倉見山・杓子山

くらみやま(1256m) ・ しゃくしやま(1597m)


杓子山の北側にある倉見山は広葉樹林が続くそうなので、新緑の頃に行こうと思っていました。
ちょっと遅くなりましたが、高座山の南に広がる緑の草原斜面も楽しみに出かけることにします。


2009.6.27
(土)
 東桂駅倉見山
登山口
送電鉄塔倉見山向原峠露岩1410m
ピーク
杓子山高座山鳥居地峠[役場前]
晴れ 07:50着
 07:50発
08:0508:50
09:00
10:00
10:10
10:4511:05
11:15
12:10
12:20
13:00
13:30
14:2515:0015:25着
15:26発



倉見山への道は、以前のエアリア地図には記載されていませんでしたが、買い替えた2007年版には実線で記されていました。富士急行線の東桂駅で下車。駅前から国道に出て右折。「鹿留入口」の信号を左へ入り、しばらく行って宮下橋を渡ります。

長泉院の先に墓地があり、「倉見山登山口」の道標が立っています。

奥の草地に隠れるように細い入り口があり、草の中に小さな「倉見山」の道標が埋もれていました。


倉見山 登山口
【倉見山 登山口】
広葉樹林
【明るい広葉樹林】

道はしっかりついていて、植林はわずか。小さな社を過ぎると広葉樹林になりましたが、けっこう急登です。明るい緑がいっぱいの気持ちのいい道が続き、エゾハルゼミがあちこちで鳴いています。

尾根に上がると、右からも道が上がって来ていました。天満天神宮に下りる道のようです。


気持ちのいい道で、少し先で送電鉄塔に出ました。鉄塔の下にはニガイチゴがいっぱい。どれも真っ赤で、おいしそう~!!早速、味見。

ニガイチゴは名前通りやや苦味がありますが、これはすっかり熟しているのであまりニガくなく、けっこうおいしい。ツヤツヤまるまるの、甘そうな実を選んで食べました。

太陽サンサン、光いっぱい農薬なしのイチゴ。野趣豊かでビタミンCがたぶんいっぱい。新鮮・無料。なんていいイチゴなんでしょう♪

ニガイチゴ
【ニガイチゴ   ニガくない♪】

この先も気持ちのいい、明るい緑の道です。途中、ひっそりした佇まいの「山の神」にご挨拶。三ツ峠駅に通じる倉見分岐には道標がありました。草木が茂って、ややヤブっぽい所もありますが、気持ちのいい尾根道が続きます。コアジサイがあちこちに咲いていて、何度かアップダウンしながら進んで行きます。


緑いっぱい
【緑いっぱいの尾根】

コアジサイ
【コアジサイ】

倉見山山頂に着きました。松の横から見える富士山は霞みがちで山頂は白い雲に隠れています。こじんまりとした狭い山頂にはアヤメが一輪。鮮やかな青紫の花に暑さも忘れ、木陰で休憩です。北側には木々の間から三ツ峠が見えていました。しかし、ここは羽虫が多い・・・


倉見山
【倉見山】

倉見山のアヤメ
【山頂に咲く一輪のアヤメ】

見晴台から
【見晴台からの富士山】

倉見山からは一旦急下り。登り返した所からは富士山が見えてヤマツツジが咲き残り、少し開けて見晴台かと思いますが本当の見晴台はこの先らしい。

次の展望地が見晴台。こちらは富士山も正面に大きく広がっていました。

小さく下って登り返すと、テンニンソウが広がる草地の中に道標がありました。「寿駅・向原」となっていて西の堂尾山公園への道が真っ直ぐ下りています。

向原峠への表示はありませんが、南のテンニンソウの茂みの中に細い道がありました。ここからは急下りで、けっこうなヤブ。笹や草木の茂みを払いながら下って行きました。

向原分岐
【真っ直ぐは堂尾山公園  向原峠は左へ】
向原峠
【向原峠】

鞍部に下り立ち、ここが向原峠。道標があり、右へ小明見への道が下りています。
杓子山へは真っ直ぐ。

向原峠からは今までと様相が一変し、かなりの急登になりました。『えっ・・・ずっと、こんな?・・・』と思いましたが、少し先で緩み、振り返るとさっきの堂尾山分岐ピークが随分高く見えました。

堂尾山分岐ピーク
【堂尾山分岐ピークを振り返る】
急登
【岩混じりの急登】

岩混じりのヤセ尾根なので、苦しいものの楽しい登りです。コアジサイやテリハノイバラ、シモツケなども咲いています。時々露岩の上に出て見晴らしのいい場所もあったりします。

明るい緑いっぱいの尾根道が続き、1292mと思われるピークは樹林の中でした。 ずっと広葉樹が続くので緑の木陰が続き、風も抜けて気持ちいい。

岩角や木の根につかまりながらの急登は続き、1410mと思われるピークに着きました。平坦なので、木陰で休憩。

朝から誰にも会わない静かな山。聞こえてくるのは相変わらずエゾハルゼミの声で、今日は登山口からずっーと聞こえています。

1410mピーク
【1410mピーク?】
根元神社
【根元神社】

少し先に道標があり、根元神社20mと書かれています。200mならパスですが、20mなのでちょっと寄ってみようかな。

下るとすぐ左手の岩陰にそれらしい社が見えました。地図にはしっかり記載されているので由緒ある神社なのでしょうけど、何だかよく分らない。まだ新しそうで、寄進した方々の名前が並んでいました。


