雨山・檜岳・伊勢沢ノ頭・シダンゴ山

あめやま(1176m)・ひのきだっか(1166m)・いせざわのあたま(1177m)・しだんごやま(758m)


雨山から檜岳を経て伊勢沢ノ頭へ向かう山稜は檜岳山稜と呼ばれ、
一般ルートの中でも比較的静からしいので、雨山周辺の紅葉なども期待して出かけました。


2006.11.3
(祝)
 寄ゲート鍋割峠
分岐
雨山峠雨山檜岳伊勢沢
ノ頭
秦野峠林道
秦野峠
シダンゴ
うす晴れ 07:35着
 07:35発
08:1509:40
09:50
10:30
10:40
11:1511:50
12:30
13:0013:45
13:55
14:1514:55
15:10
15:55着
16:20発



新松田駅のバス停は西丹沢行きは行列でしたが、隣の7:13発寄(ヤドロギ)行きはガラガラ。男性一人が乗っていましたが途中で降りました。終点の寄で降りて川沿いの車道を北へ真直ぐ行くと、右に公設トイレがありました。車の殆ど通らない道を、正面の雨山のなだらかな稜線を見ながら進みます。稲郷を過ぎると両側の山もやや迫って来て、向こうに赤い橋が見えてきました。橋まで来ると、手前には秋咲きの桜が咲いていました。右横のゲートをすり抜け、森林管理棟の前を進んで行きます。


雨山峠 登山口
【雨山峠 登山口】

整備された道を行く と、やがて雨山峠登山口に着きました。地図では右岸を行くように書かれていますが、ここからは右の植林の中を高巻くように登って行きます。


壊れて開いたままの防鹿扉を抜けたり、沢へ降りて徒渉したりして進んで行きます。大石ゴロゴロの河原では赤ペンキを探しながら進み、徒渉後も赤テープを探しながら進んで行きました。赤ペンキで右に折れる所が2ケ所ありますが、どちらも右折した後に道標が現れるので、どちらかというと下山用に整備されている様子です。かくれんぼのような道標ですが、あれば安心。

奥まって流れも少なくなった沢に下りましたが、相変わらず石ゴロゴロ。左の崩壊したとりつきに鎖が掛かっていました。正面右奥の沢に小さな滝が見えています。

鎖場を登り左上へ行くと、僅かな広さの植林になりベンチもありました。崩れ易い沢と自然林の中で、ちょっと違和感のある場所です。


クサリ場
【左にクサリ場  右奥に小さな滝】
鍋割峠分岐
【鍋割峠分岐】

次の沢へ鉄パイプ梯子で下りると、鍋割峠分岐でした。岩にペンキで三叉路の表示がしてあります。

左上へ登り、尾根を乗っ越すように回り込むと、この辺の山肌は淡く紅葉していました。しばらく明るい山腹道で、いい気持ちです。

沢の道
【明るい自然林】

その先で沢に下りると「荒天時注意」の看板や道標も多くなってきました。だんだん沢も狭まり、ここが道なの?というような沢の中を歩くようになりますが、この辺は道標がよく整備されているので、下の河原より分かりやすい道です。


梯子
【梯子 三代】

崩れ落ちたよう な狭い沢床になり、やがて梯子が3本見えて来ました。中央の苔むした初代の梯子と右の二代目の梯子は、根っこごと流されてきた木や土で塞がれたようになっています。

左に三代目の鉄パイプ梯子が設置されていました。注意書きの看板がいくつか立っていたように、この辺りは崩れ易い地形のようで確かに大雨の後は危なそうな所です。

狭いガレ沢を登って、ベンチのある雨山峠に着きました。富士山が見えるはずですが今日もまた雲と霞みで見えません。ここは狭いながらも落ち着く峠なので休憩。

雨山峠
【雨山峠】

ここからは尾根道。最初は急登ですが、雰囲気はよくて、一部狭い尾根は苔むしていていい感じ。木々の間から隣の石棚山や同角ノ頭が見えますが、檜洞丸はガスの中でした。


雨山へ
【雨山へ】

上に出ると尾根は広くなり、どこが道なのか分かりにくいけど、とにかく上へ向かって進みます。ほとんど落葉していましたが、淡い紅葉も少し残っていました。

雨山は広い頂稜ですが、一応ここが山頂のようです。南側が開け、秦野市街や相模湾が見えるのかも知れませんが、今日はぼんやり霞んでいました。西には、これから向かう檜岳(ヒノキダッカ)と伊勢沢ノ頭が並んで見えています。

雨山 山頂
【雨山 山頂】
ブナ林
【ブナ林】

この先はブナが多くなり、雰囲気のいい道になりました。ブナはもう落葉していましたが所々にカエデなどあり、見上げるとオレンジ色の葉が日に透けてきれいです。

緩やかなブナ林を端まで進むと下にベンチがありました。向こうに次の檜岳が見えています。

檜岳へ
【檜岳へ】

檜岳
【檜岳 山頂】

登り返して、ちょっと暗い雰囲気の山頂に出ました。ここが檜岳の山頂のようです。
ここにはご夫婦と単独男性の二組がいて、今日出会う初めての登山者です。温かいうどんを作っていたら3人グループが到着。普段は少なそうな山稜ですが、今日は祝日連休。これでも多分いつもより賑やかだったのだと思いました。

