八本歯ノ頭・ボーコン沢ノ頭

はっぽんばのあたま(約2920m)・ぼーこんさわのあたま(約2830m)
2006年10月8日(日)〜9日(祝)


日本第二の高峰、北岳の大樺沢は秋になるとダケカンバの黄葉がきれいだそうです。
人の少ないボーコン沢ノ頭からの展望も楽しみたいと連休の混雑覚悟で行ってきました。


2006.10.8(日) 広河原大樺沢
休憩
二俣八本歯ノコル八本歯ノ頭ボーコン沢ノ頭八本歯ノ頭北岳山荘
晴れ
(強風)
 06:10着
 06:45発
07:50
08:00
09:00
09:10
11:3011:45
12:15
13:00
13:05
13:50
14:05
15:25着



10月の連休は北アルプスの紅葉を見に行こうと思っていましたが、雨雲が張り付いたような荒天。7日は見送って、天気の良さそうな南アルプスの北岳へ行くことにしました。今回もムーンライト信州号を利用し甲府駅2:21着。4:00始発のバスに乗って広河原へ向かいました。

バス停は以前のアルペンプラザ前より2、3分くらい奥の広場に変わっていました。バスを降り、北岳を仰ぎ見ればうっすら白くなっていて、青空は見えているものの風が強い。上は相当、寒そうです。プラザ2階で温かい缶コーヒーを飲み、朝食を摂って出発。


北岳
【吊り橋から見る北岳】

ゲート先の吊り橋からは、朝日に照らされた白い北岳が更にはっきり見え、山頂には雲が絡みついています。

吊り橋を渡り広河原山荘の横から登り始めると、強かった風もあまり当たらなくなり、ほどよい風になりました。


樹林の道を緩やかに登って行くと、しばらくして白根御池との分岐。帰りもここに出てくる予定で、往きは左の大樺沢沿いの道を進みます。大樺沢コースは広葉樹の中を登って行きますが、このあたりはまだうっすら色づいた程度。横を流れる沢の音を聞きながら緩やかに登って行きます。

ノコンギクがあちこちに咲いていましたが、沢近くにフジアザミも咲いていて、大きな花をつけていました。富士山周辺や丹沢に多い花と思っていましたが、南アルプスで、しかもこんな寒い時期に咲いているなんてびっくりです。


フジアザミ
【沢沿いのフジアザミ】

左岸から右岸に渡り、途中で休憩タイム。二俣までは長いので、皆さんも思い思いの場所で休憩しています。紅葉時期の連休。人も多く、前後の人たちと抜きつ抜かれつしながら登って行きました。やがて周りの木々もやや色づいた雰囲気になり、再度左岸に移り灌木帯を抜けると、大樺沢全体が見渡せるようになってきました。前方に見える北岳の下には黄葉が広がり、右の斜面にはダケカンバがいっぱいです。


二俣
【二俣】

二俣に到着、ここには大勢の人が休んでいました。
上は相当風が強いようで、雲の形は次々変わり、流れが早い。この道は北岳の大きな山容の懐に抱かれたようなルートなので、風は強いものの直接当たる事はありませんが、今日の山頂は強風でちょっと大変そうです。

バットレスを見上げたり、両側に広がる黄葉紅葉を眺めながら休憩。ここからは右俣コースへ向かう人も多いようです。

二俣の先からは更に岩ゴロゴロの道になりました。北岳直下から見上げれば、紅葉黄葉が輝くように広がっています。今日の青空が本当に嬉しい。

北岳直下の紅葉
【北岳直下の黄葉】
右俣コース
【右俣コースが見える】

振り返って見る斜面の向こうには右俣コース方面が見え、あの辺りは一面ダケカンバのきれいな黄葉。稜線に向かって筋のように見えるのは登山道でしょうか、赤や緑がアクセントのように目立ちます。

後ろに見えていた高嶺や観音岳も、だんだん目の高さになってきました。今日は鳳凰三山も賑やかそう。

大樺沢と鳳凰三山
【大樺沢と鳳凰三山】
バットレス直下
【バットレス直下】

右側のバットレスもよく見えるようになり、あの大きな断崖絶壁には幾つものルートがあるようで、あちこちにパーティが張り付いています。

私は安楽な水平道が好きですが、厳しい垂直道に挑んでいる人達には本当に敬服してしまいます。

だんだん傾斜も増して来て、急登が続くようになってきました。右から聞こえてくるクライマー達の掛け声を聞きながら、黙々と登って行きます。

かなりの急登なので随所で休んでいる人も多く、私も30分毎に休憩しながらゆっくり登って行きました。
空の雲の動きが速い。

大樺沢上部
【大樺沢上部】
梯子
【梯子が続くようになる】

やがて梯子が現れました。ここからは短い梯子が続くようになります。黄葉のダケカンバが日に透けて、とってもきれいです。

梯子を何度も登って上に近づくと、葉を落とした木々に、なんと、霧氷が着いていました。
こちら側の風はあまり強くないので、まだ残っていてくれたようです。本当に、なんてきれいなんでしょう!

