不帰ノ嶮・唐松岳

かえらずのけん(2614m)・からまつだけ(2696m)
平成21年8月15日~16日    前日の白馬岳


2009.8.16
(日)
 天狗
 山荘
天狗
ノ頭
不帰
キレット
不帰ノ嶮
Ⅰ峰
Ⅱ峰
(北峰)
唐松岳唐松山荘
裏ピーク
八方池八方池
山荘
山麓駅みみずく
の湯
白馬駅
快晴
のち晴れ
 06:00発06:25
06:30
07:2508:00
08:05
08:55
09:08
10:10
11:15
11:35
11:45
13:30
13:40
14:25
14:35
15:1015:35
16:40
16:50着
17:18発




今日は快晴。気持ちのいい朝を迎えました。5時からの朝食を済ませて出発。すぐ先で稜線に上がれば、向こうに剱岳がチラッと見えて来ました。昨日は見れなかったので嬉しい。タカネスミレやタカネバラなど僅かに咲き残る道を緩やかに登って行きます。

天狗ノ頭に着きました。
素晴らしい展望で、今日のルートの不帰ノ嶮や唐松岳が下に見えています。振り返れば鑓ヶ岳が高く、白馬岳は隠れていました。


天狗ノ頭
【天狗ノ頭】

五竜岳や鹿島槍ケ岳など見ながら、天狗ノ大下りへ向けて出発。
立山・剱岳もきれいに見えて、今日は本当に素晴らしい展望です。

天狗尾根
【天狗尾根を行く】

天狗ノ大下り
【ここより天狗ノ大下り】

緩やかな天狗尾根を進み、いくつか高みを過ぎると、足元に小さな道標がありました。「ここより天狗の大下り 足元注意」と書かれています。

天狗ノ大下りになりました。
転げ落ちたら大変。
浮石や落石に注意しながら慎重に下ります。

岩にはツメクサやシオガマが咲いていました。

天狗ノ大下り
【天狗ノ大下り】
天狗ノ大下り
【天狗ノ大下りを振り返る】

振り返れば、ガレ岩急斜面。
青い空が、とってもきれいです。

不帰キレットに下り立ちました。
ここからいよいよ不帰ノ嶮です。

まずⅠ峰。ここは普通の岩登りの雰囲気で、稜線伝いではなく山肌を登って行きます。手がかり足がかりも沢山ありました。

不帰ノ嶮  Ⅰ峰へ
【不帰ノ嶮  左端のⅠ峰へ】
Ⅰ峰
【Ⅰ峰】

Ⅰ峰のピークは狭いながらもいかにも頂といった雰囲気で、次のⅡ峰が迫っています。

一旦下って、次はⅡ峰です。
頂は二つあって、まず手前の北峰へ。

鎖や梯子橋で稜線に上がり、東側へ回り込みます。この時、東側は切れ落ちているので、ここが一番の難所でしょうか。でも鎖やペンキマークで、きちんと整備されているので足元に注意すれば大丈夫です。

