白馬岳

しろうまだけ(2932m)
平成21年8月15日〜16日

梅雨明け宣言が出ても、なかなかきれいな青空に恵まれなかった今年の夏。
週末はようやくすっきり夏空になるとの予報に、白馬岳へ行くことにしました。


2009.8.15
(土)
 猿倉白馬尻荘大雪渓入口葱平白馬岳分岐白馬岳分岐杓子沢コル鑓ヶ岳天狗山荘
晴れ
一時曇り
 06:25着
 06:35発
07:35
07:45
08:10
08:25
10:1512:00
12:30
13:00
13:10
13:3514:40
14:45
15:35
15:40
16:25着



猿倉
【猿倉】

7月連休に雨天でキャンセルした白馬岳。2日間しかないので、朝日岳は諦め唐松岳へ抜けます。

白馬駅5:50発の猿倉行きのバスに乗って終点で下車。猿倉荘の上には、久し振りに見るきれいな青空と、小蓮華山でしょうか、白い稜線が見えています。トイレや登山届けなど、身支度して出発。

エゾアジサイの咲く広い道を歩いて間もなく鑓温泉の分岐を左へ見送り、更に進んで行くと前方には小蓮華山の稜線が大きく広がってきました。

道沿いにはエゾアジサイが続き、ピンクやブルーのきれいな花に混じって、似たような花のノリウツギが白い花を咲かせていました。

白馬尻へ
【白馬尻へ】
白馬尻から
【白馬尻から見る大雪渓】

やがて沢を渡り登山道らしくなってくると、青いミソガワソウや黄色のオタカラコウがあちらこちらにいっぱい咲いています。

石ゴロゴロの緩やかな道を歩いて行くと、やがて向こうに山小屋が見えて来て、大きな岩に白ペンキで「おつかれさん!ようこそ大雪渓へ」と書かれていました。小屋前はベンチ広場になっていて、沢山の人が休んでいます。

道は細い沢沿いになり、中年のおばさんになったようなキヌガサソウが顔を覗かせていました。

やがて向こうに大きなケルンが見えてきました。いよいよ大雪渓です。

軽アイゼンを装着して、いざ出発と思ったら、まだ朝食を摂っていないことを思い出しました。慌てて簡単な朝食タイム。今日の行程はちょっと長いので、焦っていたみたい。

大雪渓へ
【大雪渓へ】

いよいよ長い雪渓登り。朝は20度くらいでしたが、ここは12度くらい。日差しがあっても立ち止まればひんやり涼しく、さほど暑さは感じません。足元のステップを見ながら、ひたすら上へ上へと登って行きます。
やがて雪渓の途中にある石ゴロの草地に出ました。ここで休憩。振り返れば遠くの山々が随分低くなっています。上にはまだしばらく雪渓が続き、見上げる空には秋のような雲が広がっていました。


大雪渓
【大雪渓を振り返る】

秋の空
【まだ続く雪渓の上は秋の空】

葱平
【葱平】

雪渓上部で右へカーブし、大岩の横に出ました。アイゼンを外し、ここからは花咲く急斜面です。ハクサンフウロやイワオウギが沢山咲くなか、休み休み登って行きました。

葱平を過ぎても、まだまだ急な登りが続きます。

日差しは強烈だけど、空気は爽やか、いい気持ち。

時々雲が切れると、きれいな青空には白い半月が小さく浮かんでいました。

クルマユリ、ミヤマトリカブト、キンポウゲ、キオンなども増えてきて、右も左も花いっぱいです。

花畑
【花畑を行く】

キオン・トリカブト
【キオン・トリカブトほか】

イワオウギ・クルマユリ・ハクサンフウロ
【イワオウギ・クルマユリ・ハクサンフウロほか】


さて、イワオウギ。白馬岳にはシロウマオウギが多いのかなと思っていましいたが、見かけるのは、みんなイワオウギばかり。名前を知っているのは、あとリシリオウギとタイツリオウギ。近くにグリーンパトロールの方がいらしたので、教えていて頂きました。4種全てが見られるのは白馬岳だけとのことですが、やはり圧倒的に多いのはイワオウギのようで、他3種を探していただきました。




イワオウギ
花が穂のように立ち上がって咲くので他と区別しやすい。一番多く、南アルプスでも見かけた。実は節のある節果。
シロウマオウギ
花が真っ白なのが特徴で、茎の先に集まって咲く。白馬岳には多いのかと思ったが、すぐには見つからない。実は長さ1cmで太短い。
リシリオウギ
花はやや黄白色で、やはり茎の先にまとまって咲くらしいが、今回花は見られなかった。花期は早く7月。小葉が大きく、3〜5対と少ない。実は長さ2cmの楕円形。
タイツリオウギ
花はやや緑がかった黄白色で、茎の先に広がって咲く。実は半円形で、鯛に例えられて名がついた。


イワオウギ

シロウマオウギ

リシリオウギ

タイツリオウギ



イワギキョウ
【イワギキョウ】

来年まで覚えているかな〜と思いつつ、お礼を言って更に登って行きます。

足元に青いイワギキョウが咲いていました。薄紫色で毛のあるチシマギキョウは夏山では毎年よく見かけますが、イワギキョウは数年前に針ノ木岳で見て以来。青い花には惹かれるものがあります。

