赤薙山・丸山

あかなぎやま(2010m)・まるやま(1689m)


小学校の修学旅行の定番、日光。くねくねのいろは坂。華厳の滝。
一番美しい季節は紅葉の頃かなと、思い切って出かけてみました。


2009.10.18
(日)
 霧降高原
 第3リフト
小丸山
(キスゲ平)
赤薙山小丸山丸山八平ヶ原第3リフト霧降高原
バス停
晴れ
のち曇り
 09:10着
 09:20発
10:00
10:15
11:15
11:50
12:35
13:00
13:15
13:40
14:0014:35
14:40
14:55着
15:14発



日光は若い頃、友達と浅草経由で切込湖・刈込湖へ行き随分遅く帰宅した記憶があり、遠い存在でしたが、今年6月同じバスに乗り合わせていたとメールを下さったSさんから、日光も北千住経由なら行き易いのではと、ご丁寧なメールを頂いていました。毎日通勤で都心へ向かうので、休日に上り電車に乗るのはイマイチ気が進みませんでしたが、紅葉シーズン到来で、ちょっと行ってみようかなと思い立ちました。

千代田線経由なら一部定期券も使え、ちょっと得した気分。4時起きで始発電車に乗り北千住経由で東武日光駅に着きました。皆さん、急ぎ足でバス停へ向かい、早くも行列が出来ています。ここまでは想定内。が、ハンドマイクを持ったバス係員が案内を始めました。

「今日は朝から一般車が押し寄せ、早くも清滝から渋滞しています。通常45分で着く中禅寺湖まで、今日は3時間以上かかり、湯元までは4時間かかります。帰りのバスも時刻通りには確保できない場合があるのでご了承下さい。」と大声で叫んでいます。 なんということでしょう。遥々遠くから勇んでやってきたのに、中禅寺湖まで3時間・・・!帰路のバスはもっとかかる!? とんでもない日に来てしまったと、慌てて地図を広げました。

駅から歩ける山は・・・と見れば鳴虫山というのがある。シロヤシオで有名な山は、ここにあったのか~と、びっくり。しかし標高は1100mで、紅葉にはまだ早そう。今は1300m辺りが見頃らしい。そのラインで探すと霧降高原がありました。バスもあるようなので、急遽行き先変更です。

が、手遅れ。8:37発のバスは出たばかり。そこへ相乗りワゴンタクシーから「一人1000円で、第3リフトまで行きます。」と声が掛かり、同じくバス停で思案顔の方たちと霧降高原へ向かいました。
途中から見えてきた小丸山は低木ツツジでしょうか、水玉模様のような丸い紅葉がとてもきれいです。女峰山は聞いたことがあるので、途中の赤薙山まで行ってみようかな。帰りは丸山というのを経由しようかな。とにかく全く初めての山域なので、どこも新鮮です。


丸山登山口
【霧降高原 丸山登山口】

「第3リフト」横には高原ハウスがあり、軽食レストランや小さな御土産も売っています。バイオトイレを拝借して、登山口へ。

道標も完備された明るい道で、台風で大分散ってしまったようですが周辺は紅葉がきれい。

青空の下、気持ちのいい道を進みます。

丸山登山口付近の紅葉
【青空と紅葉見上げつつ】
小丸山へ
【小丸山へ】

開けて、笹の広がる道になりました。前方に見えているのは、帰りに通る丸山のようです。

途中に八平ヶ原分岐がありました。帰りは丸山経由でここへ下って来る予定です。

八平ヶ原 分岐
【八平ヶ原 分岐】
日光霧降高原スキー場跡
【日光霧降高原スキー場跡】

八平ヶ原分岐のすぐ先に第4リフト乗り場の分岐があったので、ちょっとスキー場跡に寄ってみました。

広大な草原で、6月にはニッコウキスゲが咲くそうです。霧降高原が一番賑やかになるのはその頃でしょうか。今は静かです。

向こうに見えるのは那須岳?かな。


この先の登山道も紅葉が多く、日差しがあると青空に映えてとてもきれい。やがて向こうに赤薙山らしい山が見えて来ました。清々しい光の中を歩いて行きます。この時は、ずっと青空が続くと信じていました。


