金袋山

きんたいさん(1325m)


奥多摩北西部、長沢背稜から伸びるタワ尾根は広葉樹林の緩やかな尾根で、
ミズナラ巨樹で有名な人形山など、金袋山周辺は紅葉がとてもきれいだそうです。


2008.11.15
(土)
 東日原人形山
東尾根
入口
上段歩道
入口
自然林金袋山ミズナラ
巨樹
一石山小川谷
林道入口
一石
神社
森林館東日原
晴れ
のち曇り
 09:05着
 09:10発
09:55
10:00
10:2011:35
11:40
11:55
12:25
12:50
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15:00
15:10
15:40
15:50
15:55着
16:17発



5,6年前、長沢背稜のハナド岩から見た隣の尾根は緩やかな自然林が稜線まで続いていました。買ったばかりのパソコンでタワ尾根を検索してみると、かなりヤブっぽいとのこと。スズタケヤブの中、穴のようなルートの写真が掲載されていて、私にはとても無理と思っていました。

しかしタワ尾根もこの数年の間にずいぶん歩きやすくなったようです。いつも拝見するHgさんの掲示板には素晴らしい紅葉の写真が掲載。今週末までは持ちそうとのお話に、どうしても行ってみたくなりました。紅葉のラインはこの辺かも知れないと、往路は「バリエーションルートを楽しむ(通称:松浦本)」を参照し水平移動の多そうな上段歩道を歩いてみることにします。


奥多摩駅8:35発の東日原行きのバスは2台出発しました。終点で下車。久し振りの東日原バス停、トイレは立派な水洗トイレに変わっていました。歩き始めの左手の藁葺き屋根もなくなっていて、ちょっと寂しい。そんなに長いこと日原に来てなかったのかなあと思いました。

鮮やかな紅葉が点在する小川谷橋を渡り右へ進みます。こちらへ向かう人は誰もいないようで、ここからは前後に人がいなくなりました。

真っ赤なイロハモミジを見ながら進み、一石神社、日原鍾乳洞を過ぎて行きます。大きな岩壁や沢山の穴がある大岩の先から小川谷林道になりました。


日原鍾乳洞への道
【日原鍾乳洞への道】
金袋山入口
【金袋山のミズナラ 入口】

すぐ先に金袋山のミズナラ巨樹入口の階段が見えてきました。一般的にはここから入るようですが、もう少し先まで進みます。

浄水場を過ぎ、左へカーブすると向こうに道標が見えて来ました。「←日原鍾乳洞/七跳山・酉谷山→」の道標の裏に細い道が伸びていたので、ここから入ります。

人形山東尾根入口
【人形山東尾根入口】

人形山東尾根に乗ると紅葉もきれいになってきて、朝は曇っていた空も青くなってきました。すぐに下段歩道と思われる道を見送り、明るい広葉樹林の気持ちのいい尾根を登って行きます。日差しがあるので、紅葉も輝いてとてもきれい。


南斜面の紅葉
【南斜面は紅葉もきれい】

紅葉の尾根
【紅葉の尾根】

上段歩道に入る
【上段歩道に入る】

やがて道は尾根の向こう側へ移り、ここからが上段歩道のようです。山肌に沿った平坦な道に落ち葉いっぱいで、ちょっとワクワク。

しかし、初めは自然林でしたが、やがて上が植林、下が自然林の境道になりました。今の時期は太陽も低いので、すっかり日陰になってしまい、紅葉もくすんだ雰囲気になってきました。

ずっと似たような道が続き、だんだん 『・・・・・』

木橋
【木橋が見えてきた】
自然林
【自然林】


上はきれいな青空。やっぱり尾根の上がいいなあと、途中のやや緩やかな自然林から上へ上がることにしました。

落ち葉いっぱいの斜面、紅葉した木など見ながら上がって行き、広い窪地のような所で倒木に腰掛け休憩タイム。向かい側には落葉した木々の間から長沢背稜の山々が見えていました。

せっかくの青空に北側の道を選んでしまったのは失敗でしたが、上段歩道は静かなので太陽が入る新緑の頃はよさそうです。


右へ進んで行くとだんだん勾配も急になってきたので、戻るように左上へ進み、ようやく尾根に出ました。多分、これがタワ尾根。右へ登って行くと細い道が横切る十字路になりました。と、ちょうどその時、上から4人グループが下りて来ました。今日初めて出会う登山者です。聞けばオロセ尾根から登って来たそうで、この細い道が巡視路で金袋山はすぐ上とのこと。この辺りの雰囲気が分かってきて、ホッとしました。


南側は明るい日差しがいっぱいで、カエデなど赤い紅葉が青空に映えて、とてもきれいです。しかし、向こうから雲が近づいてきます。

南斜面
【南斜面の紅葉】


金袋山へ
【金袋山へ】

広い尾根の平坦部が金袋山の山頂でした。
傍の木に小さな山名札が掛けられています。 稜線上はすっかり落葉し、やがて雲に覆われ始めた山頂は晩秋の雰囲気になってきました。

誰もいない山頂で、お昼。
冬枯れの山も晴れていれば気持ちよく素敵ですが、曇ってくると何やら淋しい。でもこの辺りはとてもいい雰囲気です。


金袋山 山頂
【金袋山 山頂】
タワ尾根
【タワ尾根を下る】

南側の紅葉がきれいなので、帰りはオロセ尾根方面も気になりましたが、この辺は初めてなので予定通り基本ルートを下ることにします。


巡視路を横切って真っ直ぐ下って行き、さっき上がってきた所を過ぎると、尾根がどんどん広がって来ました。南側の紅葉がきれいなので、足が自然に右へ行ってしまう。尾根から外れないよう、時々軌道修正しながら下って行きました。金袋山の山頂はすっかり落葉していましたが、下るにつれ紅葉も多くなってきてきれいです。嬉しくて、わくわく。