戻って最後の登りです。斜面が崩れ落ちて根元がむき出しになった木や大岩が現れ、咲き終わったイワカガミの葉が広がっている箇所もありました。葉の茂った木々から飛び出した岩を乗り越えたりして進んで行きます。 山頂近くはかなりの急登で、上がった所は大明見への分岐でした。ここからは緩やかになって、クサタチバナの咲く林を行くと向こうに空が見えてきました。


倉見山~杓子山
【根元の崩れた尾根】

倉見山~杓子山へ
【露岩を越えて】

ようやく樹林帯を抜けて、杓子山の山頂に出ました。空がとても大きく感じます。

富士山は相変わらず霞んで白い雲に隠れそうな雰囲気。今日は先客さんが二人いるだけの静かな山頂です。


杓子山
【杓子山】
山頂のアヤメ
【山頂のアヤメ】

周囲の草むらには、アヤメがぽつぽつ咲いていました。青紫の花は、霞んだ空色の下では際立って鮮やか。日本情緒たっぷりの花に慰められます。


杓子山からの下りは滑りやすい赤土の急斜面。慎重に下りて行くと、アヤメやヤマオダマキが点々と咲いていました。緑いっぱいの道が続き、エゾハルゼミの声も相変わらず賑やかです。途中でサンショウバラの木を見つけました。色褪せた数輪だけが残っていましたが、もっと早ければ他でも咲いていそうです。


ヤマオダマキ
【ヤマオダマキ】

緑の尾根道
【緑いっぱいの尾根道】

大権首峠
【大権首峠】

大権首峠手前にはハングライダーがいくつか待機しています。空を飛ぶのは気持ち良さそう~

峠で右に林道を見送って、真っ直ぐ進みます。

小ピークを越え、その先の送電鉄塔に出ました。奥に高座山が見えています。

高座山へ
【高座山へ】

高座山の山頂にはシモツケがたくさん咲いていました。ここも富士山の展望がいい所です。肉眼ではうっすら見えて、山頂の雲が少し取れていました。道標に従って左へ進みます。


シモツケ
【高座山のシモツケ】

高座山
【高座山】

以前、間違えて山頂から南の尾根を下ってしまったので、今回は注意して下り始めると、すぐの右手に崩れた赤土坂がありました。ロープが下がっているので、ここが道なのでしょう。慎重に下りますが滑りやすく、ここはぬかるんでいたら歩きたくない道です。 そっとそっと下りて行くと、草原斜面の上に出ました。


緑の草原
【南斜面は緑の草原】

おぉー!! 気持ちいい~~!!
緑いっぱいの草斜面が広がっています。
足元にアヤメもぽつぽつ咲き、ずっーと先まで道が延びていて素晴らしい緑の草原です!

幾筋か小道も走っているのであの小道も行ったり来たりしてみたいけど今日は時間がない。
いつか、ゆっくり散策しに来てみたいです。


ぽつぽつ咲いているアヤメやヤマテリハノイバラ、シモツケなど見ながら振り返りつつ下って行きました。正面には霞んだ富士山も大きく見えているので、青空すっきりの日にまた来よう。
緑いっぱいの斜面を何度も振り返りながら下り、末端まで来ました。ここからは樹林帯です。

林の中をしばらく下りると林道に下り立ちました。ここが鳥居地峠かと思いましたが、地図を見ればまだ先のよう。鳥居地峠では折り返さなくてはいけないので、どこかにショートカット道があっても良さそうですが、今日は基本コースを歩きます。

林道を右へ進むと、向こうに車が見えて来ました。車道に出た所が鳥居地峠で、あとは舗装道路を左へ進むだけです。


鳥居地峠
【鳥居地峠】
青い稲
【青い稲】

途中で見た忍野中学校はちょっとおしゃれな校舎で、校庭が素晴らしく広い学校でした。

広がる田圃の稲の青さが爽やか。もう少し伸びた頃に青田を吹き渡る風は、きっといい匂い。

バス停にはちょっと早めに着いたので、一台前のバスに乗ることが出来ました。


登山口から倉見山への尾根、向原峠から杓子山への尾根、そして高座山への尾根は殆どが広葉樹林。エゾハルゼミが同行者のように一日中賑やかに鳴いていて、緑いっぱいの明るい尾根でした。向原峠から杓子山は急登続きですが、岩混じりのヤセ尾根は、私には好きな雰囲気の道。一週間経った今は苦しかった思いはどこかへ飛んでしまい、いい印象だけが残ってしまいました。紅葉の頃や、ミツバツツジ・イワカガミの頃など、また季節を変えて歩きたいと思います。


 倉見山~杓子山の花々



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