小丸山への道
【紅葉と熊笹の道】

赤薙山?
【奥に見えるのが赤薙山?】

小丸山に着きました。左上に見えるのが赤薙山でしょうか。
キスゲ平とも言うようで、標柱やらテーブル・ベンチなど整備されています。
ツツジの紅葉がポツポツと模様のように見え、緑の笹原に道が延びています。
右に見える丸山も、笹の緑の山肌に赤い紅葉がいっぱいです。
リフトで上がって来た人達も多く、皆さんに混じってひと休み。

小丸山山頂  キスゲ平
【小丸山山頂  キスゲ平】

紅のツツジ
【緑の笹原 紅のツツジ】

キスゲ平からは紅葉したツツジの間を登って行きます。緩やかな道で気持ちよく、近づくと紅葉も鮮やかで、ツツジの木もどんどん増えて来ました。

右に見えていた丸山がどんどん下になって、細い登山道が紅葉の中に見えてきました。山頂にも人がいるようです。

丸山
【丸山の登山道が見える】

岩が多くなって、「焼石金剛」という所に出ました。ここまでは比較的緩やかな道なので、観光客の中にはここまで上がって来る人もけっこういます。ここから尾根は左へカーブして、振り返ればキスゲ平へ延びる尾根が気持ち良さそうに広がっています。


赤薙山へ
【赤薙山へ】

丸山とキスゲ平
【振り返り見るキスゲ平への尾根と丸山】

赤薙山 巻き道
【奥に赤薙山巻き道分岐】

コメツガなど苔むした針葉樹林の急登になりました。

が、すぐに笹の茂る道に戻り、やがて赤薙山の巻き道分岐に出ました。山頂直下は露岩混じりの短い急登です。


赤薙山の山頂に着きました。
周囲は木々に囲まれているので展望はありません。鳥居と小さなお社が建っているので手を合わせ、ご挨拶。

誰もいない山頂でお昼にしていたら、少しずつ人も増えて来ました。この山を目標に登ってくる方たちもけっこう多いようです。

朝は快晴だったのに、お昼を食べている間にどんどん雲が広り寒いくらいになりました。

赤薙山 山頂
【赤薙山 山頂】

ガス・・・
【ガス・・・】

帰りは同じ道を下って行きますが、この頃にはガスに埋もれ、さっきの鮮やかな紅葉やキスゲ平への尾根道が真っ白になっていました。
まるで別の山のよう。
(三段上の右写真と同所)

小丸山のキスゲ平まで戻って来ました。帰りは丸山へ登って八平ヶ原を回ろうと思っていましたが、周囲は真っ白。すっかり意気消沈。

朝は目の前にきれいに見えていた丸山なのに何も見えません。今日はもうずっと曇ったままなのかなと、がっかりしてしまいました。

天気予報は、こんなこと、言ってなかった。

丸山見えない
【丸山・・・真っ白】

このまま急いで下山すれば、13:30発のバスに間に合いそうですが、はるばる日光まで来て慌てて帰るなんて寂しすぎ。14:19発のバスにしようと時間調整も兼ねてベンチでゆっくりコーヒータイムにしました。20分以上ぼーっとして、そろそろ丸山は諦めて帰ろうかなと思う頃、急にガスが薄らいで来ました!


丸山へ
【明るくなった丸山へ】

真っ白で何も見えなかった赤薙山も丸山も、どんどん姿を現してきて、とたんに気力復活。
やっぱり丸山へ行くことにします!!

