赤岳・横岳・硫黄岳

あかだけ(2899m)・よこだけ(2829m)・いおうだけ(2760m)
平成21年6月13日〜14日

6月になり、今年こそは八ヶ岳のツクモグサを見たいと思いました。
山渓週報を確認すれば丁度見頃で、ホテイランも咲いているとの情報。
両方見れれば嬉しいなあと、欲張って出かけたのですが・・・


2009.6.13-4
(土日)
 美濃戸口やまのこ村行者小屋赤岳横岳硫黄岳赤岩の頭赤岳鉱泉美濃戸
山荘
美濃戸口
ほぼ曇り 10:10着
 10:20発
11:10
11:20
13:50泊
06:45発
08:40
09:00
11:15
11:20
12:15
12:25
12:3513:25
14:05
15:20
15:25
16:15着
16:34発



ツクモグサは日差しがないと花が開かないらしい。天気予報はイマイチ。朝の予報では、茅野市の日曜日は晴れマークが並んでいましたが山は曇るかも知れない。迷いつつも、ホテイランは来週になると間に合わないのではと思い、ともかく行ってみることにしました。

茅野駅9:35発の美濃戸口行きのバスは空いていました。この時期はツクモグサ目当ての人で混むと思っていましたが、やはり予報がイマイチのせいか出足は少ないようです。


美濃戸へ
【ヤマツツジ咲く林道】

美濃戸口からしばらくは林道歩きです。緑いっぱいの道を、ギンラン、ベニバナイチヤクソウ、イカリソウなど見ながら進んで行きました。

林の中はヤマツツジの朱色があちこちに見え、淡いオレンジ色のレンゲツツジも混じっていました。シラカバの白い幹によく映えています。
サクラスミレ、ツマトリソウなども咲いています。

白樺の木陰ベンチがある、やまのこ村で休憩。
今は青空が見えています。このまま稜線に出ても晴れていて欲しいなあと思いながら、歩き出しました。

やまのこ村
【やまのこ村 白樺ベンチ】
ミヤマハンショウヅル
【南沢のミヤマハンショウヅル】

美濃戸山荘の建つ分岐から南沢へ入って行くと、沢近くにミヤマハンショウヅルの蕾がぶら下がっていました。

ホテイラン。どこかでそっと咲いているのかなと思っていたら、なんと自生地の真ん中に登山道があり、誰もが目につく上にロープが張られているのですぐ分かりました。

ホテイラン一輪ずつにナンバーが記された「希少植物個体調査中」の札が立てられています。盗掘が多いとのことで、こうまでせざるを得ない状況なのかとびっくり。ロープや個体札を作られた方達も情けなく悲しい思いで作業されたのだろうなあと思いました。

その場所の地質・気象条件でしか生きられない植物を持ち帰ることは、殺すことと同じ。
山の花は、その花と同じ空気の中で愛でて欲しい。


ホテイラン
【希少植物個体調査中】

ピンクの花は布袋様を思わせる白く透けた部分と髭があって、表情豊か。一枚だけの縮れた深緑の葉も、独特の雰囲気を醸し出しています。それにしても花はどれも見れば見るほど芸術的。世界中にどれだけの種類があるか、なぜそこまで多様化する必要があったのか、どう考えても自然界は不思議です。


ホテイラン
【ホテイラン】

ホテイラン
【ホテイラン  葉は一枚】

ホテイラン自生地
【ホテイラン自生地】

ロープのすぐ横にも咲いているので、近くから見れるのが嬉しい。点々と咲くホテイラン。表情の違う花を一つ一つ見ながら登山道を進んで行きました。


この先からはコミヤマカタバミがいっぱいになりました。コミヤマカタバミは花も可憐ですが、柔らかな黄緑色の三枚の葉も可愛い。しばらく行くと今度はキバナノコマノツメの黄色い花も沢山咲いています。次は、イワカガミ。ポツポツ咲いていましたが、一箇所密生していてギュウギュウ詰め。朝のラッシュみたいに咲いていて、お気の毒なイワカガミたちもいました。



コミヤマカタバミ

キバナノコマノツメ

イワカガミ

南沢の道は付け替えられた場所があって、ロープや黄色テープで誘導されていました。何度も沢を渡り返しながら進みます。南沢は針葉樹が多く、苔むす岩や木の根も表情いろいろ。

針葉樹林
【南沢の針葉樹林】

やがて白河原に出て、正面に大同心・小同心が見えてきました。しかし稜線には雲が迫ってきています。 広い河原の先で、行者小屋に着きました。ここは賑やか。ベンチでお昼にしたものの、稜線の上を流れる雲の動きが速い。白い雲、青空、白い雲、暗い雲、次々変化し、アヤしい雲も多くなり、ここで思案。


白河原
【白河原から見る八ヶ岳】

行者小屋
【行者小屋】

今日は地蔵尾根を上がり、赤岳天望荘で宿泊手続きをしてからツクモグサ群生地まで散策しようと思っていました。が、稜線はすっかり雲が広がり、風も相当強そう。最後の岩場で雷に遭うかも知れない。雲が出てツクモグサも閉じているかも知れないので、予定を変更して行者小屋に泊まることにしました。

小屋はツクモグサ目当ての人達で混むかと思いきやガラガラ。 宿泊手続きをしてぼんやりしていると、なんと雨がザーッと降ってきました。やっぱり無理をしなくてよかった。雨が止んだ後、周辺をちょっと散策しようと展望台へ行ってみることにしました。小屋の裏から樹林帯を少し登り、左へ上がればすぐでした。


