏山荘の受付へ直行して行きました。

塔ノ岳
【塔ノ岳  尊仏山荘】

塔ノ岳の西側は雲いっぱいですが、東側は青空いっぱい。
大山も三ノ塔もすっかり青空になっていて、相模湾も江ノ島も見えています。

大山・三ノ塔方面
【大山・三ノ塔方面】

塔ノ岳に着いた時は風もまだ南よりで、日差しもあってさほど寒くはなかったけれど、12時半を過ぎた頃から風向きが変わり、北西からの冷たい風になりました。気温がグングン下がって行く感じなので、そろそろ鍋割山荘へ向かいます。

大倉尾根を下り始めると、鹿が無心に何かを食べていました。何を食べているのでしょう。

こんな寒空の大晦日に、食べる物がなくて枯れ草をつついているなんて・・・可哀そうですが、あげてはいけないことになっているので、ごめんネ。


丹沢の鹿
【丹沢の鹿】
鍋割山稜へ
【鍋割山稜へ】

分岐の金冷シから右の鍋割山方面へ。
ブナの大木もあるこの鍋割山稜は、大好きな稜線です。

時々向こうから来る人達とすれ違いますが、きっと尊仏山荘かみやま山荘で年を越す人達でしょう。お互い元気に挨拶してすれ違いました。

木々の間から透けて見える向こうの山並み。身を切るような冷たい風が吹きつけて、いかにも冬枯れの稜線といった風情です。明日は冷えそう~~・・・

鍋割山荘
【冷たい風】
大晦日の日没
【あれは竜巻?】

二俣分岐を過ぎ、ちょっと見晴らしのいい場所から秦野盆地を見れば、暗い雲から何やら怪しげな雲が伸びている。白い雲のような煙のようなものは竜巻でしょうか。今日は下界も風が強そうです。

鍋割山荘に着きました。
小屋の中は到着した人達などで賑わっています。今日の宿泊者は30数人とのこと、女性のみのグループは10人ほどで別棟の二階。一人一畳あり、毛布も布団も余裕です。

新年はいつも娘さんとその友人を連れて、丹沢の山小屋で迎えるという中高年女性が来ていました。鍋割山荘での新年は初めてとのことで、お話に入れさせて頂きました。

鍋割山荘
【鍋割山荘】
大晦日の日没
【今年も一年ありがとうございました】

夕焼けを期待しましたが、あまり焼けず、今年一年の無事な山行に感謝しました。

小屋前の草地で、日の沈んだ富士山に向かって、「ニ礼、ニ拍手、一礼」をしている方がいて、私達もその方に習って神式のご挨拶。日本人にとって、富士山はやはりそのような存在なのかも知れません。

今年最後の太陽が沈むと、街の灯りがどんどん輝きを増して、とってもきれいな夜景。

いろいろな人々が、いろいろな思いで大晦日を迎えているんだろうなあと、しみじみ。

夜景
【夜景】
夜の鍋割山荘
【きれいな満月なんですが・・・】

すっかり暗くなって外に出てみれば、上空も冴え渡り満月が煌々と輝いて、とてもきれい。私のカメラではやはりボケてしまい残念です。

明るい月夜で、星も負けずに輝いていました。
しかし、寒い!ハンパじゃない冷え方です!


夕食はおでんや天ぷら、果物のほかに海鮮鍋も出て賑やか。一段落した頃には年越しそばも出て、大晦日らしい夜です。20歳前後の兄妹が85歳のお祖父さんのお供で来ていてとても感動したり、毎年この小屋で年を越すという父子連れ数組など家族も多いようでした。小屋主の草野さんと奥さんは大忙し。息子さん娘さんもお孫さんを連れてお手伝いに来ていて、大晦日の山小屋は初めてという私も、家庭的な雰囲気の中で楽しく過ごすことが出来ました。明日は2010年元日。美しい年明けになりますように。


鍋割山荘の大晦日
【鍋割山荘の和やかな大晦日】

山小屋の年越し
【海鮮鍋と年越しそばもありました】



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