三頭山

みとうさん(1524m)


広葉樹林に包まれた三頭山は都民の森から歩けば山頂まで近く、暑い夏には便利です。
今回は、まだ見たことのない三頭大滝に寄り、笹尾根を下ろうと思います。


2008.9.6
(土)
 都民の森三頭大滝三頭山槇寄山数馬峠笛吹峠丸山土俵岳浅間峠[上川乗]
曇り 09:25着
 09:30発
10:00
10:05
11:10
11:40
12:55
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16:00
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16:55着
17:10発



天気予報は相変わらず「大気の状態は不安定、急な雷雨に注意」とのことですが、ずっと山へ行ってなかったので、今日は朝から雨でなければ山を歩きたいと思いました。展望は期待出来ないので、緑深い山の空気に包まれたいと、三頭山へ行くことにしました。三頭山へ行くのは5回目だけど、都民の森から登るのは初めて。武蔵五日市駅8:22発の急行便は増発が出て2台で出発しました。来月は山岳耐久レースがあるようで、マラソン姿の人も多くいました。


数馬からはぐんぐん高度を上げて都民の森に到着。どこかにレンゲショウマは咲いていないかなと思いながら進んで行くと、早くも入口近くに見つけることができました。野草園のような雰囲気なのは仕方ないけれど、遅ればせながらでもレンゲショウマに会えて嬉しくなりました。たくさん咲いているわけではないけれど、可愛い蕾もまだ残っています。三頭大滝はまだ見たことがないので、今回は大滝経由で行きます。


レンゲショウマ
【入口近くのレンゲショウマ】

三頭大滝へ
【三頭大滝へ】


ソバナやシロヨメナなど見ながら足に優しいウッドチップの道を行くと滝見橋がありました。高度差のある立派な滝でしたが、下にも下りることが出来たらいいのにと思いました。

滝見橋
【滝見橋】

三頭大滝
【三頭大滝】

行き止まりの橋から戻って少し進むと分岐があったので、右の沢沿いの道へ入りました。今日は湿度が高いけれど沢は涼やか。何度か流れを渡りながら登って行きます。都民の森には色々な路が整備されていて、途中から「ブナの路」になりました。ソバナやヒキオコシなど咲いていて、周辺はレンゲショウマが咲いていそうな雰囲気でしたが、それらしい姿はありませんでした。


三頭沢
【涼やかな三頭沢】

ブナの路
【ブナの路へ】

尾根に出てムシカリ峠に着きました。ここからは尾根上を右へ進みます。途中できのこを採っている人がいましたが、きのこも食べられるかどうか知っていると楽しいでしょうね。

三頭山西峰の山頂に着きました。
今の時間は山頂もまだ静かで、単独男性が3,4人いるだけでした。富士山どころか北側の石尾根方面も何も見えないけれど、時々日差しがあるので奥の木陰ベンチで昼食。

そろそろ人も増えてきました。
さて、帰りは急な雨にいつでも下山できるようエスケープルートの多い笹尾根へ進みます。


三頭山
【三頭山 西峰】

カクカクぶななど広葉樹林の中を下り、さっきのムシカリ峠を通り過ぎて、さらに尾根を東へ進みます。避難小屋を過ぎてまもなく大沢峠に着きました。狭いながらも富士山が眺められる場所ですが、今日は何も見えません。


ぶな
【カクカクのぶな】

大沢山
【大沢山】

時々日差しがあり、早くも黄葉が散って秋の気配が漂っている道もありました。静かな山道を進み、やがて槙寄山に到着。ここは笹尾根の中でも大きく開けて富士山の展望もいい所。丸太ベンチがあって、休憩にぴったりの山頂ですが、今日は霞んで残念です。時々マラソン姿の人が一人二人走り抜けて行きます。


黄葉散る
【黄葉散る木陰道】

槇寄山
【槇寄山】

ツリフネソウの咲く濃い緑の森を進んで行くと、うつむき姿の白い花が見え隠れしていました。レンゲショウマ?と嬉しくなって近づくと、大樹の傍に2,3本が寄り添うように咲いていました。なんて可愛いんでしょう。思いがけず出会えた数輪のレンゲショウマ。ひっそりと咲く姿が森の宝物のように思えました。


