烏帽子岳

えぼしだけ(2628m)
2006年8月1日(火)~5日(土)


2006.8.5(土) 烏帽子小屋ニセ
烏帽子
烏帽子岳四十八池烏帽子小屋三角点登山口高瀬ダム
快晴 05:50発06:05
06:15
06:35
06:50
07:30
07:50
08:40
08:50
09:35
09:40
11:1511:45着
12:10発



日の出は小屋の裏からですが、5時からの朝食なので食堂へ行くと、窓からはきれいな朝焼けの赤牛岳~読売新道が見えました。今日も素晴らしい快晴のようで、感謝。

赤牛岳
【朝焼けの赤牛岳~読売新道】

食後、バンダナの彼女は野口五郎岳へ向けて出発準備。私と逆コースで黒部五郎岳へ行き、更に薬師岳から五色ヶ原、立山そして天気がよければ剱岳へも登る予定とのこと。凄いなあ~  この夏は高気圧が1つ西に頑張っているので、日本海側のお天気は持ちそうです。良かったですね。気をつけて、頑張って、行ってらっしゃ~い!!  一緒に記念写真を撮って見送りました。

その後、私は必要な物だけ持って烏帽子岳へ向けて出発、昨日と同じ道を進みました。今日のニセ烏帽子岳は素晴らしい展望。目の前の烏帽子岳は、昨日にもましてキリッとした姿です。


烏帽子岳へ
【烏帽子岳へ】

昨日素通りした山頂分岐から左へ入り、山腹を右へグルッと巻くように進んで行きます。途中短い鎖場が2、3ヶ所あり、気をつけながら登って行きました。

烏帽子岳の山頂は狭いけど道標の横に上がり岩から向こうを覗くと五色ヶ原~立山が目の前。

あの道も気持ちよさそう~! 
彼女があそこを歩くのは何日目かしら。

烏帽子岳
【烏帽子岳 山頂】
四十八池
【下に四十八池が見え、向こうに針ノ木岳】

今日はもう下山するだけ。時間はたっぷりあるので、また四十八池を散歩することにします。鎖場を慎重に下り、昨日の道をまた進みました。

昨日と同じ道だけど、西からの日差しと東からの日差しで微妙に雰囲気が違う。朝はやっぱり爽やか。それに何と言っても空が青い!こんな快晴の日に帰るなんて、もったいない。

また四十八池の端まで来ました。七倉岳方面へ縦走する道が残雪の上についています。

四十八池
【四十八池と南沢岳】
ニセ烏帽子岳と烏帽子岳
【烏帽子岳   左奥がニセ烏帽子岳】

青い空を映した水面はシーンと静か。時間が止まったような朝の光の中、池の傍の岩でしばらくボーッとしていました。


そろそろ戻ろうと、来た道を引き返しニセ烏帽子岳まで来ました。烏帽子岳は山頂が狭く、岩に隠れる山もあるけど、ニセ烏帽子岳の大岩の上は360度の展望。太陽が高くなり、青空の下、稜線も明るくすっきり見渡せるようになりました。読売新道も魅力的でいつか歩いてみたいけど、人が少なすぎるのも・・・

水晶岳~赤牛岳 奥は薬師岳
【三ツ岳      水晶岳~赤牛岳~読売新道       薬師岳】


烏帽子岳と五色ヶ原~立山
【薬師岳から右に続く越中沢岳、五色ヶ原、立山方面と、今登ってきた烏帽子岳。】


昨年歩いた針ノ木岳から蓮華岳の稜線もすっきり。手前の不動岳や七倉岳の崩壊斜面が痛々しい。遠くに見えるのは白馬あたりと鹿島槍か爺ヶ岳でしょうか。

針ノ木岳~蓮華岳
【針ノ木岳~蓮華岳  手前は不動岳~七倉岳】

そして東側は餓鬼岳から燕岳の稜線のシルエット。その間に、遠く、八ヶ岳が浮かんでいます。それにしても、今日はなんてきれいな空なんでしょう。多分、今日が一番いい天気・・・

餓鬼岳~燕岳
【唐沢、餓鬼岳~燕岳   遠くに八ヶ岳】

あまりに天気がいいので後ろ髪を引かれる思いで、振り返りつつ小屋まで戻りました。正面の景色を見つつ出発の準備。こんな時間までうろうろしている人はいません。私もそろそろ下りなくちゃ・・・


