大岳山

おおたけさん(1266m)


奥多摩駅から直接 大岳山へ向けて登る鋸尾根、
大岳山から五日市駅方面へ延びる馬頭刈尾根、
長いけれど、全体は緩やかな尾根道を歩いて来ました。


2007.9.22
(土)
 奥多摩駅休憩鋸山大岳山大岳山荘富士見台つづら岩鶴脚山馬頭刈山軍道[十里木]
晴れ 07:46着
 08:00発
08:55
09:05
10:35
10:45
12:00
12:50
13:05
13:10
13:50
14:05
14:3015:15
15:20
15:40
15:50
17:0017:16着
17:16発



この連休こそは小屋泊まりでどこかへ行きたいと思っていたけれど、予報では日曜日は雲が多くなるとのこと。また真っ白の山は・・・ 一人歩きは気楽だけど、迷い出すと止まらない。
土曜日の朝になっても決められず悩んでいたら、それだけでもう疲れてしまいました。結局泊まりは諦めて、久し振りに駅から歩ける大岳山へ行くことになりました。


多摩川
【台風で濁った多摩川】

奥多摩駅を出て南へ進み昭和橋から多摩川を見下ろすと、水量は少なくなっているものの台風9号の影響で水は濁っています。

今回の台風で奥多摩は記録的な大雨となり、沢筋では土砂崩れや登山道流出などの被害が出ているそうですが、尾根上はあまり影響がないようです。

昭和橋の先、右手の登計園地入り口が登山口。
少し行くと松の木が数本道をふさぐように倒れていましたが、通行には問題ありません。
その先は例の長い階段です。急なのでゆっくり登って行きました。

長い階段
【長い急階段】

上の愛宕神社から一旦下って林道に合流、登計峠の先の道標から右へ上がります。なお海沢方面へ向かうこの林道は「台風災害のため全面通行止め」の札が掛かっていました。


落ち葉がいっぱい
【植林は落ち葉がいっぱい】

植林帯をジグザグに登って行くと、散乱した杉や檜の葉がいっぱい。もう2週間経っているので登山道の葉は踏まれてしんなり変色していますが、林の下は一面まだきれいな緑色です。


やがて尾根に上がり、雑木林に出たところでしばし休憩。今日は嬉しい青空だけど真夏日の予報。木陰の道とはいえ急登はやはり暑い。この先からは露岩が多くなり、鉄梯子を上ると天狗の石像2体と小さな祠のある岩場に出て、ここは狭いけど見晴らしのいいところです。

やがて梯子コースと鎖場コースの分岐。右の鎖場コースは短いけれど、ちょっと面白いので登る時はいつもこちらからです。


鎖場コース
【短い鎖場コース】
六ツ石山方面
【六ツ石山方面】

この岩場の上からは六ツ石山が目の前。ハンノキ尾根や途中の集落、伐採地、隣の榧ノ木尾根など見え、見晴らしのいい所なのでここでもしばし休憩。


手入れされた植林と自然林が交互に現れ、急登が続いて、やがて三角点のある1047m点に出ました。が、ここは周りの木立も高くなり、今は展望はありません。

行き止まり(天地山)分岐を過ぎ、大ダワ分岐を過ぎて、さらに急登で鋸山に到着しました。
植林と雑木に囲まれていますが、休憩にはいい所で男性一人が休憩中。

この先、露岩の急下りで反対側の大ダワ分岐に出ました。


鋸山
【鋸山】
小笹道
【小笹の道】

その先からが今日のメイン。
道も緩やかになって、やがて小笹の道になって来ました。鋸山から大岳山へかけてのこの稜線は、とても気持ちのいい道が続きます。

今日は人も少なく静か。
この道は鋸尾根で一番のお気に入り。

小笹道
【気持ちのいい小笹道】
岩の急登
【岩の急登】

やがて馬頭刈尾根への巻き道分岐を過ぎると、ここからまた急登が始まります。露岩が多くなり短い鎖場の先、一旦緩やかになって海沢からの道が合流すると山頂もすぐです。

大岳山 山頂に到着しました。
今日は晴れていても雲が多く、周りの山々は少し見えるくらいで富士山は見えません。大岳山はいつ来ても人の多い山ですが、今は12,3人くらいで、やや少なめ。

ずっと木陰道でしたが、日の当たる山頂は暑い。誰もいない西の木陰広場でお昼にしました。木々の間から見上げる空は青く、涼しい風も通って気持ちいい。少しずつ人も増えて来ました。

大岳山
【大岳山】

午後は大岳山荘に向かい、大岳神社でご挨拶。周辺は青いカメバノヒキオコシがいっぱい咲いていました。山荘横の展望台から目の前に広がる馬頭刈尾根を一望。緩やかな長い尾根がずっと続いています。今日は天気も続きそうなので、久し振りにこの尾根を下ることにしました。展望台には公設トイレがあるので拝借して出発。

馬頭刈尾根
【大岳山荘横の展望台から望む馬頭刈尾根】

ベンチ
【ところどころにベンチ】

大岳神社の鳥居前から左へ回り込み、馬頭刈尾根へ進みました。ここからは誰もいません。

木陰道が続き、ところどころにベンチもあります。富士山も見えるはずですが、今日は残念。

白倉分岐で右への道を見送り、少し行くと大滝分岐がありました。左へ下る大滝への道には「台風9号にて歩道流失、通行止め(大滝方面)」と書かれた札が掛かっていました。やはり沢筋は被害が多いようです。

