北八ツ散策 天狗の奥庭~高見石


平成20年2月10日~11日

2008.2.11
(祝)
 しらびそ小屋中山峠天狗の奥庭黒百合
ヒュッテ
ニュウ分岐中山中山
展望台
高見石渋ノ湯
快晴 07:30発09:10
09:20
09:40
10:20
10:30
10:35
11:0011:10
11:20
11:25
12:00
12:45
13:15
14:15着
14:57発



氷花
【窓に咲いた氷花】

今日も快晴。外の気温はマイナス18度。
窓には自然の芸術、氷の花が咲いていました。

天狗岳が赤く染まるのを楽しみにしていましたが、今朝はあまり朝焼けしませんでした。
でも素晴らしい、朝日に映える天狗岳です。

鮭やトロロの朝食のあとはコーヒーも出ます。美味しくいただき、お湯(100円)をポットに入れて出発です。しらびそ小屋夫妻にご挨拶、奥さんが入り口まで送ってくれました。

天狗岳
【朝日を受けた天狗岳】
しらびそ小屋
【しらびそ小屋  出発】

しらびそ小屋とみどり池に別れを告げて出発。
いつか、また来ます。

朝の清らかな光に照らされた天狗岳は一段と明るく、白銀に輝いていました。
神々しい白峰に、今日の晴天を感謝して出発。

天狗岳
【白銀に輝く天狗岳】
中山峠分岐
【中山峠分岐】

すぐ先の分岐では、どちらもトレースはしっかりついています。本沢温泉への道を分けて右の中山峠へ向かいました。

シラビソやダケカンバの混じる樹林帯を行くと、右手には稲子岳の絶壁が大きく見えてきました。

やがて急登が始まります。今回ルートの一番の斜度。下山して来た人達のシリセードの跡もありますが、脇にステップのトレースもあって登る人はこちら。サラサラと崩れやすい急坂を一歩一歩登って行きました。

稲子岳
【稲子岳】
中山峠
【中山峠】

岩のある中山峠に到着。東側の山々を見ながら、しばし休憩です。

昨夜の常連さんの話では、今日の天狗岳ならピッケルなしでも大丈夫とのことですが、今回は北八ツ散策が目的だったのでここからは楽しい散歩道です。

黒百合ヒュッテの前を通り天狗の奥庭への雪に埋もれた短い岩ゴツゴツを登って行きました。

登るにつれ展望が開け、だんだんアルプス方面が見えてきます。

黒百合ヒュッテ
【振り返り見る黒百合ヒュッテ】

上がった岩場の上一帯が天狗の奥庭。
ここから見る天狗岳、東峰は岩稜の山頂、西峰はまろやかな山頂と、
それぞれ個性的です。天狗の鼻には雪も少ない。

天狗の奥庭と天狗岳
【天狗の奥庭と天狗岳】

雪で覆われた露岩混じりの広々とした雪原の向こうに中央アルプスや御嶽山
乗鞍岳や北アルプスの白い稜線が横一列に、ずーっと見渡せています。 
うす雲が多いのにすっきり見えて、なんて素晴らしいんでしょう!
あの端まで行けば更に眺望は開けるので、あそこでゆっくりしましょう。

天狗の奥庭から
【天狗の奥庭からアルプス方面】

穂高連峰から槍ヶ岳。手前の常念岳もくっきり白い。
表銀座の先、針ノ木岳や鹿島槍、五竜岳や唐松岳まで見えています。
白馬三山だけは、白いベレー帽のような蓼科山に隠れていました。

北アルプス
【穂高岳~唐松岳の北アルプスと蓼科山   手前に霧ヶ峰~美ヶ原  】

今日は風もなく暖かい。早朝の小屋の温度計はマイナス18度だったけれど、今はマイナス8度。この時期としては本当に暖かい。空も春のように水色っぽいのに、空気は澄んでいるのか遠望は素晴らしく利いています。岩場に腰掛け、ココアタイム。ゆっくり景色を楽しみました。