青い空に向けて白く輝く木々は、まさに氷の花が咲いたよう。キラキラと繊細で、思わぬ光景にとても嬉しくて感激。とっても感動してしまいました。

霧氷
【青い空に輝く霧氷】
八本歯ノ頭
【八本歯ノ頭も霧氷】

左側の八本歯ノ頭も、霧氷で飾られています。
ギザギザの岩稜で面白そう。前回はガスで行き損なったので、今日はボーコン沢ノ頭まで行ってみようと思っています。

八本歯ノコルに着きました。
北岳へのルートとして、広河原へバスが通じる今は大樺沢からの道が一般的ですが、昔はこの池山吊尾根が利用されたそうです。現在は冬期ルートとして登られる事が多く、無雪期は歩く人も少ないらしい。


すぐの梯子を登ると、狭い岩稜。ちょっと危なそうだけど、足場はあるので注意して登れば大丈夫です。

八本歯ノコル
【八本歯ノコル】
八本歯ノ頭から
【八本歯ノ頭から富士山】

コルから15分ほどで、八本歯ノ頭に着きました。
真正面には富士山が見え、広々とした素晴らしい眺めです。すぐ下のケルンの横には、テントが1つありました。

初雪をちょこんと載せた富士山は、初々しいような何やらちょっと可笑しいような姿です。


右手には間ノ岳が悠然と横たわり、あちらも山頂は霧氷で白くなっています。
その左には農鳥岳。 中白峰から下った所に北岳山荘も見えています。

農鳥岳〜間ノ岳〜北岳山荘
【農鳥岳〜間ノ岳〜北岳山荘】

左手には、これから向かうボ−コン沢ノ頭への緩やかな稜線。
円やかな山頂の向こうは夜叉神峠から登ってくる辻山でしょうか。
鳳凰三山もすっきり見えて、気持ちよさそう〜 あそこでゆっくりしよう。

ボーコン沢ノ頭へ
【ボーコン沢ノ頭へ続く緩やかな稜線と鳳凰三山】

その前に、とりあえず昼食。上空は相変わらず強い風に雲が流れていますが、ここは大きな北岳の陰で、時々強い風が吹くくらい。岩陰に座れば、爽やかな日差しで、気持ちのいいピークです。広大な景色を眺めながらお昼を済ませ、ナップザックにお茶とお菓子と上着を入れて出発。
岩場を少し下るとケルンがあり、テントの人は不在のようです。その先、短い急下りの後はずっと緩やかな道。細いながらもはっきりとした道が、ハイマツの中に続いています。

中間のカーブする辺りにも古いケルンがあります。ここからはバットレスの全容を見る事ができ、凄い迫力。左手前の小ピークが八本歯ノ頭です。


北岳バットレス
【北岳バットレスの全容】

この先、ボーコン沢ノ頭へ向かい始めるとだんだん風が強くなってきました。緩やかに下り、ハイマツの中を進んで行くと更に強い風。広い尾根なので滑落の危険はないけれど、何やら転がりそう。のんびり稜線漫歩という雰囲気ではなくなりました。


ボーコン沢ノ頭
【ボーコン沢ノ頭】

時々よろけながら、ようやくボーコン沢ノ頭に到着。ガレ石の広い山頂です。ガスや吹雪の日は方向を失いそうで、山頂に建つケルンの南面には「南・池山吊尾根砂払い」などと表示されていました。

北にも伸びやかな尾根が続いていて、鳳凰三山が正面。辻山や大崖頭山など夜叉神峠からのルートが一望できるので、強風でなければゆっくりコーヒータイムにしたい所ですが、今日はそれどころではありません。凄まじい風に、足を踏ん張りながら写真を撮って、急ぎ退散です。今日、北岳山頂の人は本当に大変だったのではとつくづく思いました。


向こうには甲斐駒ヶ岳や八ヶ岳も見えていましたが、両方とも山頂には雲がかかっていました。中間ケルンまで戻ると風も少しはマシになり、あとはゆっくり八本歯ノ頭まで戻りました。ザックをまとめて、今日の宿北岳山荘へ向かいます。

慎重に狭い岩尾根を下って行くと、コルを通過する人たちが見えます。この時間はもう人も疎らになりました。



八本歯ノコルに下り立ち、ここからは山頂方向へ長い梯子を登り、岩場の急登です。


八本歯ノコル
【中央が八本歯ノコル、人が見える】

まもなく山頂と巻き道の分岐に到着、左の巻き道へ進みます。以前夏に来た時は、この北岳の南東斜面はまさに高山植物のお花畑。いろいろな種類の花がひしめき合うように咲いていました。その時は「わ〜!」とか「きれ〜い!」とか言いながら右に左に首を振りながら歩いただけですが、ここで花の写真をひとつひとつ撮っていたら相当時間がかかりそうです。


北岳山荘へのトラバース道
【北岳山荘へのトラバース道】

なかほどへ進むと、岩肌をへつるように木組みの梯子道。見た目は崩れ落ちそうな雰囲気ですが、案外しっかりしているので一人づつ通れば大丈夫です。

しかし、この設置は大変な作業だったでしょうね。感謝しつつ進みました。

途中で覗く下の斜面は北沢へ向けて落ち込み、両側には黄葉した木々が夕陽に輝いていました。

山頂からの稜線と合流し、北岳山荘に着きました。手前にテント場がありますが、稜線から少し東へ下がっているとは言えけっこう強い風当たりです。
左に見える富士山は、この時間でもまだくっきり見えていました。

北岳山荘
【北岳山荘】

宿泊申し込みをして、大部屋へ。連休なので大混雑を覚悟していましたがそれほどでもなく、一人1枚の割り当てです。大樺沢では行列でしたが、肩ノ小屋へ泊った人が多いという事でしょうか。一休みして外へ出てみました。雲はすっかり吹き飛ばされ、快晴。しかし何と言っても風が強過ぎ。外でのんびり景色を楽しむという事もできないので、再び小屋へ戻りました。

4:30頃に団体さんが到着。7枚の布団が6列ならんだ大部屋は急きょ詰め合わせる事になり、7枚に10人という割り当てになりました。でも紅葉の連休なので、このくらいはまあまあというところでしょうか。夕焼けも甲府方面の夜景も、強風でとんでもなく寒いのでチラっと見ただけで退散。星も見れずに早々と寝る事にしました。



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