大蔵高丸・ハマイバ丸

おおくらたかまる(1781m)・はまいばまる(1752m)


湯ノ沢峠の花畑には、春から秋にかけて色々な花が入れ替わりながら咲くそうです。
今日は大蔵高丸からの展望は期待できませんが、この時期どんな花が咲くのか行ってみました。


2009.7.11
(土)
 六本杉橋
の先
湯ノ沢峠
登山口
湯ノ沢峠
花畑
大蔵高丸ハマイバ丸米背負峠大谷ヶ丸コンドウ丸景徳院甲斐大和駅
曇り 08:3509:4010:40
10:50
11:20
11:50
12:2513:1013:30
13:40
14:15
14:20
15:40
15:55
16:20着
16:42発



去年から乗りたいと思いつつまだだった上日川峠行きのバスを今日は利用します。甲斐大和駅8:10発のこのバスはとても小型で、「特急・上日川峠」となっています。奥日川渓谷までは一律500円で市民バスより高いけれど、始発時間が早いのでとても助かります。

特急バスは「景徳院」を過ぎ、次のバス停が「やまと天目山温泉」と表示されたのでボタンを押しました。停車したバス停で下りて歩き出したけど、ちょっとヘン。 見れば、なんとここは竜門峡入口!? びっくり!なぜ案内表示と違うバス停で下ろされたの?特急バスで「景徳院」の次は「やまと天目山温泉」と表示されたのに、なぜ違うバス停で停まるの?と、しばし呆然。しかし、いくら地図を見ながら怒ってみても、確認しなかった自分に腹を立てても、もうバスは行ってしまった。やむなく車道を歩き始める。参ったなあ・・・

5分ほど歩いた頃、『まだ先に、長い林道歩きが待っているのに・・・』と思いつつ、後ろを振り返れば車が一台やってくる。思わず手を挙げてしまいました。停まってくれた車は男性二人連れですが、善い人そう。 「すみません。この上の天目山温泉まで乗せていただけませんか。」とお願いしました。『アヤしい人だったらどうするの。』と心配されそうですが、昔も何度かヒッチハイクをしたことがあり、今まで皆さん善い方ばかりでした。あまりに無防備なので神様も見かねて守って下さるのではと感謝しています。

お二人は湯ノ沢峠へ向かう「虫取り」の方達でした。六本杉橋から少し入った所の草地で駐車。まずはこの辺の虫を探索するそうです。僅かでも受け取って頂きたいと思いましたが同じ場所だからと固辞され、有難くお礼を言って出発しました。山梨ナンバーの親切な方達で、本当に助かり感謝です。

橋を渡り、真っ赤な旗がたくさん立っている竜天宮を過ぎ、木陰の多い舗装道路をキツリフネやクサノオウなど撮りながら歩いていると、さっきの車が通りかかりました。「湯ノ沢峠まで乗りますか?」と声を掛けて下さったのですが、途中の花も見てみたいのでお礼を言って先に行って頂くことにしました。


湯ノ沢峠登山口
【湯ノ沢峠登山口】

天気がイマイチなので車も少なく、キリンソウ、ウツギ、ノイバラなどの花を見ながら静かな林道を上がって行きます。薄日が差すと暑いけど、けっこう木陰も多い林道でした。

湯ノ沢峠登山口に到着。未舗装の林道を行くと、まもなく登山道になりました。沢沿いの木陰道です。
クルマユリが一輪だけ咲いていました。緑の森に、オレンジ色が鮮やかです。


小さな沢でサラサラと流れる沢音を聞きながら登って行きます。苔むした木橋がいい雰囲気。

しばらくは緩やかな木陰道でしたが、やがて笹の茂る道になり勾配も出て来ました。ヤマオダマキがちらほら咲いています。

小さな避難小屋の前に出て、立派な公衆トイレがありましたが、鍵が壊れていました。

焼山沢に沿って
【焼山沢に沿って】
湯ノ沢峠
【湯ノ沢峠】

すぐ先が湯ノ沢峠です。小さな峠で、以前あった大きな標柱がなくなっていました。

この先のお花畑へ向かいます。


ヤマオダマキが点々と咲く道を進んで、広い草原に出ました。アザミが咲いて、蝶々があちこち飛んでいます。「湯ノ沢峠のお花畑」の標識のある露岩で休憩。山歩きの人は誰もいなくて、先ほど車に乗せて下さった虫取りのお二人が大きな網を持って戻って来るところでした。今日はお目当ての珍しい虫には会えなかったと、残念そうです。再度お礼を言って、お別れしました。
草原の花はこれから夏本番に向けて準備中と言った雰囲気で、大蔵高丸方面には雲がかかっています。


湯ノ沢峠のお花畑
【湯ノ沢峠のお花畑】

大蔵高丸へ
【大蔵高丸へ】

シモツケ、チダケサシ、ヤマオダマキなど見ながら大蔵高丸の取り付きへ向かいました。

雲が多いものの涼しい風が吹き抜けて、今日は前日までの都会の蒸し暑さから解放されて、とても爽やか。振り返れば、緑いっぱいの草原の向こうを雲が流れて、素敵な雰囲気です。

