唐松岳

からまつだけ(2696m)


唐松岳は、北アルプス北部の山々の展望がすばらしい山です。
焼岳では南部の山を眺めたので、今度は北部の山を見たいと思ったのですが・・・


2007.9.8
(土)
 八方池
 山荘
八方池扇雪渓2554m点唐松山荘唐松岳丸山ケルン第3ケルン八方池
山荘
曇り 08:00着
 08:05発
09:00
09:10
10:00
10:10
11:05
11:15
11:30
12:05
12:25
12:45
13:30
13:40
14:35
14:45
15:25着
15:35発



ムーンライト信州号は八王子駅0:40発ですが、今日は大月あたりで機関車故障(だったと思う)があったらしく中央線は一時運転見合わせで大幅に遅れ、電車が来たのは1:20でした。車内は台風一過の晴れを期待した登山者で満席。隣の席の中高年女性も八王子から乗り込み、白馬で下車し八方池散策の予定とのことでした。

それでも白馬駅には定刻の5:35頃到着。天気は期待に反して雲が多い。前回唐松岳に行った時も朝は晴れていたのに上では展望がなく残念でした。今日も無理そうですが、まあ高山の空気を吸えればいいかと、気を取り直してバス停へ。席が一緒だった女性に駅前の白馬館だとゴンドラリフト往復券が安いと教えていただき、2600円のところ2260円で購入でき嬉しくなりました。バスは5:45発です。


朝顔
【日本の夏  朝顔】

6,7分で終点の八方に着きゴンドラ乗り場へ向かう途中、軒先につるを伸ばした朝顔が青い花をたくさん咲かせていました。

子供の頃は毎年、庭に咲いた朝顔を見て「今日はいくつ咲いた」などと喜んでいましたが、最近はどこでもまったく見かけません。とても懐かしく、これぞ日本の夏の朝という感じです。


15分ほど歩いてゴンドラ山麓駅に着きました。始発は7:30なのでたっぷり時間があり、この間におしゃべりしながら二人で朝食にしました。やがて運転開始したゴンドラとリフト2本を乗り継いで30分、第1ケルンのある八方池山荘まで上がって来ました。立派なトイレと小さな売店があります。ここで周辺散策の女性とはお別れです。いろいろありがとうございました。またどこかでお会いしましょうね。

岩ゴロゴロの道を登って行くと白馬方面の案内板がありました。が、今日は残念雲いっぱい、案内板を見て想像します。


白馬方面
【白馬方面】
遠見尾根方面
【遠見尾根方面】

遠見尾根方面も雲に隠れて何も見えません。
タムラソウがいっぱい咲き、ウメバチソウやカライトソウもあちこちに見えます。

ケルンが次々現れます。
向こうに見えるのは不帰ノ嶮。

第2ケルン
【第2ケルン】
第3ケルン
【第3ケルン  右下に八方池】

八方ケルンを過ぎると、やがて右下に八方池が見えて来ました。次の第3ケルンの先から八方池に下ります。

小さな池で、晴れていれば水面に映る白馬の山々も素敵なんですが、今日は残念です。

八方池
【八方池】
ダケカンバ
【ダケカンバ帯】

八方池を過ぎるとダケカンバ帯に入ります。ここの木は比較的真っ直ぐで、大木も多い。

下ノ樺からは花も多くなりハクサンシャジンが見頃、カライトソウもまだ咲き残っていました。更に登って行くと、タムラソウが群生しマツムシソウやトリカブトなど咲いていました。

カライトソウ、トリカブトなど
【晩夏の花たち】

上ノ樺になり、まもなく扇雪渓に出ました。人がいっぱい休憩しています。すっかり小さくなった雪渓を見ながら、私も休憩。雪渓入り口にはイチゴの木や小さな赤い実をいっぱいつけた木がありました。


ダケカンバ
【大きくたわんだダケカンバ】

雪渓の上からはダケカンバも雪の重みで大きくたわんでいます。ダケカンバのしなやかさ、力強さが素晴らしい。

樹林帯を抜けると、左下に先程の扇雪渓が見えました。これ以上小さくならずに秋を迎えるのでしょうね。

扇雪渓
【扇雪渓を振り返る】
丸山ケルン
【丸山ケルン】

ハイマツ帯になり、ところどころにダイモンジソウやタテヤマリンドウなど夏の花がまだ咲いていました。そろそろ赤い実になると思われるゴゼンタチバナもまだ白い花を咲かせていて、ちょっとびっくり。この辺りは最後まで雪が残っていたのでしょうか。