レンゲショウマ
【レンゲショウマ】

レンゲショウマ
【レンゲショウマ】

笹尾根
【笹尾根 笹ヶタワ峰付近】

エアリア地図には「夏場は笹に覆われて歩きにくい所あり」と記されていたので、笹尾根の中で笹ヶタワ峰前後は歩いたことがありませんでした。その箇所を夏場に歩くことになってしまい、どんなかなと思いましたが、田和分岐を過ぎて確かに笹はあるけれど、世代交代したのか丈は低く、むしろいい感じの笹道です。


明るく開けた峠に出ました。上平と数馬の分岐で、それぞれの名前で呼ばれる峠のようで道標には二つの名前が記されていました。ここも開けて展望も良さそうな所なので、天気がよければ富士山が見えるのでしょうか。

地図を見ると、6,7年前にこの分岐から数馬へ下りたことがありましたが、こんなに明るくなかったしベンチもなかった記憶。数馬への下りでは新緑のカラマツ林が印象に残っていて、キャンプ場の中に着いたと思います。

数馬峠・上平峠
【数馬峠・上平峠】

時々右側は植林になって熊笹の道はむしろこの先が多く、やがて下ったところが笛吹峠。「大日」と刻まれた石が置かれていて、昔の往来が偲ばれる静かな峠です。


笹尾根
【笹尾根】

笛吹峠
【笛吹峠】

熊笹の道は続き、所々に黄葉が散って奥多摩の山にもそろそろ秋の気配が漂ってきています。丸山は樹林に囲まれた展望のない山で、あまりピークっぽくない山頂です。


秋の気配
【秋の気配の笹尾根】

丸山
【丸山】

アップダウンを繰り返して土俵岳に着きました。ここも樹林に囲まれていますが、しばし休憩。
その先下った日原峠には、中央に静かなお地蔵様が佇んでいます。お陰さまで浅間峠まで雨も降りそうになく、手を合わせて先へ進みました。


土俵岳
【土俵岳】

日原峠
【日原峠】

下に東屋が見えて来て、浅間峠に着きました。
洞のある大木が二本立ち祠が祀ってあります。

今日は雨にも降られず可愛いレンゲショウマにも会えてよかったなあとここでも手を合わせベンチで休憩。ここも雰囲気のある峠で、東屋もあって休憩にいいところです。


浅間峠
【浅間峠】
レンゲショウマ
【レンゲショウマ】

あとは上川乗のバス停まで下りるだけ。
途中、右に伸びるトヤド浅間への道はここかななどと思いながら下っていくと、なんとまたレンゲショウマの白い花が見えて来ました。ここも数本あるだけですが、見送るように咲いていてくれて感謝。

少しずつでしたが今日は3箇所でレンゲショウマを楽しむことが出来て嬉しくなりました。


尾根から外れて九十九折れの急下りになると、今度はタマアジサイがずっと咲いていました。大きな蕾から開いたばかりのような花もあって、晩夏の森を涼しく飾る爽やかなブルーです。


タマアジサイ
【タマアジサイ】

タマアジサイの道
【タマアジサイの道】

車道に下り立ち右へ行くとバス通りで、更に右へ行くと屋根つきのバス停がありました。時刻表を見ると次は17:23。まだ30分もあるのでザックを広げてゆっくりティータイムにしていたら、17:10頃突然バスが停まりました。見れば「急行武蔵五日市駅行」。慌ててザックにあれこれ放り込んで乗り込みました。時刻表には記載されていませんが、このバス停は急行も停まってくれるようです。


三頭山からはエスケープルートの多い笹尾根でしたが、雨での途中下山もなくて済みました。久し振りの、緑豊かな山の空気を味わいながらの尾根歩きは気持ちよく、森の中にひっそりと咲くレンゲショウマにも出会えていい一日でした。


 三頭山の花々



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