名残りの紅葉
【名残りの紅葉】

黄葉紅葉
【黄葉紅葉】


やがて広い平坦な木立の中に、倒木サークルで囲まれた大木が見えて来ました。

この木がミズナラ巨樹のようで根元が踏まれないように保護されています。幹周りは本当に太く、どうしてこんなに傾いてしまったの?と聞いてみたくなるくらい傾いています。目線を下げて、登山者に何かを語りかけているよう。

週辺は紅葉も残っていて、7,8人のグループが静かに休憩中。私も巨樹や紅葉を見ながらコーヒータイムにしました。


ミズナラ巨樹
【ミズナラ巨樹】

帰りは一石山経由で下りたいので、右の尾根へ進みましたが、少し下ると植林が見えてきて躊躇。左の尾根は自然林なのかなと、引き返してさっきのグループのリーダーさんらしい方に聞いてみました。

地図を見ながら「この尾根(人形山南東の支尾根)は植林が多いです。この(左下)斜面へ向けて細い道を辿れば一石山へ行けます。紅葉もきれいですよ。一石山の先の岩場から神社へ下りる道は分りにくいので、岩場の展望地からは少し引き返してこちら側(北)へ下りたほうがいいです。」との丁寧なアドバイス。伺えば日原森林館に勤めている方でした。今日はミズナラ巨樹コースの案内をされていたようです。斜面の落ち葉道をジグザグに下って行くと、やがて道は右の尾根伝いになりました。さっき見た植林と自然林との境道ですが、紅葉がまだ残っていて素敵な道です。


紅葉
【紅葉】

黄葉紅葉
【黄葉紅葉の尾根道】

赤・橙・黄・浅黄・薄緑・薄茶などいろいろ・・・
真っ赤な紅葉は、華やかで心浮き立つ紅葉ですが、
淡い彩りの紅葉は、心安らぐ癒し系の紅葉。
ときどき、枯れ葉がひらひら舞い落ちるなか、
落ち葉カサカサ鳴らしながら下って行きました。
なんて静かで、気持ちいい道なんでしょう・・・


赤・橙・黄・浅黄・淡緑
【赤・橙・黄・浅黄・淡緑】

広い尾根
【紅葉の中の広い尾根道】

やがて赤い紅葉が多く目立って来ました。
平坦になったあたりの木に、小さな「一石山」の札が掛かっています。
この辺りの最盛期は素晴らしく華やかだったろうなあと、しばし上を見上げていました。


鮮やかな紅葉
【名残りの鮮やかな紅葉】

一石山
【一石山 山頂】

すぐ先、テープに「日原」を指す左へ折れる道がありましたが、真っ直ぐ行けば展望地があるようなので、そのまま進んで行きました。

露岩が多くなり、岩稜帯の先端からは一気に展望が開けました。ヨコスズ尾根や石尾根方面が見渡せ、晴れていれば展望も素晴らしそうですが、今はガスがかかって残念。次回のお楽しみになりました。


岩稜帯
【岩稜帯 先端】
籠岩への急降下
【籠岩への急降下】

さっきの日原分岐へ戻り、北東斜面の道に入りました。2008年版エアリア地図では、ほぼ水平なトラバースで向こうの人形山南東尾根に合流するように記されていますが、実際は大きくジグザグに下って行く道でした。かなりの傾斜なので、転がらないよう注意しながら下ります。

下のほうに、さっきのミズナラ巨樹鑑賞グループの方たちが下っているのが見えて来ました。

途中で人形山からの道と合流、女性二人連れが下りて来ました。涸れ沢のような谷沿いに下って行くと、下に小川谷林道が見えて来ました。

小川谷林道
【下に小川谷林道】

小川谷林道から抜けると、すぐ右手にある大きな岩。たくさんの穴があり籠のように見えるので籠岩と呼ばれるようになったようで、何やら奉られています。バスの時間までかなりあるので、ちょっと寄り道してすぐ先の駐車場から下の河原に下りてみました。休憩舎のようになっていて水洗トイレがあります。向こうに尖って見えるのが梵天岩、そして反対側の大きな絶壁岩が燕岩というようで、燕の巣などもありそうです。


籠岩
【小川谷林道入口の籠岩を振り返る】

梵天岩と燕岩
【梵天岩と燕岩】

一石神社
【一石神社】

一石神社にも寄ってみました。今日の無事ときれいな紅葉に感謝してご挨拶。エアリア地図に破線が引かれている登山道が本殿の左にありました。

小川谷橋周辺の紅葉を振り返りながらバス停へ向かい、まだ時間があったので森林館へも寄ってみます。初めて入りましたが、巨樹の大きな絵が何枚も展示されていました。

小川谷橋の紅葉
【小川谷橋の紅葉】

タワ尾根は緩やかな広葉樹林が続き、ミズナラ巨樹から一石山にかけての紅葉は素晴らしいものがありました。終盤でしたがギリギリ間に合って感謝です。この尾根周辺は他にもいろいろルートがあるようなので、探索するのも楽しそう。次回はもっと早い時期に、もう少し上まで行ってみたいと思いました。



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