塩見岳

しおみだけ(3052m)
平成21年8月8日〜10日

塩見岳は、南アルプスの南北それぞれの山脈から少し離れた中央に位置する独立峰で、
アクセスが大変なことから、南アルプスをほぼ歩いた方たちが最後に残す山のようです。


2009.8.8
(土)
 越路
 ゲート
鳥倉
登山口
豊口山間
のコル
塩川分岐三伏峠三伏山本谷山シラビソ
急登
塩見新道
分岐
塩見小屋
曇り 07:05着
 07:20発
08:00
08:05
09:20
09:30
10:40
10:50
11:20
12:10
12:20
12:25
13:25
13:35
14:55
15:05
15:2015:40着



3年前、不老山で蜘蛛の巣払って歩いていた者ですと、後日メールを下さって以来のメル友さんであるTAKAさんから、「山の先輩が登り残した塩見岳へ行くので、一緒にいかがですか。」とのお誘いを受けた。

塩見岳・・・聞いたことはあるけれど、はて、南アルプスのどの辺にあるのかな〜
私は山の中を歩くことそのものが嬉しいので、ついついアクセスの簡単な山ばかり行ってしまう。なので南アルプスは甲斐駒・仙丈・北岳しか行ったことがなく、白根三山すら下山後の交通手段がややこしそうで未だ歩いたことがなかった。

また私は山を歩きながらのおしゃべりが苦手で、山を歩く時は山と二人きりになりたい。しかし、山小屋などでのおしゃべりは楽しい、という我儘。そんな私を、ややこしい登山口まで連れて行って下さって、歩く時は写真を撮るなど自分のペースで一人で歩いてよし、最後は小屋で落ち合いましょうと、勝手気ままを許して下さるとのこと。なんて嬉しいお話なんでしょう。有り難く同行をお願いすると、後日送られて来たメールには、立派な登山計画書が添付されていました。


1日目に塩見小屋まで入るには、前日に駒ケ根駅まで入っておいたほうが楽ということで、金曜日の夜、あずさ31号に乗り、岡谷へ向かいました。飯田線への乗り換え時に、ザックに目印をつけておいてくれたTAKAさんを見つけてご挨拶。3年ぶりの再会で、先輩のTOSHIさんとは初対面です。お二人は昔、山岳会を運営されていたとの事。私が足を引っ張るのではと心配していましたが、TOSHIさんは最近はスイストレッキングが多く日本の山は今年二度目なのでゆっくりペースで歩きますとのこと、私もほっとしました。

TAKAさんが予約したくれた駒ケ根駅近くのビジネスホテルに泊まり、翌朝一番の電車で伊那大島駅へ。飯田線は初めて乗りましたが、左側には南アルプス、右側には中央アルプスが望める鉄道で、電車は朝の爽やかな山間を走り抜けて行きました。


伊那大島駅
【伊那大島駅】

伊那大島駅で下車。
平年、バスは鳥倉登山口まで行くそうですが今年は防災工事のため越路(ゲート)までの折り返し運転で、登山口まで行く日程は未定とのこと。

始発時間も1時間ほど遅いので、TAKAさんが予約しておいてくれたタクシーに乗って越路ゲートまで行きました。(約12,000円)

ゲート前は20台くらいの駐車場がありますが既にいっぱいで、道路脇にも10台ほど並んで駐車していました。

トイレ・水場があり、ここで簡単な朝食を済ませて出発です。TAKAさんが、「私達はゆっくり準備してから行くので、お先にどうぞ。」と言って下さり、私は先に出発させて頂きました。

越路ゲート
【越路ゲート】
鳥倉登山口
【鳥倉登山口】

オトギリソウやヒヨドリバナなど咲く林道を進むと、曇っていた空の一角にだんだん青空が見え始め、振り返れば先ほどの越路駐車場が小さく見えました。

地図には林道30分と記されていますが、40分かかって鳥倉登山口に到着。マイカー登山の方達が準備中でした。

TAKAさんが私の分まで作成しておいてくれた登山届けに年齢だけ書き込んで投函し、スタートです。

初めはカラマツ林の中の急な登りで、足元にはジャコウソウが咲いています。間もなくマルバダケブキがあちこちに見えてきました。

短い急登で尾根に上がり、ほっと一息。暑くて、ザックからうちわを出して、しばしバタバタ。

カラマツ林
【マルバダケブキ咲くカラマツ林】
荒川岳方面?
【荒川岳方面?】

この先からは少し緩やかになって苔むす林になりました。途中に、やや開けてシラカバの柵がかけられた展望のいい場所がありました。

青い空に、モクモクと白い雲。
木陰で見る夏空は、気持ちいい〜

シラビソの林になって、ようやく豊口間のコルに到着しました。

うちわバタバタしながら休憩していたら、早くもTAKAさん到着。更に数分後TOSHIさん到着。お二人も歩く時はそれぞれのようで、ちょっとおしゃべりして入れ違いに私はまた先に出発しました。