丸山ケルン。ケルンはここが最後です。
相変わらず展望なし。


オヤマリンドウをあちこちに見かけるようになってきて、2554m点でしばし休憩。ホシガラスが忙しそうに飛び回っていました。少し先からは落石注意の山肌をトラバースです。

ガスが濃くなり前方の見通しが悪いなか、ようやく唐松山荘が見えて来ました。

山荘前には人がいっぱい休憩中。唐松岳山頂での昼食を予定していたけれど、山頂どころか姿さえ真っ白で何も見えません。今日はもう山頂に行かなくてもいいかなと思いながら、私もここのベンチでお昼にしました。


唐松山荘
【唐松山荘が見えてきた】
唐松岳は真っ白
【唐松岳は真っ白   コマクサは終わり】

食後、隣の人とおしゃべりしていると山頂へ向かう人もいる。とりあえず私も行ってみようかなと、気を取り直して出発しました。

コマクサはすっかり枯れ果てていましたが一つだけ1,2輪咲いている株があり、今年は見れないと思っていたのでとても嬉しくなりました。


唐松岳山頂に到着。しかし、何も見えない。後ろの山荘もガスの中。標柱で記念写真だけ撮ってしばらくうろうろしていたら雲が切れ始め、一瞬周りの山々がチラッと見えてきました。

展望は諦めていた人達もみんな立ち上がり、ちょっと興奮。あれが立山、あれが剱、と見えるはずの山の一部をわずかでも見ることが出来て嬉しくなりました。

晴れの日なら当然のように見る山々の景色ですが、ガスの中で見る一瞬の雲間はとても嬉しく、ほんのわずかなでも何だか有難く感じてしまいます。

青空さえ見える!


唐松岳山頂
【唐松岳山頂  12:33 一瞬の雲間】
唐松岳山荘
【唐松岳山荘も見えた!】

ここからの五竜岳も迫力があって素晴らしいはずですが、そちら方面は見えません。下の山荘が見えただけでも嬉しい。

でも、たった2,3分でまた雲に隠れてしまいました。

あとは来た道を戻るだけ。トラバース道も少し先が見えていました。なるほど落石注意、けっこう岩ゴツゴツの山肌です。

トラバース
【落石注意のトラバース】
ベニバナイチゴの実
【ベニバナイチゴの実】

丸山ケルンでしばし休憩。

扇雪渓まで戻るとさっきのイチゴが相変わらずいっぱい。少し食べてみると酸っぱくちょっと苦い。あまり美味しくはないけれど、野趣豊か。農薬のないイチゴだからと、3,4粒食べました。少しはビタミンCもあるかしら。


小さな可愛い実も食べてみました。苦いイチゴのあとだったからか、ほんのり甘く爽やかな味。美味しいと言ったら、近くにいた人に「それ、オオヒョウタンボクの実で毒があるようですよ。」と言われ、びっくり。

確かに小さな瓢箪の形をしています。でもけっこう美味しかったなあと思いつつ、残念ながらそれ以上は食べませんでした。その人がいなかったらもっと食べていて、その後はどうなっていたのでしょう。感謝。

オオヒョウタンボクの実
【オオヒョウタンボクの実】

ほんのり秋色
【ほんのり秋色】

下ノ樺まで戻って来ました。ナナカマドも赤くなり始め、そろそろ秋色です。

ガスの中からチラッと見えた八方池を見ながら第3ケルンで休憩。やがて下に八方池山荘が見えて来ました。


帰りは八方バス停16:30発の新宿行き。時間はあるので、売店でブルーベリーソフトを食べてからリフトに乗りました。

八方池山荘
【下に八方池山荘】

唐松岳へは6年前にも夜行日帰りで行っています。これが出来れば足もほぼ順調、次は小屋泊まり山行も考えていいかなと思っていました。今日は展望なしの山行だったけど、足のトレーニングと高山の空気が吸えたので、よしとしましょう。無事に下山できて感謝です。


 八方尾根・唐松岳の花々



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