涸沢

からさわ(約2300m)
平成20年10月11日~13日

北アルプスの紅葉と言えば涸沢。混雑もハンパじゃない涸沢。
連休に行くなんて、思ってもいなかったのですが・・・


2008.10.11(土)  上高地徳沢園横尾本谷橋涸沢ヒュッテ
小雨のち曇り  06:30着
  07:25発
09:25
09:40
10:40
11:25
12:30
12:40
14:30



秋の連休は白馬~五竜の予定で、10日のムーンライトは早くから確保していました。が、土曜日の予報は雨曇り。そうなると、いつものごとく迷い出す。展望のない雨の稜線歩きは、イマイチ気が進まない。
10日夜行はやめて11日の夜行で天狗山荘泊不帰ノ嶮・八方尾根はどう?と思うものの、ムーンライトもさわやか信州号も満席。じゃあ12,13日で谷川岳の馬蹄型縦走はどうかなと蓬ヒュッテへ電話すると12日は満員とのこと(当たり前か・・・)。

会津駒のレポが気になりつつも、帰宅するとこの数日間はどこへ行くか悩む。せっかく10日のムーンライト券があるのだからやっぱりこれを利用して、雨でも傘で歩け、予約なしでもOKの小屋があって、展望と紅葉がきれいで、混雑しない山はどこかなあ・・・などと夜になると何枚も地図を広げ悩んでいました。 が、あれこれ迷っているうちにすっかり疲れてしまい、もうどうでもよくなって来ました。 仕方ない。11日はレポ作り、12日早朝のあずさで八方尾根~遠見尾根にしようとほぼ決まり、一旦は落ち着きました。


が、10日の午後になって急に「もしかして涸沢予定の人も、私みたいに土曜日イヤになって、一日ずらしたりするかも知れない」と思いつきました。 紅葉の涸沢は平日行けるようになってからと思っていたので、今までは連休に行くなんて全く考えもしなかったけど、雨曇りじゃあ延期する人も多いに違いないと、とたんに気力充満。急遽穂高岳へ行くことに決め、張り切って10日のムーンライトに乗り込みました。

列車はやはり空席が目立ち、この分だと小屋はさほど混まないかも、とにっこりしていました。が、新島々からバスに乗って上高地で下車すると、なんと人いっぱい。雨はイヤだから一日ずらそうなんて、私みたいに軟弱な人はいないみたいでした。ごった返すバスターミナルで朝食を摂りながら皆さんが出発されるのを見送り、ある程度騒ぎが収まってから私も出発しました。


河童橋
【静かになった河童橋】

この時間になると河童橋も静か。
観光客も少なく、そぼ降る雨のなか、期待と不安を胸に進んで行きました。

明神館までは、うっすら色づいた木々を見ながら傘を差しての静かな道。

明神館を過ぎると雨も止んで、徳沢園ではうっすら日差しもあるくらいに回復して来ました。傘を干して休憩、ここまで来ると人も多くなってきます。
周辺はきれいに紅葉していました。

徳沢園
【紅葉の徳沢園】

横尾が近づくと、帰路の人たちとすれ違うようになりました。けっこう続いて団体さんが多い。やはり涸沢は平日でも人が沢山入るようです。「今日の小屋は1枚に5人、最終の食事は9時頃になるだろう。」と話しています。 ・・・仕方ない。ここまで来た以上、屋根があって食い物があればよしとしよう、と覚悟しました。


横尾
【大賑わいの横尾】

横尾に到着。
入山者下山者が入り乱れて大賑わいです。トイレも渋滞、徳沢園で済ませておいて助かりました。日差しも出てきたので、レインウエアー、ザックカバーなど干しながら簡単な昼食にしました。

涸沢へ向けて出発して行く人々をある程度見送り、落ち着いた雰囲気になってから私も出発しました。

横尾大橋を渡って出発。岩小屋跡を過ぎると左手には屏風岩が大きく迫ってきて、ダケカンバの黄葉がきれいです。

屏風岩
【屏風岩】

横尾谷は進むにつれ、紅葉もどんどん鮮やかになってきました。屏風岩の山裾には鮮やかな赤が点在、谷全体が色づいて、とてもきれいです。行く手の黄葉紅葉に、なんとも楽しい雰囲気になって来ました。