中山展望台
【中山展望台】

展望台からは八ヶ岳が一望。硫黄岳〜横岳〜赤岳〜阿弥陀岳が大きく広がり、上を次々雲が流れて行きます。文三郎尾根の長い階段も見え、遠くから登山道を眺めるのも楽しい。

流れる雲を見つめながらボーっとしていると、ヘリコプターが飛んで来ました。横岳の上方でホバリングすると、一人がスルスルと降りて来て、ヘリは旋回。しばらくして戻って来ると、今度は二人で昇って行き、ヘリは茅野方面へすっ飛んで行きました。
多分あの辺りはツクモグサが咲く岩場。他人事ではなく、私も用心せねばと思いました。

行者小屋は内装がウッディで掃除も行き届き、静かだったせいもあって、とてもいい印象でした。今日の宿泊者は10人。週末なのに、こんな静かな山小屋は初めてです。

ストーブの焚かれた落ち着いた雰囲気の食堂での夕食は、豪華なビーフカレーと野菜スープ、サラダ。単独の方たちとおしゃべりしながら、美味しくいただきました。

夕方、西の空は一部きれいなオレンジ色に染まりましたが、明日の天気はどうでしょう。

行者小屋
【行者小屋 静かな室内】



鉄製階段
【長い鉄製階段】

夜が明けました。

周辺はどんよりしたガスに覆われ、薄日すら望めない雰囲気。 ツクモグサの花開いた姿は期待できそうもないけれど、産毛に包まれた姿だけでも見れればいいかなと、とりあえず行ってみることにします。

文三郎尾根から赤岳へ向かいます。
上まで続く鉄製階段。
今回も休み休み登って行きました。


阿弥陀岳分岐からは岩場。まだ花も少なく、イマイチ元気なく、気付いたら到着していた赤岳。真っ白で、展望なし。とりあえず、赤岳神社でお参りして、休憩。下り始めると、一瞬青空が見えましたが、すぐ雲に覆われ赤岳の山頂も見えたり隠れたり。天望荘の先で、お地蔵様に手を合わせて横岳へ向かいました。


赤岳
【ガスが途切れて、赤岳神社が見えた!】

横岳へ
【横岳へ】

それでも稜線上には人が多く鎖場は並んで進んで行きました。花も少し咲き始めていて、オヤマノエンドウの鮮やかな青紫がとてもきれいです。ミヤマキンバイやハクサンイチゲはまだ花が低く、夏に見る姿とちょっと雰囲気が違っています。チョウノスケソウの葉がいっぱい出てきていました。



ハクサンイチゲ

オヤマノエンドウ

キバナシャクナゲ

やがてロープで保護されたツクモグサ群生地が見えて来ました。初めて見るツクモグサ。ほんとに細かな毛に覆われて、ぬいぐるみみたいに可愛い。でも霧の滴をいっぱい付けて寒さに震えているようでした。
三叉峰を過ぎてもツクモグサはあちこちにあって、一部花びらが変色している花もありました。みな閉じているので分りませんが、蕾らしいものもあるので、まだしばらくは楽しめそうです。


ツクモグサ
【ツクモグサ群生保護地】

ツクモグサ
【ツクモグサ】

途中の幾つかのピークにも人がいましたが、横岳奥の院にも人がいっぱい。やはりこの時期の横岳は賑やかです。


横岳
【横岳 奥の院】
ツクモグサ
【ツクモグサ 大同心】

相変わらず展望はないけれど、こちらにもまだツクモグサがありました。この辺りは一部変色している花もあります。



クサリ場を過ぎ、台座の頭から下って行きます。この辺りはコマクサ群生地ですが、花はまだ先です。

硫黄山荘の前を通って、最後の登り。
硫黄岳の山頂に立つのは3度目ですが、ここからの赤岳〜阿弥陀岳の展望は、3度目の正直になりませんでした。時々雲が薄くなって青空が見えそうになるけれど、すぐ次が来て隠れてしまいます。

『 3年前に来た時と殆ど同じ光景。
硫黄岳とは相性が悪いのかな・・・
いつか、ここから、すっきりとした横岳〜赤岳〜阿弥陀岳の稜線を眺めてみたい。』

この文章、3年前の硫黄岳。
気持ちは、この時と全く同じ。
展望は、今回は少しはマシか・・・


硫黄岳
【硫黄岳から見る赤岳〜阿弥陀岳】

赤岩の頭
【赤岩の頭】

赤岩の頭からは樹林帯への下りになります。

ジョウゴ沢を渡る辺りから薄日が差してきました。

赤岳鉱泉に下りてきました。小屋横のベンチでお昼。ずいぶん青空も多くなってきました。

赤岳鉱泉
【赤岳鉱泉】

帰りは北沢沿いに下って行きます。南沢は針葉樹が多いけれど、北沢は広葉樹林が続きました。新緑がきれいなので、以前9月に来た時より明るくいい雰囲気です。ずっと沢沿いの道が続き、何度か木橋で渡り返します。花はシロバナノヘビイチゴ、キバナノコマノツメ、コミヤマカタバミなどが咲いていました。


北沢
【新緑の北沢】

堰堤
【堰堤】

堰堤を過ぎると、未舗装林道です。また空が暗くなってきて、どこかで雷が鳴り出しました。昨日も今日も天気がコロコロよく変わります。小雨のぱらつく新緑の林道をヤマツツジやレンゲツツジを見ながら美濃戸口バス停まで戻り、ソフトクリームを食べながらバスを待ちました。



八ヶ岳のツクモグサとホテイラン。両方見ようと欲張って出かけましたが、ツクモグサは閉じて残念でした。また今度、しっかり晴れそうな日に再訪しようと思います。それでもホテイランはきれいな姿に間に合いました。一度見たら忘れられない個性的な花に出会えて、嬉しかったです。



 八ヶ岳の花々



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