焼岳

やけだけ(2455m)


焼岳は今も活動中の活火山ですが、北峰への登山は可能。
噴気口の上の山頂からはとても素晴らしい展望が広がっています。


2007.8.25
(土)
 [大正池] 焼岳
登山口
休憩焼岳小屋展望台焼岳展望台休憩[上高地]
晴れ 05:50着
 06:15発
07:3008:05
08:15
09:40
09:50
10:00
10:05
11:10
12:05
13:00
13:05
14:15
14:20
15:25着
16:00発



今年の夏の猛暑は、ただごとではない。飯盛山も霧ヶ峰も高原ではあるけれど、やはり夏は北アルプスの爽やかひんやり山の空気を胸いっぱいに吸いながら、遠くの稜線を眺めたい。週末の天気予報は晴れマークが並んでいる。御岳山の往復で足が大分良くなっていたのが分かったので、思い切って行ってみようと北アルプスの地図を広げました。


夜行でもいいから日帰りで、 標高差は1000m以内、 北アルプスの稜線がぐるっと見渡せるピークで、 アクセスは簡単。 という条件を満たす山で、私が行けそうなのは・・・まだ利用したことのないロープウエイからの西穂独標か、ちょっと外れた位置の焼岳。焼岳は4年前に行って素晴らしい展望に感激した山ですが、あまりの強風に砂塵が舞い上がり目が痛くてゆっくり眺望を楽しむことが出来なかった山です。

バス会社に問い合わせると、新穂高温泉の往復はもう満席で西穂は無理。でも、いっぱいだろうと思ったさわやか信州号の上高地往復が取れました。よかった、よかった。足に不安があれば焼岳展望台から笠ヶ岳や穂高、霞沢岳など周りの稜線を眺めるだけでもいい、ともかく行ってみようと出かけました。
8月最終の週末、都庁下のバスターミナルから発車する乗鞍、上高地行きのバスは5台です。



大正池
【大正池】

今日は行程に少し余裕があるので、大正池で下車。東京の暑さが嘘のように涼しく気温は11℃。今朝はいつもより下がったそうです。何枚か着こんで車道を少し戻り、釜トンネルから出て最初に穂高と大正池が見えてくる地点まで行ってみました。

若い頃に見た立ち枯れの木は殆どなくなってしまいましたが、初めて上高地に訪れた時に見て大感激した景色です。
あれ以来、どんなに人が多くても観光地になったとしても、穂高岳の崇高さに変わりなく、静かな大正池の水面に漂う山の精気に変わりなく、やっぱり上高地は私の好きな場所です。

そぞろ歩いて大正池バス停に戻り朝食。朝日の当たった焼岳を左に見ながら田代池へ向かいました。

荒れたガレ岩山の印象でしたが、この季節に見ればずいぶん上まで緑が広がっていました。焼岳の右のちょっとした高みが展望台で、今日の第一目標です。

焼岳
【大正池から見る焼岳】

田代池にもちょっと寄ってみましたが、早朝は日が当たらずちょっと暗い感じ。田代湿原から見る穂高岳は、稜線がようやく明るくなって来ました。すっかり遊歩道になった木道の両側にはノコンギクやキオンがいっぱい咲いています。


梓川と焼岳
【梓川と焼岳】

梓川の畔を進み、焼岳を振り返りながら田代橋と穂高橋を渡ると右岸の林道に出ます。正面は東屋のような門のある西穂高岳登山口です。

焼岳へ向けて林道を左へ進んで行くと、林の中に猿の親子がいました。母猿からちょっと離れた木にいた子猿は私を見てソワソワオドオド、パニック状態で何ともほほえましい。
「おはよう! 大丈夫、食べたりしないから。」と声を掛けると、木にしがみついたまま不安げな可愛い瞳でこちらをじっと見つめています。動物も人間も赤ちゃんはほんとうにかわいい。

小猿
【おはよう! オドオド子猿さん】
焼岳登山口
【焼岳登山口】

広い砂利道を10分ちょっとで、右手に焼岳登山口が見えて来ました。ここからは樹林帯で、途中にトチノキの大木がありました。

ところどころ大きな岩もあるシラカバの林の中を登って行きます。緩やかで涼しい林でも登れば暑い。途中、狭いけど丸太のあるところで休憩。

シラカバ林
【シラカバ林の登山道】
噴煙
【笹草地の明るい道】

その先から梯子が幾つか現れるようになります。
やがて樹林帯を抜けると夏の日差しの明るい草地になり、後ろに霞沢岳が大きく見えて来ました。

前方右手に見える絶壁を回り込めば焼岳小屋のはずです。

最後の梯子はほぼ垂直で一番長い梯子ですが、この2,3ヶ月は緩やかな山ばかりだったので、ほどよい緊張感も楽しく嬉しい。

この先は強い日差しのなか草地のジグザグ急登で、黄色のアキノキリンソウがいっぱい咲いていました。

最後のはしご
【最後のはしご】
焼岳小屋
【焼岳小屋】

緑の屋根が見えて来て、焼岳小屋に到着しました。
前の大岩が光線の具合でオブジェのように見え面白い。日陰のベンチでしばし休憩。行き交う人も多い小屋でした。


展望台に向かうとすぐに飛騨側の稜線が見えて来ましたが、笠ヶ岳から弓折岳西鎌尾根方面はちょうど稜線を隠すように横一列に雲が広がっています。山肌はすっきり、上空も青空なのに稜線だけ隠れて残念です。