屏風岩
【屏風岩 山裾の紅葉】

紅葉の横尾谷
【紅葉の横尾谷を行く】

本谷橋
【賑やかな本谷橋】

ダケカンバの黄色がどんどん鮮やかになり、本谷橋が見えてきました。ここもまた賑やか。
丁度お昼なので休憩している人がいっぱい。

橋の上から振り返ると、真っ赤に染まったナナカナドの向こうに蝶ヶ岳が見えていました。

蝶ヶ岳
【本谷橋から見る蝶ヶ岳】

谷筋に沿った細い道に人の列。私も大勢の一人になって進んで行きました。奥に行けば行くほど紅葉もきれいになってきます。単独なのに、「わあ~きれ~い! わっ! あそこ、真っ赤!」などと一人で感激していたら、後ろの男性が笑いながら「上はもっときれいですよ。」と応えてくれました。紅葉の涸沢は大昔行ったことがあるけれど、あまりの混雑と眠気で景色など一部しか覚えていなかったので、こんなにきれいだとは思ってもいませんでした。


山肌の紅葉
【屏風岩 山肌の紅葉】

横尾本谷
【右手は横尾本谷】

ダケカンバの黄葉
【鮮やかなダケカンバの黄葉】

時々、人が途切れます。
体が染まりそうな黄葉のダケカンバの中を進んで行きました。

傾斜が増してきて、左手には13日に行く予定の屏風の耳が見えます。あそこから見る涸沢はどんなでしょう、楽しみです。

屏風の頭
【振り返り見る屏風の頭】
東稜
【北穂高岳東稜の紅葉】

右は北穂高岳の東稜。一般ルートの南稜はもう少し先です。


涸沢カールが大きく広がって来ました。稜線に雲がかかる奥穂高岳や涸沢槍も見えて来ました。
紅葉も素晴らしいけど、行列も素晴らしい・・・


行列
【カラフル行列】

奥穂高岳~涸沢槍
【奥穂高岳~涸沢槍】


分岐
【涸沢ヒュッテ←分岐→涸沢小屋】


涸沢槍と北穂高岳
【涸沢槍と北穂高岳】

本谷橋から涸沢まで顔がほころびっぱなしの2時間で、涸沢ヒュッテに到着。入口には「今日は布団1枚に3人」と掲示されています。5人じゃなくて、よかった。指定された部屋(仕切り)は別館で比較的新しい雰囲気です。4枚に単独女性4人と二人連れ2組の計8人で、覚悟していたより空いていてほっとしました。

遅くなって一人到着したので9人になりましたが、連休初日としてはマシな方だったと思います。行列歩きの時はどうなるかと心配でしたが、やはり雨曇りの天気を敬遠してマイカー登山の人の中には日をずらした人もいたのだと思いました。紅葉が目的なら、やはり青空が一番だろうなあと思います。


北穂高岳
【涸沢ヒュッテから見る北穂高岳】

ヒュッテ周辺を散歩。
明日はあの稜線を歩きます。

テント場は色とりどりで大賑わい。
これだけ多いと、何やらお祭り気分でちょっと楽しくなってきます。


テント村
【色とりどりのテント村】


食事の順番が来たのは7時。部屋単位なので、みんなお腹を空かせて食堂に向かいました。涸沢ヒュッテの食堂は山小屋とは思えないほどおしゃれ。食事も美味しく、和気藹々と楽しく頂きました。

食後、外に出てみると月がとってもきれい。
明日は予報通り晴天のようです。

夜のテント村は色とりどりにテントが灯って幻想的。向いの涸沢小屋の窓も煌々と明るく、北アルプスの山懐は心浮き立つ人々で満たされていました。


涸沢ヒュッテパノラマ売店
【夜の涸沢ヒュッテパノラマ売店】



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