Ⅱ峰
【次はⅡ峰】

クサリ場
【クサリ場】

鉄桟橋
【鉄桟橋】

Ⅱ峰 北峰
【Ⅱ峰 北峰】

東側から短い梯子を伝って稜線に上がれば北峰のピークで、「ここは不帰 Ⅱ峰の北峰」の札が掛かっていました。


西側すぐ下が休み場になっていて、正面には剱岳が素晴らしく、毛勝三山も立派です。

小学生二人を連れたデカザックのお父さんが、ザイルを首に休んでいました。一人は小学3年生だそうで、将来はお父さんのようになるのかな。微笑ましい姿の父子でした。


次の南峰へはハイマツ帯の稜線歩きで、振り返れば天狗の大下りとⅠ峰のトンガリが見えています。

剱岳と毛勝三山
【Ⅱ峰北峰から見る剱岳と毛勝三山】

唐松岳とⅡ峰南峰
【唐松岳とⅡ峰南峰】

大下りとⅠ峰
【振り返り見る天狗ノ大下りとⅠ峰】

Ⅱ峰南峰のピークです。こちらのほうが広く、休憩にはいい場所でした。


Ⅱ峰南峰
【Ⅱ峰南峰から天狗方面】
Ⅲ峰
【上がⅢ峰?】

次はⅢ峰と思ってしばらく進んで行きましたが、Ⅲ峰はピークを通らないようで、間もなく唐松岳の西の肩のような平坦地に着いてしまいました。

昔は岩稜伝いだったそうなので名前のように厳しい道だったようですが、今は整備された岩壁道が多く、以前の道を知っている方には物足りないルートになったようです。

唐松岳の山頂に到着しました。3度目の正直で、今日は素晴らしい展望に恵まれ感謝です。

今来た不帰ノ嶮は唐松岳から見ると険しい岩場は隠れて見えず、むしろ天狗の大下りのほうが迫力があります。

せっかくの晴天。あとは八方尾根を下って温泉へ行くだけなので、ゆっくり眺望を楽しみながらお昼にしました。

唐松岳
【唐松岳 山頂】

目の前の五竜岳が、どっしりと大きな存在感で横たわっています。
唐松岳は標高が低いので、天狗ノ頭で見えていた鹿島槍ケ岳は隠れていますが、
立山~剱岳がよく見え、去年の夏が思い出されました。

唐松岳 山頂から
【唐松岳から見る五竜岳~剱岳】

唐松岳頂上山荘
【唐松岳頂上山荘】

登山者も次々到着して、山頂も賑やかになってきました。そろそろ下山。

唐松岳頂上山荘手前には、コマクサの花。

剱岳がまだまだきれいなので、また山荘裏のピークに上がって来ました。

しばし名残惜しんで、お別れです。

剱岳
【山荘裏のピークから望む剱岳】
パラグライダー
【稜線に舞うパラグライダー】

ここからは2度もピストンした道。山荘裏の落石注意の岩壁は以前より更に崩壊しているように感じました。

見上げる空にはパラグライダーが3,4基。
北アルプスの稜線上を漂っています。
気持ち良さそう~~~!


ダケカンバ帯
【ダケカンバ帯】

花畑
【花畑見ながら】

シモツケソウやカライトソウ、ハクサンシャジン、ウツボグサなど花色々を見ながら丸山ケルンを過ぎ、上ノ樺から扇雪渓、下ノ樺と下りてきました。

やがてニッコウキスゲが咲く向こうに八方池が見えてきました。今日こそあの池に映る白馬三山が見れるかな・・・


八方池へ
【八方池が見えてきた】


マツムシソウ

タムラソウ

白花ハクサンシャジン

ワレモコウ

雲がかかっていますが、青い池に映る白馬岳の峰々。
3度目にしてようやく見ることの出来た八方池の景色です。

不帰ノ嶮~天狗ノ頭~白馬三山
【八方池から見る 不帰ノ嶮~天狗ノ頭~白馬三山】

八方池と不帰ノ嶮
【振り返り見る八方池と不帰ノ嶮】

あとはリフト駅まで下るだけ。
振り返れば不帰ノ嶮が見送ってくれているようです。思ったほど険しい場所ではなかったけれど、こうして見れば確かにギザギザ。無事通過できて感謝です。

観光客に混じって尾根を下り、リフトの山上駅に着きました。楽しみにしていたブルーベリーヨーグルトのソフトクリーム。山荘前に咲くヤナギランを見ながら、ゆっくり味わいました。

八方池山荘
【八方池山荘とリフト駅】

リフトを乗り継ぎ、料金は途中駅で徴収しています。この時、箱に入っている温泉割引券をもらっておくと便利。山麓駅に降り立ち、白馬駅に一番近い「みみずくの湯」へ向かいました。
バス通りから一本右(南)の道は車も少なく、青い田圃やコスモスなど見ながら大楢川に沿って歩きます。山麓駅から20分ほど行くと、左手に建物が見えて来ました。


みみずくの湯
【みみずくの湯】

「みみずくの湯(割引券あり400円)」は小さな温泉ですが、シャワーは10基くらい。ちょうど空いてきた時間帯だったので、さほど狭さは感じずゆっくり入ることができました。

温泉から出ると風も涼やかに感じられ、白馬駅までは10分の道程。「快速はくば」はガラガラでしたが、松本からはお盆帰りの人たちで激込みでした。



今年の夏は『ほんとに梅雨明けしたの?猛暑って、あったっけ?』という天気が続きましたが、ようやく夏山らしさを味わうことが出来ました。お盆休みなので賑やかでしたが、花いっぱいの白馬岳、静かな稜線の杓子岳~天狗池、アスレチックのような不帰ノ嶮、素晴らしい展望の唐松岳と、充実の二日間でした。



 八方尾根の花々



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