焼岳展望台に着きました。足はまったく問題なく順調なので、噴煙の見える山頂まで行くことにしました。向こうから20人ほどの団体さんが下りて来ます。

旧中尾峠の横にある岩塊。
4年前、この左手の岩陰には強風を避けて数グループが固まって食事していたので、私もここで昼食にしました。あの日は大人気の岩でしたが、今日は誰も見向きもしないただの大岩。”あの日はありがとう” と言って通り過ぎました。


焼岳山頂
【旧中尾峠の大岩と見上げる焼岳山頂】

少し先からはゴロ石ガレ岩の急登。上から人が下りて来ると、その都度「どうぞどうぞ♪」と言って道を譲り、しばし休憩。足は痛くないけれど、久しぶりの急登に息がついていきません。


焼岳山頂直下と噴煙
【焼岳山頂直下と噴煙】

ようやく北峰直下に出ました。反対側の中ノ湯方面から登ってきた人はここで初めて穂高方面の大パノラマを見ることになり、私も前回は大感激しました。

硫黄の臭いと、ゴォーッという大きな噴出し音を聞きながら、噴気口の下の温かい岩を登って行けば山頂です。


焼岳山頂に着きました。ここからの展望はやはり素晴らしく、笠ヶ岳〜双六岳〜槍ヶ岳〜穂高岳〜梓川〜霞沢岳の大展望が広がっています。が、相変わらず稜線は雲に隠れ残念。でも遠くの峰々から吹き渡ってくる爽やかな北アルプスの風に、やっぱり登って来て良かったとしみじみ実感。本当に嬉しく感謝です。



雲に隠れた穂高岳の稜線と明神岳。 大きな懐のような岳沢。
蛇行して流れる梓川と赤い屋根の点々。 どっしり大きな霞沢岳。
もう一つの候補だった西穂独標は雲に隠れているので、今日は焼岳で正解でした。
ロープウエイの白い小さな箱が上がったり下がったり、ゆっくり交差しています。

焼岳山頂から望む穂高岳〜梓川〜霞沢岳
【焼岳山頂から望む穂高岳〜梓川〜霞沢岳】

焼岳火口湖
【北峰と南峰の間にあるエメラルドグリーンの火山湖   南峰は立ち入り禁止】

ゆっくり展望を楽しみながら食事をして、そろそろ下りる時間。今日はピストンなので、同じ道を下ります。

若い頃、焼岳は赤茶けたガレ岩山の印象でイマイチ登りたい山ではなかったけれど、今は人が多い。やはり百名山だからでしょうか。でも登ってみれば素晴らしい展望なので、同じように二度三度来ている人もいるんだろうなあと思いながら下って行きました。


ガレ石下り
【急なガレ石の斜面】

ガレ岩下りが終わり緩やかになった頃、双六岳方面の雲が少し途切れてきて稜線が見えてきました。山頂からならあの西鎌尾根の右に槍ヶ岳が見えるのですが、ここからだと見えません。でも少しでも遠くの稜線が見えたので嬉しく、安心満足して下りました。

笠ヶ岳〜双六岳方面〜穂高岳
【笠ヶ岳〜双六岳方面〜穂高岳】

振り返る焼岳
【振り返り見る展望台と焼岳】

展望台に戻り、焼岳や笠ヶ岳を振り返り見ながら、しばし休憩。青い空を見上げ深呼吸、もう一度北アルプスの空気をいっぱい吸ってから下山です。

焼岳小屋を過ぎ、笹の草地斜面を霞沢岳を見ながら下ります。こちら側に移ったら、急に暑くなってきました。

霞沢岳
【霞沢岳を見ながら笹草地の下り道】

あとは朝来た道を淡々と下るだけ。でも梯子もあるので慎重に下ります。とにかく気を抜いてはいけません。と、自分に言い聞かせながら、朝と同じ所で休憩して登山口に戻りました。高原の緩やかな山もいいけれど、やっぱり山はほどよい緊張感とほどよい疲れがあったほうが気持ちいい。今日はほぼ以前通りに回復したことを実感でき、とても満足。足取りも軽く嬉しい気分でバスターミナルへ向かいました。




田代橋を過ぎ、梓川のほとりに来ると大きな穂高岳。
山の神様、本当にありがとうございました。また来ます。

穂高
【穂高岳と梓川】

 大正池・焼岳の花々



前回の御岳山   HOME    山域別    次回の唐松岳