塩見岳

しおみだけ(3052m)
平成21年8月8日~10日   初日の塩見小屋


2009.8.9
(日)
 塩見小屋塩見岳北俣岳
分岐
北俣岳北俣岳
分岐
北荒川岳昼食竜尾見晴岩稜
小ピーク
熊の平小屋
うす曇り 05:30発07:00
07:25
08:1008:30
08:35
08:55
09:00
10:35
10:45
11:30
12:00
12:35
12:45
13:40
13:50
14:25着



朝食はなんと4時から。低血圧の私はボーッとした頭で、何やら食べたようです。
今日は熊の平小屋までなので、私達は皆さんが殆ど出発した後でゆっくり準備し外に出ました。


雲が多く、日の出は見れませんでしたが遠望は利き、
遥か遠くまで南アルプス北部の山並みが見通せて感激。
今まで見慣れた南アルプスの山の配置と違っていて、
南部から見ると甲斐駒が遠く、とても新鮮な眺めです。

南アルプス 北部
【仙丈ケ岳~甲斐駒ケ岳~北岳・間ノ岳~農鳥岳】

塩見小屋
【朝の塩見小屋】

今日はメインの塩見岳なので、山頂までお二人と一緒に行きます。

あれがTOSHIさん念願の塩見岳。青空ではないけれど、昨日より展望もよくて、よかったですね。

いざ、塩見岳目指して、出発。
山頂からの眺めが楽しみです。

塩見岳へ
【塩見岳へ出発】
振り返り見る塩見小屋





ハイマツの明るい稜線を登って行きます。振り返れば、塩見小屋が既に小さくなっていました。
左奥に見えるのは中央アルプス。

【振り返り見る塩見小屋】  photo:TAKA

岩が多くなって来ると間もなく天狗岩で、岩場の急斜面になりました。足元にはタカネシオガマやイワツメクサなどの花が咲き、ミヤマダイコンソウはそろそろ終わりです。

ルートは天狗岩の山頂を通らず、すぐ下を巻いて行きました。


天狗岩
【天狗岩  山頂は巻く】

振り返り見る天狗岩




振り返り見る天狗岩。
私は気付かなかったけど、てっぺんに誰か立っている様子です。

  【振り返り見る天狗岩】  photo:TAKA

今日は曇り空ながら遠望は利いて、遥かかなたに北アルプスまで見えました。笠ヶ岳~槍ヶ岳の尖がりも見えて感激です。


北アルプス
【北アルプスも見える!】
仙塩尾根
【仙塩尾根】

そして目の前には南アルプス北部の山々。
重厚な山の連なりで、仙丈ケ岳まで延びる尾根が仙塩尾根。なんて長大な尾根なんでしょう。

今回はこの尾根を仙丈ケ岳まで歩く予定ですが、さて、天気が持つかな~・・・・

塩見岳の西峰に着きました。
三角点はこちら、標高が高いのは向こうに見える東峰です。

塩見岳 西峰
【塩見岳 西峰】
富士山と東峰
【富士山と東峰】

下には雲が漂い、上も一面雲に覆われていますが、稜線の高さはすっきりした展望。

南アルプス中央部の塩見岳。曇り空でもこんなにはっきり富士山が見えて本当に感謝です。

記念写真を撮って、東峰へ。


富士山



肉眼では分りませんでしたが、写真で見れば二段重ねの笠雲が二つ並んで浮かんでいます。

端正な姿の富士山のシルエットが、とても美しいでした。

【二段笠雲と富士山】  photo:TAKA
南アルプス 南部
【南アルプス 南部の山々】

南を見れば知らない山々。
静かな南アルプスの方が好きというTAKAさんが説明してくれました。

荒川三山、奥に赤石岳から兎岳とのこと。来年は荒川三山へ行ってみようかなと思います。


雷鳥



山頂のすぐ下の花畑では、雷鳥の親子が朝の散歩をしていました。

北アルプスではよく見かけますが、南アルプスにもいるんですね~

【花畑に雷鳥の親子】  photo:TAKA


チシマギキョウ

シコタンソウ

ミヤマオダマキほか

ミヤマシオガマほか

北俣岳 分岐
【北俣岳 分岐】

塩見岳で展望を楽しんでから急な岩ガラガラ道を下ると、北俣岳分岐になりました。