以前の直登道は付け替えられていて右へ林の中をぐるっと回り込むように登って行きました。


湯ノ沢峠 草原
【湯ノ沢峠 草原】
アヤメ
【アヤメが一輪】

広葉樹林を抜けて、大蔵高丸の山頂が見えて来ました。シモツケの中に一輪だけアヤメが咲き残っています。もう少し早い時期なら、ここもアヤメが沢山咲くのでしょうか。

大蔵高丸の山頂からは富士山の眺めが素晴らしい。今日は期待していなかったけど、やはり富士山は見えるかなと捜してしまいます。方向はこちらですが雲の中で、かけらも見えません。

誰もいない静かな山頂でお昼。
時々薄日が差して羽虫も寄ってくるので、日焼け止めやら虫除けスプレーやらと忙しい。

大蔵高丸
【大蔵高丸】

大蔵高丸も草原が広がって、爽やかな風の中を歩いて行きます。ヤマオダマキが相変わらず点々と続いていました。この先は笹の茂るダケカンバの林。


大蔵高丸の草原
【大蔵高丸の草原】

ダケカンバ林
【ダケカンバ林】

ハマイバ丸へ
【ハマイバ丸への草原道】

広葉樹林と草原が交互に現れ、日差しのない今日、草原の中を歩くのは本当にいい気持ち。

相変わらずアザミやヤマオダマキが点々。シモツケも多く、やがてヨツバヒヨドリが多くなって来ました。


シモツケ
【シモツケ】

ヨツバヒヨドリ
【ヨツバヒヨドリ】

ダケカンバの林を抜けて、ハマイバ丸の山頂に着きました。木々に囲まれた山頂で、前回秋に来た時はモミジが真っ赤に紅葉してとてもきれいでした。

すぐ先に富士山が見える展望地がありますが今日は目の前をガスがゆっくり流れています。


ハマイバ丸 山頂
【ハマイバ丸 山頂】

この先は滑りやすい急下り。慎重に下って行きます。周囲にはノイバラが多く、あっちもこっちも白い花。蕾がほんのりピンク色の花もあり、いい香りがしています。下りきって振り返ると、山肌はノイバラの木がいっぱいでした。


ノイバラ地帯
【ガスが流れるノイバラ地帯】

ノイバラ
【ノイバラ満開】

登り返しになると花々は終わり。天下石の横を抜け、笹の茂る林を下って米背負峠に着きました。今日は大谷ヶ丸へ向かうので真っ直ぐ進み、樹林帯を登り返します。


天下石
【天下石】

米背負峠
【米背負峠】

大谷ヶ丸へ
【大谷ヶ丸へ】

薄日の差す林で、直下は短い急登です。
山頂手前に滝子山への分岐がありました。尾根伝いに行く道はこちらのようです。

大谷ヶ丸の山頂に着きました。
樹林に囲まれた狭い山頂で、滝子山への道が分岐していますが、こちらは山腹を通る道のようです。

大谷ヶ丸
【大谷ヶ丸】
防火帯
【防火帯を横断】

落ち葉がいっぱいの急坂を下りきると、カラマツ林が見えて来ました。 その先で防火帯を横断しますが、ススキでしょうか。秋の穂も見てみたい雰囲気です。

ほぼ平坦な道を進みコンドウ丸に着きました。
カラマツ林の中の作業休憩所といった雰囲気で、倒木ベンチがあります。

コンドウ丸
【コンドウ丸】
曲り沢峠
【曲り沢峠】

緩やかな雑木林を下って行くと曲り沢峠。
笹子駅・曲沢ルート・大鹿山の分岐です。曲沢ルートは歩いたことはないけれど途中から林道のようなので、この先の尾根道を下ります。

時々植林混じりの尾根道で、緩やかな下りが続きます。麓の町並みが見えてきて最後の急下りの後、左の細い道を下れば折り返して舗装道路に出ます。

景徳院へ
【景徳院へ】
景徳院 山門
【景徳院 山門】

景徳院で今日の無事を感謝してお参り。古い山門はいい雰囲気で、参道には色とりどりのアジサイが咲いていました。

景徳院のバス停に出ました。次は16:11発のようですが、歩いても駅まで30分なので歩く事にします。


湯ノ沢峠~大蔵高丸~ハマイバ丸の間は広葉樹林と草原が交互に現れて楽しい道でした。花畑はちょっと寂しい雰囲気でしたが、一面が花々になるのは夏から秋にかけてでしょうか。大きなアップダウンはなく、曇った梅雨空の下、稜線の風に吹かれながらのんびり気持ちよく歩けました。次回は夏から初秋にかけての花を見に来てみたいと思います。


大蔵高丸・ハマイバ丸の花々



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