次は中山展望台へ。
黒百合ヒュッテに戻りトイレを拝借。ここは200円で、ちょっと高め。


中山峠に戻り、中山へ向かいました。北八ツらしい雪の森を進んで行きます。


北八ツの雪道
【北八ツの雪道】
ニュウ分岐
【ニュウ分岐】


ニュウの分岐。ここで休憩中の二人連れが「ニュウまではトレースがあるけどその先、白駒池まではないらしく、さっきの団体さんもニュウまで行って引き返して来ましたよ。」と話してくれました。

ニュウは夏に行った事があり、眺めもいいけど、なんといってもシラビソ林の苔が美しい。この分岐からニュウまでと、ニュウから白駒池までとは雰囲気が違っていて、ニュウから白駒池までの苔は素晴らしいです。今回はパス。お礼を言って、真っ直ぐ中山へ進みました。

真上は抜けるような青空。
輝く白い雪を踏みしめて中山へ。


中山へ
【中山へ】

山頂近くになると東側が大きく開けて、遠くに浅間山らしい山と連なる山並みが見えます。

浅間山方面
【浅間山方面】

中山 山頂
【中山 山頂】

中山山頂は、ただの通過点のようなお気の毒な山頂です。


すぐ先で大きく開けた中山展望台に着きました。ここも眺めのいい所。
岩ゴロゴロの広い台地ですが、今は雪に埋もれています。
踏み跡のある岩場で、昼食タイム。
目の前には北横岳や縞枯山、振り返れば天狗岳がいます。

北アルプス方面
【中山展望台より北アルプス方面】


中央アルプス方面
【中山展望台より中央アルプス・入笠山方面】

昼食後、次は高見石へ向かうことにします。展望台から先は急な下り。夏は歩きにくい印象でしたが、今は雪でサラサラ下れます。樹林帯の中で見晴らしも良くないので、ひたすら下るだけ。正面に浅間山が見え隠れしていました。

緩やかになると枯れ木も目立ち始め、やがて高見石小屋に着きました。

すぐ横の高見石に登ってみます。ここも大きな岩がゴロゴロ積み重なったような場所ですが、雪に埋もれていて登るのも簡単。無雪期のように岩を選んで歩く必要もなく直登出来るので早い。


高見石小屋
【高見石小屋】

狭いピークですが眺めはいい。下の白駒池にテレマークスキー(?)のラインが走っています。近くにいた人たちが「あれが荒船山、向こうに見えるのは西上州の山々だね。」と話していましたが、私にはなんのことやら・・・

高見石より
【高見石より縞枯山~白駒池   遠くに浅間山】

賽ノ河原
【振り返り見る賽ノ河原】

高見石小屋に戻り、後は渋ノ湯へ向かうだけです。この道は初めて。しばらくは樹林帯ですが、やがて明るい賽の河原に出ました。

広い岩ゴロゴロの斜面で、雪がなければ歩きにくそうなところですが、今は雪があってトレースもしっかりついているので却って歩きやすくなっていました。登りの場合だと、モロに雪焼けしそうなところです。

後は樹林帯をダラダラ下って行き、沢沿いになると渋ノ湯も近い。

樹林帯
【雪の樹林帯】
渋ノ湯
【渋ノ湯からの登山口を振り返る】

黒百合ヒュッテから下りて来る道と合流し、橋を渡れば渋ノ湯です。


バス停には既に15人ほどの列が出来ていました。松原湖駅からしらびそ小屋へ迎えの車でも一緒だった中高年のご夫妻も並んでいて、「天狗岳はピッケルなしでも大丈夫でしたよ。」とのお話に、いつか私もストックだけでも大丈夫そうな日に行ってみたいなと思いました。 トイレは少し先の駐車場脇にあります。


冬の北八ツといっても、私は風のない晴天の日しか行けませんが、とても気持ちのいい雪道歩きが出来ました。冬なら静かと思ったしらびそ小屋ですが、週末はそれなりに人が入るようです。それでも連休の二日目だったので土曜日より静かだったとのこと、トレースもしっかりついていたので助かりました。素晴らしい晴天と展望に恵まれ、またいつか来たいと思いました。



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