今日は時間があるので、TAKAさんと私は北俣岳へちょっと寄ってみることにし、TOSHIさんは一休みして先に北荒川岳へ向かうことになりました。


周辺は思いのほか花が多く、私はチングルマやウサギギク、タカネグンナイフウロなど写真に撮りながら登って行きました。すぐ横に見えた岩山が北俣岳かと思っていましたが、登ってみればもっと先にピークが見えて、あちららしい。


北俣岳へ
【北俣岳はこの山越えて】

花畑
【周辺は花畑】


痩せた岩稜の細かなアップダウンがあり、ちょっと面白い道を進んで北俣岳と思うピークに着きました。

でも先着のTAKAさんは、もっと先が気になる様子。「向こうが北俣岳じゃないかな?行ってみよう。」と言って、更に歩き出しました。

私は「ここが山頂ということでいい。」と引き返すことにしました。


北俣岳 山頂
【北俣岳 山頂】

塩見岳~北俣岳

TAKAさんが、次の高み付近から振り返って撮った写真がこちら。
振り返れば、北俣岳も立派な山に見えたそうです。

ちょうど反対側から登って来た人に「あと1時間で蝙蝠岳だよ。」と言われ、TAKAさんは蝙蝠岳まで飛んで行きたかったと笑っていました。

【塩見岳~岩ピーク~北俣岳】photo:TAKA

私は先に北俣岳分岐に戻り、ひと休み。そろそろ出発しようかなという頃、TAKAさんが戻って来ました。早っ! ゆっくり休んでもらって、私は先へ出発。

いよいよ仙塩尾根です。目の前には伸びやかな稜線が続いていて、気持ち良さそう~!!

しばし急な岩ゴロ斜面を下ると、あとは稜線漫歩。左側はガレ落ちているので注意しながら足元の花や遠くの山を見つつ歩きました。


仙塩尾根へ
【仙塩尾根へ】
ダケカンバ帯
【ダケカンバ帯】

水場分岐を過ぎ、やがて道は東側へ下って行きました。地図を見れば崩壊地の稜線を巻いて行くようで、曲がりくねったダケカンバやハクサンフウロの咲く草地など趣の異なった道になりました。


ただ、ちょっと驚いたのは、周辺にタカネコウリンカが沢山咲いていたことで、いずれマルバダケブキのように他の花を圧して占領してしまうのではと心配になるほど広がっていました。


タカネコウリンカ
【枯れ木とタカネコウリンカ】

タカネコウリンカ
【イブキジャコウソウとタカネコウリンカ】

稜線近くに戻った頃、TAKAさんが追い着いて来ました。「TOSHIさん、きっと北荒川岳あたりでしょうね。」と言い合いながら、今度はTAKAさんが先へ進みました。私は相変わらず花の写真を撮りながら歩いて行きます。


マルバダケブキ花畑



更に進むとマルバダケブキが増えてきました。一面に黄色が広がり、映画「ひまわり」を思い出します。

ソフィア・ローレンが切なかった~

【一面のマルバダケブキ花畑】photo:TAKA

間もなくキャンプ場跡地に出ました。左へ曲がって稜線へ向かうと、ザレた斜面にはイブキジャコウソウがあちこちに群生していて、きれい。一箇所、ピンクの花が大きいのでよく見ると、なんとタカネビランジのようです。まだ咲き始めですが、何だか得した気分で嬉しくなりました。


イブキジャコウソウ
【イブキジャコウソウ群生】

タカネビランジ
【タカネビランジ】

崩壊地から振り返ると塩見岳が随分遠くなっていました。どっしりと重量感のある姿です。


塩見岳方面
【塩見岳方面】
北荒川岳方面
【北荒川岳方面】

さて、TOSHIさん、どこかな~

向こうに見えるのが北荒川岳でしょうか。山頂に人影が見え、TAKAさんが向かって行く姿が見えます。
あの人影がきっとTOSHIさんでしょう。


しかし着いて見ると、TAKAさん、そっぽ向いてる雰囲気。違ったようです。

山頂表示はありませんが、単独男性が腰掛けているのが三角点なので、ここが北荒川岳のようです。

「どこまで行ったんでしょうね~  お腹空いたけど、もうちょっと追いかけてみるから、sanpoさんは休んでから来て下さい。」と言って、TAKAさんは下りて行きました。