ウキウキ元気になり、すぐ上の分岐まで戻って右へ。正面の山肌には一ヶ所光が当たって紅葉がきれいです。よかった、よかった。

ほぼ直登で、露岩混じりのけっこうな急登。周辺の紅葉にも日が差してきてきれいです。

が、振り返れば、またガスが漂ってきました。

またガス・・・
【振り返れば、またガス・・・】
遊歩道
【遊歩道のよう】

傾斜の緩んだ所からはダケカンバも目だって来ました。白い幹が紅葉に映えています。

更に短い急登で丸山の山頂に着きました。
展望柵やベンチがあって気持ちのいい山頂ですが、目の前に見えるはずのキスゲ平は、また雲に隠れてしまいました。

次のバスは15:14発なのでここでも時間調整。
周辺は大岩が点在して、ちょっと公園風。
ぼーっと過ごすのも悪くない雰囲気です。

丸山 山頂
【丸山 山頂】
八平ヶ原へ
【八平ヶ原へ】

そろそろ下山。
八平ヶ原(やっぺいがはら)へ下ります。

下り始めは急ですが、木段が設置され丸山周回ハイキングコースとして整備されています。
やがて緩やかになり笹原の下りになりました。


下り切った所が八平ヶ原で、熊笹が広がっています。草地ではないので寝転ぶことは出来ないけれど、大きく開けて気持ちのいい所です。振り返れば丸山も立派な山に見えました。


八平ヶ原
【八平ヶ原】

白樺林と丸山
【振り返り見る丸山と白樺林】

熊笹と紅葉の山裾をトラバースして行きます。
曇っているので紅葉がくすみ残念ですが、雰囲気のいい落ち葉いっぱいの道でした。

沢筋の道になり、こちらも紅葉がきれいです。


丸山の山腹道
【丸山の山腹道】

八平ヶ原下の紅葉
【紅葉の中】

沢筋の道へ
【沢筋の道へ】

朝に通った八平ヶ原分岐に戻り、同じ道を真っ直ぐ下って行きます。登山口の第3リフトの横に出て、更に霧降高原バス停へ下りますが、すぐ左へ下るのは大山方面への道なので、要注意。


下山道
【高原ハウス横に下山道】

高原ハウスの裏側、リフト乗り場近くに霧降高原バス停への下り道がありました。


リフト沿いの林の中を下って行きます。こちらも紅葉がきれいで鮮やかな赤も多く色とりどり。
日差しがあればなあ・・・


リフト沿いの紅葉
【鮮やかな紅葉の中】

リフト沿いの道
【リフト沿いの道を下る】


真っ直ぐ下って行くと大きな車道に出ました。手前の階段を降りて車道を潜ると駐車場で、その右手に登山道があります。

下っていくと、更に大きな駐車場に出ました。駐車しているのは一台しかなくガラガラ、今朝の日光駅の大混雑がウソのようです。

この駐車場の端に霧降高原バス停があり、定刻10分前に立派な大型バスが来ました。


霧降高原 バス停
【霧降高原 バス停】


バスに乗り込んだのは7,8人でしたが、下るにつれ乗客もどんどん増えて座席は埋まっていきました。15:40に東武日光駅に到着。次の浅草行きまでおみやげ屋さん巡りでもしようかなと電車時刻を確認すると、なんと15:50発の臨時快速北千住行きというのがあり、とてもラッキー。車両も多く、きれいで、普通運賃。東武電鉄って、なんていい電車なんでしょう。稲刈りの済んだ田圃と、まだ稲穂いっぱいの黄金色の田圃。車窓に広がる景色も楽しい電車でした。


40年ぶりの日光。紅葉時期のいろは坂通過に、こんなに時間がかかるとは知りませんでした。霧降高原は初めてでしたが、笹の緑に紅葉が映え、キスゲ平も気持ちのいい所でした。丸山や八平ヶ原からの下りは静かで紅葉もきれい。予定外の山行でしたが、楽しい日光でした。次回の秋は、平日行けるようになってから再挑戦しようと思います。我が家からでも、始発に乗れば比較的早い時間に日光駅に立てることが分ったので、また季節を変えて周辺の山も歩いてみたいと思います。



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