豊口山間のコル
【豊口山間のコル】

コルからは苔むすシラビソ樹林帯で、しばらくは山の北側を巻くように進む山腹道。よく整備された道で、随所に桟橋がかかっています。ゴゼンタチバナやイチヤクソウなど咲いていて、いかにも南アルプスらしいしっとりした道で、とても静かです。小鳥の囀りも、何やら控えめ。


シラビソ樹林帯
【苔むすシラビソ樹林帯】

桟橋
【桟橋も多い】

水場
【冷たくおいしい水場】

途中にある小さな沢の水場では、細いながらも冷たい水が流れていました。苔むす山肌から滲み出る沢水は甘くて美味しい。

塩川からの道と合流すると三伏峠も近いはずですが、腰掛けるのにちょうどいい小岩があったので、休憩タイム。風がないので、ひたすら暑い・・・

塩川小屋分岐
【塩川小屋分岐】
三伏峠
【三伏峠】

短いながらも急な登りで、ようやく三伏峠に着きました。小屋の前にはベンチもありますが、樹林に囲まれ見晴らしがイマイチなので、トイレ(一般100円、水洗200円)を拝借して、テント場へ行ってみました。

こちらはベンチはないけれど、正面に塩見岳らしい山頂がチラッと見えて明るいので、ここでお昼にしました。目の前に見える山が三伏山から本谷山への尾根のようです。

三伏峠キャンプ場
【三伏峠キャンプ場】
三伏山
【三伏山】

小屋の前でお昼だったお二人に声を掛けて、先行します。テント場のすぐ先が烏帽子岳の分岐です。

左へ進むとまもなく三伏山の山頂ですが、この頃にはガスがかかり始め周辺の山は見えませんでした。ここから見る塩見岳は素晴らしそうだったので残念。

一旦緩く下ってから、本谷山の登りになると、やがてマルバダケブキがいっぱいの花畑に来ました。タカネグンナイフウロやハクサンフウロ、トモエシオガマやエゾシオガマなども沢山咲いています。マツムシソウもわずかに咲き始めていました。

黒と黄色の、ちょっと凄みのある花が沢山咲いていて、名前が分からなかったのですが、後日、図鑑で見つけました。「タカネコウリンカ:絶滅危惧種」と書かれていましたが、ここでも翌日の北荒川岳手前でも沢山咲いていました。

マルバダケブキ
【花畑の中、本谷山の山頂へ】


タカネグンナイフウロ

ウメバチソウ

マツムシソウ

トモエシオガマ

タカネコウリンカ

本谷山
【本谷山から見える塩見岳】

本谷山は低木に囲まれ、狭いながらも周辺の見晴らしは良さそうな山頂で、雲間からチラッと塩見岳が見える時もありました。


この先はシラビソ帯ですが立枯れの林もあって、次の世代の幼木も育ちつつ明るくなっている箇所もありました。倒木も多く、しっとり苔むす静かな森林が続きます。権右衛門山の山腹を巻く道は長く、ようやく塩見新道からの道と合流しました。


立枯れの林
【立枯れの林】

塩見新道 分岐
【塩見新道 分岐】

分岐を過ぎると明るい稜線の道になり、振り返ると歩いて来た本谷山や三伏山などが見えました。

ここからは岩とハイマツの道になり、晴れていれば展望の良さそうな道です。


三伏山・本谷山方面
【振り返り見る三伏山・本谷山】
塩見小屋
【塩見小屋】

高みを越えて右へ進むと、ようやく塩見小屋が見えてきました。

とても小さな小屋で、ここのトイレは環境に配慮した携帯トイレ。便器にセットして使用し、最後にまとめてヘリで運ぶそうです。便座にも安心して座れますが、トイレットペーパーはないのでティッシュ持参です。

宿泊客が着くたび、スタッフが丁寧な説明を何度も繰り返していました。

食後、夕陽は見れるかな〜と外に出ましたが、上空のオレンジ色がチラッと見えただけ。すぐガスに覆われてしまいました。

流れる雲間から時々塩見岳が見えました。下に見えるのがテント小屋2棟で、今回はここが寝場所です。

明日は晴れて欲しいなあ〜

塩見岳
【ガスが流れる塩見岳】

塩見小屋は定員30人の小さな小屋なので予約が必要。今回は既にいっぱいでしたが、「キャンセル待ちの2番目に入れておきます。当日用の部屋もあるので来てください。」との話だったそうで、屋根と布団があれば良しとしようということである程度は覚悟して来ました。10人以上の団体さん用のテント小屋の奥に、もう一つテント小屋があり、ここが当日用宿舎。広さは6畳くらいで、今回は12、3人(たぶん)。頭を壁側にして縦に6,7人くらいづつ並ぶので足が重なり、男性お二人はあまり眠れなかったようですが、私は足も短いし隅にしていただけたので助かりました。なかなか体験できないようなテント小屋の厳しい一夜。過ぎた今となれば懐かしい思い出です。



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