北荒川岳 山頂
【北荒川岳 山頂】

入れ違いに私は休憩タイム。塩見岳や間ノ岳など、しばらく周囲の展望を楽しんでから下り始めました。北アと違って、南アルプスは展望のいい稜線から下るとすぐ樹林帯になります。花も点々と咲き、ダケカンバ等の広葉樹林があると思えば、シラビソなどの針葉樹林帯もあって変化に富んだ道です。ハクサンフウロやバイケイソウの花咲く草地を過ぎて更に進んで行くと、向こうの木陰にTAKAさんの顔が見えました。



TAKAさん?
【・・・? TAKAさん?】


『TOSHIさんに追い着いたのかな』と行ってみると、なんとTAKAさん「お腹空いたのでもうお弁当にしちゃいました。」とのこと。

ハハハハ・・・! なんて自由なんでしょう!
可笑しいやら楽しいやら、この気楽な雰囲気が何ともほっとします。

「ほんと、TOSHIさんはどこまで行ったんでしょうね~」と言い合いながら、お湯を沸かしてくれたTAKAさんからコーヒーを頂いて私もお昼にしました。

しばし昼食タイムの後、またTAKAさんが先に出発。私は食後ちょっと休んでからスタートです。

新蛇抜山は巻くように小さなアップダウンの樹林帯を進み、やがて岩稜帯になりました。

展望のいい岩ピークから向こうを見れば、あちらのピークで二人連れが手を振っています。
きっとあれがTOSHIさんたち。追い着いてよかったなあ~と、私も先へ急ぎました。


手を振るお二人
【お二人が手を振っている♪】
竜尾見晴にて
【竜尾見晴】

この辺りが「竜尾見晴」でしょうか。眺めのいい狭い岩尾根で、お二人に追い着きました。
TOSHIさん、お待たせしてすみません。

しばし休憩後、あとは熊の平小屋まで行くだけなので、ここからはTAKAさん先頭に3人並んで進んで行きました。

また樹林帯になり、苔むすシラビソ帯や花咲くダケカンバ帯を進むと、安倍荒倉岳分岐。1分と書かれていたので寄ってみましたが、一坪ほどの狭いピークで見晴しもイマイチでした。

やがて展望のいいハイマツ帯に出たので、休憩タイム。あの辺りから稜線を外れ、最後の樹林帯へ入って行くようです。

熊の平小屋へ
【あの先で尾根を外れ樹林帯へ】
熊の平小屋
【熊の平小屋に到着】

ハクサンフウロの咲く草地やらシラビソの樹林帯やらの山腹道を進むと、ようやく熊の平小屋が見えて来ました。

小屋では、それぞれに受付。中央に通路のある二段棚式で、私は布団4枚くらいの仕切りに一人。TAKAさんたちは上段でしたが、一人一枚はあるので、今夜はお二人もゆっくり眠れそうです。


小屋前のテラスにはテーブル・ベンチがあって、正面の農鳥岳が大きく望めます。水場はすぐ下でザーザーと勢い良く流れ、ここは冷たい南アルプス天然水に恵まれた小屋で、テント泊の人も嬉しそうでした。テラスでしばしTAKAさんとおしゃべりしてから小屋へ戻り、夕食です。 

さて、明日の天気は? 7時のニュースを見れば、なんと低気圧は台風に発達し、関東でも一部大雨の被害があった様子。しかも予想進路は北上し接近しそうな雰囲気。参ったなあ~・・・ 宿泊客みなさんの溜め息も聞こえて来ました。予定では仙丈ケ岳へ向かう予定でしたが、ちょっと難しそうです。



 塩見岳の花々



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