辺室山・大山三峰山

へんむろさん(644m)・おおやまみつみねさん(934m)


大山の北に位置する大山三峰山は、低山ながらもクサリ場など変化に富んだ楽しい山です。
そろそろ紅葉の頃ではと、一昨年2月とほとんど同じルートで辺室山から歩くことにしました。


2006.11.18
(土)
 土山峠辺室山煤ヶ谷
分岐
大山
三峰山
唐沢峠893m点大沢
分岐
ひょうたん
広場
日向
薬師
バス停
晴れ
のち曇り
 07:3508:35
08:45
09:40
09:50
11:00
11:10
12:25
12:55
13:1213:4514:35
14:55
15:35
15:55
16:00着
16:05発




本厚木駅6:55発、宮ヶ瀬行きのバスは煤ヶ谷で3人の単独男性が降りました。土山峠で降りたのは今日は私だけ。

すぐ後ろの登山口の道標には新しくヒルの注意書きが追加されていました。去年の異常発生以降、今年もこの辺は多かったようです。以前、宮ヶ瀬付近で見た看板には「6月~9月、注意」と書かれていましたが、ここのは「4月~9月」となっている。4月でも出るって事でしょうか。芽吹きや新緑の頃から、もう注意しなくてはいけないなんて残念。自然林の多い丹沢は、この頃が一番輝いていい季節なのに。

辺室山登山口
【土山峠 辺室山登山口】

登山口からいきなりの急登です。途中のモミの大木の根元に山の神が祀ってあるので、ご挨拶。2月にいた猿は今日は全く見かけず、紅葉にはまだちょっと早いかなという広葉樹林の道を登って行きます。


辺室山
【辺室山】

緩やかになって、広い林の辺室山に着きました。中央に山頂の標柱がありますが、全体が広い自然林です。ここまで来ると木々も色づき、今はまだ晴れて日差しがあるので黄色やオレンジが明るい。


辺室山からは緩やかな上下の道。所々、鮮やかな紅葉を見ながら進み、物見峠手前のピークに出ました。ここにも山ノ神が祀ってあり、ご挨拶。右(西)に鍋嵐山への踏み跡があり、ちょっと気になる道ですが、今日は左のスズタケの急下りへ。

地味な印象だった物見峠ですが今日は周りの木々もいくつか紅葉し見た目はいい感じです。

でも近づくと、ここの道標にも以前はなかったヒル注意の札が追加されていました。ここは十字路。煤ヶ谷や黒岩へ通じていて、ベンチもありますが、ちょっと座る気にはなれません。


物見峠
【物見峠】

すぐに続く急な段々を登って、748m点に着きました。山頂は自然林ですが、北側はすっきり手入れされた植林です。木々の間から丹沢三峰山方面が見えています。すぐ先が煤ヶ谷分岐で、ここにもベンチがあります。「この先地形が急峻。経験者向き、無理せず引き返す勇気が必要」と書かれた注意書きがあるところです。初めて来た時は一瞬躊躇し、行ける所まで行ってみようと進みましたが、きちんと整備されているので注意すれば大丈夫です。


塔ノ岳~丹沢山
【塔ノ岳~丹沢山】

やがて右側が崩れている所に出ました。ここからは塔ノ岳~丹沢山~丹沢三峰山が一望出来ます。丹沢山の右に蛭ヶ岳の頭がチラッと見えていますが、雲がかかり写真では分かりにくい。

北西方向から雲が迫ってきていますが、まだここは青空。光が降りそそぐ道は、明るく紅葉もきれい。せめて大山三峰山に着くまでは晴れていて欲しいけど、ちょっと無理そう。

明るい道
【明るい色合いの道】
崩壊斜面
【崩壊斜面の下の黄葉】

崩壊斜面の下の山肌は紅葉黄葉で、日の当たっている所はやはりきれいです。

色づいた木々も多くなり、やがて大山三峰山直下のベンチに着きました。以前ペン書きで「アケビ平」と書かれていましたが、今は消されています。

ここの山肌はとってもきれい。際立つ紅葉はないものの、赤・黄・オレンジ・薄茶・薄緑と、色とりどりの木々で飾られています。ベンチで、しばし休憩。

大山三峰山直下
【大山三峰山直下のベンチ】

ここからは急登です。段々やロープの滑りやすい急斜面を登っていくと、露岩も出てきて、最初のピークは北峰。ここを越えると、クサリ場が始まります。


クサリ場
【クサリ場】

狭い尾根は、短い梯子やクサリでよく整備されています。ところどころ根の浮き出た所もあって痛々しいけれど、とりあえず現在はこの木のお陰で何とか通れる道です。次のピークは中央峰。その次が山頂の南峰です。

大山三峰山 山頂に着きました。
が、空はすっかり曇り、ここには紅葉もありません。時間もまだ早いので、この先の紅葉のきれいな所でお昼にしようと思い、ここは休憩だけで出発。

大山三峰山
【大山三峰山】

一旦下って、またクサリ場を登り返しピークを1つ越えて、不動尻への下り口に来ました。左へ下れば不動尻ですが、このまま尾根伝いに進みます。


尾根伝い
【尾根伝いの道】

やや広めの尾根は株立ちの木々が点在し西側は紅葉している木も多い。地図に迷マークのある所は小広いピークで右(西)へ引き込まれやすい所ですが、左(南)よりへ進めば大丈夫です。