大滝方面、通行止め
【大滝方面、通行止め】

この先にもベンチがありました。この尾根は所々でちょっと木々が途切れ西側の展望がいいのですが、今日は周辺の山並みが見えても富士山は見えません。


富士見台
【富士見台から望む大岳山】

やがて短い段々の上に東屋が見えて来ました。ここが富士見台。富士山はあいにくですが、今来た大岳山がよく見えています。ここは日差しがいっぱいなので東屋でしばし休憩。

今日はこの馬頭刈尾根を歩く人はいないのかなと思っていたら、ひとり段々を上って来る人がいます。


鋸山で休憩していた単独男性です。が、この男性、ラジオを聴きながらの山歩きです。誠に申し訳ないのですが、私は山でのラジオはとても苦手。せっかくの山、小鳥の声や風や葉の自然の音に耳を傾けながら歩きたいので、ラジオから聞こえて来る賑やかなおしゃべりや笑い声はなんとも・・・   熊除けのラジオなのかも知れませんが、熊も忍者ではないのだからそれなりの気配が伝わってくるのではないか、周りの音に耳を澄ましていて何か感じたらラジオをつけたらいいのではないか、などと熊の怖さを知らないからかも知れませんが、山でのラジオはなんとも苦手です。上がって来る姿を見て、私は慌てて出発しました。

すぐ横に延びた植林の尾根を下り始め、5分ほどしてハタと気づきました。ちょっとヘン。確か次はつづら岩で、あまり勾配はなかったはず。私はなんで下っているのと思い地図を見れば、なんと南の尾根を下っている。その名も「小怒田ノ尾根」! ”私って、怒ってたの?” ”いえいえ、そういう訳では” 思わず笑ってしまい参ったなあと思いながら登り返しました。やれやれ。

戻った東屋にはもう誰もいませんでした。よく見ればちゃんと道標もあるのに、全くどうかしていると思いながら、つづら岩へ向かいました。少し先で梯子と岩場の急下りが終わるとつづら岩の下に出て、ここからは右へ天狗滝・綾滝への道が分岐しています。通行止めの札はないので行ってみようかなと一瞬思いましたが、沢筋は不安があるので直進しました。

見上げるつづら岩。子供の頃、ジャングルジムや木登りは大好きでした。でも、クライミングはやっぱり怖そう。私には無理。


つづら岩
【つづら岩】
鶴脚山
【鶴脚山  標柱】


この先も緩やかな道で小さな上下があるだけ。明るい自然林の中、茅倉・千足バス停分岐を過ぎちょっと登ると鶴脚山の標柱がありました。木立に囲まれ展望はありませんがしばし休憩。

更に緩く登って行くと、植林の中に奥多摩でよく見かける手作りの山名札が掛かっていました。標柱のあった地点よりこちらの方がやや高いので、ここが本当の「鶴脚山の山頂」かも知れませんが、植林の中なので ”山頂の場所”として公設標柱を立てるにはさっきの所が適当だったのでしょう。でもこの山名札は温かみがあって、ほっとします。

また下って、次に登り返すと馬頭刈山の山頂に着きました。さっきのラジオさんが休憩していましたが、最後の山なので私も別のベンチで休憩タイムです。


馬頭刈山
【馬頭刈山 山頂】
大岳山
【馬頭刈山から望む大岳山】

この山頂からは大岳山がよく見え、葉のない頃ならこちらへ延びる馬頭刈尾根がずっと見渡せるのですが、今の季節は木々に隠れています。


10分後、ラジオさんはまだ休憩のようなので先に出発しました。ここからは植林で、しばらく緩やかに下ると高明神社跡。大木を見上げたりしていたら後ろから足音が近づき、大急ぎでラジオさんが通り抜けて行きました。きっと軍道16:38発のバスに乗る予定なのでしょう。私は下りは苦手、十里木(じゅうりぎ)まで行けばバス便は多いので、ゆっくり下りました。

高明神社跡からは急な下りになります。途中に台風で倒された大木が道を塞いでいましたが、脇を通れば問題なく通過できました。


倒木
【台風による倒木を振り返る】

未舗装の林道に下り立ち、向かいに続くショートカットの山道に入ります。少し先でもう一度林道を横断。沢沿いの細い道を下って行くと、車道に出ます。後は道標に従ってバス通りに向かいました。軍道バス停の次のバスは17:53。右へ15分ほど下れば十里木バス停に出るので、そのまま右へ折れました。


秋川
【秋川はあまり濁っていない】

落合橋から見る秋川は比較的きれいでしたが、小河内ダムの水の濁りが取れるまで多摩川の水はしばらく濁ったままのようです。

17:16か17:22のバスに乗れればいいかなと思っていたら、十里木交差点でバスがちょうど赤信号で止まっていました。優しい運転手さんのお陰で乗せていただけて感謝です。



今回歩いた鋸尾根と馬頭刈尾根は長い尾根ですが、全体は細長い台形の山並みで、急坂なのは最初の鋸山までの登りと最後の高明神社跡からの下り、大岳山直下だけ。あとは緩やかで小さな上下があるだけの木陰が続く尾根道で、大岳山と山荘の間以外は人も少なく静かな山歩きが出来ました。



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