南側は植林、北側は低木で僅かに開け、雲に隠れた檜洞丸方面が見えます。苔むした古いベンチが6個もあるので、昔はきっと見晴らしのいい展望地だったのかも知れません。今はその面影もなく道標も朽ちて、一層侘しい感じがします。日差しがないので余計そう感じるのかも。


次の伊勢沢ノ頭へ向けて歩き出すと、広い平らな尾根には滑らかな白っぽい幹のヒメシャラの木が目立ってきました。細めのブナも混じった林で、右の鹿柵沿いに平坦な道が続いています。

緩くカーブしながら進むと、明るく開けた草地に出ました。多分、ここはこのルートで一番の展望地。晴れて富士山も見える日なら、ここで景色を眺めながらお昼にするのがいいかも知れません。

向こうに伊勢沢ノ頭が見えていて、霞みながらもポツポツと紅葉が優しい色をしています


伊勢沢ノ頭へ
【伊勢沢ノ頭へ】
伊勢沢ノ頭
【伊勢沢ノ頭 右は山神峠】

下って登り返し、緩やかな道になると右に赤テープがありました。山神峠へ下る入口のようで、明るい自然林ですが見た目は急です。

伊勢沢ノ頭の山頂はこの少し先で、古い道標が立っていましたが、全体が広いので雰囲気はただの通過点です。

山頂の先からは急下りで、一旦緩やかな山腹道になりますが、その後、鹿に皮を食べられてしまった木々が現れ、しばらくは鹿柵沿いの急降下です。

急下り
【鹿柵沿いの急下り】
秦野峠
【秦野峠】

ロープのガレ斜面を過ぎた先の、植林の中に秦野峠がありました。横の小さな草地にベンチがあるので休憩。目の前はダルマ沢ノ頭あたりですが、どうやら杉山のようです。

秦野峠からシダンゴ山は左に見えるけど、ルートは右へ回り込むようにつけられているので、道標に従って北西へ向かいました。

地図では平坦なトラバースですが、実際は崩れた斜面の登り。本当にこの道でいいのかなと思いながら登って行きました。

登り返す
【868m点まで登り返す】


上がった所には、西へ向けて細い道がついていました。日影山へ続く尾根のようです。南へ折れ、更に登ったピークが868m点のようで、ここにシダンゴ山への道標がありました。


ヤブ道
【狭いススキ道】

ここからの下りが大変。右側に有刺鉄線の柵が張られた急下りで、左はススキなどのヤブ。

途中から左側も柵になり、藪で滑らないよう足元ばかり見ながら狭い道を下って行くと、顔のすぐ前に有刺鉄線! 柵がこちら側に倒れかかるように傾いていて、もう少しでアブないオニイサンになるところでした。

ヤブは7,8分の下りでしたが、けっこう長く感じて、林道に下り立った時はやれやれでした。いつもは興ざめの舗装林道も、この時はのびのび爽快。

両手を振って左へ進むと、大きな石碑に「秦野峠林道」と刻まれていました。ここは三叉路で、左は朝通ったゲート方面、右がシダンゴ山方面です。

林道秦野峠
【林道秦野峠から登山口を振り返る】

右へ進むと、すぐにダルマ沢ノ頭への登り口が見えて来ました。道標には「シダンゴ山」と記されていますが、植林っぽいし、時間もないのでそのまま林道を進みました。ススキや野菊の咲く道を、左手に見える今日の檜岳山稜を眺めながら歩いて行きました。やがて左に道標が現れ、左折。すぐに分岐で宮地山への道を右に見送り、真っ直ぐ植林を登って行きました。


シダンゴ山
【シダンゴ山】


シダンゴ山に到着。周りはアセビなどが植樹され、ベンチもあって、ここは公園風です。今日歩いた檜岳山稜の展望台のような山で、一望できますが鍋割山や塔ノ岳方面は雲の中でした。

変わった名前の山だなあと思っていましたが、石碑には 「シダンゴ(ウ)は古来震旦郷と書き、震旦とは中国の旧異称。寄に仏教を伝える仙人がこの山上に居住し、その仙人をシダゴンと呼んだことから地名が起こった。シダゴンとは梵語で羅漢(悟りに達した人)を意味し、シダゴン転じてシダンゴウ(震旦郷)となった。」というような事が書かれていました。

下りはずっと整備された植林で、車道に出た後、途中で右の登山道を通ることも出来ます。防鹿扉を開閉して出ると茶畑で、あとは畑など見ながら寄のバス停へ向かいました。

帰りは10数人乗ったのでバス会社も少しはホッとしたのでは、と私もホッとしました。


茶畑
【茶畑 下が寄】

雨山峠までは沢沿いの道ですがけっこう変化があって、次はどんなかなと面白い道でした。河原は分かりにくいところもあったけど、赤テープや赤ペンキに助けられました。雨山の山頂先のブナ林は気持ちのいい林でしたが、雲が多く紅葉もイマイチだったせいか、檜岳や伊勢沢ノ頭などは何やら寂しい雰囲気の山稜でした。静かなので、春の新緑の頃なら明るくいい雰囲気かも知れません。



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