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この辺りは西側の紅葉がとてもきれい。光がないので鮮やかさはないけれど、しっとり淡い色彩が優しい秋の雰囲気を漂わせています。ゆっくり味わいながら、そぞろ歩き。


淡い色彩
【色とりどりの淡い紅葉】

紅葉
【秋色の木々】

モミの大木や紅葉を見ながら、緩やかな上下で唐沢峠と不動尻の分岐に出ました。ここは大山からの下山ルートになっているので、数人に行き交いました。このピークも小広い林で、休憩にいい所です。

右へ少し下った先が唐沢峠で東屋があります。今日はもう晴れそうもないので、ここでお昼。
帰りは途中まで梅ノ木尾根ルートを下ります。


唐沢峠
【唐沢峠】
梅ノ木尾根 入口
【梅ノ木尾根 入口】

唐沢峠から大山方面へ登り返し、コブを2回くらい越えるとモミの大木があります。その左に新しい道標が立っていましたが、この裏が入口です。しかし表示されているのは大山方面と不動尻方面のみで、一般ルートではない梅ノ木尾根への表示はありません。

ここからは滑りやすい落ち葉の急下りです。
足元に注意しながら下り、小さなピークを過ぎ、登り返して778m点に出ました。

この778m点は三叉路で、左(北)が梅ノ木尾根、右(南)は日向キャンプ場へ下りられます。新しい手作りの黄色い道標が立てられていました。

778m点
【黄色の道標 778m点】

木々の間から左の大山三峰山を見ながら下り、大沢分岐に出ました。ここで右の梅ノ木尾根と別れ、真っ直ぐ鐘ヶ岳方面へ進みます。滑りやすい急斜面になり鹿柵沿いに下って行くと、やがて植林になり下に東屋が見えて来ました。近づくと立派な道標もあり、左の不動尻方面を指して「巨木の森」と記されています。すぐ先にも道標があり、この辺は「すりばち広場」という所だそうで右下は「弁天の森キャンプ場」へ通じ、真っ直ぐは「見晴広場」と記されています。


鹿柵沿い
【鹿柵沿いの道】

鹿柵沿いに見晴広場方向へ進んで行くと右側が開け、見晴らしのいい明るい尾根道になりました。隣の梅ノ木尾根が見え、下の方に見えているのが日向山でしょうか。


登り返した小ピークには「見晴広場A」と書かれた古い板が置かれていました。広場というより、ちょっと見晴しのいい所といった感じの通過点です。そのまま平坦な道を7,8分行くと、今度は「見晴広場B」と書かれた板のある所に出ました。ここも木立の中の小さな高みで、左へ山神隧道方面への道が下りています。

真っ直ぐの尾根を5分ほど下った所にも道標がありました。尾根が分かれ、左「見晴広場」、右「ひょうたん広場、弁天キャンプ場」と記され、今来た方向は「すりばち広場」と表示されていました。

弁天の森キャンプ場からは日向薬師へ抜けられるようなので、右のひょうたん広場方面へ下ります。


ひょうたん広場 分岐
【左:見晴広場  右:ひょうたん広場】
急下り
【ロープの急下りが続く】

この先からは急下りになりました。滑りやすく、ロープ坂がずっと続きます。


ちょっと緩やかになった所に、また東屋がありましたが、ここはまたなんとも言えない雰囲気のある所でした。狭い大沢川に落ちる支尾根の途中の平坦地で、周囲は全て自然林の山。下界の音が遮断されているようで、聞こえて来るのは小鳥のさえずりのみ。
目を閉じてじっと耳を傾けていると、何やら深い森の雰囲気です。

雨も似合いそうで、緑滴る新緑の頃、この東屋で雨音を聞きながら本を読んだり、ぼーっとしたりするのも良さそう。でも沢が近いので、その頃になるとヒルが出てきそうです。

ひょうたん広場
【静かな森のひょうたん広場】

ひょうたん広場からの下りもまた急斜面。ロープ下りや朽ちかけた段々で下の大沢川に下り立ちました。ここにも道標があって、右(上流)へ行くと「五段の滝」というのがあるようですが、今日はもう左のキャンプ場へ進みます。


キャンプ場
【弁天の森キャンプ場 向こうに桟橋】

沢沿いの暗い植林の道を行くとキャンプ場が見えて来ました。そのまま左寄りに進んで行くと管理小屋があり横から林道が始まっています。

キャンプ場の横の小さな沢に桟橋が架かっていたので、渡ってみると案内板がありました。右の段々から日向薬師へ行けるようです。


苔むしてシダ類まで生えている段々は、あまり人が通っている雰囲気ではないけど登って行くとまた道標がありました。右は梅ノ木尾根、左は日向薬師を指しています。左へ巻くように山腹を進んで行くと、見覚えのある日向山分岐の十字路に出ました。ここからは何度か通った道。すぐ下から道なりに左へ行き、小さな梅園や駐車場を抜けて、日向薬師に着きました。参拝したり茶店で甘酒を飲んだりしながら、バスの時間まで休憩しました。


紅葉は辺室山の山頂あたりからきれいになっていました。大山三峰山も自然林が多く、変化に富んでやはり楽しい山でした。青空が朝だけだったのは残念ですが、紅葉の時期のわりに出会う人も少なく静かな山歩きが出来ました。今回初めて通った大沢分岐から東では、ひょうたん広場がとても静かで印象に残りました。



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