白馬村営宿舎に着きました。タカネシオガマ、クルマユリ、イブキジャコウソウ、オンタデなど周辺も花がいっぱいです。

白馬岳頂上宿舎
【白馬岳頂上宿舎下の花畑】
白馬岳へ
【分岐から白馬岳へ】

更に上へ進んで、杓子岳分岐に出ました。ベンチがあるので昼食タイム。

山頂に近い白馬山荘は日本で一番大きな山荘ですが、この頃にはガスが広がり山頂も隠れてしまいました。昼食後、空身で山頂へ向かいます。

この道は観光地のような広い道。イワツメクサやミヤマクワガタ、終盤のミヤマダイコンソウ、花枯れたウルップソウなども現れて来ました。

と、草の中に隠れるように地味な花が咲いています。なにやら知的ムードの漂う素敵な花で、色は紺色。
写真を撮っている方に聞けば、「ミヤマアケボノソウ」というらしい。初めて見ましたが、この花も一度見たら忘れられない印象的な花でした。

ミヤマアケボノソウ
【ミヤマアケボノソウ】
白馬岳
【白馬岳 山頂】

白馬岳の山頂に着きました。
雲が多く、すぐ横の旭岳以外は時々雲が動いて見える程度。朝日岳方面は雲の中です。

山頂には花崗岩の立派な風景指示盤があります。新田次郎の処女作「強力伝」は、この指示盤を題材にしたもので、供養と感謝の気持ちでしょうか、中央裂け目に硬貨がいくつも挿まれていました。

白馬岳をあとにして、さっきの分岐へ戻りました。
幾らかガスもとれた感じで、杓子岳へ出発。

杓子岳へ
【分岐から杓子岳へ】
テント場
【村営宿舎裏にあるテント場】

白馬村営宿舎の裏はカラフルなテント場になっていて、下の斜面にも花がいっぱい咲いていました。



丸山からの下りにも花が多く、次々に立ち止まって、なかなか先へ進めません。僅かながらコマクサやトウヤクリンドウも見かけました。


花畑
【丸山東面の花畑】

花畑
【丸山東面の花畑】

時間もないし展望もないので、杓子岳は山頂を通らず、そのままトラバース道を進みます。

一旦下って杓子沢のコルで休憩タイム。周辺も花が多く、咲き終わりのタカネチドリなどがいました。


杓子沢のコルへ
【杓子沢のコルへ】

コルから小鑓への登りはけっこうな急登。シコタンソウ・ホソバツメクサなど見かけながら、休み休み登って行きます。一箇所、ミヤマアケボノソウが集まって咲いていました。小鑓の上に上がると道は緩やかになり、ここからも花が多く、所々咲き終わったウルップソウがいっぱい広がっている箇所もありました。


鹿島槍ヶ岳方面
【天狗山荘と鹿島槍ヶ岳方面】

これが最後の登りと思いながら、ようやく鑓ヶ岳の山頂分岐に上がりました。

とたんに南側の展望が開け、五竜岳や鹿島槍ケ岳が見えて来て、感激! 素晴らしい眺めで、天狗山荘も見えています。あとはあそこまで下るだけ、やれやれ、ほっと安心しました。

鑓ヶ岳の山頂はすぐなのでザックは置いて、ちょっと寄って行くことにします。


鑓ヶ岳の山頂は細長く、ガスっていた白馬岳方面もずいぶん雲が取れてきて、展望もよくなってきました。旭岳から白馬岳・小蓮華岳の稜線がきれいに見渡せます。目の前に見える杓子岳の東壁は、下の方まで荒々しく崩れていました。杓子岳のトラバース道。もう誰も歩いていません。

鑓ヶ岳からの展望
【鑓ヶ岳から見る 旭岳〜白馬岳〜小蓮華山】

さて、あとは小屋へ向かうだけ。と思ったけれど、この下りはザラザラ急下り。気をつけて下ります。

鑓温泉分岐に着き、振り返ると鑓ヶ岳は白いザレ山でした。花と絶壁の白馬岳、荒々しい東壁の杓子岳、白いザレ石の鑓ヶ岳、明日は岩稜の不帰ノ嶮、と変化に富んだ山稜です。


鑓ヶ岳
【振り返り見る鑓ヶ岳】

この先は下りだけかと思ったら、鑓温泉分岐からは僅かながら緩やかな登りになりました。もう疲れて来たし、気も抜けて来たので、この最後の、短い、登りが、とても、シンドイ・・・

やっとやっと天狗山荘に近づきました。と、この周辺も花が多い。この辺りは雪解けが遅いのでしょうか、白馬岳ではすっかり咲き終わっていたウルップソウが、まだきれいに咲いていて嬉しくなりました。小屋は目の前ですが、ここからも色々な花が多く、立ち止まる回数が増えてなかなか先へ進みません。チングルマ・ウサギギクなどが、まだ新鮮な姿で見られました。
小屋の前には雪田があるので水場には冷たい雪解け水が流れ、横には小さな天狗池がありました。


天狗山荘
【天狗山荘】

ウルップソウ
【ウルップソウ】

天狗山荘五十周年記念
【天狗山荘五十周年記念】

天狗山荘は普段から空いている小屋のようで、お盆休みの今日も宿泊者は50人ちょっと。部屋は中央に通路がある二段棚式。6畳の区切りで、布団は1枚が1.5畳分あるので、余裕で大の字になれます。単独女性と二人で、ゆったり休めました。

そして、なんと夕食には水炊きがついてきます。卓上での小さな炎はほっと安らぎ、ポン酢で頂くので登山した体にはぴったりです。皆さん感激しながら、美味しく頂きました。

また今年は天狗山荘五十周年に当たるそうで、記念の日本手拭いを頂きました。

食後、外に出てみるときれいな夕焼け雲。
花いっぱいだった今日一日に感謝です。

暗くなって外に出てみましたが、残念ながら星空は見られませんでした。でも明日は晴れてくれるような気がします。


夕焼け雲
【夕焼け雲】


 白馬岳の花々



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