烏帽子小屋ベンチから
【烏帽子小屋ベンチから】
ブナ立尾根へ
【ブナ立尾根へ】

小屋の裏手に登り、ここからブナ立尾根の下り。左下に見えるダムは七倉ダムでしょうか。
仕方ないけど、さあ下山。

眩いほどのダケカンバの緑の樹林帯。今日は土曜日。早くも下から第一陣が登って来ました。時々道を譲りながら下って行きます。

クガイソウが咲く左側は、南沢乗越が大きく崩壊し、白く荒れた山肌を曝していました。

南沢乗越
【クガイソウと南沢乗越】

三角点の木陰ベンチでしばし休憩。途中ポイント毎に番号が記されていて、上のNO.1から登山口のNO.12まであるそうです。ただひたすら下る道でも、番号が進めば自分の位置が分かり便利、登りの場合はとても励みになりそうです。


NO.6
【NO.6 ポイント】


次々と人が登って来ますが、この尾根は途中平坦な遊びの部分がほとんどなく、ずっと登り詰め。NO.6ポイントはちょっと広めなので、登りの場合はいい休憩ポイントのようです。

NO.9を過ぎた頃、下に下山中の女性二人が見えました。高瀬ダムからはタクシーですが、お二人は予約してあるとのこと。相乗りをお願いし一緒に下りました。

やがてアルミ製の階段が現れ、間もなくNO.12の登山口に着きました。

右側から雪崩があったようで、「水場は使用不可」の札が掛かっていました。

正面は真っ白な砂地の先にダム湖が光っていて、真夏の太陽が燦々。目眩しそうなくらい明るい道なのでサングラスをして進みました。濁沢に掛かる吊り橋を渡り、振り返ると遠くの沢の下に小さな白い滝が見えていました。


登山口
【雪崩で水場使用不可の登山口】
高瀬ダム
【高瀬ダム】

高瀬ダム湖にはブルドーザーが入り工事中。キャンプ場を通り、灯りのあるトンネルを抜けると高瀬ダムです。

山あいに淡いグリーンの水を湛えたダムを横切り、ここでタクシーを待ちました。


お二人に「どこか温泉へ寄りたいけど、知ってます?」と聞かれたので、私が行こうと思っていた薬師の湯(600円)へ行く事にしました。大町温泉郷の「薬師の湯」は長い廊下にザック置き専用のシートがあり、登山者の利用も多いので、他の観光客に気兼ねなく利用できるので便利です。私は二回目の利用で、今回も新館のお風呂しか入らなかったけど、他にも「体験風呂の館」があり、いろろいろな泉質のお湯(単純泉、含食塩泉、含重曹泉、含硫黄泉)を楽しめるお風呂や箱蒸し(個人用サウナ)、露天風呂などあるようです。畳敷きの広間ではビールやちょっとしたおつまみがあり、うどん蕎麦など軽食もできますがきちんとした食事をしたい人は歩いて2,3分のバス停へ行けば食堂やおみやげ屋さんが並んでいます。

タクシーは途中から大町駅まで行く夫婦連れも乗せたので、結局1人1500円で済みました。「薬師の湯」入口でお礼を言い、一旦別れたものの、入浴後の広間でまた一緒になりました。お二人は信濃大町5時発の新宿行きのバスで帰られるとの事、ちょっと遅いけど便利なバスがある事を知りました。


黒部五郎岳から見る雲ノ平は残念でしたが、三俣蓮華岳では周りすべて山で、素晴らしい展望を楽しめました。ワリモ岳から水晶岳では花が多く、暮色に沈む雲海の槍ヶ岳は心に残りました。野口五郎岳から見ると印象の薄い水晶岳は、やはり雲ノ平のアルプス庭園から見るのが一番美しい姿だと思います。野口五郎岳の稜線はほぼ真直ぐなので景色に変化がないけれど、眺めは素晴らしいので立山・白馬を見ながら下るのも、槍ヶ岳を目差しながら登るのもいいと思います。梅雨明け直後でしたが全体的に静かなルートで、後半は青い空に感謝の夏の北アルプスでした。

 黒部五郎岳~烏帽子岳の花々



前日の野口五郎岳    HOME    山域別    次回の三ッ峠~本社ヶ丸